旭区 (横浜市)
旭区(あさひく)は、横浜市を構成する18区のうちのひとつである。1969年に保土ケ谷区から旧都筑郡の領域を分区して発足した。
目次
概要[編集]
1950年代から横浜市中心部や京浜工業地帯への通勤者のベッドタウンとして宅地化が進み、丘陵地や農地に万騎が原、上白根、左近山、ひかりが丘、横浜若葉台団地などの大規模団地が造成され人口が激増した。1999年4月には日本最大級のよこはま動物園ズーラシアが開園した。横浜市編入以前は都筑郡に属し、郡役所が現在の都岡町に置かれたが、後に川和町(現都筑区)に移転。隣の瀬谷区との区境は武相国境[注 1]である。相模鉄道沿いの二俣川・鶴ヶ峰駅周辺地区は横浜市における主要な生活拠点(旧:副都心)に位置付けられており[1][2]、2007年まで鶴ヶ峰駅南口地区において再開発事業が行われた。
今後は二俣川地区で再開発が行われることになり、2010年度より中尾町の二俣川県有地に所在する県の行政機関のうち、県立がんセンターと運転免許試験場において、県有地内での相互移転を含む大規模な改修が行われ、二俣川駅南口でも市道鴨居上飯田線(都市計画道路)整備及び、相鉄JR直通線開業(予定)に伴う駅ビルなどの再開発が行われる予定である(「二俣川駅#南口エリアの再開発」も参照)。
位置[編集]
横浜市西部に位置し、北は緑区、西は瀬谷区、東は保土ケ谷区南は、戸塚区、泉区と接している。東京都心まで35km、横浜中心部まで13km。町田市中心部まで7kmほど。
地理[編集]
区の南部を相鉄本線が横断し、二俣川駅から南にいずみ野線が分岐する。区の北西から東に帷子川が貫流し、これに国道16号(旧八王子街道)が平行する。帷子川は大幅な改修工事により旭区役所および鶴ヶ峰駅近辺において流域の移動や暗渠化を併せた整備が行われている。区を北西から南東に国道16号保土ヶ谷バイパスが貫通しており、区内の道路と接続し旭区の大動脈となっている。中央部は東西に中原街道が通っており、他にも鎌倉街道および東海道新幹線が通る。
相模鉄道二俣川駅の北側には運転免許試験場・がんセンター・公文書館など県の施設が集まり、二俣川駅と鶴ヶ峰駅の間の県道厚木街道沿いに旭区役所・旭警察署・横浜旭郵便局が設置され、区の中心となっている。
なお三ツ境駅の北側も旭区であり、瀬谷区との境に聖マリアンナ医科大学横浜西部病院や程ヶ谷カントリー倶楽部がある。
地形[編集]
区の大半は八王子市や町田市から連なる多摩丘陵に位置し、標高は60~100m程である。西部は一部相模野台地に含まれる。区の中央を帷子川が縦断し、源流も区内にある。保土ヶ谷バイパス沿いや区の西部には広範囲に横浜市風致地区条例に基づき市街化調整地域が設定されており、生産緑地、公園、山林等になっており、区内には川井矢指風致地区・今井大池名瀬風致地区・三保新治風致地区の3つの風致地区があり、横浜市内では緑被率の高い地域である。 また、内陸に位置し大河川や湖沼がないため横浜市では瀬谷区と同様に液状化の被害がない地域とされる。([1]
気候[編集]
緑地が多いことから横浜市内では夏期の平均気温が最も低く2012年は26.1℃であり、最も平均気温が高かった鶴見区よりも1.5℃低くなっている。 冬季は寒冷な気候で最低気温0度を下回ることは多く、氷点下7度まで下がる日もある。積雪は30cmをこえることもあり、ニュースでも度々報道される。 2014年2月17日には横浜の中心部で積雪27cmだったが旭区では2月8日の積雪も残っていたため畑などで70cmの積雪だった。冬は雪に対する警戒が必要な地域である。 [3]
