携帯電話

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携帯電話
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携帯電話(けいたいでんわ)は、長距離を携帯して移動しながら長距離間の通信に使用できる、小型無線電話機のこと。またこの電話機を利用して行われる移動体通信サービスの総称。

通信手段として有線通信通信線路電話線等)を用いずに、基地局との間で電波による無線通信を利用する。マルチチャネルアクセス無線技術の一種でもある。

なお、略語として「携帯」が用いられる場合も多い。(#携帯電話端末で後述。また携帯機器も参照。)。

鉄道事業者の沿線電話に接続して使う携帯型の有線電話機も携帯電話機という。

日本国内の電気通信役務の区分では、かつての自動車電話から発展した電話網である携帯無線通信の事を指す。各種統計などで、第二世代デジタルコードレス電話を起源として異なる発展をしたPHSを含む携帯音声通信について場合によっては、「携帯電話・PHS」と併記し、「携帯電話」にはPHSを含まない。総務省の文章などでは繰り返し「携帯電話・PHS」と併記するのを避けるため「携帯電話(PHSを含む)」と一度だけ表記し、後は「携帯電話」とのみ表記する場合が多い。なお、通信衛星による自動車・携帯電話に関しては衛星電話の項を参照のこと。

世界的には、その狭義の「携帯電話」の範疇に、第二世代携帯電話以降の規格を使ってるデジタルMCA無線などの移動体通信携帯端末や、携帯端末に無線免許を受ける必要が無いPCSPHSDECTなどの小電力無線携帯端末も含めている場合もある。要出典

歴史[編集]

世界史[編集]

第2次世界大戦中に米軍が使用したモトローラ製の「Walkie Talkie」が、前身といわれる。 携帯電話の構想は、電話機が考案されて間もない頃からあった。電波を使用して無線で通信でき、かつ人間同士が音声にて会話することが夢として描かれていた。モールス符号を用いる無線電信機は携帯電話の元になる技術であり、これが携帯電話の可能性を考えさせるものであったが、実用化されても爆発的に普及するようになるものだとはこの時点では考えられていなかった。

具体的な研究は古くから行われてきたが、電波のノイズの問題やバッテリーの問題、また通信速度など多くの問題により電話機が非常に大型になってしまうが故に、携帯ができるものではなかった。

1960年代になると、両手で持ちながら会話できるほどの大きさまで小さくすることができた。それでも重く、短時間の通話でも疲れてしまうものであったが、1970年代になると頑張れば片手で持てるほどの大きさまで縮小することができた。これは1970年大阪府で開催された日本万国博覧会ワイアレスホンとして出展された。1980年代になると事業として成立するようになり、一部の先進国で車載電話機として携帯電話機の販売、及びサービスが開始された。この頃は固定電話機と比較すると導入価格、通信費用は共に数十倍であり、また通信エリアも都市部に限られていたため余程の理由が無ければ導入できなかった。1978年AT&Tモトローラに実用化実験許可がおりる。1979年日本で世界初の実用化。1981年バーレーンスカンジナビアで実用化。遅れをとった米国レーガン大統領へのモトローラからの直訴により1981年、実用化がなった。

1990年代になると普及していき、本体に液晶ディスプレイが搭載され始めた。1990年代半ばには通信方式がアナログからデジタルへと移行し、着信音に好みの音楽が設定できる着信メロディや、ポケットベルと連帯したメールが使用できるようになった。1990年代後半にはインターネット網への接続が可能となり、通信速度が向上し、画像やJavaを使用したゲームなどの通信が可能となった。

2000年代に入ると第三世代携帯電話が登場し、テレビ電話が可能となったほか、パソコンと接続して高速なデータ通信が行えるようになった。また発展途上国で爆発的に普及し始め、2006年時点では20億人が携帯電話を持っているとも言われる。

日本で、携帯電話が発売されたのは1987年で、当時は市販受信機により誰でも会話の内容を聞くことが可能なアナログ式であった。1993年に、会話の内容を聞くことが困難であり、周波数使用効率にも優れたTDMA方式の第二世代携帯電話2G)(PDC方式)サービスがNTTドコモにより開始された。そして、2000年10月以降は、すべてデジタル式となっている。

1979年の旧・日本電信電話公社による自動車電話サービス事業の開始から、電電公社と事業を引き継いだNTTが自動車電話事業を独占していたが、1988年から1989年にかけて、旧・IDOや旧・DDIセルラーが新規参入を果たし、初期費用や通話料金などの引き下げ競争が始まった。それまで、自動車電話のユーザーは企業の経営幹部層(エグゼクティブ)にほぼ限られていたが、土木工事現場の連絡用などにも使われるようになった。

その中で、1989年、画期的な小型携帯電話「マイクロタック」が発売され、NTTドコモ1992年NTTから分離独立)も同様の小型携帯電話「mova」を開発して対抗した。

通信業界全体の大きなターニングポイントとなった1994年には、自動車・携帯電話機の買取制度が導入され、初期費用の大幅な値下げが行われるとともに、新規参入の第二弾であるデジタルホングループ(現ソフトバンクモバイル)とツーカーグループの参入もあって、競争はさらに加速され、結果として携帯電話が広く一般に普及する下地が作られた。

1995年1月17日兵庫県南部地震阪神・淡路大震災)では、有線インフラに壊滅的被害が発生した中、無線の強さを発揮した面もあるものの、同時に当時の携帯電話は一部地区を除いて119番への接続が出来ず、また被災地周辺では繋がりにくい状態が発生する、など、後にも述べられる複数の問題点も同時に露呈している。

