東北新幹線
東北新幹線(とうほくしんかんせん)は、東京駅から八戸駅を結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の高速鉄道路線及びその列車(新幹線)である。
整備計画区間である盛岡~新青森間を含めた東北新幹線は東京~新青森間である。2010年までに東京~新青森間の全線が開業した。
目次
路線データ[編集]
開業区間のもの
- 路線距離(営業キロ):東京~八戸間 631.9km(実キロは593.1km)
- 軌間:1435mm
- 駅数:21駅(起終点駅含む)
- 複線区間:全線複線
- 電化区間:全線電化(交流25,000V・50Hz)
- 保安方式:速度検知式
- 保安装置:
- 車両基地所在駅:上野駅・小山駅・那須塩原駅・仙台駅※・盛岡駅
- 最高速度:
- 東京~大宮:110km/h
- 大宮~宇都宮:245km/h
- 宇都宮~盛岡:275km/h
- 盛岡~八戸:260km/h
※厳密には仙台地区の車両基地である新幹線総合車両センターは利府町にあり、新利府駅が車両基地所在駅であるが、東北新幹線に新利府駅がないため、仙台駅が車両基地所在駅の扱いを受けている。
概要[編集]
全国新幹線鉄道整備法に基づく新幹線鉄道として初めて計画された3線のうちの一つ(残り2線は上越新幹線と成田新幹線)である。東京~盛岡間は1971年に基本計画の決定・整備計画の決定を経て着工、1982年に大宮~盛岡間が開業し、1991年までに東京~盛岡の全区間が開業した。一方、盛岡~新青森間は1973年に整備計画が決定された5線(いわゆる整備新幹線)のうちの一つで、八戸~新青森間が2010年に開業し、全線開通した。
利用状況[編集]
現在、JR東日本の所有する新幹線の中では最も輸送人員が多い新幹線である。国土交通省の鉄道輸送統計年報[1]によれば2005年度の輸送人員は8,168万人だった。なお、他の新幹線の輸送人員は、上越新幹線が3,673万人、長野新幹線が965万人、東海道新幹線が14,350万人、山陽新幹線が6,057万人、九州新幹線が397万人だった。
全体の輸送量(旅客輸送人キロ)や全旅客に占める定期外旅客の割合は他の新幹線に比べ、通勤・通学をはじめとする短距離利用の傾向が強い。
交通需要について国土交通省(当時は運輸省)が2000年に調査した都道府県間旅客流動データによると、東京都から鉄道で他道府県に移動した年間旅客のうち、東北新幹線沿線各県(埼玉県を除く)への年間旅客数は819.6万人にのぼった。うち、年間旅客数が最も多かったのは栃木県の307.5万人であり、次いで宮城県の219.6万人、福島県の194.6万人、岩手県の97.9万人であった。さらに東京圏(東京都 + 神奈川県 + 埼玉県 + 千葉県)から沿線各県への年間旅客数は、栃木県が481.8万人で最も多く、次いで宮城県356.6万人、福島県343.8万人、岩手県150.3万人である。
また、沿線各都県間を流動する出発鉄道旅客数は、東京都出発客が819.6万人と最も多く、次いで栃木県の622.1万人、宮城県の608.8万人、福島県の468.3万人、岩手県の266.9万人であり、同じく目的地旅客数は、東京都を目的地とする客が824.6万人、宮城県が566.9万人、栃木県が544.5万人、福島県が484.3万人、岩手県が267.8万人であった。
沿線各都県間の鉄道旅客流動状況(2000年)は以下のとおり。
- 東北新幹線沿線各都県間鉄道旅客流動状況(2000年)
出発地\目的地 | 東京圏* | 栃木県 | 福島県 | 宮城県 | 岩手県 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
東京圏* | - | 4,818 | 3,438 | 3,566 | 1,503 | 13,325 |
栃木県 | 5,749 | - | 134 | 276 | 62 | 6,221 |
福島県 | 3,444 | 244 | - | 900 | 95 | 4,683 |
宮城県 | 3,608 | 316 | 1,146 | - | 1,018 | 6,088 |
岩手県 | 1,550 | 67 | 125 | 927 | - | 2,669 |
合計 | 14,351 | 5,445 | 4,843 | 5,669 | 2,678 | - |
また実際の利用状況は以下のとおりである。
- 「はやて」・「こまち」
- 東京~仙台間は非常に混雑するが、全車指定席であるため指定券が無いと着席できない。満席の場合は立席特急券が発売されるが客室への入場は制限される。そのため客室内で立ち客が出ることは無い(障害時を除く)。週末や帰省時期は、仙台以北であっても下りの午前出発便、上りの夕方到着便(いずれも東京基準)を中心に指定券が取りにくくなる。この場合は仙台・盛岡での「やまびこ」との乗継を検討しなければならない。
- 「やまびこ」・「なすの」・「つばさ」
- 東京~宇都宮間は混雑し、特に大宮~宇都宮間の混雑はひどく、着席できない場合がある。この区間で着席を嗜好する場合は指定席を確保するか、自由席が多い「なすの」を選んで乗車するとよい。一方、宇都宮以北では「なすの」の場合確実に着席でき、「やまびこ」・「つばさ」でも空席が見られることが多い。なお、仙台始発終着便の福島以北、盛岡始発終着便の仙台以北では繁忙期であっても指定席に余裕がある列車が大半である。
歴史[編集]
- 1971年(昭和46年)11月28日 - 起工。
- 1979年(昭和54年) - 小山駅付近で試作車両の走行試験を開始。
- 1982年(昭和57年)6月23日 - 大宮駅~盛岡駅間 (465.2km) 暫定開業。「やまびこ」「あおば」運転開始。最高速度210km/h。2002年12月の八戸延伸開業の際に本線として使用される盛岡駅~盛岡新幹線運輸区間の回送線も供用開始。200系営業運転開始。
- 1982年(昭和57年)11月15日 - 上越新幹線開業。
- 1985年(昭和60年)3月14日 - 上野駅~大宮駅間 (27.7km) 及び水沢江刺駅、新花巻駅開業。最高速度を240km/hへ引き上げ。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄の分割・民営化によるJR各社の発足に伴い、全線が東日本旅客鉄道に移管。
- 1990年(平成2年)1月22日 - 東京駅延伸工事中に御徒町トンネルの建設現場で土砂が噴出し地上の道路が陥没する事故が発生。
- 1990年(平成2年)3月10日 - くりこま高原駅開業。
- 1991年(平成3年)6月20日 - 東京駅~上野駅間 (3.6km) 開業、東京乗り入れを果たす。