歴史[編集]
古代、武蔵国都筑郡に属し、保土ケ谷区から当区にかけて、広大な榛谷(はんがや)御厨(榛谷氏は坂東八平氏のうち秩父氏の流れ)が存在し、善部(膳部)、半が谷などの地名が残る。 二俣川も参照。
- 1063年 - 白瀧山成願寺(現在の白根不動)が鎌倉景政により建立される。
- 1205年 - 鶴ヶ峯の戦い。
- 1889年 - 町村制施行
- 1926年5月12日 - 相模鉄道の前身で、相模川の砂利運搬を主な業務とする神中鉄道が二俣川駅〜厚木駅間を開業させる。
- 同年12月1日 - 神中鉄道が星川駅(現・上星川駅)まで延長。
- 1930年10月25日 - 鶴ヶ峰駅が開業。(1933年12月27日に横浜駅まで開通)
- 1933年‐二俣下川駅が開業。(1944年休止)
- 駅近くの本村地区には当時二俣川村役場などがあった。
- 1939年4月1日 - 都筑郡都岡村と二俣川村が保土ケ谷区に編入される。(都筑郡新治村は港北区に編入)
- 1969年10月1日 - (旧)保土ケ谷区から(新)保土ケ谷区と旭区が新設され発足した。
- 1976年4月8日 - 相模鉄道いずみ野線二俣川駅〜いずみ野駅(当時戸塚区、現在泉区)が開業。区内には南万騎が原駅が設置される。
- 1990年 - 二俣川駅周辺地区の再開発が始まる。
- 2003年 - 鶴ヶ峰駅南口地区の再開発が始まる。
産業[編集]
一昔前までは農家や、帷子川沿いにスカーフの染色工場が点在していたが、スカーフ工場については現在全て姿を消した。現在は区内の大半が住宅地であるが、大規模小売店舗は団地周辺を除くと国道16号を含めて道路沿いの郊外型が少なく、駅近辺に集中している。 北西部に瀬谷区、町田市まで保土ヶ谷バイパス沿いに工業地帯がある。また、保土ヶ谷バイパス沿いや区の西部では生産緑地があり、2013年現在では主に野菜、果物の生産を行っている。
行政[編集]
区長
- 初代 島本為三(1969年10月1日 - 1971年6月9日)
- 第2代 石黒善雄(1971年6月10日 - 1973年4月25日)
- 第3代 門倉政秋(1973年4月26日 - 1975年6月1日)
- 第4代 豊田敏郎(1975年6月2日 - 1977年6月9日)
- 第5代 式守健一(1977年6月10日 - 1979年6月7日)
- 第6代 横山幸藏(1979年6月10日 - 1983年5月31日)
- 第7代 上久保忠(1983年6月1日 - 1987年6月9日)
- 第8代 立神孝(1987年6月10日 - 1989年12月31日)
- 第9代 齋藤主計(1990年1月1日 - 1992年5月31日)
- 第10代 杉山明英(1992年6月1日 - 1994年6月30日)
- 第11代 川井秋彦(1994年7月1日 - 1998年4月30日)
- 第12代 吉里弘明(1998年5月1日 - 2000年3月31日)
- 第13代 加藤智(2000年4月1日 - 2003年3月31日)
- 第14代 岸本孝男(2003年4月1日 - 2005年3月31日)
- 第15代 早渕直樹(2005年4月1日 - 2007年3月31日)
- 第16代 綾部一明(2007年4月1日 - 2009年3月31日)
- 第17代 萩原博(2009年4月1日 - 2011年4月30日)
- 第18代 濱陽太郎(2011年5月1日 - )
地域[編集]
健康[編集]
- 平均年齢 46.27歳(2013年1月1日)