同年には携帯音声通信サービスPHSが始まり、通話料の安さと携帯電話に先駆けて始まったSMSの一種・Pメール(旧・DDIポケットによる)がヒットしたこと等で若年層を中心に普及した。当初は携帯電話との相互通話が不可能という制限があったことや、携帯電話各社の値下げなどにより、逆に携帯電話の普及に弾みがつく結果となり、携帯音声通信サービスの日本国内市場では近年、契約者数ベースでは携帯電話がPHSの10倍以上を占有し続けており、支配的となっている。

また、文字転送サービス及び携帯電話でのE-mailの普及も相まって1986年頃から始まりバブル経済期に一世を風靡した無線呼び出し(ポケットベル)は、1999年頃から急速に携帯電話に取って代わられることになった。

携帯電話・PHSの契約数を多く獲得する目的で、購入時の端末価格を抑えるために、月々の基本料金から販売店へのバックマージンを支払うというビジネスモデルインセンティブ制度)により、1円から数百円など端末原価を大幅に下回る価格で端末が乱売される事もあったが、その反面、中途解約に対して違約金を請求される「縛り」という問題もある。

2000年前後から、各キャリアの契約者数が増え、以前のように「無線の強さ」よりも、限られた電波帯域を奪い合う弊害の方が目立つようになった。とりわけ大きな地震が起きるようになると、一番手軽に対外情報を確認できるツールとして一斉に携帯電話を使うのが当たり前になってきているが、そのたびに各社携帯電話会社の設備容量を超える発着信が頻発し発信規制を敷くなど、1995年の兵庫県南部地震の頃とは状況が変わってきている。規制は通話だけではなく、各社の通信サービスも対象となり、手持ちの端末がなにも機能を果たさなくなることが珍しくなくなっている(キャリアや機種によっては、通話と通信(iモードなど)の規制を分離できるので、状況によって使い分けることが可能)。最大手のNTTドコモによると、大規模地震の時の発信数は通常時の数十倍と発表されている。そのため、公共インフラ機関など災害時の復旧を優先的に必要とする所向けに、発信規制時も優先的に接続できるサービスが提供されたり、効率的に情報をやりとりできる臨時伝言板サービスが設けられるなど対応が細やかになってきている。

2005年にはツーカーグループのKDDIへの吸収合併、2006年にはボーダフォンの日本からの撤退に伴う同社日本法人のソフトバンクによる買収、2007年にはイーモバイルの新規参入など、業界の再編も発生している。

年表[編集]

世界の年表[編集]

日本の年表[編集]

端末・技術・製品[編集]

携帯電話端末[編集]

端末(電話機)は単に「携帯」と呼ばれることも、また俗称として「ケータイ」「ケイタイ」と表記されることも多い。NTTドコモや電電ファミリーの制作した技術文書では移動機と書かれることが多い。

携帯電話の端末には、アンテナスピーカーマイクと、これらを制御する電子回路と、入力のためのボタン(ボタンは暗闇でも見やすいよう大体光るようになっており、色は緑、オレンジ、赤、白、青などがある。また、輝度を変えることができるものもある)と、電源から成っているが、機能の増加からパーツは増える傾向にある。最近の端末ではディスプレイを搭載しており、液晶や無機EL有機EL発光ダイオードなどさまざまな素材が利用されている。アンテナは初期よりほとんど露出していたが、2003年頃からは内蔵型の傾向が多くなり、現在の端末のアンテナはほとんどが内蔵型である。

また電源も初期には一次電池が使われていたが、二次電池の発達により1990年代にはニカド電池が、2000年代はリチウムイオン電池が主流と成っている。

端末のデジタル化によりCPU主記憶装置を利用してコンピュータ化が進み、電話帳機能や発着信履歴の保存の機能により内部にはフラッシュメモリによる不揮発記憶装置による補助記憶領域も備え付けられるようになった。さらに、携帯電話で画像音楽といったマルチメディアデータを扱うようになると、補助記憶装置の必要性は更に増し、内蔵の補助記憶装置のみでは容量不足となった。そのため2000年代に入ると外部にメモリーカードのスロットを設け、外部メモリへの記録も可能とした。初期ではSDカードメモリースティックが用いられていたが、端末に占める容積が大きかったためminiSDカードmicroSDカードメモリースティックDuoなどの、携帯電話に特化したメモリーカードが開発された。

形状[編集]

1990年代は、ストレート型フリッパー型が主流で、折りたたみ型はほとんどなかったが、メールカメラ機能などが充実するにつれて、2000年頃からは大画面化に有利な折りたたみ型が主流となり、ストレート型はほとんど見られなくなった。2003年頃からは、折りたたみ型の画面側が回転する回転2軸ヒンジ型や、メインディスプレイが常に外側を向くスライド型回転型(リボルバー型)が増えてきたほか、2006年にはワンセグ対応機種の登場にともなってサイクロイドというのも現われた。また、上記の基本形状の他にも、サブディスプレイや外部アンテナの有無、バッテリーの位置などさまざまな要素がある。

