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2014年7月26日 (土) 21:15時点における版
田園都市線(でんえんとしせん)は、東京都渋谷区の渋谷駅から神奈川県大和市の中央林間駅までを結ぶ東京急行電鉄(東急)が運営する鉄道路線である。路線図や駅ナンバリングで使用される路線カラーは緑色、路線記号はDT。正式略称はないが、東急や鉄道ファンなどからは田都(でんと)と略称される[1]。
なお、渋谷駅から二子玉川駅まではかつて新玉川線(しんたまがわせん)という名称の別路線であったが、2000年以降は田園都市線の一部となっているため、この項目で記述する。
概要
東京都心の繁華街の一大ターミナルである渋谷駅から郊外の住宅地域を経て中央林間駅を結ぶ通勤・通学路線であり、東横線と並ぶ東急の基軸路線である。
路線の名称は、東急が田園都市線とともにエベネザー・ハワードの提唱した田園都市構想を用いて建設を行った「多摩田園都市」に由来する。溝の口駅以西はこの「多摩田園都市」の中核をなす交通機関として建設された。多摩田園都市地域のニュータウンとしての発展とともに、同地域の最も主要な交通機関として機能している。
また、渋谷駅から二子玉川駅までの区間は玉川線を継承する代替路線として建設された地下路線で、1977年4月7日の開業時から2000年8月5日までは「新玉川線」と呼ばれていた。線路の直上にある国道246号および首都高速3号渋谷線の周囲はビル街となっているが、さらにその周囲は世田谷の閑静な住宅街となっており、この区間はこれらの地域の住民の足でもあるため、利用者が終日にわたり比較的多い。
現在の田園都市線は、純粋な通勤・通学路線としての性格が強い多摩田園都市地域を走行する溝の口駅以西の区間と、かつて新玉川線と呼ばれていた渋谷駅から二子玉川駅までの地下区間、そして両区間より以前からあった二子玉川駅から溝の口駅までの区間が一体となって形成されている。渋谷駅 - すずかけ台駅間はおおむね国道246号(玉川通り・厚木街道)に沿って建設されている。
多摩田園都市地域やあざみ野駅で接続する横浜市営地下鉄沿線である港北ニュータウンの人口が増加するにつれて混雑が激しくなったため、朝ラッシュ時の混雑は東京圏の大手私鉄のなかでも高くなっている[2]。
大井町線直通列車を除き、全列車が10両編成で運行される。また、朝ラッシュ時間帯に痴漢防止対策として女性専用車両を設定しているほか、混雑緩和対策の一環として一部の列車に6ドア・座席格納車両を連結している(詳しくは「6ドア・座席格納車両」の節を参照)。
直通運転
詳細は「運行形態」
田園都市線の起点である渋谷駅において東京メトロ半蔵門線との相互直通運転を実施している。早朝・深夜時間帯や土曜・休日ダイヤの夕方の一部急行、日中時間帯に各駅停車が毎時2本渋谷駅始発の田園都市線列車が設定されている。
また、半蔵門線の終着駅である押上(スカイツリー前)駅からは、東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)を経由して伊勢崎線久喜駅および日光線南栗橋駅まで相互直通運転を実施している。
このほかにも、大井町線の一部列車が田園都市線との直通運転を行っている。
路線データ
- 路線距離(営業キロ):31.5km
- 軌間:1067mm
- 駅数:27駅(起終点駅含む)
- 複線区間:
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 閉塞方式:車内信号閉塞式 (東急新CS-ATC)
- 最高速度:急行110km/h(藤が丘駅 - 中央林間駅間のみ)・各駅停車100km/h
沿線風景
田園都市線は全体として勾配の多い路線であるが、掘割、隧道を多用しているため曲線は緩く、線形は比較的よい。また、1989年に田奈駅 - 長津田駅間の田奈1号踏切が廃止されたことで、営業区間には踏切が一つも存在しない路線となっている。地上区間は急なカーブのある二子玉川駅東側 - 高津駅間、梶が谷駅と江田駅、鷺沼駅の西側および長津田駅の前後は徐行するものの、それ以外はほとんどの区間を最高速度100km/hで走行し、さらに藤が丘駅前後とつくし野駅以西は110km/hで走行する。また、地下区間は最高90km/hで、急なカーブのある桜新町駅東側と渋谷駅西側はおおむね65km/h、および通過線の設けられていない池尻大橋駅、三軒茶屋駅、駒沢大学駅、用賀駅の各駅は75km/hで走行する。
なお、以下の沿線風景は、起点の渋谷駅から終点の中央林間駅に向けて乗車したと仮定した際の風景である。
渋谷 - 二子玉川間
渋谷駅から二子玉川駅の手前までは武蔵野台地の地下を走る。この区間はかつて新玉川線という名称であった。また、同線の開業前は路面電車である玉川線が1969年まで運行されていたが、その敷地は田園都市線と首都高速3号渋谷線の建設用地に利用されている。
渋谷駅はJR線の駅の北側に建設され、道玄坂の下からは国道246号(玉川通り)と首都高速3号線の直下を進む。三軒茶屋駅ではかつての玉川線の支線だった世田谷線が接続するが、田園都市線は地下を走っているためにその姿は確認できない。 駒沢大学駅の先(西側)からは玉川通り旧道に沿って、玉川通りや首都高速の北側に迂回する。瀬田交差点の直下で玉川通りを横切って南側(東側)に抜け、間もなく国分寺崖線を出口として地上に現れる。同区間は複線構造であり、急行列車は地下駅のプラットホームを通過するが、桜新町駅ではプラットホームと壁で仕切られた通過線を走行するため、急行列車の乗客は桜新町駅の姿をほぼ確認しないまま同駅を通過する。
二子玉川 - 溝の口間
二子玉川駅のプラットホームは南側(先頭車両寄り)で多摩川の橋梁上にかかり、かつては併用軌道橋だった二子橋を右側(西側)に見ながら同川を渡る。渡ったすぐ先に二子新地駅があり、ここから溝の口駅までは多摩川の氾濫原を高架で進む。この区間の両側は二子から溝口にかけて比較的古くからの住宅地を貫いている。
この区間は1927年(昭和2年)に玉川電気鉄道溝ノ口線(軌道線)として開業し、後に東急玉川線、大井町線、田園都市線と改称・再編、東急大井町線の延伸などを経た(#歴史を参照)。この間、高架化(1966年)・複々線化(2009年完成)などが実施されたものの、軌道敷(溝の口駅付近を除く)と中間駅は開業時より現在まで引き継がれている。
溝の口 - 田奈間
溝の口駅の南側にあるトンネルを皮切りに、起伏の多い多摩丘陵を貫通する。カーブ、トンネル、切り通しあるいは高架が連続し、地表を直線的に進む区間は少ない。列車から見ると、列車と地表の位置関係は目まぐるしく上下に変化しているように見える。この区間の沿線は田園都市線とともに建設された多摩田園都市地域にあたり、沿線は比較的新しいニュータウンの住宅地が広がっている。車窓の両側には丘という丘に住宅が建設されているのが見えるが、公園や街路樹が多いため、建てられている住宅の数の割に緑を比較的多く感じることができる。
鷺沼駅の手前(北東側)には東京地下鉄の鷺沼車両基地が設けられている。同駅からたまプラーザ駅の間でくぐる小さなトンネルが川崎市と横浜市の市境となり、そのすぐ先で東名高速道路が田園都市線の上を通る。首都高速3号渋谷線に接続する東名高速は田園都市線の沿線に沿って建設され、江田駅では駅の出入口のすぐ前を同高速が通り、市が尾駅と藤が丘駅の間では同高速と国道246号を結ぶ横浜青葉インターチェンジが田園都市線をまたいで建設されている。
この区間は、この先の長津田駅までが1966年に開通しており「田園都市線」として新規開業したいわば1期区間である。
田奈 - 中央林間間
田奈駅のすぐ先で鶴見川水系の恩田川を越えると周囲は平坦になり、宿場町として古くからの街並みも残る長津田地区に入る。左側にJR横浜線が近づくと長津田駅に到着する。同駅では右側へ東急こどもの国線(東急が横浜高速鉄道から運営を受託、同線内には東急および横浜高速鉄道の車両整備等を行う長津田車両工場がある)が分離する。田奈駅・長津田駅の駅勢圏は東急の「多摩田園都市」エリアではないため東急による開発は行われていない。このためこの2駅間の沿線風景は、当線の沿線風景としては異質となっている。
長津田駅の先(西側)で横浜線をオーバークロスし、相模原台地を高架やトンネルで抜ける区間になる。横浜線のオーバークロス地点の少し先で横浜市から東京都町田市となり、駅の手前で国道16号(大和バイパスが工事中)の下をくぐる南町田駅とつきみ野駅の間にある境川で神奈川県大和市に入る。つきみ野駅を出て住宅地の中を進むとやがて地下線に入り、終点の中央林間駅へ到着する。中央林間駅は小田急江ノ島線の南東側に設置されている。