- 1992年(平成4年)7月1日 - 山形新幹線(福島駅~山形駅間)開業、直通運転開始。200系と400系が併結運転開始
- 1994年(平成6年)7月15日 - E1系Maxが営業運転を開始(現在は上越新幹線列車用としてのみ運用)。
- 1995年(平成7年)12月1日 - 東京駅~那須塩原駅間で「なすの」運転開始。
- 1997年(平成9年)3月22日 - 秋田新幹線開業、直通運転開始。最高速度を275km/hへ引き上げ。同日E2系が営業運転を開始。E2系とE3系が併結運転開始
- 1997年(平成9年)10月1日 - 長野新幹線開業。列車愛称を行先別に整理し「あおば」廃止(詳細は後述)。
- 1997年(平成9年)12月20日 - E4系Maxが営業運転を開始。
- 1999年(平成11年)12月4日 - 山形新幹線、山形駅~新庄駅間延伸開業。
- 2001年(平成13年)9月21日 - 山形新幹線の併結相手が200系から、E4系のみとなる。
- 2002年(平成14年)12月1日 - 盛岡駅~八戸駅間 (96.6km) 延伸開業。同時にDS-ATCを採用。
- 2005年(平成17年)5月31日 - 建設中の牛鍵トンネル内で、天井部分が60mに渡って陥没する事故が発生。この事故による新青森への延伸開業予定時期に支障はなく、年内に復旧工事がほぼ完了した。
- 2005年(平成17年)11月27日 - 古川駅~盛岡駅間で始発からDS-ATC使用開始。
- 2005年(平成17年)12月10日 - ダイヤ改正により仙台以北よりMaxやまびこの定期運用終了。
- 2006年(平成18年)10月15日 - 新白河駅~古川駅間で始発からDS-ATC使用開始。
- 2007年(平成19年)3月18日 - 健康増進法第25条により、全車両の禁煙を実施。
- 2007年(平成19年)以降 - 東京駅~新白河駅間でDS-ATC導入予定。これにより全線がDS-ATC化される。
- 2011年(平成23年)春 - 八戸駅~新青森駅間開業予定。
東北・上越新幹線反対運動[編集]
1973年4月26日から発生した、戸田市・与野市・浦和市一部による非常に大規模な反対運動である。工事地内への居座り行動・デモ行進・国鉄説明会打ち切りなどが実施され、東北・上越新幹線の騒音対策や埼京線の快速停車駅数など地元の要望が実現化するきっかけとなった。この一連の反対運動を「東北・上越新幹線反対運動」という。詳しくは該当ページ、及び埼京線と地元住民の関係を参照。
東北新幹線を取り巻く状況の推移[編集]
- 1981年 - (新)秋田空港開港
- 1985年 - 東京国際空港~仙台空港・花巻空港間の定期旅客便が廃止
- 1987年 - 青森空港が旧空港から移転、中型ジェット機の発着が可能になった。
- 1987年9月 - 東北自動車道(川口JCT~青森IC)が全線開通
- 1988年3月 - 青函トンネル営業開始
- 1989年9月 - 八戸自動車道の安代JCT~一戸IC間が開通し、東北自動車道と八戸ICが高速道路で結ばれた
- 1991年7月 - 山形自動車道の関沢IC~山形北IC間が開通し山形北ICと東北自動車道が高速道路結ばれた
- 1991年10月 - 庄内空港開港
- 1992年10月 - 磐越自動車道の猪苗代磐梯高原IC~会津坂下ICが開通し、会津若松ICと東北自動車道が高速道路で結ばれた。
- 1996年6月 - 航空会社が一定の範囲内で自由に運賃を決められる「幅運賃制度」を導入
- 1997年 - 航空各社がマイレージサービスを本格導入
- 1997年7月 - 秋田自動車道の北上西IC~湯田ICが開通し全線開通
- 1998年7月 - 大館能代空港開港
- 1998~1999年 - エアーニッポンが仙台空港~青森空港間に旅客便を運行
- 2000年2月 - 改正航空法が施行され、航空運賃が認可制から届出制へ移行
- 2002年 - 東京国際空港~三沢飛行場間の航空便が減便
- 2002年11月 - 東京国際空港~山形空港間の旅客便が廃止
- 2003年4月 - 羽田~山形便が1日1往復で復活
- 2007年3月15日 - 青森空港で濃霧による欠航対策のための高精度なILSカテゴリーIIIaの運用を開始
- 2010年10月 - 羽田空港の新D滑走路が完成・供用開始され、発着枠が拡大する予定
運賃計算と特急料金[編集]
運賃計算[編集]
東京駅~盛岡駅間は東北本線の営業キロを適用(東京駅~盛岡駅間の営業キロは535.3km、実キロは496.5km)し、盛岡駅以北は並行するJRの路線がないため、実キロ(新幹線での実際の距離)を適用し運賃計算する。
特急料金[編集]
特急料金に関しては、「三角表」と称する各駅間に定められたものにより算出される。一方、この各駅間の特急料金は当該区間の営業距離に基づいて算定されたものである。営業距離に対応する特急料金、およびその他の特定区間特急料金は概ね以下のとおり。
- (参考)東北新幹線特急料金表(2007年8月1日現在) ※1
特定特急料金が設定されている区間以外は乗車区間の営業距離から算定する。
特急料金(特定区間以外) | |||||
---|---|---|---|---|---|
東北新幹線 営業距離(km) |
自由席(円) | 通常期 指定席(円) |
閑散期 指定席(円) |
繁忙期 指定席(円) |
東京駅利用 加算額(円) ※2 |
100km以下 | 1,790 | 2,300 | 2,100 | 2,500 | 200 |
101-200 | 2,520 | 3,030 | 2,830 | 3,230 | |
201-300 | 3,370 | 3,880 | 3,680 | 4,080 | |
301-400 | 4,100 | 4,610 | 4,410 | 4,810 | |
401-500 | 4,620 | 5,130 | 4,930 | 5,330 | |
501-600 | 4,940 | 5,450 | 5,250 | 5,650 | |
601km以上 | 5,290 | 5,800 | 5,600 | 6,000 | |
特定特急料金(特定区間) | |||||
東北新幹線 特定区間 |
自由席(円) | 通常期 指定席 |
閑散期(円) 指定席 |
繁忙期 指定席(円) |
特記事項 |
隣駅間(50km以下) | 840 | 2,300 | 2,100 | 2,500 | なし |
隣駅間(51~60km) | 950 | ||||
東京~大宮 | 1,040 | 2,500 | 2,300 | 2,700 | |
東京~宇都宮 | 2,400 | 2,910 | 2,710 | 3,110 | |