形状 画像 特徴
ストレート型 固定電話の子機のような、最も簡単な構造のもの。折りたたみ型が主流となって以降は、デザインを重視した端末での採用が多い。
  • 長所:小型軽量。画面をいつでもチェックしやすい。
  • 短所:画面に傷がつきやすい。大きな画面を搭載しにくい。ボタンが露出しているため、バックに入れている時などに誤操作を起こしやすい。なお現在の端末は改良され、画面に傷がつきにくいハードコート処理や側面などにあるスイッチを操作してキーロックなどができるようになっている。
  • Nを除く初期型電話、現在ではNTTドコモpreminiD703iなど
フリッパー型 ストレート型のキー部分にカバー(フリップ)を付けた構造のもの。フリップ型と呼ばれることもある。構造的にあまり差異がないためストレート型に含まれることもある。カバーの部分がスライドする端末も存在する。
  • 当初はNTTドコモmovaのDシリーズによくあり、2007年はauのMEDIA SKINが久々にフリッパー型を採用した。
折りたたみ型 中央部で折りたためる構造のもの。その形状から、日本国外では「クラムシェル(貝殻)」とも呼ばれる。現在、最も多いタイプ。折りたたんだ時にも情報を表示できるように、背面にサブディスプレイをもつものが多い。
  • 長所:画面に傷がつきにくい。大きな画面を搭載できる。置いているときなどでも人にのぞかれにくい。通話時に丁度良い大きさと形状。
  • 短所:画面をすぐにチェックしにくい。折り畳むときに「カチッ」と音が鳴るものが多い。
  • 初めはNTTドコモmovaのNシリーズだけが採用していたが、503iSシリーズ以降は多くの機種が採用した。
回転2軸ヒンジ型 折りたたみ型の構造に折りたたみ用ヒンジの軸と直交する軸を持つヒンジを加え、折り畳んだ時にメインディスプレイが内側だけでなく外側にも向くように180度回転できるもの。本体(キー側)・開閉ヒンジ・回転ヒンジ・ディスプレイ部、という構造。
  • 長所:画面を外側にし閉じたままでもほとんどの機能が使用できた。画面を外向きにし開いたままカメラを起動すると自分を撮影することができるなど。
  • 短所:背面液晶が搭載されているモデルが少ない。開く際に画面が回転してしまうなど。
  • DoCoMoのSH903iやauのW51CA、SoftBankの910SHなど。
サイクロイド 折りたたみ型の構造に加え、ワンセグ視聴のために、メインディスプレイが横向きに90度回転するもの。(現在では右方向のみに回転する形状となっている。)回転した後もディスプレイ中心線と端末の中心線は一致する。
スイング型 折りたたみ型の構造に加え、ディスプレイ側ボディを横向き回転させることができるもの。サイクロイド型に似ているが、左右90度ずつ回転でき、横向きにしたときの位置が中央ではなく左右にずれている。
デュアルオープン型 通常の折りたたみ型は縦方向に開閉するものだが、横方向にも開閉できるもの。本体の側面に、開閉ヒンジを支える別の回転ヒンジがついている。
  • auのW44Sがこれに該当する。
スライド型 2つに分かれた本体が、縦または横方向にスライドする構造のもの。
爪切り型 爪切り型 回転型(リボルバー型)の構造に回転軸と直交する軸を持つ折りたたみヒンジを加え、折りたたみ型のような開閉も可能なもの。画面側が爪切りてこ部のように可動する。回転2軸ヒンジ型に似ているが、スイング型のようにディスプレイを横に90度回転させて使うこともできる点が特徴。本体(キー側)・回転ヒンジ・開閉ヒンジ・ディスプレイ部、という構造。
  • NTTドコモのP505iS(フレックススタイル)やP903iTVなど。
回転型
(リボルバー型)
回転型 2つに分かれた本体が、回転するようにスライドする構造のもの。
  • auのA5502K、NTTドコモのSO505iS(180°スタイル)など。
PCカード型 データ通信に特化した構造で音声通話機能を省略したもの。PCカードスロットを内蔵したノートパソコンPDAなどのモバイル機器向け。
CFカード型 CFカード型 (PHS) PCカード型と同様、データ通信に特化した構造で音声通話機能を省略したもの。CFカードスロットを内蔵した小型モバイル機器向けで、アダプタを利用することでPCカードスロットにも装着できる。
PDA型 PDA型 大型のタッチパネルや文字入力用のキーボードを備え、PDAとして利用できる。データ通信以外にも音声通話機能も有している。

機能[編集]

通話とSMS程度の機能のみの機種から、PDAをしのぐ高機能な機種まで、さまざまな製品が存在する。高機能機種の中には、内蔵するオペレーティングシステムの機能を利用者に開放し、利用者自身でプログラムを追加したり開発したりできるものもあり、スマートフォンと呼ばれる。

日本では、高機能(高価)な機種でもインセンティブ(販売報奨金)により安価に流通可能なビジネスモデルのため、高機能機種が広く普及している。また韓国も高機能機種が多いことで知られる。その他の国では、契約と端末の分離により端末の価格が機能に比例することや、コンテンツサービスが発展途上であり必ずしも高機能な端末が必要とされないことなどから、安価で基本的な機能の端末にも根強い人気がある。

カメラ付き携帯電話が登場し、カメラ機能を利用した画像解析機能によりQRコードJANコードが読み取れるようになった。特にQRコードは大容量の文字データを格納することができるため爆発的に普及した。

他、携帯機器 : デジタルツールとしての携帯端末の多機能化なども参照。

端末供給メーカー[編集]

国際的に端末を供給しているのは以下の企業である。括弧内は本社所在地。

尚、海外のメーカーで日本でも販売しているメーカーは頭に「※」を付けて区別している。

アジア[編集]

なお、日立、カシオは合弁会社であるカシオ日立モバイルコミュニケーションズを設立し共同開発している。

アメリカ大陸[編集]