長津田までは上記の通りに1966年に開通したが、その先はつくし野駅(1968年)、すずかけ台駅(1972年)、つきみ野駅(1976年)と徐々に西方へ路線が延伸され、1984年4月9日に中央林間駅までの全線が開業した。
歴史
玉電時代・溝ノ口線の開業
現在の田園都市線で最も早く開業した区間は二子玉川 - 溝の口間であり、1927年(昭和2年)7月15日に玉川電気鉄道の溝ノ口線(軌道法に基づく軌道)として開業した。この玉川電気鉄道は1938年(昭和13年)に(旧)東京横浜電鉄に買収・合併され、翌1939年(昭和14年)には(旧)東京横浜電鉄が目黒蒲田電鉄に吸収合併、そして目黒蒲田電鉄が逆に(新)東京横浜電鉄と改称された。その後1942年(昭和17年)に、小田急電鉄と京浜電気鉄道を合併して東京急行電鉄(大東急)となった。
大井町線への編入および田園都市線への名称変更
溝ノ口線は玉川線との直通運転を基本としていたが、戦争に伴う輸送力増強のため一般鉄道用車両を通すことになり、1943年(昭和18年)7月1日に軌間が1372mmから1067mmに改軌されるとともに大井町線に編入され、1945年(昭和20年)に地方鉄道法に基づく鉄道に転換された。この結果、大井町線は大井町 - 二子玉川 - 溝の口間という運転系統となる。その大井町線も1963年(昭和38年)10月11日に田園都市線に名称変更された。したがって、新たに「田園都市線」となった当時は大井町 - 二子玉川 - 溝の口間であった。
鉄道転換後も、東京府(現・東京都)・神奈川県と共に共同出資して建設された道路橋である二子橋上の併用軌道で多摩川を渡っていたが、単線で輸送上のネックとなっていたこと、併用軌道を車体の大きい一般鉄道車両が渡ることによる接触事故の多発、重量の大きい車両が渡ることを想定していなかった二子橋の強度上の問題など、種々の問題を解消するため、複線の専用橋に移設されることになり、1966年(昭和41年)4月1日溝の口 - 長津田間の開業と同時に、多摩川を挟む二子玉川園(現・二子玉川) - 二子新地前(現・二子新地)間が高架化。複々線化工事が始まるまでの二子玉川 - 溝の口間の形となった。
田園都市線の路線延長
1966年4月1日に田園都市線溝の口 - 長津田間が延長開業された。これ以後の延伸部分は多摩田園都市へのアクセス路線として建設された路線である。これは東急が中心になって開発しているもので、日本道路公団(現・東日本高速道路・中日本高速道路・西日本高速道路)や住宅・都市整備公団(現・都市再生機構)など間接的に公的資金は投入されたものの、民間企業主体で行われた住宅開発事業の一つである。
開業当初の車両は4両編成であったが、日中は鷺沼駅で分割・併結作業が行われ、鷺沼 - 長津田間は2両編成で運転された。しかし、沿線開発の進展に伴い短期間でこの措置は中止されている。その後、乗客の増大と都心へのアクセスの悪さから、新玉川線の建設へと動き出した。
その後の長津田 - 中央林間間については、東急は当初から終点を中央林間としていたが、これに小田急が異議を唱え、終点を鶴間以南にするよう東急に申し入れた[3]。こうしたことに加え、土地買収の進行が遅れたことから、長津田以西の延伸はずれ込んだが、結局東急は終点駅を変えることなく、新玉川線の建設を経た後の1984年(昭和59年)に中央林間まで延伸開業した。
なお、構想段階では中央林間から小田急江ノ島線への直通運転も検討された[4][5]。
新玉川線の建設
渋谷 - 二子玉川(当時は二子玉川園)間は1977年(昭和52年)4月7日に開通した。これは路面電車で1969年(昭和44年)5月11日に廃止された玉川線を継承する新玉川線として開通した路線である。渋谷 - 駒沢大学間は玉川通り(国道246号)に首都高速3号渋谷線と一体的に建設された。
この路線は当初、帝都高速度交通営団(営団地下鉄、現・東京地下鉄、以下本項において同じ)銀座線を渋谷から二子玉川園に延長する形で計画されたが、後に東京11号線(渋谷駅以東は営団半蔵門線)の一部に変更して建設された。この計画変更の理由には、第一に軌間や集電方式の違いから二子玉川園以西に乗り入れることができず大井町線のバイパス効果が薄まってしまうこと、第二に銀座線の混雑が相当激しく、これに直通させるとなると銀座線側にもトンネルの拡幅および新設(付け替え)をした上で編成増強などによる輸送力増強が必要であり、新線建設と同等程度の費用がかかることが判明したことが挙げられる。莫大な資金を要する工事であり、五島昇の政界への働きかけもあって、鉄建公団(現・鉄道・運輸機構)の「P線方式」を初めて活用した。
前述の計画では、大井町線は旗の台から池上線に入り、戸越銀座 - 大崎広小路間の桐ヶ谷から分岐させ、東京6号線(都営地下鉄三田線)に乗り入れる計画であった(後に目蒲線〔現在の目黒線〕に乗り入れる計画に変更)。詳細は「都営地下鉄三田線#建設経緯」を参照。
新玉川線の建設が計画された際に、三軒茶屋 - 用賀間は当初蛇崩川の上を高架で走り、弦巻を経由するルートが計画されたが、沿線住民の反対が強く、またルートの違う旧玉川線が残り、首都高速3号渋谷線建設の支障となるため、全線が旧玉川線の地下を走ることとなった。そのため、新玉川線区間は玉川通りとルートが一致せず、玉川通り旧道に沿っている。このことで騒音や日照公害は問題にならなかったが、後の沿線人口増加による混雑激化への対応は、両数増強や新ATC導入による閉塞区間短縮(前の列車に接近できる距離を短縮して増発を可能にする)などに限られた。[6]
現在
新玉川線開通当初は新玉川線と田園都市線の直通運転を行っておらず、二子玉川園を境に運転系統は分断されていたが、開通7か月後の1977年11月からの日中限定の直通快速の運転を経て、1979年(昭和54年)8月12日に二子玉川園駅以西の田園都市線から新玉川線への全面直通運転を開始した。これにより田園都市線のうち大井町 - 二子玉川園間は同日から大井町線に改称した上で、朝と深夜の一部に鷺沼直通を残して運転系統を分離した(同路線は溝ノ口線を編入する以前に戻ったことになる)。この結果、田園都市線から新玉川線を経由し、渋谷駅からさらに半蔵門線へ直通運転を行う現在の運転系統が確立する。この一体で運転される両線を総称して“田玉線”(でんたません)とも呼んだ。半蔵門線側は直通運転開始当初青山一丁目駅止まりであったが、1979年9月21日に永田町駅、1982年12月9日に半蔵門駅、1989年1月26日に三越前駅、1990年11月28日に水天宮前駅と、順次延長されていった。
1995年(平成7年)9月1日から2005年(平成17年)3月20日までは、二子玉川 - 溝の口間の複々線化工事のために特定都市鉄道整備促進特別措置法が適用され、渋谷 - 溝の口間を経路に含むと普通運賃で10円の特別加算運賃が適用されていた[7]。
2000年(平成12年)8月6日には新玉川線が田園都市線に編入され、渋谷駅から中央林間駅までが「田園都市線」となり、同時に二子玉川園駅を二子玉川駅に改称した。前者は、1979年8月からの全面直通運転開始以降、田園都市線と新玉川線が事実上ひとつの路線であるにもかかわらず、二子玉川駅を境に異なる二つの名称の路線が存在し、利用者から「わかりにくい」という意見があったことなどから行った措置である。後者は、駅名の由来となった遊園地である二子玉川園が1985年(昭和60年)に既に閉園しており、地元住民から駅名変更の要望があったためである[8]。
2003年(平成15年)3月19日からは、半蔵門線の押上駅への延伸に伴い同線を介して東武伊勢崎線・日光線との相互直通運転を開始した。
2005年(平成17年)2月14日からは5000系の一部に6ドア車が連結されている。また、同年5月9日より東急として初めて平日の一部時間帯で女性専用車両が設定されている。これらについて詳しくは「車両運用」の項を参照されたい。
二子玉川 - 溝の口間は、大井町線を延伸する形での複々線化が行われ、2009年(平成21年)7月11日に供用が開始された[9]。詳細は「現在・将来の対策」の節を参照。
将来
2000年(平成12年)に発表された運輸政策審議会答申第18号では、溝の口 - 鷺沼間の複々線区間の延伸も「今後整備について検討すべき路線」とされている[10]。
年表
- 1927年(昭和2年)7月15日 玉川電気鉄道(玉電)溝ノ口線として二子玉川 - 溝ノ口間開業。
- 1943年(昭和18年)7月1日 陸軍の要請により同区間を大井町線に編入させ、軌間を1372mmから1067mmに改軌する。
- 1945年(昭和20年)10月1日 二子玉川 - 溝ノ口間を軌道法に基づく軌道から地方鉄道法に基づく鉄道に転換。
- 1954年(昭和29年)8月1日 二子玉川駅を二子玉川園駅に改称。
- 1956年(昭和31年)
- 1957年(昭和32年)1月14日 地方鉄道敷設免許申請を溝ノ口 - 中央林間間に変更(大井町線規格)。
