外国人参政権
外国人参政権(がいこくじんさんせいけん)とは、その国の国籍を有しない外国人に付与される参政権をさす。要求している日本での外国人は、韓国人だけである。
そもそも参政権は、憲法が「国民固有の権利」(憲法第十五条)と明記し、「国民主権」原則の根幹を為すものである。それゆえ、たとえ地方自治体の選挙に限ったとしても、また選挙権(投票権)だけに限ったとしても、外国人地方参政権問題は憲法上重大な問題である。また、安全保障問題や領土問題などでも様々な問題点も指摘されている。さらに、この問題は、政策の一部変更などではなく、「権利」として付与するのであるから、一度付与すれば、後になって見直すことは事実上不可能とも言える性格のものでもある。
その意味で、選挙で勝った民主党が掲げている政策だからということで、簡単に国会通過・法案成立させてよい性質のものではない。国会では憲法問題を含めて慎重に論議されねばならないことはもちろん、国民的な論議が広範になされるべき政治上の重要問題である。
目次
日本の現状[編集]
日本では国政・地方参政権共に日本国籍保有者を有権者としている。鳩山由紀夫内閣総理大臣が所属する民主党、社会民主党、公明党、日本共産党、一部の自由民主党議員は、外国人も有権者に加えることを提起している。また、共産党は被選挙権も与えるべきとしている。
民主党は総選挙時に発表したマニフェストとは別個に作成した「民主党政策集INDEX2009」において外国人に地方参政権を与えるとしている。また、民主党は永住中国人にも参政権を与えるものとしている。政府・民主党首脳会議により、外国人参政権付与について一任されている小沢一郎民主党幹事長は、「外国人への参政権付与は外交政策が背景にあるので民主党としてではなく、政府として提案されることが望ましい」と述べ、韓国民主党代表・丁世均との会談では、「在日本大韓民国民団側と総選挙前に(参政権付与の)約束をしたが、約束は必ず守らなければいけないと考えている」と表明した。また、「韓国政府サイド、在日の方々からも要求が非常に高まってきている」と述べている。2009年12月12日には韓国における講演で、「日本国政府として政治姿勢を示すという意味でも政府提案で法案を出すべきだ。鳩山首相以下、現内閣は同じように考えていると思う。来年の通常国会には現実になるのではないか」と述べている。民主党議員に対しては「自分たちの政府が提案したことには賛成するのが普通ではないか」と賛成を求めている。
自由民主党所属議員の大多数、改革クラブは慎重姿勢を取っている。国民新党では亀井静香代表が法案提出に反対する考えを示し、みんなの党は「参政権を行使したいのならば日本人になるべき」として反対した。
民主党内部にも反対・慎重意見があり、長島昭久は「現在の在日の中には、強制連行されてきた人たちやその子孫はほとんどいない(1959年の日本政府の調査発表で、徴用労務者から在日朝鮮人となったものは245人であることが明らかにされている(朝日新聞 1959年7月13日 2面))ので過度の贖罪意識で参政権を付与するべきではない」と反対した。また、東京都議会議員の土屋敬之は民主党が政策集に記載していた外国人参政権推進をマニフェストには記載していなかったことについて「マニフェストに正直に明記して国民の信を問うべき」「マニフェストに記載しなかった政策を打ち出すことは国民を騙ましていることになる」と批判し除名された。
韓国政府から日本が占拠しているとして「返還」要求がなされてきた対馬では韓国人による不動産買収が進んでいることから、外国人参政権の付与が韓国による実効支配を強める恐れや分離独立宣言が出されるとの懸念が示されている。読売新聞は社説(2009年12月15日付)にて「(永住外国人に地方参政権を認めれば)北朝鮮、韓国、中国などが自国出身の永住外国人を通じて、日本政府の方針と異なる主張を地方から浸透させるため、影響力を行使する余地が生まれる」とし、「憲法の規定、国のあり方、双方の観点から問題がある」と述べている。
韓国政府、民主党への選挙支援を行った在日本大韓民国民団は定住外国人への参政権付与の早期実現を求めている。朝鮮総連は「在日朝鮮人は自主独立国家の堂々とした海外公民であり、日本国民を構成する少数民族ではない」として在日朝鮮人への外国人参政権付与に反対している。一連の動きを受けて、在日中国人は2009年9月に華人参政支援協会を設立している。