- 平均年齢は、横浜市18区中一番高い。(横浜市の平均は44.13歳)
- 年齢別人口割合 0〜14歳:12.6%、15〜64歳:61.4%、65歳以上:25.8%(2013年1月1日)
- 65歳以上高齢化率は横浜市18区中、栄区に次いで二番目の高さ。(横浜市の平均は21.3%)
住宅団地[編集]
- ヴィンテージヴィラ横浜(若葉台, 神奈川県住宅供給公社・清水建設、初の公的高齢者ケア付き、1989年
- 横浜若葉台団地(神奈川県住宅供給公社若葉台団地) - 若葉台・横浜都市計画事業(一団地の住宅施設)
- 県営今宿第二団地(今宿南町)
- 県営白根団地(白根3丁目)
- 市営住宅 東希望が丘ハイツ
- 市営住宅 旭グリーンハイツ
- 市営住宅 中希望が丘ハイツ
- 市営住宅 善部町
- 市営住宅 ひかりが丘
- 市営住宅 ルブワール
- 市営住宅 二俣川宮沢
- 市営住宅 鶴ケ峰南
- 市営住宅 川井本町
- 市営住宅 グリーンヒル上白根
- 市営住宅 今宿ハイツ
- 市営住宅 ハーヴェストコート
- 県営グリーンヒル市沢(市沢町704外)
- 県営鶴ケ峰団地(鶴ケ峰1-53外)
- 県営希望ヶ丘団地(中希望が丘73-4
- 県営万騎ヶ原団地(万騎が原39外)
- 県営新白根団地(白根7丁目)
- 県営上白根ハイツ(上白根2-46外)
- 県営ヴィラ川井本町(川井本町32)
教育[編集]
中等教育学校[編集]
- 私立
高等学校[編集]
- 公立
- 私立
- 星槎高等学校(※中高併設)
- 横浜商科大学高等学校
中学校[編集]
- 公立
|
|
|
- 私立
- 星槎中学校(※中高併設)
小学校[編集]
|
|
|
横浜市立ひかりが丘小学校は2011年度より「横浜市立四季の森小学校」として改称された横浜市立大池小学校に統合された。
職業訓練施設[編集]
- 神奈川県立産業技術短期大学校(職業能力開発促進法に基づく職業能力開発短期大学校)
公共施設[編集]
地区センター(6か所)
- 若葉台地区センター
- 白根地区センター
- 都岡地区センター
- 今宿地区センター
- 市沢地区センター
- 希望が丘地区センター
コミュニティハウス(7か所)
- 今宿南(今宿南小学校内)
- 上白根
- 左近山第二(左近山第二小学校内)
- 鶴ケ峰
- ひかりが丘(ひかりが丘小学校内)
- 東希小(東希望が丘小学校内)
- 若葉台東(旧若葉台東小学校内)
地域ケアプラザ(10か所)
- 今宿地域ケアプラザ
- 今宿西地域ケアプラザ
- 上白根地域ケアプラザ
- 川井地域ケアプラザ
- 左近山地域ケアプラザ
- 鶴ケ峰地域ケアプラザ
- ひかりが丘地域ケアプラザ
- 万騎が原地域ケアプラザ
- 南希望が丘地域ケアプラザ
- 若葉台地域ケアプラザ
文化施設
- 旭図書館
- 神奈川県立公文書館
- 旭公会堂(区役所4階)
- 旭区民文化センター「サンハート」
- 旭区市民活動支援センター「みなくる」(ココロット鶴ヶ峰内)
- おおいけらんど上白根大池公園(こどもログハウス)
スポーツ施設、野外活動施設
- 横浜市旭スポーツセンター
- 本村スポーツ会館
- こども自然公園野球場
- 今川公園運動広場・屋外テニスコート
- 旭プール(屋内温水プール有り)
- 鶴ケ峰本町プール
- 大貫谷公園プール
- こども自然公園青少年野外活動センター
交通[編集]
鉄道路線[編集]
- 中心となる駅:二俣川駅、鶴ヶ峰駅
- 相鉄本線
- - 希望ヶ丘駅 - 二俣川駅 - 鶴ヶ峰駅 -