- 1960年(昭和35年)
- 1962年(昭和37年)9月18日 溝ノ口 - 長津田間分割工事施行認可申請。
- 1963年(昭和38年)
- 1964年(昭和39年)2月26日 新玉川線起工式挙行。
- 1966年(昭和41年)
- 1968年(昭和43年)4月1日 長津田 - つくし野間開業。
- 1972年(昭和47年)4月1日 つくし野 - すずかけ台間開業。
- 1976年(昭和51年)10月15日 すずかけ台 - つきみ野間開業、全線複線化完成。
- 1977年(昭和52年)
- 1978年(昭和53年)8月1日 新玉川線が営団地下鉄(現・東京地下鉄)半蔵門線と直通運転開始。渋谷駅の業務を東急電鉄から営団地下鉄に移管。
- 1979年(昭和54年)8月12日 田園都市線から新玉川線を経由して半蔵門線方面へ全列車が直通運転を開始。同時に大井町 - 二子玉川園間を大井町線として分離。朝ラッシュ時上りつきみ野→大井町間の快速を廃止。当時の最高速度は100km/h。
- 1983年(昭和58年)1月22日 渋谷 - 長津田間で急行運転開始。同時に10両編成運転も開始した。
- 1984年(昭和59年)4月9日 つきみ野 - 中央林間間開業。
- 1989年(平成元年)
- 1991年(平成3年)3月16日 旧新玉川線区間をCS-ATCから、旧田園都市線区間を東急ATSから、それぞれ新CS-ATC化。
- 1996年(平成8年)4月26日 快速をすべて急行に移行。同時に急行運転区間を全線に拡大。長津田 - 中央林間間で最高速度を110km/hに向上。
- 1997年(平成9年)12月 建設費用償還につき新玉川線区間の加算運賃を廃止する。一方で、新たに建設する大井町線の溝の口延伸に伴い、大井町 - 溝の口間で特定都市鉄道整備積立金制度に基づく加算運賃を設定(普通運賃10円)。
- 1999年(平成11年)12月3日 旧新玉川線での最高速度を75km/hから90km/hに向上、旧田園都市線区間でも最高速度110km/hの区間を拡大、梶が谷・江田両駅構内の線形改良に伴い渋谷 - 中央林間間の急行を日中35分から33分にスピードアップ。
- 2000年(平成12年)8月6日 新玉川線と田園都市線が統合され、渋谷 - 中央林間間が田園都市線となる。二子玉川園駅を二子玉川駅に改称[11]。
- 2001年(平成13年)
- 2002年(平成14年)3月28日 あざみ野駅が急行停車駅に追加。土曜日ダイヤを休日ダイヤに統合[12]。
- 2003年(平成15年)3月19日 営団地下鉄半蔵門線が押上駅まで延伸開業し、これに伴い同線を経て押上駅から東武伊勢崎線・日光線との相互直通運転を開始。また、日中の急行列車を毎時2本から4本に増発し、急行・各停合わせて毎時12本となる[13]。
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)7月11日 二子玉川 - 溝の口間が複々線化。大井町線が溝の口駅まで乗り入れ。
- 2010年(平成22年)3月25日 大井町線で夜間に運転区間が長津田まで延長される急行を1本から4本に増発。
- 2011年(平成23年)
- 3月14日 同月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による発電所の停止に伴う電力供給逼迫のため、東京電力が輪番停電(計画停電)を実施。これに伴い、この日から東武伊勢崎線・東武日光線との相互直通運転が休止される。この日から大井町線の二子玉川 - 溝の口間への乗り入れが朝夕の数本を除き休止される。
- 4月2日 東武伊勢崎線・東武日光線との相互直通運転が再開される。
- 5月28日 日中の大井町線の急行が長津田 - 大井町間で直通運行を開始する。
- 7月2日 土休日ダイヤが平常に戻り、土休日日中の大井町線直通急行が運行を終了する。
- 9月10日 大井町線の二子玉川 - 溝の口間への乗り入れが全面的に再開される。日中の大井町線急行の長津田 - 大井町間直通運行を終了する。
- 2012年(平成24年)
- 2月 田園都市線を含む東急線全線に駅ナンバリング制度を導入。田園都市線の路線記号は「DT」。
- 3月17日 土休日の日中の大井町線の急行の長津田 - 大井町間での直通運行が復活。同線の急行の半数の毎時2本が乗り入れる。
- 2014年(平成26年)
- 6月21日 準急が南町田に停車、準急を平日・土休日昼間に1時間当たり2本増発(1時間当たり12本→14本)、朝の下り急行(渋谷発7:30 - 9:00)10本を準急に変更。準急が下りにも日中にも走るようになり、日中には36年ぶり、半蔵門線開業後では初めて渋谷行きの定期列車が設定された。
朝ラッシュ時間帯の激しい混雑
田園都市線の最混雑区間は池尻大橋 - 渋谷間で、平均混雑率は2011年度で181%(7:50 - 8:50の間に通過する列車の平均)である。これは、東京メトロ東西線・小田急小田原線に次いで東京圏の大手私鉄路線で3番目に高い数字である[15]。また、これは平均値であり、東急の広報誌によると、各駅停車より混雑している準急は250%以上に達しているとされる。なお、混雑時の車内で耐衝撃性の高さを売りにしているパナソニックのノートパソコン「Let'snote」の耐圧性テストが首都圏各線で行われた際、田園都市線で試験最大の100kgを記録したことから、この値が耐荷重性能として決定された[16][17]。
渋谷駅に起因する問題
朝ラッシュ時には、長津田 - 渋谷間で1時間当たり29本(平均2分5秒間隔)という超高密度運転で対処しているものの、鷺沼駅から渋谷駅にかけては電車が渋滞する「ノロノロ運転」となっている。特に、渋谷駅は一日60万人以上が利用する駅にもかかわらず、島式ホーム1面2線構造である上に地下深く位置し、かつ階段やホームが狭いため、大量の乗客を捌ききれていない。ホームの拡張を求める声も強く、東急も2面3線化の改良工事を検討しているが、地下駅であるためにホーム幅の拡張などは非常に困難である上、多額の工事費が必要となり、具体化には至っていない。この狭さゆえ、乗降に時間がかかることにより後続列車がホームに進入できず、駅手前で待機を強いられるいわゆる「ダンゴ運転」状態に陥りやすく、慢性的な列車遅延の原因になるなど、田園都市線のネックとなっている。
さらに、渋谷駅には引き上げ線が存在しない。表参道駅(半蔵門線)寄りに両渡り線があるが、前述した超高密度運転により渋谷駅折り返し列車の設定が容易ではない。夕方から夜間にかけて列車の増発が難しく、加えて半蔵門線方面から引き続き田園都市線を利用する乗客で同駅到着時には既に車内が混み合っており、帰宅ラッシュ時間帯においても朝ラッシュに匹敵する激しい混雑となる。当駅始発列車を設定するには、2番線ホームから表参道駅方面に一度電車を動かした後、再び同駅1番線ホームに到着するしかなかった。
しかし、混雑緩和対策として同駅始発が増え、2008年秋に池尻大橋駅方に片渡り線が新設された。これにより、2番線(半蔵門線方面行ホーム)から直接下り(二子玉川・中央林間)方面への折り返しができるようになった。この渡り線を使用した営業運転は同年12月の渋谷駅始発年末臨時列車が最初であり、この片渡り線を使用して、2009年6月6日のダイヤ改正からは夜間帯に各駅停車が、2012年3月17日のダイヤ改正から土曜・休日の夕方に急行が、渋谷駅始発の定期列車として運行されている。2014年6月21日のダイヤ改正からは日中に渋谷発着の各駅停車が毎時2本設定されるようになった。
なお、田園都市線の渋谷駅は、旧営団が建設した。
田園都市線の設備面
田園都市線は、設備の都合上10両編成を超えて車両を増結することができない。そのため、増結が限界に達して以降は信号システムを改良し、同程度の長さの列車を走らせる路線としてはかなり短い平均2分5秒間隔で運行しているが、根本的な混雑の解消には至っていない。
現在・将来の対策
編成の増強も増発も限界に達しているが、地下区間の複々線化には莫大な事業費が必要であり、用地確保も困難である。
なお、日本の総人口は2005年頃から減少傾向にあるが、田園都市線沿線は2025年頃まではなお人口増加を続けると予測されている。このため東急は混雑緩和対策を図る、としている[18]。現在は、地上の一部区間の複々線化やこの複々線への大井町線の乗り入れなどの方法による輸送力増強などの対策が行われている。
複々線化による輸送力増強