上野~宇都宮 | 2,200 | 2,710 | 2,510 | 2,910 | |
古川~一ノ関 | 950 | 2,300 | 2,100 | 2,500 | |
一ノ関~北上 | 840 | ||||
北上~盛岡 | |||||
盛岡~沼宮内※3 | 盛岡~八戸間 の自由席は立席 となる。 | ||||
沼宮内~二戸 | |||||
二戸~八戸 | |||||
盛岡~二戸 | 1,790 | ||||
盛岡~八戸 | |||||
沼宮内~八戸 |
- ※1 基本的に新幹線特急料金は各駅間個別に定められている。
- ※2 東京駅と大宮駅以遠間を乗車する場合、上野駅発着の営業距離で特急料金を算定し、その額に200円を加算する。
- ※3 「沼宮内」=「いわて沼宮内」
駅一覧[編集]
- JRの路線名は、その駅に接続している正式路線名のみを記す。
- 乗車人員は東日本旅客鉄道の駅のもの。在来線併設駅は在来線分を含む。は前年度に比較した増()減()を表す。
駅名 | 営業キロ | 実 キロ [2] [3] |
2013年度 乗車人員 (1日平均) |
接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|
東京駅 | 0.0 | 0.0 | 415,908 | 東海旅客鉄道:東海道新幹線 東日本旅客鉄道:東海道本線・東北本線・総武本線・京葉線 東京地下鉄:丸ノ内線 |
東京都 | 千代田区 |
上野駅 | 3.6 | 3.6 | 181,880 | 東日本旅客鉄道:東北本線 東京地下鉄:銀座線・日比谷線 京成電鉄:本線(京成上野駅) |
台東区 | |
大宮駅 | 30.3 | 31.3 | 245,479 | 東日本旅客鉄道:上越新幹線・東北本線・高崎線・川越線 東武鉄道:野田線 埼玉新都市交通:伊奈線 |
埼玉県 | さいたま市 大宮区 |
鷲宮信号場 | - | 50.9 | 東北新幹線唯一の信号場 | 久喜市 | ||
小山駅 | 80.6 | 80.3 | 22,247 | 東日本旅客鉄道:東北本線・水戸線・両毛線 | 栃木県 | 小山市 |
宇都宮駅 | 109.5 | 109.0 | 36,176 | 東日本旅客鉄道:東北本線・日光線 | 宇都宮市 | |
那須塩原駅 | 157.8 | 152.4 | 5,097 | 東日本旅客鉄道:東北本線 | 那須塩原市 | |
新白河駅 | 185.4 | 178.4 | 2,894 | 東日本旅客鉄道:東北本線 | 福島県 | 西白河郡 西郷村 |
郡山駅 | 226.7 | 213.9 | 17,931 | 東日本旅客鉄道:東北本線・磐越西線・磐越東線 | 郡山市 | |
福島駅 | 272.8 | 255.1 | 16,726 | 東日本旅客鉄道:東北本線・奥羽本線(山形新幹線) 阿武隈急行:阿武隈急行線 福島交通:飯坂線 |
福島市 | |
白石蔵王駅 | 306.8 | 286.2 | 879 | 宮城県 | 白石市 | |
仙台駅 | 351.8 | 325.4 | 83,540 | 東日本旅客鉄道:東北本線・仙石線・仙山線 仙台市地下鉄:南北線 |
仙台市 青葉区 | |
古川駅 | 395.0 | 363.8 | 4,964 | 東日本旅客鉄道:陸羽東線 | 大崎市 | |
くりこま高原駅 | 416.2 | 385.7 | 1,119 | 栗原市 | ||
一ノ関駅 | 445.1 | 406.3 | 4,614 | 東日本旅客鉄道:東北本線・大船渡線 | 岩手県 | 一関市 |
水沢江刺駅 | 470.1 | 431.3 | 1,051 | 奥州市 | ||
北上駅 | 487.5 | 448.6 | 3,833 | 東日本旅客鉄道:東北本線・北上線 | 北上市 | |
新花巻駅 | 500.0 | 463.1 | 942 | 東日本旅客鉄道:釜石線 | 花巻市 | |
盛岡駅 | 535.3 | 496.5 | 18,440 | 東日本旅客鉄道:東北本線・田沢湖線(秋田新幹線)・山田線 IGRいわて銀河鉄道:いわて銀河鉄道線 |
盛岡市 | |
いわて沼宮内駅 | 566.4 | 527.6 | 85 | IGRいわて銀河鉄道:いわて銀河鉄道線 | 岩手郡 岩手町 | |
二戸駅 | 601.0 | 562.2 | 790 | IGRいわて銀河鉄道:いわて銀河鉄道線 | 二戸市 | |
八戸駅 | 631.9 | 593.1 | 4,488 | 東日本旅客鉄道:八戸線 青い森鉄道:青い森鉄道線 |
青森県 | 八戸市 |
七戸十和田駅 | 668.0 | 629.2 | 673 | 上北郡 七戸町 | ||
新青森駅 | 713.7 | 674.9 | 3,639 | 東日本旅客鉄道:奥羽本線 | 青森市 |
駅構内配線図[編集]
配線分類 | 2面4線 | 2面2線+通過線 | 2面3線+通過線 | 2面2線 |
---|---|---|---|---|
構内図 | ||||
該当駅 | 上野駅・仙台駅 八戸駅・新青森駅 |
宇都宮駅・新白河駅 古川駅・一ノ関駅 |
小山駅・那須塩原駅 郡山駅・白石蔵王駅 北上駅 |
くりこま高原駅・水沢江刺駅 新花巻駅・いわて沼宮内駅 二戸駅・七戸十和田駅 |
配線分類 | 3面6線 | 2面4線+通過線 | 2面4線 | 2面4線(終着駅) |
---|---|---|---|---|
構内図 | ||||
該当駅 | 大宮駅 | 福島駅 | 盛岡駅 | 東京駅 |
途中駅のうち大宮駅・仙台駅・盛岡駅には全列車が停車する。東京駅 - 盛岡駅間における各駅のプラットホームは17両編成対応(約400m)だが、いわて沼宮内駅 - 八戸駅間は12両編成(約300m)、七戸十和田駅以北は10両編成(約250m)までしか対応していないため、盛岡駅が17両編成列車が入線可能な駅の北限である。このため秋田新幹線の盛岡駅 - 秋田駅間が悪天候等で区間運休となった場合、盛岡駅で足止めされた(本来秋田駅へ向かう予定の)「こまち」車両は盛岡新幹線車両センターへ臨時回送される。
福島駅の山形新幹線発着ホームは(東京方面から新青森方面に向かって一番左側にある)14番線1本のみとなっているため「つばさ」の上下同時発着はできず、かつ分割・併合相手となる「やまびこ」は上り(東京行き)の場合、当駅前後で下り本線と2度平面交差することとなり、ダイヤ作成上のネックとなっている。
盛岡駅の秋田新幹線ホームは外側の11番線(上り)および14番線(下り)を用いる(外側線と内側線とでは信号保安装置が異なるため「こまち」と「はやぶさ」の分割・併合は外側線のみで可能)。このため上り「こまち」は当駅構内北側で東北新幹線下り本線と平面交差する。