ヨーロッパ[編集]

サービス[編集]

通常は、屋外で高速移動中でも安定した通話・通信が可能。基地局を整備することにより、広いサービスエリアにおいて利用可能。第三世代携帯電話は、高速パケット通信と高い周波数利用効率が特長。なお、高速な無線アクセスとしても利用可能であるが、利用形態によっては高額な課金となり、この現象が俗にパケ死と呼ばれる。また、電話機端末単体による通話・通信の総トラフィックに占める割合が高い傾向にある。また、デジタルツールとしての多機能化も関係している。

通話[編集]

携帯電話での音声伝送方式は、当初はアナログ方式を採用しており途中からデジタル方式へと切り替えられた。当初サービスが開始された時点でのアナログ方式での通信は、暗号化されずにそのまま送信されていたため、ノイズが乗りやすいだけでなく、傍受が容易に行えるという欠点があった。そのため、強固な暗号化が可能なデジタル化が行われた。

国によってはその頃、固定電話網もアナログ方式からデジタル方式(ISDN)への切り替えが進んでいたが、固定電話網のデジタル方式はPCMであるのに対し、携帯電話網の方はより圧縮度の高い音声コーデックを使用している。両電話網の相互接続通話の際には、アナログ方式同士ならば単純だが、デジタル方式では(アナログ・デジタル併存の時期を含め)コーデック変換が、網関門交換機において必要である。

また、音声コーデックの方式は携帯電話事業者やサービス種別によって異なるため、事業者相互・方式相互の音声コーデック変換も必要となる。このため、コーデックの組み合わせによっては変換ロスにより、音声の品質が劣化してしまう。基本的には、同一事業者・同一方式の携帯電話同士の通話では変換によるロスは起こらないため、本来の通話品質を発揮できる。

通信[編集]

当初は通話機能だけであった携帯電話だが、音声通話のデジタル化により端末全体がデジタル化し、これによりデジタルネットワークへの接続が可能となった。デジタルネットワークの中でも、世界的に普及しているインターネットへの接続が早くから行われ、携帯電話でインターネット網にアクセスできるようになった。

これにより携帯電話を対象にしたウェブページが携帯電話会社から公式サイトとして設立されたり、また個人でインターネット上に携帯電話を対象にした勝手サイトと呼ばれるサイトが開設されるようになる。

また携帯電話の高速通信化により、通信機能を利用して携帯電話で金銭の管理を行うモバイルバンキングオンライントレードも行えるようになった。

従来、携帯電話ではそれのみを対象にして作られた簡素なHTMLによるウェブページしか表示できなかったが、近年ではフルブラウザを搭載した端末も実現し、パソコン向けに作成されたコンテンツの閲覧が可能となった。またパケット定額制も行われている。

通信規格[編集]

携帯電話の通信規格はおおむね以下のようになっている。

地域 2G 3G
日本 PDCcdmaOne W-CDMACDMA2000
韓国 cdmaOne CDMA2000W-CDMA
北米 cdmaOneD-AMPSGSM(850/1900MHz) EDGECDMA2000W-CDMA
その他 GSM(900/1800MHz)、cdmaOne EDGECDMA2000W-CDMA

日本と韓国では、2Gで世界的に主流のGSMが提供されていない。日本では2Gとして独自方式のPDCが主流であったため、独自の端末やサービスが普及する一方、海外端末メーカーの参入や国際ローミングサービスが進まず、「鎖国」的状態にあった。韓国では2GとしてQualcommのcdmaOneを全面的に採用し、これは、SamsungやLGなどが国際的に飛躍する基となった。北米はEUとは異なり、技術の選択について政府は強制せずに、携帯電話事業者の選択に委ねられた。結果として、GSMCDMAがほぼ拮抗しているのが現状である。日本のcdmaOneおよびCDMA2000は、UHFテレビ放送波との干渉回避のため、上りと下りの周波数が他国と逆転している。このため一部の国際ローミング対応端末を除いて他国との互換性がない。

第三世代携帯電話(3G)は、第二世代携帯電話が各国・各地域で独自の方式、異なる周波数を採用し、全世界での同一方式の利用が出来なかった反省を踏まえ、IMT-2000において、第三世代携帯電話を全世界で利用できるようにするための指標が立てられた。しかしながら、規格策定の過程で、W-CDMAとCDMA2000が並行採用という形となり、GSM陣営はW-CDMAへ、CDMA陣営はCDMA2000へ移行することとなった。なお、中国政府は、自己技術育成の観点から、独自のTD-SCDMAを導入しようとしている。また、3G技術の特許代については、Qualcommのライセンス価格が高すぎるとして、Qualcommとハンドセットベンダー、チップセットベンダー数社の間で、現在、係争中である。

世界的には、2GでGSMが主流となったこともあり、GSMから移行しやすいW-CDMAが、3Gで主流となる見込みであったが、EDGE EvolutionなどのGSM下位互換の有る上位互換規格の伸びにより混沌している。日本ではNTTドコモソフトバンクモバイルが採用し、国際ローミングや海外メーカー参入が促進されている。CDMA2000は南北アメリカ・アジア地域の一部で採用された。日本では唯一auKDDI)が採用している。拡張規格にCDMA2000 1x EV-DOがある。 先進国や、CDMA陣営では、3Gネットワークの導入がほとんど済んでいる。GSM陣営では、W-CDMAへの移行にコストがかかることと、ユーザーがより安価なGSM端末を好む傾向もあり、移行はスムーズとは言えない。現実には、安価なGSM端末は、高価なW-CDMA端末(日本国外のW-CDMA端末は、ほとんどGSMとのデュアルモード端末)の何倍も売れ続けているのが現実である。このため、GSMのサービスの停止時期を打ち出しているGSM事業者は、2007年現在、存在しない。 発展途上国では、固定電話網の未整備を補完し、低価格でデータ通信網込みで広域エリア化するために、CDMA2000技術を400MHz帯に使ったCDMA450による最初からの3Gネットワークの導入なども行われている。