二子玉川 - 溝の口間の複々線化による大井町線の改良・延伸が2009年7月11日から実施され、同路線が溝の口まで延伸された。急行運転により、自由が丘・大岡山・大井町など他の都心への路線との接続駅までの所要時間が短縮される。特に大岡山で接続する目黒線では2006年9月25日から急行運転が開始されており、大井町線と目黒線にバイパス路線としての機能が付与されることになる。これらによって、朝ラッシュ時に都心へ向かう乗客の一部を田園都市線利用から大井町・目黒線経由での利用へと分散させ、混雑率の低下が見込まれている。なお、この複々線は田園都市線と大井町線の方向別複々線となるが、二子新地・高津の両駅は田園都市線の線路のみにホームが設置され、大井町線は朝夕の一部と日中1時間当たり4本程度の列車を除き両駅を通過する。
2008年3月30日には横浜市営地下鉄グリーンラインが開業したため、主にあざみ野駅経由で都心方面に通勤・通学する乗客が同路線を利用し、東横線・目黒線日吉駅を経由し都心方面に行く乗客が増えると見込まれる。
6ドア・座席格納車の連結
田園都市線では、乗降時間の短縮と混雑感緩和を図るため、2005年2月14日より5000系に6ドア・座席格納車両を連結している。第1-第3編成を除いた5000系については、渋谷駅で階段やエスカレータがあるため特に混雑する4・5・8号車に6ドア・座席格納車両を連結した上で最も混雑する時間帯の電車に充当している。詳しくは「6ドア・座席格納車両」の項を参照のこと。
準急の運転開始
2007年4月5日のダイヤ改正より、朝ラッシュ時の急行のうち午前8時台に渋谷駅に到着する13本を「準急」に変更した。これは、中央林間駅から二子玉川駅間は急行と同じ停車駅で、二子玉川駅から渋谷駅間は各駅に停車する種別である。これにより、この時間帯の二子玉川 - 渋谷間の所要時間は急行13分、各停17分から、全列車15分になった。この改正は一部の新聞やテレビ番組などでも報じられ、路線の主力である速達列車の格下げということで話題となった。
これは、各駅停車の乗客が桜新町駅における急行の通過待ちを嫌い、二子玉川駅を中心に急行に乗客が集中することにより混雑率の増大や列車遅延が発生していたので、全列車を前述の各駅に停車させ、溝の口駅から渋谷駅方面までの通過待ちをなくして混雑率の均等化を図り、路線全体の遅延を抑制することを狙ったものである。結果として、東急は2007年5月時点の実績では雨天時などを除く平常時において前年度同時期より遅延が1分程短縮されたと発表している[19]。この結果を踏まえて、翌2008年3月28日からは準急の運転時間帯を10分拡大した。
この他、各駅停車のみ運転する案や、溝の口駅以東を各駅に停車する案、二子玉川駅以東の急行と各駅停車を並行ダイヤにする案もあったという。また種別名を決める際、過去に運行されていた快速とほぼ停車駅が同じであることから「快速」も種別名の候補に挙がっていたが、予てから「快速と急行のどちらが早いかわかりにくい」という意見があったことと、直通先の東武伊勢崎線(スカイツリーライン)にも用いられている種別で、急行と区別しやすい名称ということで「準急」が採用された(東武スカイツリーラインにも快速は存在するが、東急田園都市線と違い急行や準急よりも上位種別となる)[20]。
なお、同様の施策は東京メトロ東西線の快速運転区間である西船橋駅 - 東陽町駅間においても実施されており、朝ラッシュ時の優等列車を浦安駅から東陽町駅までの各駅に停車する「通勤快速」に統一し、混雑を均一化しているが、こちらは各駅停車が非常に混雑するためであり、田園都市線とは逆の理由である。
最混雑帯においては基本的に6ドア車を連結している東急5000系(後述)に限定して運用されるが、その他の車両も使用される。
準急は設定当初は上り(渋谷方面行)のみの設定であり、下り方面には設定されていなかったが、2014年6月21日のダイヤ改正で上下ともに運行されることになった。
混雑緩和のためのキャンペーン
2009年、田園都市線で朝ラッシュ時間帯の混雑を緩和するため、「田園都市線 早起き応援キャンペーン」が開催された[21]。このキャンペーンは、2009年11月13日から25日にかけて携帯電話からの参加登録を受け付け、12月1日から18日にかけて実施された。参加は抽選制であり、当選者5000人が参加した。
当選者が指定された時刻までに登録したPASMOで自動改札を通過すると、携帯電話にクーポンが送信される。このクーポンを指定の店舗で提示すると、割引特典が受けられる。なお、設定時刻は各駅とも準急の運転開始時刻直前に設定されている。
このキャンペーンは好評だったため、翌2010年5月17日から6月11日にも抽選制を撤廃(ただし事前登録形式は継続)かつ特典内容を拡充した上でキャンペーンが行われた[22]。また、同年11月15日から12月10日にもさらにサービス内容を拡充した上で行われた[23]。
なお、2011年度は東日本大震災の影響による節電の流れやそれに伴うサマータイム導入の増加を背景として、「東急線 早起き応援キャンペーン」として、対象路線をこどもの国線・世田谷線を除いた東急全線に拡充[24]。さらには期間途中での参加登録も可能となっている。以降はこの形式を踏襲し、2012年は3月17日から12月31日までと期間を大幅に拡充して実施。2013年は1月7日から12月31日までとほぼ通年の実施となるうえでSuicaにも対応するようになった[25]。
実施期間は2010年までは平日のみであったが、2011年以降は土休日も対応している。
運行形態
昼間時は急行2本、準急1本と各駅停車4本が30分サイクルで運転されている。昼間時の急行は桜新町で各駅停車を追い抜き、鷺沼と長津田の両駅で各駅停車に連絡する。
一部の列車をのぞき、渋谷より先東京メトロ半蔵門線と相互直通運転を行い、そのうち約4割がさらに先の東武伊勢崎線・日光線(以下東武線)との相互直通運転を行っている。
日中のダイヤでは、東武線直通の列車(久喜発着2・南栗橋発着1の割合)と半蔵門線押上折り返しの列車とが半々の割合で運転される。
事故などの非常時には、半蔵門線および東武線との直通運転を中止することがある。なお、夜間にダイヤの乱れが生じた場合、東急・東京メトロ・東武の車両が各自の車両基地(長津田・鷺沼・南栗橋)に戻れないことがある。
深夜時間帯には、混雑緩和を目的として渋谷始発の下り電車が数本運転されている。2001年9月3日から平日に2本設定され、2009年6月6日現在では平日が5本、土曜・休日が3本となっている。これに加えて、2009年6月6日改正からは新たに平日午前6時00分発の渋谷始発下り電車も設定されている。
東武線まで直通する列車については、田園都市線内での種別と東武線内での種別は必ずしも一致しない。列車の種別表示は以下のように変更される。なお、東武線側では田園都市線の種別を案内しているが田園都市線側では東武線の種別を案内していない。上りの場合は、渋谷に到着した時点で東武線直通列車については東武線内の種別である「急行」または「準急」に、半蔵門線内終着の列車は無表示に変更する。下りの場合は、押上に到着した時点で田園都市線内の種別である「急行」または無表示(各駅停車)に列車種別を変更する。なお、半蔵門線始発の列車は始発駅から田園都市線内の種別で運行する。
少数ながら大井町線へ直通する列車も運転されている。そのほとんどが鷺沼へ出入庫のためであり、早朝の上り、夜間の下りに設定されている。
また、土休日の日中には大井町線大井町から長津田まで急行が直通している。
運行本数
日中1時間あたりの運転本数(2014年6月21日ダイヤ改正前後)は以下のようになっている。
駅名 \ 種別 |
半蔵門線直通 | 渋谷 | … | 中央林間 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
本数 | 急行 | ← | 4本 | ||||
各停 | ← | 8本 |
駅名 \ 種別 |
半蔵門線直通 | 渋谷 | … | 中央林間 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
本数 | 急行 | ← | 4本 | ||||
準急 | ← | 2本 | |||||
各停 | ← | 6本 | |||||
各停 | 2本 |
列車種別
東横線とは異なり、特急列車が設定されたことはない。
急行
- 概要
- 昼間時は1時間あたり4本(15分間隔)が運転される。
- なお、大幅なダイヤ乱れがあった際には急行の運転が中止され、全列車が各駅停車として運転されることがある。
- 車両により多少異なるものの種別表示は基本的に赤色で表記される。
- 歴史
- 1983年1月22日から設定された。設定当時は平日の朝夕のみの運転で、平日昼間時および休日は快速を運転していた。さらに、全列車が長津田駅発着で中央林間駅までは運転されていなかった。また、田園都市線快速が新玉川線も優等運転するという位置付けであり、田園都市線内では急行と快速は停車駅が変わらなかった。