盛岡駅以北は沿線人口および利用客が少ないため、建設費削減の観点からホームを17両対応にする必要は無しと判断された。現在当該区間を運行する「はやぶさ」・「はやて」は10両編成のみであるが、2002年開業の盛岡 - 八戸間については臨時列車の入線も考慮して12両編成対応とされた。2010年開業の七戸十和田・新青森両駅についてはさらに短い10両編成対応に簡素化されたほか、新青森駅北側にある盛岡新幹線車両センター青森派出への回送線は単線で建設されたため、下り回送列車は将来の北海道新幹線上り本線と平面交差することとなる。
八戸駅をのぞく盛岡駅以北の途中駅および、同駅以南において開業後に増設された駅(くりこま高原駅・水沢江刺駅・新花巻駅)は待避線の無い「棒線駅」となっており、ホームには可動式安全柵(ホームドア)が設置されている。
全列車停車駅[編集]
2014年4月現在の東北新幹線内におけるすべての定期旅客列車が停車する駅の概要を記す。いずれも都道府県庁所在都市に位置している[注 1]。
- 東京駅
- 2面4線ホーム(20 - 23番線)に東北・上越・長野・山形・秋田の5新幹線列車が発着。その東隣に東海道新幹線用の3面6線ホーム(14 - 19番線)がある。当初両線は直通運転する計画があったが、東海道新幹線の列車本数増加に伴い、本来東北新幹線との直通用として計画されていた1面2線ホーム(14・15番線)は東海道新幹線用へ転用された。
- 東北新幹線は1991年に東京駅乗り入れを果たしたが、当初は東北新幹線用ホームが1面2線しか無かった。1997年の長野新幹線開業による列車増発に対応するため、在来線ホームを西側にずらし、かつ寝台列車牽引機関車用の機回し線を削る大改良工事を行い、捻出したスペースに1面2線を増設することで現在の姿となった(ただし22・23番線へ進入する列車は下り本線と平面交差)。しかし、その後もJR東日本管内の新幹線は年々運転本数が増加しているため、東京駅の東北新幹線用ホームも余裕が無くなってきており、臨時列車は隣の上野駅折り返しとなる場合がある。
- 当駅 - 上野駅間では山手線および京浜東北線の混雑緩和を図るため東北新幹線高架の真上に東北縦貫線を建設する工事が進められており、完成すれば現在上野駅発着となっている宇都宮線・高崎線・常磐線列車の東京駅乗り入れが実現する。
- 大宮駅
- 埼玉県の県庁所在地「さいたま市」で最も乗り入れ路線と乗降客数の多い駅。[注 2]。さいたま市誕生前は旧大宮市であった。
- 開業時から1985年3月の上野延伸まで東北新幹線の暫定起点だったことから、新幹線ホームは3面6線とJR東日本管内では最大規模。当駅構内北側は新幹線で唯一の複々線となっており、内側線が東北・山形・秋田新幹線、外側線が上越・長野新幹線と振り分けられ、東北新幹線上下本線が上越新幹線上り線を潜る形で両線が分岐している。
- 当駅では東北本線(宇都宮線:小山・宇都宮方面)と高崎線(熊谷・高崎・前橋方面)、上野方面と湘南新宿ライン、埼京線(新宿・渋谷方面)がそれぞれ分岐している。また近年は武蔵野線を介して多摩地域、下総地域への直通列車が設定されるなど首都圏でも有数のターミナル駅に発展している。
- 当駅からは上越新幹線高架に並行して埼玉新都市交通「ニューシャトル」が発着。ニューシャトルには「鉄道博物館駅」があり、隣接する鉄道博物館には新幹線列車が見物できる展望スペースがある(主要列車および各便通過時刻も掲載)。また駅構内には首都圏在来線の車両整備を担う大宮工場がある。
- 仙台駅
- 東北最大の都市「仙台市」の代表駅。首都圏の東京・上野・大宮の3駅をのぞくJR東日本の新幹線駅では最も多い乗降人員がある。
- 新幹線ホームは2面4線。「はやぶさ」「はやて」「こまち」は原則として内側線に発着し、外側線を当駅折り返し列車もしくは「はやぶさ」「はやて」を待避する「やまびこ」が使用している。さらに当駅の新幹線ホームは(前後の線路が急カーブしている関係上)大きくカーブしている箇所があるため、列車とホームの間が広く開く。そのため、ホーム直下の作業用通路には列車接近を知らせる黄色パトライトが取り付けられている。
- 当駅の新青森寄りには新幹線総合車両センターがあり、JR東日本の新幹線車両すべてがここで全般検査を受ける。
- 当駅からは山形方面へ向かう仙山線、日本三景の一つである松島方面へ向かう仙石線、さらに常磐線や仙台空港へ向かう仙台空港鉄道、阿武隈急行線が乗り入れ、仙台市地下鉄も発着している。また駅前には巨大なバスターミナルもあり、東北地方最大の交通拠点となっている。
- 盛岡駅
- 岩手県の県庁所在地「盛岡市」の代表駅。当駅西側にはかつて国鉄盛岡工場があったが1985年に廃止。跡地は再開発され今日では盛岡駅西口地区における新しいビジネス街および住宅街を形成している。
- 1982年6月から2002年11月までは東北新幹線の終着駅で、八戸・青森・函館方面へ向かう在来線特急「はつかり」や秋田方面へ向かう「たざわ」、釜石方面へ向かう釜石線が発着するなど北東北地方での重要な拠点駅だった。1997年3月より秋田新幹線の分岐駅となり、「こまち」は東京から当駅まで「はやぶさ」もしくは「はやて」に併結。当駅にて分割・併合作業が行われている。
- 新幹線ホームは2面4線で、「はやぶさ」「はやて」「こまち」は原則として外側線に停車。信号保安設備が内側線と外側線とで異なるため、「はやぶさ」「はやて」と「こまち」の分割・併合作業は外側線のみで可能。内側線は当駅折り返し列車が使用している。
- 新幹線の当駅以北延伸に伴い、並行在来線である東北本線は当駅から青森駅までの区間がJR東日本より経営分離されて第三セクター鉄道化され、県境の目時駅を境に岩手県側はIGRいわて銀河鉄道が、青森県側は青い森鉄道が各々運営している(ただし目時駅で折り返す列車は無く、運行系統上の分界駅は八戸駅)。新幹線の新青森駅延伸後は当駅が東北本線の終着駅となった。
- 新青森駅
- 1986年に奥羽本線の単独駅として開業。2010年12月より東北新幹線も乗り入れ、同線の終着駅となった日本最北端の新幹線駅である。当駅のある青森市石江地区南部は新幹線開業以降、急速に区画整理・再開発が進んでいる。さらに現在建設中の北海道新幹線起点駅にもなる。
- 青森市の代表駅は青森駅で、東北6県の県庁所在地では唯一、新幹線駅と市の代表駅が異なっており、新青森駅は青森市街地の西外れに位置している[注 3]。