2006年の世界携帯電話販売台数における比率は、GSMがおおよそ7割弱、CDMA(cdmaOne + CDMA2000)がおおよそ2割強、W-CDMAは1割弱であった。

料金形態[編集]

世界の料金[編集]

料金は基本的に、音声通話の場合は通話時間、データ通信の場合は通信時間またはデータ量で算出されるのは日本と同一であるが、通信事業者が複数ある分だけ、選択肢は多い。プリペイド、MVNO(ネットワークを自前で持たない通信事業者)によるサービスもある。

プリペイドの場合は基本料金はないが、最後に入金してからの経過日数によって有効期限が定められているため、使用頻度が低くても定期的に入金する必要はある。

日本の料金[編集]

料金体系はほぼ世界の料金体系と同様である。 音声通話の場合は通話時間、データ通信の場合は通信時間またはデータ量で算出される。 また、世界的に早い時期にデータ通信(パケット通信)の定額制を導入している。(NTTDoCoMoパケ・ホーダイ au by KDDIEZフラット(2004年8月からダブル定額/ダブル定額ライト) ソフトバンクモバイルパケットし放題(旧Vodafone時代のデュアルパケット定額))

最近では、音声通話の定額制も一部で始まっており、大々的にCMを行ったため話題を呼んでいる。

欧米の事業者は、周波数使用権をオークションで購入する費用、日本の事業者はインセンティブに多額の費用を負担しており、両者の料金を単純に比較することはできない。

日本のサービス[編集]

2001年には通信速度の高速化、電波利用効率の更なる改善、通話・通信品質の向上、国際ローミングサービスの拡充などを目的としたCDMA方式の第三世代携帯電話3G)(FOMAW-CDMA方式)サービスがNTTドコモにより開始された。2002年にはKDDIがCDMA2000 1xのサービスを開始。

なお、日本以外ではアナログ式が残る地域(例・北米)も存在する。

日本での携帯電話事業は、2006年現在

である。日本では、携帯電話事業者は、当初地域ごとに別の会社でなければならなかった。その後KDDI(沖縄を除く)やソフトバンクモバイルは、全国地域会社を統合している。

当初、BBモバイルソフトバンク)、イー・モバイルイー・アクセス)が1.7GHz帯・W-CDMAアイピーモバイルが2.0GHz帯・TD-CDMA方式による新規参入を表明、2005年9月に基地局の免許を申請し、フィールドテストなどが行われている。同年11月にはこの3社に対し総務省が参入の認定を行い免許を交付した。[1]

その後、BBモバイルは当初、2007年4月1日にサービスを開始する予定であったが、ボーダフォンを買収し、その既設施設と割り当て周波数帯を利用するため、2006年4月ソフトバンクに交付された免許の返上を申し出た。そして2006年10月、ボーダフォンをソフトバンクモバイルへ商号変更・ブランド名をソフトバンクとし事業を展開した。

イー・モバイルはHSDPAにより2007年3月31日にデータ通信専用型サービスを開始した。

日本の電話サービス[編集]

日本国内では、サービス上の料金制度として、月額基本料に無料通話分を含んだ、通話の状況に合わせたパック料金がある。また、料金前払いのプリペイド式携帯電話もある。国外では、固定電話よりも普及の早い発展途上国もあり、時間貸しの公衆電話としての利用もある。

日本の場合、電報コレクトコールダイヤルQ2ナビダイヤル等、テレドーム等は、全部または一部の事業者から利用不可のものがある。また、フリーダイヤル等は掛ける先(着信)側での契約がされていないと掛けられない。新幹線公衆電話秋田山形新幹線を除く)からはNTTドコモ以外の事業者には発信できない。

また、留守番電話機能、着信転送機能やキャッチホン機能を備えたサービス・端末が一般的である。

日本のデジタル化後の動向[編集]

現代の携帯電話端末では着信の際、発信者が非通知設定・通知不可能・公衆電話発信の回線等でない限り、ディスプレイに発信者番号が表示される(固定電話のナンバーディスプレイと同等の機能)。また、端末の電話帳機能に登録している番号に合致した場合には、登録した名前も表示できるものもある。 この機能を悪用した、ワン切りという問題がある。

着信音に用いる音楽着信メロディ[2]、操作しない状態でディスプレイに表示されている画面を待受け画面と呼ぶ。最近では着信音を歌唱音声を含めた音楽データ(着うた)に設定できる機種もある。現代では着信番号に連動して、着信時の演奏曲を設定できる機能がほとんどの端末にある。

2000年頃からの携帯電話は多機能化しており、インターネットに接続できる機種(iモードEZwebYahoo!ケータイなど)や、デジタルカメラを内蔵して静止画を撮影可能な機種写メールiショットフォトメールなど)、さらには動画撮影ができる機種(ムービー写メールiモーションムービーメールなど)、アプリケーションをダウンロードして実行できる機種(iアプリS!アプリEZアプリ (Java)EZアプリ (BREW)など)も多い。一部、テレビ電話も出来るようになった(FOMA/Vodafone 3G/au)。