- 現在の急行運転の形が成立したのは1996年4月26日のダイヤ改正からである。この時、快速を急行に統合して優等列車をすべて急行とし、また同時に中央林間駅発着の設定も行われ、運転区間が全線に拡大された。当初は昼間時のみ(渋谷発平日9 - 17時、土曜・休日は同9 - 19時)だったが、1999年12月3日のダイヤ改正以降夕ラッシュ時や夜間にも拡大されたため、現在では大半が中央林間発着となっている。
- 運転開始当初は朝ラッシュ時に3本のみの運転で、朝ラッシュ時には急行のほかに快速も運転されていた。その後利便性がよいため利用客が増加し、ダイヤ改正ごとに増発されていった。
- 1992年9月11日のダイヤ改正から朝ラッシュ時に鷺沼駅始発の上り急行が2本設定、さらに1995年11月24日のダイヤ改正で1本追加され、計3本が運転されていたが、2004年10月19日のダイヤ改正からすべて長津田駅始発となり消滅している。
- あざみ野駅は急行運転開始当時停車していなかった。同駅は1993年3月18日に横浜市営地下鉄3号線(現:横浜市営地下鉄ブルーライン)のあざみ野開業に伴い、同線との乗り換え駅となった。その後、港北ニュータウンの開発の進捗と伴に同駅の利用客が増加し、また横浜市から2000年に受けたあざみ野駅への急行停車の要望を受け、2002年3月28日から停車駅に加えられた。
急行停車の実施に際しては、事前に鉄道建設・運輸施設整備支援機構のGRAPE(GIS for Railway Project Evaluation)と呼ばれるシステムを使用して、急行を停車させた場合の地域への影響と路線の需要を予測を行った結果、停車に伴う所要時間の増加により長津田以西からの需要が減少するという解析結果が得られた[26]。これに対しては都心方面との所要時間を短縮することによって需要の減少を抑制する対策がとられ、あざみ野駅への急行停車実施以前に、所要時間短縮のための藤が丘駅改良工事を完了させた。
- 2000年7月15日から夏休み・年末年始・ゴールデンウィーク中の土曜・休日などにグランベリーモール最寄り駅の南町田駅への臨時停車が行われていたが、2006年3月18日のダイヤ改正から土曜・休日限定で定期に停車している。
- 2007年4月5日のダイヤ改正より、平日朝ラッシュ時に運転されていた上り急行のうち、朝8時台に渋谷駅に到着する13本については後述する準急に置き換えられた。
- 2008年3月28日のダイヤ改正より、大井町線直通の急行運転を開始した。
- 2009年6月6日のダイヤ改正より、平日夕ラッシュ時の下り急行は半蔵門線清澄白河駅発に変更された。
- 2014年6月21日の改正より、平日夕ラッシュ時の急行は東武線直通に変更された。
準急
- 概要
- 2007年4月5日に行われたダイヤ改正から設定されている種別である。急行への乗客の集中を緩和し、それにより列車遅延の抑制を図ることを目的として、それまで朝ラッシュ時に運転されていた上り急行のうち朝8時台に渋谷駅に到着する13本(この時間帯は急行・各駅停車が交互に運行されていた)をこの種別に置き換えた。
- 停車駅は、中央林間 - 二子玉川間は急行と同じ停車駅で、二子玉川 - 渋谷間は各駅に停車する。なお、停車駅はかつて設定されていた快速停車駅に中央林間、あざみ野を加えたものである。両駅は快速廃止後に急行停車駅に追加されたため、「二子玉川までの旧新玉川線区間は各駅停車、二子玉川以南が急行の停車駅」という点ではかつての快速と共通している。
- 種別表示は基本的に緑色で表記される。
- 設定した経緯についての詳細は「準急の運転開始」の節を参照。
- 2008年3月28日のダイヤ改正より渋谷駅到着7時台まで運転時間帯を10分拡大し(渋谷着7:50 - 9:00が準急となった)、運転本数が改正前の13本から16本となった。これにより、中央林間始発の準急が初めて設定され、中央林間も停車駅に加えた。
- 2012年3月17日のダイヤ改正より運転時間帯をさらに拡大して渋谷着7:42 - 9:05が準急となり、運転本数が20本となった。
- 大半の列車は半蔵門線内で折り返す。東武線直通列車は久喜行が3本設定されていて、いずれも渋谷駅からは急行に種別を変更して運行する(かつては長津田から北越谷まで全区間準急で運行した列車があった)[27]。
- 上り列車のみの運転で、下り列車は運転されていなかったが、2014年6月21日のダイヤ改正から、朝ラッシュ下りの急行が準急に置き換わり、日中は上下で毎時2本運転されるようになった。また、全列車が南町田駅に停車するようになった。
各駅停車
- 概要
- 昼間時は鷺沼のみで待ち合わせを行う各駅停車と、桜新町で通過待ちをし長津田での待ち合わせを行う各駅停車が交互に、1時間あたり8本運転される。朝ラッシュ時には、これに加えて梶が谷・江田・藤が丘(上りのみ)の各駅でも急行・準急の通過待ちをすることがある。田園都市線は営業距離が長く、待避設備が多いため、急行・準急に抜かれずに終着駅まで先行する各駅停車はあまり運行されない。
- その他
- 上り方面の朝のラッシュ時において江田駅で急行または準急の通過待ちをした各駅停車が鷺沼駅に停車する時は、江田駅で当該列車を追い抜いた先発の急行が出発したことを確認して開扉する。また、ダイヤ乱れ時などは先発の急行の発車がしばしば遅れるため鷺沼駅に停車後しばらく開扉しないことがある。かつては、溝の口駅でも同様の対応が行われていたが溝の口駅3番線が大井町線専用となったため行われていない。
- 長津田駅まで延長された当初は、鷺沼駅で下り列車は後ろ2両を切り離し、上り列車は前2両を増結するという列車があったが、ともに1968年9月30日でこの扱いを終了し、以後は全車両が全区間運行となっている。
- 東横線・目黒線・大井町線では行先表示器の表示内容を更新した際に行先表示器の「各停」表示が開始されたが、田園都市線では2011年現在も表示は行われていない。東武線に乗り入れない田園都市線 - 半蔵門線のみの運行の場合でも「各停」表示は行われていない。
- 2014年6月21日ダイヤ改正から、日中に渋谷駅を始発・終着とする各駅停車が毎時2本設定される。なお、この列車は半蔵門駅まで回送の上、折り返している。
廃止された種別
- 快速
- 1968年10月1日から1996年4月25日まで運転されていた優等列車である。
- 大井町発着の「通勤快速」と渋谷・半蔵門線内発着の「快速」があった。ともに表示上は「快速」であり、ここではどちらも同じ快速として扱う。
- 歴史
- 1968年の設定当初は、朝ラッシュ時間帯に「通勤快速」と称して大井町行の快速が運転されていた(上り列車のみ、二子玉川園 - 大井町間は各駅に停車)。1977年11月16日より日中に「お買い物快速」と銘打って新玉川線直通の快速の運転が開始される。
- 1979年8月12日に行われた大井町線分離のため、前日の11日をもって大井町行快速の運転は終了した。8月12日以降は終日にわたり新玉川線直通の快速が運転される。1983年1月22日より朝夕ラッシュ時に急行が設定され、快速ともに運転された。
- 1989年1月26日の半蔵門線三越前延伸のダイヤ改正では、平日の朝・夕ラッシュ時および土曜朝ラッシュ時は急行に統一された。他の時間帯は引き続き快速が運転される形態となった。1996年4月26日のダイヤ改正にて、すべての快速が急行に移行し、快速の運転は終了した。
- 停車駅
- (大井町行通勤快速)大井町 - 二子玉川園間各駅・溝の口・鷺沼・たまプラーザ・青葉台・長津田以遠各駅
- (新玉川線直通快速)渋谷 - 二子玉川園間各駅・溝の口・鷺沼・たまプラーザ・青葉台・長津田
- その他
- 大井町行の通勤快速は長津田以西から運転されていたが、新玉川線直通快速は長津田駅発着であった。
- 当初、「通勤快速」と称されたのは「停車駅の変更が後になってからもしやすいように」という配慮によるものである。
- 快速が急行に統合された1996年4月26日のダイヤ改正では快速の代替となる各駅停車の増発などは行われなかったため、当時の新玉川線区間急行通過駅では日中の停車列車が減便(1時間当たり快速2本、各停8本・計10本→各停のみ8本)され、サービスダウンを招く結果となった。
- 快速運転終了後に製造された5000系や大井町線車両、東横線・みなとみらい線Y500系も「快速」の種別表示幕を有している。これを表示して運行することはないが、5000系に限っては渋谷または半蔵門線押上停車中に各停(黒無地) - 準急に種別表示幕を回転する際に見ることができる。色はオレンジ色に白文字である。
- 2007年4月5日から、この快速と停車駅がほぼ同じである準急が運転されている(違いは中央林間駅、南町田駅、あざみ野駅停車の有無)。
大井町線直通列車