- 新幹線ホームは2面4線、在来線ホームは単線区間上にある1面2線構造で、新幹線は在来線と十字型に直交している。在来線ホームからの特急列車も充実しており、弘前方面へ向かう「つがる」、青函トンネルを経由して北海道方面へ向かう「白鳥」・「スーパー白鳥」が発着している。また大湊線、五能線に直通する臨時快速列車も発着するなど、青森県、秋田県北部の拠点駅として機能している。豪雪地帯であるため、当駅構内の新幹線分岐器部分には温水を撒いて雪を溶かすスプリンクラーが設けられている。
運行形態[編集]
東京から新青森・盛岡方面にはおおむね1時間に1本の割合で運転されており、さらに仙台方面への区間列車が運転されている。停車駅に関してもおおむね固定されているが、時間帯によっては停車駅が増えたり減ったりする列車もある。全列車が東京駅を4の倍数の「分」に発車し、到着列車も1本をのぞいて4の倍数の「分」に到着する。
ダイヤパターンと停車駅[編集]
現行[編集]
2014年3月15日現在
- 「はやぶさ」は、毎時1本運転。一部「こまち」と併結。
種別 | 東京駅 発車時刻 |
東京 | 上野 | 大宮 | 小山 | 宇都宮 | 那須塩原 | 新白河 | 郡山 | 福島 | 白石蔵王 | 仙台 | 古川 | くりこま高原 | 一ノ関 | 水沢江刺 | 北上 | 新花巻 | 盛岡 | いわて沼宮内 | 二戸 | 八戸 | 七戸十和田 | 新青森 | 終着 |
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やまびこ・(つばさ) | 00分 | ● | ● | ● | → | ● | → | → | ● | ● | ● | ● | 仙台 | ||||||||||||
やまびこ◇ | 12分 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | → | ● | 仙台 | ||||||||||||
なすの◇ | 12分 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 那須塩原/郡山 | |||||||||||||||
はやぶさ・(こまち) | 20分 | ● | ● | ● | → | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | ● | △ | ▲ | ● | ▲ | ● | 新青森 |
やまびこ | 36分 | ● | ● | ● | → | ● | → | → | ● | ● | → | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 盛岡 | |||||
はやぶさ・(こまち)◆ | 44分 | ● | ● | ● | → | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | ● | △ | ▲ | ● | ▲ | ● | 新青森 |
やまびこ・(つばさ)◆ | 48分 | ● | ● | ● | → | △ | → | → | △ | ● | → | △ | 仙台 |
種別 | 始発 | 新青森 | 七戸十和田 | 八戸 | 二戸 | いわて沼宮内 | 盛岡 | 新花巻 | 北上 | 水沢江刺 | 一ノ関 | くりこま高原 | 古川 | 仙台 | 白石蔵王 | 福島 | 郡山 | 新白河 | 那須塩原 | 宇都宮 | 小山 | 大宮 | 上野 | 東京 | 東京駅 到着時刻 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
はやぶさ・(こまち) | 新青森 | ● | ▲ | ● | ▲ | △ | ● | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | → | ● | ● | ● | 04分 |
やまびこ◇ | 仙台 | ● | → | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 16分 | ||||||||||||
なすの◇ | 那須塩原/郡山 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 16分 | |||||||||||||||
やまびこ | 盛岡 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | → | ● | ● | → | → | ● | → | ● | ● | ● | 24分 | |||||
はやぶさ・(こまち)◆ | 新青森 | ● | ▲ | ● | ▲ | ▲ | ● | → | → | → | → | → | → | ● | → | → | → | → | → | → | → | ● | ● | ● | 32分 |
やまびこ・(つばさ)◆ | 仙台 | △ | → | ● | △ | → | → | △ | → | ● | ● | ● | 36分 | ||||||||||||
やまびこ・(つばさ) | 仙台 | ● | ● | ● | ● | → | → | ● | → | ● | ● | ● | 48分 |
- ●:停車 ▲:一部列車通過 △:一部列車停車 →:通過
- ◆:臨時列車 ◇:時間帯によってどちらかが運行
- ※ダイヤパターン化されていない定期列車と臨時列車は掲載していない。
- ※東京駅の発車、到着時刻に関しては多少の前後あり。
号数の振り方[編集]
- はやぶさ
- 東京駅 - 新青森駅間:定期列車は1・3 - 5・7 - 14・16 - 36・38号
- 東京駅 - 仙台駅間:定期列車は2・37号
- 仙台駅 - 新青森駅間:95・96号
- 東京駅 - 盛岡間:定期列車は6・15・101 - 105号
- はやて
- 盛岡駅 - 新青森駅間:93・98号
- 東京駅 - 盛岡間:定期列車は111 - 116・118号
- やまびこ
- 東京駅 - 盛岡駅間:定期列車は41 - 60号
- 東京駅 - 仙台駅間:定期列車は120・122 - 159号(東京駅 - 福島駅間「つばさ」併結)、201 - 223号(途中駅通過駅タイプと各駅停車タイプの混在)、臨時列車は170号台 - 190号台(「つばさ」併結)
- 仙台駅 - 盛岡駅間:97号・94・99号(土休日運休)
- 那須塩原駅・郡山駅 - 仙台駅間:290・291・293号(土休日運休)
- なすの
- 東京駅 - 小山駅・那須塩原駅・郡山駅間:251 - 282・284号
- 列車番号は、定期列車は基本的に号数+B(「こまち」と併結する「はやぶさ」は3000+号数+B、「はやて」は4000+号数+B)、臨時列車は2000、4000、5000、6000、8000、9000+号数+Bである。