一方、多機能化により2003年頃から、電話機に組み込まれたソフトウェアの不具合(バグ)が頻発しているが、キャリアショップへの持込みによるソフトウェア書き換えの導入や、エアダウンロードによるネットワーク経由でのソフトウェア更新技術の導入により端末の回収、全交換に至るものは減少している。 ただし、ソフトウェアの書き換えに失敗した場合、移動機内部のデータ消失や起動不可能になるケースもあり、万全の準備をして手順どおり書き換えを行うべきである。

2006年にワンセグ放送が始まったのに伴い、ワンセグ対応端末も発売された。放送開始時はP901iTVW33SA905SHの3機種が販売された。現在の対応端末には、P903iTVD903iTVSH903iTVSO903iTVW33SA IIW41HW43HW43H IIW44SW43SAW51CAW51KW51SAW51SHW51TW52T911SH911T805SCF904iがある。

なお、2002年頃からの動向としては以下があげられる。

日本の全般[編集]
日本の多機能化[編集]

多機能化の内容は、PDA化とも言える、PDA寄りの機能の追加から始まり、次第にPDAの枠を越えて発展を続けている。携帯機器の項目も参照。

ビジネスモデル[編集]

世界のビジネスモデル[編集]

2007年現在、世界の携帯電話で使用される通信方式はGSMが約7割を占めている。GSMでは、音声通話サービスはもとより、データ通信サービスの仕様までもが、ほぼ共通化されている。また、技術的には、SIMカードを交換することにより、通信事業者を変えることが可能である。このため、端末メーカは最初に世界共通モデルを開発して、必要な場合にだけ、小規模の特定事業者向けのカスタマイズをするのが主流である。日本では存在しない、端末メーカーブランドの端末も存在する。

もちろん、日本国外でも、R-UIMカード(SIMカードのCDMA版)の普及の進まないCDMAを中心に、特定事業者専用端末は多く存在し、それらの端末は、日本と同じようにインセンティブ、縛り、SIMカードロックなどがついて販売されている。そのような場合でも、インセンティブの額は、日本より相当に低い。

特に、マーケット規模の巨大なGSM携帯電話は、世界規模での大量販売による価格競争の様相を呈しつつある。

日本のビジネスモデル[編集]

日本の携帯電話のビジネスモデルは、垂直統合モデルと呼ばれる。これは、通信事業者が指導的立場に立って端末やサービスの仕様を決定し、端末メーカーやコンテンツプロバイダはこれに従うというものである。端末やコンテンツが事業者ごとに囲い込まれるため、新機能や新サービス、またそれを生かしたコンテンツを足並みをそろえて速やかに普及させることができる。

また、端末は事業者を通じて販売され、その後の料金収入を当て込んだ多額のインセンティブによって端末販売価格の大幅な値引きが可能となるため、高機能端末の普及も促進される。しかし、利用者が事業者と端末の組み合わせを自由に選ぶことはできない(番号ポータビリティで自由化したのは電話番号と事業者の関係である)し、ある事業者のもとで提供されているコンテンツ(たとえばJavaアプリ)を他の事業者で利用することも難しい。


このようなビジネスモデルの違いにより、日本と海外では端末やサービス、ひいては携帯電話を取り巻く文化に至るまで、大きな違いが生じている。日本のビジネスモデルやサービスは、海外の事業者から成功事例として注目されていたことがあった。 一方、近年の日本では、インセンティブに頼る端末販売政策の限界(市場の飽和による新規契約数の頭打ち傾向)や矛盾(SoftBank 3G端末のSIMロック解除目当ての短期解約や転売)、日本の携帯電話メーカーの海外市場での惨敗ともいえる結果などから、現在、総務省は、市場規制のありかたについて、諮問グループをもうけて検討中である。

ソフトバンクモバイルは、2006年にスーパーボーナスと呼ぶサービスを導入した。これは、割賦販売という形式で、いままでインセンティブに隠れていた端末本来の価格を利用者に意識させる(また、短期の解約や機種変更については、インセンティブの未回収分を直接利用者から徴収する)ものであり、インセンティブモデルの見直しに向けた大胆な試みであるが、利用者の困惑や反発も予想され、その成否が注目される。

ただ、各社間の販売合戦が繰り広げられた結果、料金体系は複雑なものへと変化し、利用者にとってはどの料金体系を選択すれば良いのか分かりにくくなっている。さらに広告・宣伝では「無料通話分の○か月(あるいは無期限)繰り越し」「通話料ゼロ円」「パケット料ゼロ円」といった、メリットばかりを強調したキャッチコピーが目立つようになり、景品表示法違反の可能性があるとして、2006年12月12日、公正取引委員会がソフトバンクに警告、KDDI、NTTドコモに対して注意処分を行った。

文化[編集]

世界の文化[編集]

航空機の機内で利用することにより、航法機器への悪影響を与える可能性もあり、搭乗デッキや機内では、携帯通信端末の電源を切るまたはオフライン(一切の電波を出さない)モードにすることが求められている。これに反すると、航空法に基づく処罰がなされる場合もある。

近年日本同様携帯電話の普及が著しいアイルランドでは、土葬する際に故人が愛用していた品々を棺に入れておくという意味に加え、「早すぎた埋葬」対策として、万が一棺の中で蘇生した時に携帯電話で助けを呼べるよう携帯電話を棺に入れる事例が急増している。

日本の文化[編集]