日本国憲法第15条第1項では、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」としている。第43条第1項では、「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」とされている。
鳩山内閣総理大臣の見解[編集]
「定住外国人に国政参政権を与えることをも真剣に考えてもよいのではないかと思っている。行政や政治はそこに住むあらゆる人によって運営されてしかるべきである。それが出来ないのは、畢竟(ひっきょう)、日本人が自分に自信のないことの表れである」
「…しかし、友愛はそうはいかない。日本列島は日本人の所有と思うななどという発想は日本人の意識を開くことであり、死を覚悟せねば成就は不可能である。私はそこまで日本を開かない限り日本自体の延命はありえないと信じる。だから、私はその先兵を務めたいのだ」
自民党 外国人参政権の自治条例制定阻止へ。地方組織に調査通達(2014年7月)[編集]
外国人の住民投票参加を認める内容の「自治基本条例」が制定されないよう、自民党が地方組織に注意を促す通達を出した。
憲法15条で選挙権は「(日本)国民固有の権利」とされる中、同条例を根拠に住民投票の資格を外国籍の住民に与える自治体が出ている。自民党は、外国人参政権の“代替制度”として利用される懸念があるとして全国調査に乗り出した。
通達は竹下亘組織運動本部長らの名前で、各都道府県連の幹事長宛てに送付された。自治基本条例を「憲法や地方自治法の本旨を逸脱するものがある」と指摘。
「問題ある条例」が制定されないよう適切な対応を求める内容だ。総務省は条例を制定している自治体の数を「把握していない」としているが、少なくとも300以上は確認され、革新勢力や自治労、日教組の影響力が強い自治体で制定が目立つ。
川崎市は自治基本条例を根拠に、3年の居住実績などの条件をクリアすれば住民投票への参加を認める住民投票条例を制定。広島市は、自治基本条例はないものの、「外国人も住民であることに変わりはないという声があった」(市担当者)として住民投票条例を制定して外国人の参加を認めている。これらを合わせると、外国人が住民投票に参加できる自治体は30を超えるとみられる。
自民党は、ホームページで自治基本条例を「最高規範」とする自治体の例を挙げ、「法律に基づき制定される条例に最高規範はない」と強調。地方自治は米軍基地問題など国政分野にも影響を及ぼすことを踏まえ、平成23年には「国家の存在を否定しているなど内容や制定過程に問題が多い」との見解を示した冊子を作成し、地方組織にも注意を促してきた。しかし、今年だけでも4月までに計16自治体が条例を制定した。
自民党は、共産党議員らが同党機関紙「しんぶん赤旗」の強引な購読勧誘を自治体に対して行っている実態を把握することを求める通達も出している。自民党関係者は「保守系議員は気づかないまま左派の組織的工作に乗ってしまうことがある。自民党を支える地方議員に注意喚起の必要がある」としている。
在日韓国人が外国人参政権を欲しがる理由[編集]
2012年に在日韓国人に徴兵義務が強制される。拒否すれば財産没収である。これは正式に決定済みの事項であり、在日韓国人が参政権をほしがる全ての原因である。
2012年以降、在日韓国人は兵役をこなすか、手数料を支払うかしかなくなる。ただし、兵役に行くもしくは国籍を認めて代金を支払うと特別永住資格を喪失する。そういう現実を前に、日本で選挙権を手に入れ、法律を改正させ永住権を維持する必要がある。韓国が在外僑朋に参政権を認めた場合に一度帰国して住民登録が必要になる。 地方選挙に参加する為に韓国国内の地方自治体に住民登録をしなければいけない。 ただし、住民登録した場合は特別永住資格を失う。
更に、在日韓国朝鮮人は、日本から出国する際に“再入国許可”の申請が必要になり、この許可が無いと日本に戻ってくる事ができない。なお、一部の在日韓国朝鮮人は難民として“永住許可”を得ているので、祖国に住所を得る=難民では無くなるので“永住許可”が取り消される可能性がある。
アメリカ・メリーランド大学講師のエドワーズ博美の提言[編集]
現在アメリカでも残念ながら進歩的学者や民主党議員の一部が外国人参政権を叫んでいて、メリーランド州のごく一部の市町村などでは外国人に参政権が認められています。
しかし、この動きは殆ど広がりを見せていません。なぜなら、アメリカの世論は圧倒的に外国人参政権に反対だからです。