- また、上表にあるパターンにおいて、臨時列車として延長運行する場合は5000+号数+Bとなる。
列車の概要[編集]
開業当初は東海道・山陽新幹線に倣って、「ひかり」に相当する速達タイプを「やまびこ」、「こだま」に相当する各駅停車タイプを「あおば」としていた。
しかし、1995年12月ダイヤ改正の近距離新幹線登場に合わせて、東北・上越両新幹線の列車名を運行区間別とする愛称の再編が行われ、東京~那須塩原間の近距離新幹線「あおば」を「なすの」として分離するとともに、仙台~盛岡間の「あおば」を「やまびこ」に統合。そして1997年10月のダイヤ改正からは東京~仙台間の「あおば」が「やまびこ」に統合され、「あおば」の愛称は消滅した。さらに2002年12月の八戸延長開業時のダイヤ改正からは東京・仙台・盛岡~盛岡・八戸間の列車として「はやて」が新設され、現在は概ね行先別に列車愛称が付されている。
ただし、停車駅は基本的に概ね各行先によってある程度整理はされているが、統一化はされていない。
列車愛称[編集]
「はやぶさ」は、主に東京駅 - 新青森駅間で運行される東北新幹線最速達列車。全車指定席。使用車両はE5系。
2011年3月5日に運行開始。大宮駅 - 宇都宮駅間の最高速度は従前の240km/hから275km/hに、宇都宮駅 - 盛岡駅間ではE2系「はやて」「やまびこ」の275km/hから300km/hへ引き上げられ、東京駅 - 新青森駅間を最短3時間10分で結んだ。
その後、2013年3月16日のダイヤ改正からは宇都宮駅 - 盛岡駅間の最高速度をさらに320km/hまで引き上げ、東京駅 - 新青森駅間の所要時間は最短2時間59分となり、初めて3時間を切った[4]。これによって山陽新幹線のN700系「のぞみ」「みずほ」「さくら」の最高速度300km/hを抜き、国内最速の営業列車となった。一方、盛岡駅 - 新青森駅間は整備新幹線区間であるため、「はやて」と同一の260km/hに留まる[5]。なお、2012年10月にJR東日本が発表した「グループ経営構想V〜限りなき前進〜」においては、「東北新幹線において320km/h運転区間のさらなる拡大を目指す」旨が盛り込まれている[6]。
なお、最高速度320km/hでの運転を行うのは「はやぶさ」単独運転列車のみであったが、秋田新幹線直通の「こまち」(E6系。東京駅 - 秋田駅間)を併結した17両編成で運転される列車についても、2014年3月15日のダイヤ改正以降は最高速度320km/hでの運転に統一された。
特急料金は「はやて」・「やまびこ」よりも最大で500円(大宮以南 - 盛岡以北間の場合)上乗せされる設定であり[7]、理由としてJR東日本では増額分を「高速性や快適な居住性の付加価値分」と説明している[8]。
- はやて
- 主に東京~八戸間を結ぶ速達列車の愛称。全車指定席。停車駅は東京、上野、大宮、仙台、盛岡、八戸で、仙台以北では仙台~八戸間各駅の利用状況やダイヤに応じ列車毎に停車駅が追加設定される。基本的に東京~仙台・盛岡間では「こまち」(東京~秋田)を併結して16両で運転される(一部は併結なし10両、盛岡便は増結16両)。八戸延伸前は「スーパーやまびこ」が速達列車の役割を果たしていた。
- 東京発下り最終および八戸発上り始発は、上野や大宮も通過する(大宮通過は上りのみ)最速列車である(「こまち」も同様)。
- 仙台~八戸間の各駅停車区間便も存在する。こちらは指定席に加え自由席も設定されている。
- 2007年夏季には仙台発上野行き、また同秋季には東京発仙台行きおよび仙台発上野行きの臨時速達列車として「はやて」(停車駅:東京・上野・大宮・仙台のみ)が設定された。
- やまびこ・Maxやまびこ
- 主に東京~仙台・盛岡間を走る準速達列車の愛称。定期列車のほぼ全便が東京、上野、大宮、宇都宮、郡山、福島、仙台と仙台以北各駅に停車する。東京~盛岡間に毎時1往復運行される「やまびこ」(朝晩の一部列車は白石蔵王停車)と、東京~仙台間に毎時1往復運行され東京~福島間で「つばさ」(東京~山形・新庄)を併結する「Maxやまびこ」がある。後者は、白石蔵王駅にも停車する(一部列車は通過)。定期列車の場合、東京~盛岡便(速達)にも「はやて」の名称が用いられているが、臨時列車の場合、東京~盛岡便(速達)には「やまびこ」の名称が用いられることがある(その中には全席指定もあった)。八戸延伸以前の「やまびこ」(「はやて」登場以前の速達タイプ)は、「こまち」とも併結運転を行っていたが、「はやて」登場以後の併結運転は「つばさ」とのみである。
- 東京~仙台間の準各駅停車列車も存在する(日中は白石蔵王駅通過)。「なすの」とともに上記の「やまびこ」が停車しない小山駅・那須塩原駅・新白河駅に停車する。
- 那須塩原・郡山~仙台および仙台~盛岡間の各駅停車区間便も存在する。
- 2007年の臨時では、大宮~盛岡の区間列車が運行された。
- なすの・Maxなすの(主に近距離利用・各駅停車列車)
- 近距離新幹線(通勤新幹線)の導入に伴って登場した列車名称で、主な運行区間は東京~那須塩原・郡山である。主に朝夕の栃木県~都心間の旅客需要に対応する列車で、日中は各駅停車の「やまびこ」とともに東京~宇都宮間利用客の着席機会を増すことを副次的な目的とする。導入当初は那須塩原以南の関東地方内のみでの運行であったが、「はやて」導入に伴う新白河駅・郡山駅停車便減を補う形で運行区間が南東北の郡山駅まで延長された(隔時1本運行)。これにより「やまびこ」との乗り継ぎが若干改善された。朝夕は休日運休となる便がある。
山形新幹線・秋田新幹線直通列車[編集]
- つばさ
- 「つばさ」は、山形新幹線直通(東京駅 - 福島駅間は「やまびこ」に併結。定期列車の121・160号と、臨時列車の一部は全区間単独運転)。使用車両はE3系(1000・2000番台)、東北新幹線内の最高速度は275km/h。
E6系を使う列車は営業運転開始当初「スーパーこまち」を名乗っていた。これは、秋田新幹線車両のE3系からE6系への置き換えが完了するまでの約1年間、両者の区別をするための過渡的なものであり、最高速度は300km/hとなっていた。2014年3月15日のダイヤ改正でE6系への置き換えが完了した後は、再び「こまち」へ統一され、最高速度も320km/hに引き上げられた。
担当乗務員区所[編集]
車掌[編集]
- 丸の内車掌区:東京・上野発着の「やまびこ」「なすの」「はやて」「つばさ」(東京~山形間)「こまち」(東京~盛岡間)
- 仙台新幹線運輸区:盛岡及び仙台発着の「やまびこ」「はやて」
- 盛岡新幹線運輸区:盛岡発着の「やまびこ」「はやて」「こまち」
- 山形運輸区:「つばさ」
- 秋田運輸区:「こまち」「なすの」