携帯電話の普及により、携帯電話の独自のUIから特有の文化が多く生まれている。まず、絵文字があげられる。絵文字は携帯電話のサービス会社ごとに異なり、パソコンなどの他のOSとの互換はない(携帯電話間の互換性は確保されるようになった)。また2000年代前半のではギャル文字と呼ばれる崩し文字が流行したり、ポケベル打ちと呼ばれる入力方式も存在した。

社会問題としてパケ死ケータイ不況携帯電話ウイルスクローン携帯なども問題となっている。

日本の社会的現象[編集]

各グループの激しい競争によって、携帯電話は国民の2人に1台まで普及したが、普及につれて、さまざまな社会問題も引き起こしている。ユビキタスも参照のこと。

  1. 電磁波の問題 - 基地局・携帯電話端末双方のアンテナから発せられる電磁波の、人体などへ悪影響を及ぼす可能性が取りざたされている。特に頭部に接して使用するために、脳腫瘍の発生を警告する意見もある。電磁波過敏症
  2. 対電子機器の問題 - 心臓ペースメーカーなどの医療用電子機器に接近させた場合、それらの動作に影響を与える可能性が指摘されている。電波障害。心臓ペースメーカー利用者と遭遇する率が高いと考えられる、電車内や医療機関内などでは携帯通信端末利用の自粛が求められる。ただしこれは3. の理由での自粛を促すための合理化に過ぎない場合もある。ペースメーカー団体や日本政府は携帯電話が心臓ペースメーカーに影響を及ぼす範囲は22cm以内と発表しているが、電波は人体によって阻まれるため携帯電話のような弱い電波は人体内部には浸透しづらい。そのためこの22cmの距離は人体内の心臓ペースメーカーを想定しない実験結果である疑いが挙がっている。さらに3G携帯電話においては、心臓ペースメーカーを人体から取り出し、携帯電話と心臓ペースメーカーの機器をむき出しの状態で密着させる距離でないと影響しない。また一般には誤解されているが、万が一携帯電話より心臓ペースメーカーが誤作動を起こした場合でも心拍数が増加し一時的に気分が悪くなる程度で生死に関わる問題は心臓ペースメーカーの役割上ありえない。さらには携帯電話と心臓ペースメーカーの関係を問題視しているのが、先進国でも日本だけであることを考慮すれば、この両者の因果関係の信憑性は極めて低い。
  3. マナー - 医療機関内や図書館内など、本来静粛が求められる場所での着信音や通話による問題。他にも、携帯電話の開け閉め時の音(物理的な開閉時の音、あるいは電子的な効果音)という、折りたたみ式端末が一般化して以来顕著になったような例もある。
  4. 道路通行中での使用 - 自動車自転車の運転中に行う通話(特に着信への応答操作)、歩行中のメール操作など。意識が外界と携帯端末に分散し注意力が低下するため、事故を起こす原因になると指摘されている。
  5. 携帯電話依存症の問題 - 上記で挙げた「歩行中でもメールの操作に夢中」などの行為も、その表れと考えられる。
  6. プリペイド式携帯電話の犯罪行為への悪用の増加 - いわゆる「オレオレ詐欺」や「090金融」などに使用された。これを受け、NTTドコモは2005年3月を以てプリペイド式携帯電話の新規販売を停止。なお、既存利用者は当面は利用可能である。
  7. 架空請求メールチェーンメールなど、いわゆる迷惑メール(スパム)の問題
  8. デジタル万引きの問題
  9. 出会い系サイトがらみの犯罪 - 児童買春美人局など。

上記2.や3.への対策として、病院内や混雑した列車内での使用を禁止したり制限する動きも一部にあるが、2と3のどちらに主眼を置くかなどの見解の相違から、どのように使用すべきかという指針は必ずしも統一されていなかった。

しかし、近年では統一の基準を設ける動きが出ている。関東の17の鉄道事業者は、2003年9月から車両内での携帯電話の使用方法を統一した。電車内で(お年寄りや身体障害者、妊婦、乳児連れの人等の)優先席付近では電源を切り、それ以外はマナーモードに設定して通話は禁止としている。

世界的にみれば医療機器への影響を理由に携帯電話の使用を禁止している地域は極めて稀であり、明確な科学的根拠が無いまま徹底した規制を布いている日本は特殊な環境といえる。北米と欧州では病院内の携帯電話使用は禁止されていない(個々の病院で決める上記3のような理由は除外)。

また、2004年9月頃から、名古屋市営地下鉄ではW-CDMA方式のものを除き、携帯電話各社についてプラットホームでは圏外になるような対策が行われた(改札口付近では利用可。)。ところが、実際にはプラットホーム内に圏外すれすれの微弱な電波が漏れている駅も多い。名古屋市交通局は、総務省の「電波の医用機器等への影響に関する調査結果」(2002年7月2日)に基づく処置であるとしているが、これについては問題視する意見がある(圏外すれすれでは、端末は最大出力の電波を送信するようになる等)。

4.については、冒頭にも記述したとおり、1999年11月改正の道路交通法自動車オートバイを運転中に携帯電話を使用して事故等を起こした場合の罰則事項が追加されたが、それでも改善の目処が立たなかったため、2004年6月成立・同11月施行の改正法により、ハンズフリー装置を利用した通話等を除き、罰則対象となった。

日本のその他[編集]

毎年1月1日0時の2時間前後は、「おめでとう電話」「おめでとうメール」と呼ばれる新年の挨拶の通話やメールが集中し、繋がりにくくなる。各社は、緊急でない利用を控えるよう広報をし、通信規制を行い対応する。