この世論を後押ししているのが、外国人参政権に反対するシンクタンクで1985年に設立された移民研究センターもその一つです。このシンクタンクの研究員でもあり、ニューヨーク市立大学大学院のスタンリー・レンション教授は「市民権を持たない者に選挙権を与えることがどうしていけないのか」と題する論文の中で、…
(中略)
更に教授は、外国人はたとえ永住資格を持っていたとしても、帰化申請手続きを通じてアメリカ人としてのアイデンティティーを身に付け、アメリカ国家に愛着心を持ち、忠誠を誓う国民になって初めて参政権を付与されるべきだ。そして、こうしたアイデンティティーと愛着心は、帰化申請手続きに時間と努力を要するからこそ、培われるものだ、と言っています。
このアメリカ帰化申請には5つの条件があります。
1つ目は、永住資格を取得後5年間居住すること。これはその国に住まずしてその国の文化は理解できないからです。
2つ目は、道徳的人格を備えた者であること。日本にも素行が善良であることという規定がありますが、アメリカは徹底しています。
過去5年に遡って、殺人、薬物所持、ギャンブルによる違法収入、売春、重婚といった具体的犯罪歴がないか、FBIが調査するのです。
3つ目は、読み、書き、話し、聴くといった英語能力で、英語能力なくしてアメリカを理解することはできないからです。
4つ目は、国旗に敬意を払い、国歌を歌い、戦没者に追悼に意を捧げることを始めとして、アメリカの歴史と文化、そして政府の仕組みに関する知識を取得することです。
これら4つがクリア出来て、最後に5つ目の忠誠宣言が行われます。
この宣言で、帰化申請をする外国人は、母国に対する忠誠を放棄し、もし要請があれば武器を持って合衆国軍の一員として戦うことを誓うのです。
母国とアメリカが一戦を交えることがあっても、アメリカ人として武器を持てるのか!こうした覚悟が無ければアメリカ人としての市民権つまり国籍は与えられない!ということです。
たかだか250年の歴史しかない移民大国のアメリカでさえ、自国の歴史に誇りを持ち、国家への忠誠心、具体的には国防の義務と参政権はセットとして考え、国籍のバーゲンセール、安売りは絶対にしません。
2600年も連綿と続く日本が、日本人としての生活習慣や文化、日本語の能力、日本の歴史や政府の仕組みに関する知識の取得、そして日本に対する忠誠心をなぜ新しく日本人になる人に要求出来ないのでしょうか?
日本が今なすべきは、国籍取得のハードルをもっと高くして、日本に忠誠を尽くすことを誓う外国人にだけ国籍を与えるように法律を改正することです。歴史と伝統を誇るこの素晴らしい日本を守るために外国人参政権付与法案と国籍の安売りを絶対に阻止しましょう。
平沢勝栄が語る外国人参政権[編集]
民主党の山岡賢次国会対策委員長が18日、韓国の権哲賢駐日大使に対し、永住外国人地方参政権付与法案について、連立与党内で国民新党が反対していることを理由に、今国会での提出が事実上不可能になったとの考えを示した。会合には山岡氏のほか、民主党の川上義博参院議員、社民党の辻元清美国土交通副大臣も出席した。昨年の政権交代以来、唐突に俎上に載った感のある「参政権問題」は、いったん収束の方向に向かいそうだ。
それにしても、なぜこの時期に外国人参政権だったのか。早くからこの問題に関わりを持ち、一貫して反対を表明し続けている自民党の平沢勝栄議員に、法案の矛盾点と問題の本質について語ってもらった。
──参政権法案は提出されない方向ではありますが、民主党はマニフェストにも載せていない外国人参政権付与に、なぜここまで熱心だったのでしょうか。
平沢議員(以下、平沢) 私が一番けしからんと思うのは、まさにそこでね。民主党は先の衆院選で民団(在日本大韓民国民団=韓国政府からの資金提供で運営されている在日コリアンの組織)から強力な選挙応援を受けてるんですよ。民主党候補者の集会に、民団の有力者が音頭をとって動員をかけたり、街で民団関係者が民主党のマニフェストを配ったりしている。そういうことは「民団新聞」にも詳細に記されています。実際に私の選挙区でも、民団が総力を上げて民主党候補の応援をしていましたからね。
──政治資金規正法では、外国人からの資金提供は許されていないはずですが。
平沢 金を受け取ってはダメだけど、選挙応援については規定がない。法律はそんなこと想定してないですからね。その網をくぐって、現実に外国人の応援で国政選挙が行なわれ、その政党が与党になってしまった。国家の主権に関わる重要な問題が、選挙のバーター取引のような形で扱われてしまっている。
──民主は選挙の票を稼ぐために「参政権をあげます」という空手形を切ってしまった?