- 「はやて」「こまち」併結列車はそれぞれの列車に車掌が乗務する。放送等は「はやて」の車掌が行う。「こまち」は丸の内車掌区・盛岡新幹線運輸区担当列車、「はやて」は盛岡新幹線運輸区担当列車に限り盛岡で乗務員交代を行う。
- 「Maxやまびこ」「つばさ」併結列車もそれぞれの列車に車掌が乗務する。放送等は「Maxやまびこ」の車掌が行う。
- 「Maxやまびこ」「Maxなすの」16両編成、「なすの」15・16両編成、「やまびこ」16両編成は、2編成併結列車のため通り抜けができないことから、それぞれの編成に車掌が乗務する。同じ列車でも編成により担当乗務員区所が異なる場合がある。
運転士[編集]
- 上野新幹線第二運転所:東京・上野発着の「やまびこ」「なすの」「はやて」「つばさ」(東京~福島間)「こまち」(東京~盛岡間)
- 福島総合運輸区:福島に停車する「やまびこ」(東京~仙台間)「つばさ」
- 仙台新幹線運輸区:盛岡及び仙台発着の「やまびこ」「はやて」
- 盛岡新幹線運輸区:盛岡発着の「やまびこ」「はやて」「こまち」
車両[編集]
現用車両[編集]
営業車両[編集]
- E2系 J編成 - 10両編成。「はやて」(東京駅 - 盛岡駅間)・「やまびこ」・「なすの」で使用。
- E3系 L編成/R編成 - 新在直通用。山形新幹線「つばさ」(7両編成。L編成1000番台・2000番台)、「やまびこ」・「なすの」(6両編成。R編成0番台)で使用。過去には秋田新幹線「こまち」(6両編成。R編成0番台)でも使用された。
- E5系 U編成 - 10両編成。「はやぶさ」全列車および、一部の「はやて」・「やまびこ」・「なすの」で使用。
- E6系 Z編成 - 7両編成。新在直通用。秋田新幹線「こまち」、「はやぶさ」・「やまびこ」・「なすの」で使用。
E6系は東北新幹線内ではE5系と併結し、導入当初は宇都宮駅 - 盛岡駅間で最高速度300km/hでの運転を行う。2014年春には宇都宮駅 - 盛岡駅間での最高速度が単独併結問わず320km/hとなった[9][10]。
なお、2011年春以降に200系を廃車、E2系・E4系を上越新幹線へ順次転出させ、「やまびこ」・「なすの」も含めて山形新幹線「つばさ」用のE3系をのぞく東北新幹線の全列車がE5系ないしはE6系に統一される予定である[11]。
事業用車両[編集]
編成記号の「S」は、系列に関係なく非営業用車両全般に用いられている。400系などの量産先行車も営業運転開始まで「S」を付けていた。
導入予定車両[編集]
営業車両[編集]
過去の車両[編集]
営業車両[編集]
- 200系 E・F・G・H・K編成 - E5系の増備により、2011年11月18日をもって全編成の定期運用終了。上越新幹線の定期運用も2013年3月15日で終了。
- E1系 M編成 - 12両編成。2階建て車両"Max"。「Maxやまびこ」と「Maxあおば」(後に「Maxなすの」)で使用された。1999年12月3日をもって定期運用終了。上越新幹線の定期運用も2012年9月28日で終了。
- 400系 L編成 - 7両編成。新在直通用。山形新幹線「つばさ」と「なすの」(増結用)で使用された。E3系2000番台への置き換えにより、2010年4月18日の臨時「つばさ18号」をもって運用終了。
- E4系 P編成 - 8両編成。2階建て車両"Max"。「Maxやまびこ」と「Maxなすの」(一部列車は「なすの」)で使用された。E5系の増備により、2012年9月28日をもって定期運用終了。現在は、上越新幹線のみで運用。
事業用車両[編集]
- 925形(ドクターイエロー) - S1・S2編成
試験用車両[編集]
車内放送[編集]
1982年の開業から1991年6月19日までは停車駅に近い地域の民謡などの音楽を、停車駅案内車内放送のチャイムに、「ふるさとチャイム」という名称で使用していた(「上野」が「花」、「宇都宮」が「日光和楽踊り」、「郡山」が「会津磐梯山」、「仙台」が「斎太郎節」など)。その後は全ての停車駅で同一のオリジナル楽曲をチャイムとして使用して現在に至っている。
大宮以南の開業の遅延と同区間での速度制限[編集]
騒音問題による沿線住民の猛反対を受け続け(新幹線が真下を通る赤羽の星美学園はそのシンボルとなった)、その見返りとして赤羽駅付近まで並行するように通勤新線「埼京線」を同時に建設し、大宮駅以南の区間も110km/h制限となった。
だが、いざ開業してみると、東北新幹線より埼京線の開業当初に投入された103系の方が圧倒的に騒音が高いという皮肉な結果となった。そのため、民営化後に横浜線・南武線に続いて205系新製車を程なくして投入する羽目になった。現在でも同区間における速度制限は変わらないが、埼京線の103系を淘汰した205系でも依然として騒音が高い傾向が見られ、遠距離客の利便性向上のために速度制限の緩和を実施するべき、との声もある。ただし、線形的にも大幅な速度向上は難しいとされる。因みに新幹線と並行して走る宇都宮線上り列車の小山駅到着前の車掌からの乗り換え案内では時間帯により、上り新幹線の接続案内を省略もしくは「こちらの列車(在来線)の方が新幹線より先に上野へ到着します。」あるいは「到着時刻はさほど変わりませんのでこのまま在来線をご利用下さい。」とのアナウンスが行われている。
北海道・北陸新幹線の延伸・全通時における対応予定[編集]
今後、北海道・北陸の各新幹線が延伸・全通すればさらなる運行本数増加が予想され、大宮 - 東京間および東京駅の線路容量が逼迫するとして、大宮駅から新宿駅へ乗り入れる別線を建設すべきとの意見[13](上越新幹線の本来の起点は新宿とされており、その建設とも見なせる)や、東海道新幹線の品川駅のように上野・大宮始発着の列車を増発するべきという意見、東京駅 - 高崎駅間で上越新幹線と北陸新幹線を併結運転させるという意見もある。現在ピーク時の大宮 - 東京間の運行本数は毎時12本であるが、回送列車を含めると、設計上の毎時15本(4分間隔)を確保できない時間帯がある。現在の運行本数は開業時から年々増えており、この区間が運行上の大きなボトルネックになっている。
なお、新宿駅 - 大宮駅間の別線の件については、近い将来のレベルでの完成は現実的ではないことから、2008年11月27日に開催された民主党の「整備新幹線を推進する議員の会」において、JR東日本の担当者から2014年度の北陸新幹線金沢開業および、2015年度の北海道新幹線新函館開業後におけるピーク時の輸送には、大宮始発着の列車を一部設定することにより輸送分散を図るという案がJR東日本の見解として提示されている。
特色[編集]
以下の内容は著者独自の見解で根拠がないのではないかと言っていた人がいたようです。 |