田園都市線と大井町線は溝の口駅を介して一部の列車が直通運転を行っている。ただし、溝の口駅の配線の都合上、直通列車は二子玉川 - 溝の口間では田園都市線の線路を走行する。
大井町線用の車両で運転されるが、同路線用の8500系・8090系・8590系・9000系には田園都市線内での誤乗防止を図るため先頭車の前面の帯を赤→黄のグラデーションにするとともに先頭車の前面下部と側面窓間に「大井町線」を表すステッカーが貼付されている。なお、他の田園都市線の列車とは違い、主に大井町線を運転する二子玉川乗務区の乗務員が担当する(二子玉川駅での交代はない)。
- 急行
- 2006年3月18日のダイヤ改正から運行を開始した。朝の上り列車と、夜間の下り列車が運行される。
- これに加えて、土休日の日中には毎時2本(大井町線急行の2本に1本)が大井町 - 長津田間を直通運転している。長津田駅では中央林間駅発着の各駅停車と接続しており、つくし野 - 中央林間間各駅への利便性も確保されている。
- 以前は5両編成(現在の各駅停車用)のみによる臨時列車のみで、田園都市線内に限って急行運転をし、大井町線内は各駅に停車していた。
- 2008年3月28日のダイヤ改正から大井町線に急行用車両6000系6両編成が導入され、田園都市線直通の急行にも同系列が充当されている。なお、この改正から大井町線内でも急行運転を開始している。
- 2011年5月28日に改正された節電ダイヤにおいて日中に長津田駅発着の列車が毎時2本設定された。これは同年9月10日に通常ダイヤにもどるまで実施された。
- 2012年3月17日のダイヤ改正から土休日に限り、前年の節電ダイヤで運転されていた日中の長津田駅発着の列車が定期列車として復活した。
- 各駅停車
- 鷺沼 - 二子玉川 - 大井町間を運転する。大井町線の車庫が鷺沼駅にあることから出入庫を行う列車を活用して運行されるものである。早朝は同駅から同路線に直通し、夕方から夜間は同路線から同駅まで運行される。なお、このほかにも梶が谷駅に大井町線車両用(ただし主に急行用車両)の留置線がある。
- 2009年7月11日からは大井町線の各駅停車が2種類に変更され、溝の口 - 二子玉川間で田園都市線の線路を走行し二子新地、高津に停車する大井町線の各駅停車(種別色が青、または『田園都市線経由』と案内される)が登場した。冒頭で記した配線の都合により田園都市線梶が谷以西まで直通する列車は青の各駅停車に限られる。
臨時列車
混雑緩和のための臨時列車
全線が大幅にダイヤ乱れを起こし、列車間隔が大幅に開いてしまった際には、混雑緩和と乗客の救済を兼ねて臨時列車が運行されることがある。
また、忘年会シーズンであるために深夜帯に酷く混雑する毎年12月の一部の日には、混雑緩和のため、定期に運転されている渋谷駅始発の各駅停車に加え、臨時列車として渋谷駅始発の下り電車の運転が追加される場合がある。
行楽期の臨時列車
田園都市線では、こどもの国線が開業した後しばらくは行楽期にこどもの国行直通快速を運転するなどこどもの国に関連した臨時列車を度々運転してきた。例えば、以下の列車である。
- アルカディア1号
- 1982年(昭和57年)8月4日運転。こどもの国で開催されたアニメ映画『わが青春のアルカディア』のイベントに関連した運転である。当初は同月3日に運転される予定であったが、1日遅れで運転された。
- 新玉川線渋谷→田園都市線長津田間を下りのみ運転。
- 8500系8604F8両編成を使用。
- 応募招待客のみの乗車で、途中駅は無停車。
- 前面上部中央の行先表示器を隠すように巨大な海賊旗のステッカーを、前面窓下の両前照灯間いっぱいに「アルカディア1号」と書かれたステッカーをそれぞれ貼付していた。
- 終点長津田でこどもの国線「アルカディア2号」に接続した。なお、同列車は当日の定期列車に同様のステッカーを貼付したものだった。
平成に入ってからは行楽目的のための臨時列車の運転はほとんど行われなくなっていたが、2002年末以降その態様が変化した。東京臨海高速鉄道りんかい線開業時や東武線との直通運転を開始した際に臨時列車が設定されて以降、不定期ながらも年に1 - 3回程度運転されている。近年は、都心での花火大会に関連した半蔵門線内止まりの列車と、東武線内の観光地へのキャンペーンに関連した東武線まで直通する列車の2種類に大別できる。田園都市線の車両はすべてがロングシートの自由席で、クロスシートは設置されておらず、指定席も設定されていない(アナウンスでもその趣旨が案内される)。
近年に運転された臨時列車は下記の通り。
- 大井町線直通臨時急行
- いずれも大井町線用5両編成を使用。
- 停車駅は、現在の大井町線直通急行の停車駅から南町田を除いたもの。
- 方向幕は「臨時」と表示し、8000系も運用に入っていた。
- なお、ゴールデンウィークに伴う臨時列車が運転された際、田園都市線の通常の急行は南町田に臨時停車していたが、本列車は通過している。
- 現在の中央林間 - 大井町間の急行は、当初臨時列車として運行されたこれらの列車が定期化されたものと言える(ただしダイヤは異なる)。
- りんかい線開業に伴う臨時列車
- 2002年(平成14年)12月1日運転。
- 同日のりんかい線開業に伴う、臨海副都心へのアクセス路線としてのキャンペーン。そのため、「りんかい線アクセス」というステッカーを掲出した。
- 上りのみ4本運転(中央林間9時54分発から1時間おきに12時54分まで)。
- ゴールデンウィークに伴う臨時列車
- 「東急 - 営団 - 東武3社直通記念号」[28]
- 2003年(平成15年)3月29日に往路、30日に復路を運転。
- 東武30000系10両編成を使用。
- 中央林間 - 東武日光線東武日光・鬼怒川線鬼怒川温泉間を運転(29日の往路は中央林間始発、30日の復路は東武日光・鬼怒川温泉始発)
- 東武日光線南栗橋で分割・併結を行い、前4両は鬼怒川温泉発着、後6両は東武日光発着。
- 田園都市線内急行、半蔵門線内各駅停車、東武線内快速(ただし、接続を図るとともに分割・併結を行うため、通常は東武線の快速列車が停車しない曳舟と南栗橋にも停車)で運転した。
- 東武30000系にはトイレが設置されていないため、北千住で26分、南栗橋で10分強、新大平下で8分のトイレ休憩を設けた。北千住に関しては定期列車を先行させるため、南栗橋は分割併合のためでもあった。復路は新大平下と南栗橋でトイレ休憩を設けた。
- 終点の日光・鬼怒川の駅前広場では、乗車客への鉄道グッズが当たる抽選会が実施された。
- 東京湾大華火祭臨時列車[29]
- 隅田川花火大会臨時列車「SUMIDA HA・NA・BI号」
- 臨時特急「スペーシアもみじ号」連絡列車「もみじ号」
- 「フラワーエクスプレス号」
- 2005年(平成17年)からゴールデンウィークやその前後の土休日を中心に運転。
- 東武30000系10両編成を使用。
- 2005年は中央林間(往路は長津田始発) - 東武伊勢崎線太田間、2006年以降は長津田 - 東武伊勢崎線太田間をそれぞれ往復で運転する。
- 東武伊勢崎線館林で分割・併合を行い、前4両は館林止まり、後6両は終点太田まで運転する。
- 東急線内は急行、半蔵門線内は各駅停車、東武線内快速(東武動物公園から先の途中停車駅は久喜・加須・羽生・館林・足利市で、通常快速が停車しない曳舟にも停車した。さらに、2006年以降は往路のみ茂林寺前にも停車した。2010年は往路のみ加須・羽生を通過し茂林寺前に停車。復路では茂林寺前を通過し羽生・加須に停車)。
- 2008年5月5日の運転では久喜 - 太田間に臨時列車が2本運転された。このうち1本は「フラワーエクスプレス」のヘッドマークを装着していた。
- 2011年は臨時列車としての運転はされず、久喜始発・終着の直通列車に接続する東武伊勢崎線の定期普通列車3往復を「2011 フラワーリレー号」としてヘッドマークを装着して運転した[30]。
- 「それ行け!こどもの国GO!」
臨時ダイヤ
二子橋周辺の多摩川では、毎年8月第3土曜日に世田谷区たまがわ花火大会・川崎市制記念多摩川花火大会が開催されることから、その最寄駅である二子玉川駅・二子新地駅へのアクセスのため、田園都市線は夕方から深夜まで臨時ダイヤで運行される。この場合、田園都市線は16時から23時頃まで全列車各駅停車となるほか、渋谷駅始発の下り列車や二子玉川・渋谷駅止まりの上り列車が増発される。また、夕方の大井町線からの直通電車は運休となる。ただし、花火大会中止の場合は夕刻以降も通常のダイヤで運転することもある。
駅一覧
- 凡例
- 停車駅 … ●:停車、▲:土曜・休日のみ停車、|:通過
各駅停車はすべての駅に停車するため省略。 - 列車待避 … ◇:上下とも待避可能、△:上りのみ待避可能
- 駅番号は、2012年2月上旬から順次導入[31]。