平沢 そういうことです。鳩山さんは韓国政府や民団においしいことばかり言ってるから、韓国サイドも実現すると思い込んでしまっている。だから民主も後に引けない状態でしょう。ただ、私の知っている民主党議員も、選挙中は「参政権付与を推進します」と民団に約束してしまったんだけど、選挙が終わって冷静になってみたら、とんでもないことだと。けど、今さら「あれはナシにしてくれ」とも言えないから、できるだけ実現しないようにトーンダウンして主張していると言ってました。まぁ、それ自体けしからん話ですが。
──民主党内でもかなり反対派、慎重派がいるようです。
平沢 私が直接知っているだけで十数人。一年生議員じゃありませんよ。それなりの実権を持っている方々ばかりです。「体を張って止める」という積極的な反対派もいます。それ以外も含めれば、実際には40~50人はいるとみていい。
──もともと外国人参政権というのはどこから出てきた話なのですか。
平沢 昔から公明党の冬柴(鐵三・元国土交通大臣)さんたちが熱心でした。超党派で作る「日韓議連」という組織があって、韓国側の議員も参加して、年一回、総会を開くんですが、その中に「在日韓国人地位向上特別委員会」という会があり、冬柴さんもメンバーだったんです。私も二度ほど出たんですが。で、97年に冬柴さんが、「外国人参政権の付与に賛成の決議をとりましょう」というんです。
──そのときの議連の雰囲気はどんな感じだったのですか?
平沢 議連の内部はもう、圧倒的に賛成ムードですよ。冬柴さんら中心メンバーは、すぐにでも成立しそうな話を韓国側にしているんですから。だから、私は韓国の議員に「そんな簡単な話ではないですよ。この議連以外の議員、あるいは世論には異論も多いですよ」と話し、自分は反対だと言った。すると冬柴さんが「平沢さん、この場は賛成でお願いしたい」なんて言うので、私は退席したわけです。結果的に反対したのは私一人。日韓議連としては全会一致で賛成になりました。
──公明党が、そこまでして参政権付与に熱心な理由は何が考えられるでしょう。
平沢 当然、支持母体の創価学会に在日コリアンの会員が多いので、選挙基盤を固めるためという意味合いは強いでしょう。ただ、問題なのは永住資格を持っている外国人の数は、韓国だけじゃなくて中国人も多いんです。むしろ、韓国は帰化が進んでいて毎年1万人のペースで減っていますが、中国は逆に1万人のペースで増えている。今現在、永住資格を持つ在日コリアンが約40万人、中国人が14万人ですから、この先15年くらいのうちに中国人が国内最大の民族グループになる可能性は高い。一党独裁国家の国民が、日本で選挙権を持つ意味を考えてみてください。
──推進派は「あくまで地方参政権に限定しているので、国政には影響ない」と主張しています。
平沢 国政と地方は密接につながっている不可分な関係にあるんですよ。私はこのあいだ沖縄へ行ってきたけど、日本の安全保障に関わる基地問題が、まさに地方選挙の争点になった。 普天間に基地を作る海面の埋立て権限は県知事が持っているわけですから。中国や韓国は、基地を作るのに地方の声なんか聞かないかもしれないが、日本は違う。原発にしてもそう。警察も、教育委員会も、すべて地方が実際に舵取りをしている。そんなことは、政治をやっている人間なら誰でもわかっていることなんですよ。
──移民政策についてはどのようなお考えをお持ちですか。
平沢 私は基本的には外国から人を入れようと言ってるんです。たとえばフィリピンから看護師候補者が来てたりしますけど、こういう人たちに永住資格を与えて、これにより多文化共生社会を作り、仲良くやっていく。当然のことです。だけど、それがなぜ、選挙権という話になるのか。次元がまるで異なる話ですよ。
──民主党や共産党、社民党、公明党などの推進派議員から意見を聞くと、「外国人に選挙権を与えない日本は人権後進国だ」と口を揃えて言います。
平沢 日本が人権国家であることを証明するために、選挙権を与えるだなんて言ってますがね。じゃ、アメリカに今どれだけの韓国人が住んでいるか知っていますか。約200万人ですよ。在日コリアンの約5倍です。なぜ彼らはアメリカで「選挙権をくれ」と騒がないんでしょうか。アメリカといえば、少なくとも世界一の人権国家を標榜している国ですよ。権利という概念には日本以上にシビアな国です。なのに、彼らがアメリカで参政権を求める運動をしたというニュースを聞いたことがない。なぜ日本だけで騒ぐのか。