東北地方の交通に大きな転機を及ぼした東北新幹線の存在は、1982年の開業時の沿線である福島・宮城・岩手の3県以外に、東北新幹線と直通するミニ新幹線によって山形・秋田県、そして東北新幹線の盛岡以北の整備区間である青森県の八戸まで短時間で東京へ行ける範囲が広まったことでさらに大きくなった。これにより東北地方の全6県には何らかの形で新幹線車両が乗り入れていることになった。
また、新幹線がない都市には新幹線の停車駅との間に新幹線連絡特急などが整備され、東京からの日帰り旅行を可能にした。2006年現在、東北地方の県庁所在地で唯一新幹線が通らない青森市へは、東北新幹線の現在の終点八戸から新幹線連絡特急(白鳥・スーパー白鳥・つがる)によって、八戸~青森間が約1時間で結ばれている(青森市については今後新青森駅までの開業が予定されているため、開業後は大幅な時間短縮が図られる)。青森以南で新幹線が通らない福島県浜通りの場合は直接東京(上野駅)へ直結する常磐線で、山形県庄内地方の場合は羽越本線で新潟駅を経由し上越新幹線で東京へ至ることがそれぞれ可能である。
一方、西日本の新幹線が都市間輸送とともに関東圏を発着する飛行機と競争を繰り広げているのと同様、秋田新幹線も近年は飛行機に旅客を奪われつつある[14][15]。
東海道新幹線との直通運転[編集]
東北・上越新幹線が着工された当時、東京駅の東海道新幹線ホームは16~19番線の2面4線であった。当初の計画では在来線の敷地を転用して12~15番線の2面4線を新設し、さらに16番線の北端をY字型に西へ張り出させて、12~16番線を直通運転が可能な形とすることになっていた(12~13番線は現在の22~23番線)。また、上野駅は経由しない予定だった。
しかし最初に15番線、次いで14番線が完成したものの、東京~大宮間の工事の遅れや東海道・山陽新幹線の列車増発などにより、東海道新幹線用に使われることになった。このため直通運転可能なのは14番線のみに縮小され、また上野駅地下に新幹線駅を作ることも決まった。
国鉄の分割民営化後、一時凍結されていた東京~上野間の工事は再開されたが、需要の少なさや運行管理上の問題に加え、路線の性格も大きく異なるため、東海道新幹線との直通運転は「当面行わない」として事実上断念された。
また、東北・上越新幹線から、東海道新幹線へ乗り継ぐ場合、特急きっぷが2枚になってしまい、割高になってしまう。さらに、東海道新幹線が雪などにより深夜までダイヤが乱れた際には、東北・上越新幹線では接続待ちはしない。逆に東北・上越新幹線が遅れた場合も同様である。直通運転をするという以前に、両者間の連携はほとんど無視されているという状態である。
東北・上越新幹線の東京駅乗り入れ当初は、ホームが12~13番線の1面2線しかなかったため、多客時の増発列車は原則として従来どおり上野駅発着とされた。1997年の長野新幹線開業時に20~21番線が増設された際に、ほぼ全列車が東京駅発着となった。なお、この時12~13番線は22~23番線に改められている。
関連項目[編集]
- 日本の鉄道路線一覧
- 東北本線優等列車沿革
- 日本列島改造論
- 東北・上越新幹線
- 東北・上越新幹線反対運動
- 埼京線
- 1982年11月15日国鉄ダイヤ改正
- 1985年3月14日国鉄ダイヤ改正
- 建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画
- 東北自動車道
- 八戸自動車道
- 青森自動車道
- 麻雀のローカル役#東北新幹線
- 鈴木雅之 - 全線開業キャンペーンソング「キミの街にゆくよ」を歌っている。
- IGRいわて銀河鉄道 - 新幹線盛岡以北開業時に並行在来線となる東北本線盛岡 - 目時間の経営を引き継いだ事業者。
- 青い森鉄道 - 新幹線盛岡以北開業時に並行在来線となる東北本線目時 - 青森間の経営を引き継いだ事業者。
脚注[編集]
- ↑ 国土交通省鉄道輸送統計年報(平成17年度)
- ↑ 『新幹線全百科』小学館〈コロタン文庫87〉、148ページ。1982年から存在する施設については実キロが記載されている。
- ↑ 国土交通省監修『数字で見る鉄道2005』運輸政策研究機構、p.22。
- ↑ 2013年3月ダイヤ改正についてPDF - JR東日本 2012年12月21日
- ↑ 整備新幹線が時速260kmしか出せない事情 東洋経済オンライン 東洋経済新報社 2014年5月29日閲覧。
- ↑ 「グループ経営構想Ⅴ(ファイブ)〜限りなき前進〜」についてPDF - 東日本旅客鉄道 2012年10月30日
- ↑ 「はやぶさ」の特急料金・グランクラスの料金についてPDF - JR東日本 2010年11月11日
- ↑ E5系 こまち連結だと「はやて」 - 東奥日報 2010年11月14日(2010年12月21日時点のウェブ魚拓)
- ↑ 東北新幹線八戸〜新青森間の開業時期について - JR東日本 2008年11月10日
- ↑ 東北新幹線における高速化の実施について〜 新青森開業後における段階的な高速化 〜 - JR東日本 2007年11月6日
- ↑ 青森延伸で東北新幹線刷新 新型E5系に統一、2階建て「MAX」姿消す - 産経新聞 2009年2月12日(2009年2月14日時点のアーカイブ)
- ↑ 北海道新幹線用車両について - 北海道旅客鉄道、2014年4月16日
- ↑ 〔2005.07.09 富山新聞〕北陸新幹線「新宿ルートは必要」富山で野沢前法相 財源は別枠で - 前参議院議員・野上浩太郎公式サイト 2005年7月9日(2007年11月23日時点のアーカイブ)
- ↑ 新幹線開通による観光の変化 (秋田新幹線沿線地域) 国土交通省
- ↑ 次世代型新幹線登場へ速度アップで「空」と競争 読売新聞 2006.05.16
注釈[編集]
- ↑ ただし大宮駅は『JR時刻表』における埼玉県の県庁所在地駅としては扱われていない。
- ↑ さいたま市の代表駅は浦和駅である。
- ↑ 青森駅は青函連絡船接続駅だった名残から線路が海に向かって行き止まりになっているため、新幹線は将来の北海道方面延伸時でも方向転換が不要となる現在地に奥羽本線の駅を先行開業させ、のちに東北新幹線を接続させる方法が採用されて現在に至る。北海道側も、函館駅が青函連絡船接続駅だった名残からホームが頭端式で、本州からの列車は五稜郭駅で方向転換する形であることから、新幹線は将来の札幌延伸時に方向転換が不要となるよう、現在の函館本線渡島大野駅(北斗市)の位置に新函館北斗駅を建設している。
外部リンク[編集]
日本の新幹線 |
現行路線 |
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