- 相鉄いずみ野線
- - 南万騎が原駅 - 二俣川駅
- その他、東海道新幹線が新横浜駅 - 小田原駅間で 6km 弱にわたって旭区(二俣川周辺)を通過している。
路線バス[編集]
道路[編集]
国道
県道
市道
名所・旧跡・観光スポット[編集]
- よこはま動物園ズーラシア
- こども自然公園(通称:大池公園)・万騎ヶ原ちびっこ動物園(野毛山動物園の分園)
- 畠山重忠古戦場史跡(鶴ケ峰・二俣川)
- 白根公園・白根不動 - 空海(弘法大師)作と伝承する本尊不動明王像を祀っている。また境内にある白糸の滝の幅は市内最大である。
- 四季の森公園(住居表示は緑区・一部は旭区)。
- ゴルフ場 - 横浜市内にある4場のうち3場が所在している。
出身有名人[編集]
- 阿波野秀幸(元プロ野球選手)
- 木田勇 (元プロ野球選手)
- 小林賢太郎(コメディアン『ラーメンズ』)
- 須藤理彩(女優)
- 米倉涼子(女優)
- 佐野進也(俳優)
- 加瀬亮(俳優)
- てつろう(ミュージシャン)
- 高知優吾(歌手)
- TiA(シンガーソングライター)
旭区を舞台にした作品[編集]
ドラマ
- 「早春スケッチブック」 - フジテレビ系列で1983年に放映された、山田太一脚本の連続ドラマ。相鉄本線希望ヶ丘駅周辺一帯や神奈川県立希望ヶ丘高等学校、相鉄いずみ野線南万騎が原駅附近を舞台として、当時ロケが行われた。
- 2時間ドラマ「東北四大祭り殺人事件」で、なぜか若葉台でロケが行われた。
- 流れ星 (テレビドラマ) - フジテレビ系列で2010年に放映。第一話の撮影で相鉄本線鶴ヶ峰駅付近のザ・プライス横の踏切が使われた。
- 家族ゲーム (テレビドラマ) - フジテレビ系列で2013年に放映。主人公の住む町は横浜市旭区今宿の二俣川ニュータウンで、全話で登場した。
- 医龍4(テレビドラマ) - フジテレビ系列で2014年に放映。L&P病院の内装の多くは神奈川県立がんセンターで、伊集院の彼女が電話していた場所は二俣川駅北口厚木街道歩道橋。
映画
- 「さよならみどりちゃん」 -希望ケ丘が舞台。
- 「Laundry」(2002年、森淳一監督、出演:窪塚洋介)- 登場するランドリーは旭区今宿で撮影
- 「ヘヴンズ ストーリー」(2010年、瀬々敬久監督)登場する団地を横浜若葉台団地や上白根で撮影
CM
区に関する事柄[編集]
区の歌[編集]
旭区の歌
- tvkのsakusakuで2006年05月19日に放送。
旭区民音頭 区制15周年記念として1984年作曲。
区のマスコットキャラクター[編集]
2009年の旭区誕生50周年を記念して、公募により「あさひくん」というマスコットキャラクターが誕生している[4]。
注釈[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ↑ 横浜市都市計画マスタープラン(全体構想)PDF 平成25年3月発行。編集・発行、横浜市都市整備局企画部企画課。
- ↑ 上大岡が副都心に選ばれた理由、そして副都心の定義とは?(はまれぽ.com 2012年8月19日)
- ↑ 平成24年夏の気温観測結果をお知らせします (横浜市環境創造局、ヒートアイランド内)
- ↑ 旭区キャラクター あさひくんのデータを使用したい!着ぐるみを借りたい!そんな時は…(横浜市旭区役所ホームページ)
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
|