──推進派の主張も党ごとに温度差があり、共産党にいたっては被選挙権も国政選挙権も、日本人とまったく同じ権利を与えろと主張しています。
平沢 まぁ、共産党は国なんてどうでもいいと考えてるから。社民党も国家意識が極めて希薄でしてね。前に辻本(清美・国土交通副大臣)氏と『朝まで生テレビ』(テレビ朝日系)でご一緒したとき、彼女は「日の丸に反対だ」と言うんで、理由を聞いたら、日の丸が国の象徴だからだと言う。国があるから戦争が起こる、国を失くさないとならない、そのための一歩として、国旗を亡くすんだと。世界を一つのファミリーにするんだと。これ、本気で言ってるんですからね。国家というものをまるで理解していないんですよ。
──鳩山首相の「友愛」主義とダブる部分がありそうです。
平沢 彼も能天気というか、楽天家というか、何を考えているかよく分からない人でね。あまり苦労のない人生を送られてきたから、思いつきの理想が通用すると思っている。基本的にお殿様。その人に国を任せてしまっていいのかという問題なんですよ。
外国人参政権がもたらす「独立の危機」[編集]
黒船の来航、明治維新、日露戦争、さらに太平洋戦争を経て、約150年余。今、日本は再び、国家としての「独立の危機」に直面しようとしている。「売国奴法案」である外国人参政権法案。この危機の最大の問題点は、かつてのような目に見える危機ではなく、政府や与野党に巣くう、一部の「売国奴」の手によって、国民の目に十分届かない形で行われようとしている点である。
「外国人参政権」(永住外国人への地方参政権付与問題)。民主党のもとで進められている法案を指す。外国人差別などあってはならないことである。しかし問題は、国民固有の権利である「参政権」。慎重さが求められるのは当然のことである。
本法案の概略は、①日本国籍を持たなくとも、10年以上、日本に住み、法相に「永住者」の資格を認められた外国人(約53万人)や、②戦前から日本に住む韓国籍の者とその子孫(いわゆる在日韓国人)などの外国人(約41万人)に対して、地方参政権(地方自治体の首長や議員の選挙権)を与えようというものである。
前者を「一般永住者」、後者を「特別永住者」と呼び、両者合わせて、約94万人が日本に在住している。こうした方々は、日本で永く暮らしているものの、帰化をしていないため、国籍を得ていない。そのため、外国人として扱われ、選挙権、被選挙権などの参政権が与えられていない。
オランダ現地調査で分かった、「外国人参政権」の実態[編集]
実際に外国人に参政権を与えた国が、その後、どうなったかをこの目で見てくることが、日本の未来を考えるうえでは、大いに参考となる。
移民の多い国ということでは、アメリカやカナダ、オーストラリアなどが思い浮かぶが、これらの国では外国人地方参政権を付与していない。そこで、2009年秋、EU諸国の中で、30年以上前に外国人に地方参政権を認めたオランダの実態を調査した。
他の多くのEU諸国が、外国人の参政権を「EU枠内にのみ認める」とする中で、オランダはEU以外の外国人にも参政権を開放している。オランダの人口は約1,650万人で、国土の大きさは日本の九州ほど。首都アムステルダムの中央駅周辺は、歴史を重ねた今も活気にあふれ、一帯には、レンガづくりの荘厳な伝統建築がひしめき合っている。しかし、中央駅前のトラム(路面電車)に乗って15分ほど過ぎた、西側のスローテル・ミーエ地区に入ると、とたんに白人系の人の姿は消え、店の看板もアラビア文字に変わる。
街中には、モスク(イスラム寺院)が林立し、チャイナタウンなどのレベルではない、巨大なムスリムのテーマパークに迷い込んだかのような錯覚すら覚える。
現地の住民の話では「このエリアでは、先住のオランダ人は次々と郊外に流出し、今ではムスリム(イスラム教徒)が住民の過半数を占めている」とのこと。参政権に加えてムスリムが優遇される条例を導入した結果だ。