駅番号 | 駅名 | 駅間キロ | 累計キロ | 準急 | 急行 | 接続路線・備考 (括弧内は接続路線の駅名および駅番号など) |
列車待避 | 地上/地下 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
直通運転区間 | 東京メトロ半蔵門線・東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)経由 ○東武伊勢崎線久喜駅まで ○東武日光線南栗橋駅まで | |||||||||
DT01 | 渋谷駅 | - | 0.0 | ● | ● | 東京地下鉄: 半蔵門線 (Z-01)(直通運転:上記参照)・ 銀座線 (G-01) [* 1]・ 副都心線 (F-16) 東京急行電鉄:■東横線 (TY01) 東日本旅客鉄道:山手線・埼京線・湘南新宿ライン 京王電鉄:井の頭線 (IN01) |
地下区間 | 東京都 | 渋谷区 | |
DT02 | 池尻大橋駅 | 1.9 | 1.9 | ● | | | 世田谷区 | ||||
DT03 | 三軒茶屋駅 | 1.4 | 3.3 | ● | ● | 東京急行電鉄:■世田谷線 (SG01) | ||||
DT04 | 駒沢大学駅 | 1.5 | 4.8 | ● | | | |||||
DT05 | 桜新町駅 | 1.5 | 6.3 | ● | | | ◇ | ||||
DT06 | 用賀駅 | 1.3 | 7.6 | ● | | | |||||
DT07 | 二子玉川駅 | 1.8 | 9.4 | ● | ● | 東京急行電鉄:■大井町線 (OM15) (溝の口駅まで並行運転、中央林間・鷺沼方面から一部直通運転) | 地上区間 | |||
DT08 | 二子新地駅 | 0.7 | 10.1 | | | | | 神奈川県 | 川崎市 高津区 | |||
DT09 | 高津駅 | 0.6 | 10.7 | | | | | |||||
DT10 | 溝の口駅 | 0.7 | 11.4 | ● | ● | 東京急行電鉄:■大井町線 (OM16) 東日本旅客鉄道:南武線(武蔵溝ノ口駅) |
||||
DT11 | 梶が谷駅 | 0.8 | 12.2 | | | | | ◇ | ||||
DT12 | 宮崎台駅 | 1.5 | 13.7 | | | | | 川崎市 宮前区 | ||||
DT13 | 宮前平駅 | 1.0 | 14.7 | | | | | |||||
DT14 | 鷺沼駅 | 1.0 | 15.7 | ● | ● | 大井町線と東京メトロ半蔵門線の車庫所在駅 | ◇ | |||
DT15 | たまプラーザ駅 | 1.4 | 17.1 | ● | ● | 横浜市 青葉区 | ||||
DT16 | あざみ野駅 | 1.1 | 18.2 | ● | ● | 横浜市営地下鉄: ブルーライン(3号線) (B32) | ||||
DT17 | 江田駅 | 1.1 | 19.3 | | | | | ◇ | ||||
DT18 | 市が尾駅 | 1.3 | 20.6 | | | | | |||||
DT19 | 藤が丘駅 | 1.5 | 22.1 | | | | | △ | ||||
DT20 | 青葉台駅 | 1.0 | 23.1 | ● | ● | |||||
DT21 | 田奈駅 | 1.4 | 24.5 | | | | | |||||
DT22 | 長津田駅 | 1.1 | 25.6 | ● | ● | 東京急行電鉄:■こどもの国線 (KD01) 東日本旅客鉄道:横浜線 田園都市線の車庫所在駅 |
◇ | 横浜市 緑区 | ||
DT23 | つくし野駅 | 1.2 | 26.8 | | | | | 東京都 町田市 | ||||
DT24 | すずかけ台駅 | 1.2 | 28.0 | | | | | |||||
DT25 | 南町田駅 | 1.2 | 29.2 | ● | ▲ | |||||
DT26 | つきみ野駅 | 1.1 | 30.3 | | | | | 神奈川県 大和市 | ||||
DT27 | 中央林間駅 | 1.2 | 31.5 | ● | ● | 小田急電鉄:江ノ島線 (OE02) | 地下 |
車両
ほぼすべての列車が10両編成で運転されているが、大井町線直通各駅停車は5両編成で運転され、大井町線直通急行は6両編成で運転されている。大井町線用以外の車両は地下区間においての非常時の勾配押上げ条件などから起動加速度3.3km/h/s・最大減速度(常用)3.5km/h/s(非常4.5km/h/s)を満たしている。設計最高速度は東京メトロ8000系が100km/h、それ以外の車両が120km/hである。
新車搬入や長津田車両工場への入・出場列車として東横線や目黒線・池上線・東急多摩川線用の車両も回送や試運転で田園都市線を走行することがある。また、東京メトロ鷺沼工場への回送列車として日比谷線03系も田園都市線を走行する。
自社車両
大井町線直通用
乗り入れ車両
- ※2003年3月19日の半蔵門線の押上駅延伸および東武伊勢崎線・同日光線との相互直通運転開始により、東武の車両が営業運転として初めて神奈川県内でも見られるようになった。
過去に使用されていた車両
車両運用
半蔵門線・東武線直通系統と大井町線直通系統で運用される編成が異なり、半蔵門線・東武線直通系統は全列車が10両編成で、大井町線直通系統は急行が6両編成、各駅停車が5両編成で運行される。
女性専用車
2005年5月9日、東急の路線としては初めて女性専用車が田園都市線に導入された。
平日ダイヤのうち、始発から9時30分まで上り線(渋谷方面行)の全列車において、渋谷寄りから数えて一番後ろの10号車が女性専用車となる(厳密に述べると東武30000系については「10号車に相当する車両」である。これは、同系が全編成が6両編成と4両編成を併結しているため「10号車」という表示が無いためである)。なお、小学6年生以下の児童とその保護者、身体が不自由な客とその介助者については、男女問わず女性専用車への乗車が認められている。乗り入れ先である半蔵門線押上駅まで継続実施される。
田園都市線・半蔵門線内ともに、9時30分になった時点で女性専用車の取り扱いを終了する。ダイヤ乱れなど不測の事態が発生すると、女性専用車の実施そのものを中止することがある。
なお、1号車(渋谷寄り先頭車両)にも女性専用車のステッカーが貼付されているが、これは東武伊勢崎線久喜駅・東武日光線南栗橋駅→半蔵門線渋谷駅間を走行中に女性専用車となるためであり、田園都市線→半蔵門線内においては無関係である。
6ドア・座席格納車両
2005年2月14日より5000系に6ドア・座席格納車両(以下「6ドア車」)の連結を進めている。これは、渋谷駅のホームにある階段やエスカレーターが近いために特に混雑する車両である5・8号車のドアの数を通常の4か所より多い6か所とすることで乗降時間の短縮を図り、また平日朝ラッシュ時においては始発の中央林間駅および長津田駅から渋谷駅を経て半蔵門駅まで座席を格納して乗客1人当たりのスペースを拡大することで混雑感の緩和を図るためである[32]。
日本の鉄道事業者における6ドア車は東日本旅客鉄道(JR東日本)以外では初めてである。当初は5104Fのみに試験的に導入された。2010年7月現在は3編成を除いた5000系が6ドア車連結編成となっている。6ドア車連結編成が運用される列車では渋谷駅での停車時間が4ドア車のみの列車に比べると3秒短縮されている[33]。
これらの6ドア車を組み込んだ5000系は、朝ラッシュ時に混雑率が特に高い急行・準急に限定して運転されている(検査や故障の際には一般車両で運転)が、朝ラッシュ後もそのまま運転される(一部の編成は朝ラッシュのみで運用を終える)ため日中や夜間にも運転され、また土曜・休日にも運転されている。ただし、朝ラッシュ時に半蔵門駅に到着してからは終日座席の格納を行わず、同駅を発車した時点で座席を使用することができる[34]。また、半蔵門 - 押上間と東武線内では座席収納を行わない。
2009年3月10日、東急はさらなる混雑緩和のため、同年4月1日以降12月までの間に、5・8号車に加えて渋谷駅での乗降が多い4号車にも新たに6ドア車を組み込み、6ドア車を1編成あたり3両にする計画を発表した[33]。6ドア車の3両化は順次行われ、平日午前7時台に長津田、中央林間駅を発車する急行・準急すべての6ドア車が3両化されたが、平日朝ラッシュ時の混雑による慢性的遅延の抜本的解消には至っていない。
一方で、日中や土休日にも6ドア車3両を連結した編成が頻繁に運用されるようになったため、座席数減少という弊害もある。6ドア車は所定の運用以外では座席格納はしないが、ドア数が多い分、4ドアのみの編成と比べると座席数が少なくなっている。