さらに、携帯電話・PHSの普及拡大などにより、固定電話の利用も減少した。特に、新生活を始める若者は電話加入権の負担を嫌い、また、携帯電話・PHSだけでも困らないことから固定電話を設置せず、携帯電話・PHSだけを持つ者もみられる。これらのこともあり、外出先で利用される公衆電話は、携帯電話・PHSの普及率の上昇と引き換えに利用が減少した。日本における公衆電話の設置台数は、1989年の約83万台から2003年には約50万台に減少している。携帯電話とPHSを合わせた普及率が固定電話の普及率を追い越したのは2000年である。

2003年には、高額の課金に利用者が驚く事が続出した、クローン携帯問題が話題になった。

振り込め詐欺架空請求の手段の1つとして、携帯電話、特にプリペイド式携帯電話が悪用される事が多かったため、2005年5月に、携帯電話不正利用防止法が施行され、携帯電話・PHSについて契約者の本人性確認の義務付けや、不正な譲渡の禁止等がなされた。

業務区域[編集]

世界の業務区域[編集]

  • 米国の事業者
2007年5月時点でのおもな事業者
事業者名 通信技術 周波数 備考
AT&T GSM EDGE W-CDMA D-AMPS AMPS 800MHz 1900MHz 親会社の合併によりAT&Tとなった。ただし、Cingular Wirelessの名前の方が良く知られている
Verizon Wireless CDMA AMPS 800MHz 1900MHz Verizon CommunicationsとVodafone PLCの合弁事業
Sprint Nextel CDMA iDEN 1900MHz 800MHz(SMR) 旧SprintPCSは、CDMA(1900MHz).旧Nextelは、iDEN(SMR)
T-Mobile USA GSM EDGE 1900MHz ドイツテレコムの子会社。W-CDMAのサービスを、2008年にも始める予定
Alltel CDMA AMPS 800MHz 1900MHz 東南部に強い地域事業者

日本の業務区域[編集]

1999年9月末時点での各社の業務区域
1999年9月末時点での各社の業務区域
地域 NTT移動通信網 セルラー / IDO デジタルホン ツーカー
北海道 NTT北海道移動通信網 北海道セルラー電話 デジタルツーカー北海道
東北地方 NTT東北移動通信網 東北セルラー電話 デジタルツーカー東北
新潟県 NTT移動通信網
関東甲信地方 日本移動通信 東京デジタルホン ツーカーセルラー東京
東海地方 NTT東海移動通信網 東海デジタルホン ツーカーセルラー東海
近畿地方 NTT関西移動通信網 関西セルラー電話 関西デジタルホン ツーカーホン関西
北陸地方 NTT北陸移動通信網 北陸セルラー電話 デジタルツーカー北陸
中国地方 NTT中国移動通信網 中国セルラー電話 デジタルツーカー中国
四国地方 NTT四国移動通信網 四国セルラー電話 デジタルツーカー四国
九州地方 NTT九州移動通信網 九州セルラー電話 デジタルツーカー九州
沖縄県</th> 沖縄セルラー電話
2007年3月1日時点での各社の業務区域
2007年3月1日時点での各社の業務区域
地域 NTTドコモ au ソフトバンクモバイル TU-KA
北海道 NTTドコモ北海道 KDDI ソフトバンクモバイル
東北地方 NTTドコモ東北
新潟県 NTTドコモ
関東甲信地方 KDDI
東海地方 NTTドコモ東海
近畿地方 NTTドコモ関西
北陸地方 NTTドコモ北陸
中国地方 NTTドコモ中国
四国地方 NTTドコモ四国
九州地方 NTTドコモ九州
沖縄県 沖縄セルラー電話

周波数帯域利用状況[編集]

世界の周波数帯域利用状況[編集]

日本国外や、他の移動体通信等に関する詳細は、移動体通信#各地域別周波数帯域利用状況を参照のこと。

日本の周波数帯域利用状況[編集]

日本の携帯電話の周波数帯域利用状況
周波数帯域 サービス
800MHz帯 NTTドコモ : movaPDC)、FOMAW-CDMAプラスエリアのみ)
au : cdmaOneCDMA2000 1x(EV-DO含む)
1.5GHz帯 NTTドコモ : PDC(movaデュアルバンド、関東・東海シティフォン、関西シティオ
ソフトバンクモバイル : SoftBank 6-2シリーズ(PDC)
ツーカー : PDC
1.7GHz帯 イー・モバイル:W-CDMA(HSDPA)
NTTドコモ : FOMA(W-CDMA、東名阪地域のみ)
2GHz帯
FDD:上り1.9/下り2.1)
NTTドコモ : FOMA(W-CDMA、プラスエリア除く)
au : CDMA2000 1x(W02HA5515Kおよび2006年以降の一部WIN端末)
ソフトバンクモバイル : SoftBank 3G(W-CDMA)
2GHz帯
TDD:2.0)
TD-CDMA : アイピーモバイルが参入計画中

脚注[編集]

  1. 参入計画の最初では、BBモバイルはTD-CDMA、イー・モバイルはTD-SCDMA(MC)の各方式での参入を計画し実証実験も行っていたが、最終的にW-CDMA方式で事業展開することとなった。
  2. 略称の着メロYOZAN(関東地区でASTELサービスを提供していた元PHS事業者)の登録商標・登録番号第4194385号

関連項目[編集]

外部リンク[編集]