なお、6ドア車の3両連結はJR東日本でも前例がなく(最大でも6ドア車は2両)、田園都市線の混雑の深刻さを象徴している。JR東日本においては山手線・埼京線・横浜線などで6ドア車の廃止が行われているが、田園都市線では廃止の予定はない。
その他の情報
パスネット・PASMOによる運賃計算
東京急行電鉄および乗り入れている東京地下鉄ではPASMO(かつてはパスネットも)を利用することができるが、半蔵門線渋谷駅・南北線目黒駅経由で田園都市線と目黒線を乗り継いだ場合は、PASMOの仕様上東京メトロ線の運賃は計算されず、全線東急線経由で計算される。
リニアモーターカー実験
開業前のつきみ野 - 中央林間間で鉄輪式リニアモーターカーの実験が行われていたことがある。これは、同区間にすでに建設されていた掘割と軌道敷を利用して開発中であった鉄輪式リニアモーターカーの走行実験が行われたものである[35]。
旧新玉川線の駅カラー
旧新玉川線の中間駅となる池尻大橋 - 用賀間の各駅は地下駅であり、各駅に駅カラーを設定している(色名は各駅の記事を参照のこと)。
各駅の壁面は白色と駅カラーの交互となっているが、階段寄りは駅カラーの割合が多く、離れるに従って白色の割合が増えている。このことにより、各駅でのより近い階段などへ移動する際に移動すべき方向がわかるようになっている。
駅カラーの設定には「地下駅であるため乗客が周囲の風景から駅を特定できないので壁面の色を見ただけでどこの駅かすぐわかるように」との意図がある[36]。
付記
- 田園都市線は『金曜日の妻たちへ』など数々のドラマで通勤路線のシーンの撮影に使われている。渋谷や表参道、青山などの若者に人気のある街が田園都市線または直通している東京メトロ半蔵門線の沿線にあることと、田園都市線自体住宅街を走行していることが理由である。
- 田園都市線を扱った芸術作品として(冗談音楽の一種ではあるが)、「ザ・田園都市線ソング」という男声合唱曲が存在する。安田直弘の作詞作曲で、歌詞は田園都市線の駅名や車掌アナウンスなど。楽譜はキックオフ社より出版されている。
- 2000系など一部の編成は東武線への直通運転に対応する機器を搭載していないため、東武線には入線しない。そのため、当該編成には先頭車前面に「K」と表記された丸いステッカーが貼付されており、「K編成」あるいは「サークルK編成」などと呼ばれている。
- 東武線より乗り入れる30000系は製造の経緯から4両+6両の編成で運行されているが、中間の4・5号車にある先頭車の運転台が客室となるべきスペースを埋めてしまい、6ドア車の中間車を4・5号車に連結している東急5000系と比較して詰め込みが非常に悪く、列車の遅延につながっている(特にラッシュ時は最混雑車両の5号車に該当している)。その対策として50050系が導入されているものの、共通運用であるため、2014年現在も平日朝上りの急行運用などに就くことがある。その30000系は50050系の増備が進むにつれ東武東上線や東武伊勢崎線内地上専用運用に転用され、南栗橋・久喜以遠で分割を要する3社直通臨時列車に備えた2編成が残るのみとなった。分割編成はかつて東急8500系にも存在したが、これらは既に5000系に置き換えられ、大井町線に転用されている。
- 2011年10月から渋谷 - 三軒茶屋間、12月までに渋谷 - 二子玉川間のトンネル内で携帯電話が利用可能になっている。
脚注
- ↑ かつて東急線区間変更券などの手書きで発行された乗車券には田都渋谷駅と表記された。
- ↑ 混雑率データ(平成23年度) - 国土交通省
- ↑ 小田急に「林間」駅なぜ多い 夢と消えた遷都構想日本経済新聞、2013年5月18日閲覧
- ↑ 「東急大井町線大幅に延長――小田急江の島線と相互乗り入れも」『毎日新聞』(都内版)1963年5月19日付。
- ↑ 荻原二郎 「東急田園都市線(大井町線)の延長について」『鉄道ピクトリアル』13巻12号(1963年12月号・通巻152号)、鉄道図書刊行会(「鉄道ピクトリアル別冊 アーカイブスセレクション15 東京急行電鉄 1950〜60」にも収録)。
- ↑ 沿線人口増加については関係者も想定外だったと語っており、建設時に最大10両まで対応としていたのが救いとされている。
- ↑ 東急電鉄ウェブサイト「鉄軌道運賃の認可および改定のお知らせ」
- ↑ 東急電鉄ウェブサイト「目蒲線の運行系統変更による線名変更などを実施」
- ↑ HOT ほっと TOKYU2009年7月より
- ↑ 川崎市公式ウェブサイト「川崎市の交通計画」
- ↑ ニュースリリース2000年3月28日
- ↑ TOKYU NEWS 2002/02/21 3月28日(木)に田園都市線、大井町線のダイヤを改正
- ↑ ニュースリリース02年12月10日
- ↑ TOKYU NEWS 2005/12/16 2006年3月18日(土)、東横線・田園都市線・大井町線のダイヤ改正を実施
- ↑ 平成23年度の三大都市圏における鉄道混雑率について - 国土交通省、2012年10月1日
- ↑ 山田祥平のRe:config.sys
- ↑ Let'snoteシリーズ新製品発表会〜耐加重量100kgを実演:Impress PC Watch
- ↑ 東急電鉄ウェブサイト内の特設ページの記述より。人口予測は国立社会保障・人口問題研究所等のものによるとされる。
- ↑ 2007年6月18日付東急電鉄からのお知らせ 田園都市線の準急運転「遅延を抑制する効果が表れています」
- ↑ 富井規雄『鉄道ダイヤのつくりかた』100p - 109p
- ↑ 混雑緩和策の一環として、田園都市線「早起き応援キャンペーン」を実施 - 東京急行電鉄、2009年11月13日、2013年2月16日閲覧。
- ↑ 混雑緩和策の一環として、田園都市線「早起き応援キャンペーン」を実施 特典内容を拡充して、本日から5月12日までメンバーを募集 - 東京急行電鉄、2010年4月15日、2013年2月16日閲覧。
- ↑ 混雑緩和策の一環として、田園都市線「早起き応援キャンペーン」を実施サービス内容を拡充して、本日から11月10日までメンバーを募集 - 東京急行電鉄、2010年10月13日、2013年2月16日閲覧。
- ↑ サマータイムや朝型生活を応援! 第4回東急線「早起き応援キャンペーン」を路線や期間を拡大して実施 夏のお出かけを応援する、「夏のエコおでかけプロジェクト」を同時に展開 - 東京急行電鉄、2011年6月27日、2013年2月16日閲覧。
- ↑ 2013年からは、年間を通じて実施!Suicaにも対応します。東急線「早起き応援キャンペーン」参加登録開始 - 東京急行電鉄、2012年12月27日、2013年2月16日閲覧。
- ↑ (独)鉄道・運輸機構 平成15年度業務実績報告書 参考資料12
- ↑ 参考:三軒茶屋駅平日上り時刻表
- ↑ 平成15年3月29日(土)営団地下鉄半蔵門線、東急田園都市線、東武伊勢崎線・日光線相互直通運転開始記念「3社直通運転記念号 東武日光・鬼怒川温泉」を運転 - 東京急行電鉄ニュースリリース、2003年3月11日
- ↑ 鉄道5社共同企画 第18回東京湾大華火祭開催に伴い直通臨時列車を運転します。 平成17年8月13日(土) - 東京地下鉄ニュースリリース、2005年7月5日
- ↑ 東武伊勢崎線久喜駅にて、東急田園都市線・東京メトロ半蔵門線直通列車に接続! 「フラワーリレー号」を運転し、花の名所ヘッドマークを掲出いたします! - 東武鉄道ニュースリリース、2011年4月26日
- ↑ 東急線全駅で駅ナンバリングを導入します - 東京急行電鉄、2012年1月26日、2012年1月26日閲覧。
- ↑ 2005年1月31日付ニュースリリース 2月14日(月)から田園都市線に6ドア・座席格納車両を試験導入 朝ラッシュ時の遅延防止と混雑感の軽減を目指します
- ↑ 33.0 33.1 2009年4月、田園都市線に6ドア・座席格納車両を追加導入します。 - 東京急行電鉄ニュースリリース、2009年3月10日
- ↑ 「田園都市線 6ドア・座席格納車両」を新たに2編成追加導入します。
- ↑ 山本泰史 『東急電車 新玉川線物語』 多摩川新聞社、1996年。
- ↑ 新玉川線建設史、686-689ページ
参考文献
- 東京急行電鉄 『新玉川線建設史』 東京急行電鉄、1980年
- 『鉄道ジャーナル』2008年3月号(鉄道ジャーナル社)
- 『MY LINE 東京時刻表』各号(交通新聞社)
- 『鉄道ファン』2004年9月号 特集:東京メトロ(交友社)
- 『鉄道ダイヤ情報』各号(交通新聞社)
関連項目
- 日本の鉄道路線一覧
- Train Simulator+電車でGO! 東京急行編 - 田園都市線が収録されており(田園都市線内渋谷 - 中央林間の下りのみで半蔵門線、東武線までは乗り入れない)、運転することができる。
- 私鉄沿線97分署