平日の昼間だというのに、ストリートには、多数のアラブ系の若者がたむろしている。この地区はムスリム以外の住人にとっては、治安が相当悪いのか、ムスリムが通う学校の周囲には柵もないのに、隣の日本人学校は、全面が頑丈な柵で覆われている。
また、食料品を扱う商店は、窓も入り口も鉄格子で「武装」され、マンションの駐車場は、日本ではあまり見かけないバリケードで防御されていた。日本にいる時に抱いていたオランダのイメージとのあまりの隔たりに愕然とする。
1960年代の後半以降、廉価な労働力として入国したムスリムは、当初、3年間の限定で、他のオランダ人がやりたがらないブルーカラーの仕事に従事していた。規定の期間が終了すると、左翼の人権団体などが、継続した雇用を政府に強く要求し、これが認められると、ムスリムは大量に家族を呼びよせるようになった。そして、驚くべきことに、参政権を手にした当初は数万人だったムスリム移民は、今ではなんと100万人前後まで増えた。じつに、30年で20倍以上の増加である。
オランダにおける移民増加は社会に軋轢を生んだ。2002年に、加速するムスリム移民の流入に異を唱えた保守系の人気政治家ピム・フォルタインが暗殺され、2004年には、ピムの記録映画を撮って上映しようとした映画監督テオ・ファン・ゴッホ(有名な画家の子孫)もムスリムの過激派に暗殺された。それ以降、モスクへの放火、逆にキリスト教会や学校への同様の反撃が起きるようになり、一種の宗教戦争のような状況に陥った。
日本大使館の依頼で現地の邦人相談窓口に従事している野口ひろみ氏は、
「移民受け入れの基準の甘さが政府の最大の失敗だったと思います。オランダはこれまで様々な異文化を受け入れ、融和に成功してきたつもりでしたが、イスラム文化相手では事情が違いました。ムスリムは、同性愛やドラッグを容認するオランダの前衛的な思想を全く受け入れず、むしろ憎んでさえいます。彼らは年々強硬になり、原理主義化が加速していると言われています」
と語った。
総人口の6%以上に達するムスリムたちが、今、政府に求めているのは、自分たちの声を代弁する「イスラム政党」の誕生である。オランダの文化や歴史、システムを受け入れるよりも否定する、そうしたムスリムたちの政治的な要求はその度合いを増し、オランダは今、大きく揺れている。外国人が、その国の基本的なあり方さえ変えようとしているのであり、まさに、「国家分裂の危機」である。
「外国人参政権」法案の問題点[編集]
オランダの現実も踏まえ、外国人参政権付与の問題点について改めて考える。
この法案化を進めようとしている民主党としては、「外国人も地域に根付き、税金も納めている」「韓国政府や在日の方々からの要求が高まっている」「国政選挙で民団(在日本大韓民国民団)に支援してもらった」といったことを、地方参政権付与の理由に挙げている。
それらが、はたして付与の理由になるのか?
まず問題点として挙げられるのは、上記の理由のどれを取っても、日本の国益や日本「国民」の利益には、何も関係しないことである。また、多くの政治課題を抱え、問題が山積する中で、なにゆえに、「国民」に益するところの不明な法案を進めねばならないのか、甚だ疑問である。
「永住外国人は納税しているのだから、選挙権を付与すべきだ」という意見もある。しかし納税とは、公共サービスを受けるための対価であって、選挙権の付与とはまったく関係がない。地域に根付いた外国人も、様々な公共サービスを受けている。インフラも使用しているのであるから、必要な費用を負担するのは当然である。
納税の有無を問題にするのなら、学生や納税していない低所得者は、選挙権が与えられないことになる。これは普通選挙制度自体の否定であり、憲法にも明確に違反することとなる。さらに、選挙で世話になった韓国サイド(民団)の要望、という理由に至っては、「選挙に勝つためなら国を売る」本音が丸出しになっている議論である。まさに、「選挙で民主党支持層をあと50万票増やしたいから」、あるいは「将来にわたって、外国人の票が確保できるから」と言っているようなものだ。
そもそも民団は韓国政府から資金援助を受けている団体だ。その意味で、韓国政府の強い影響のもとにあることは明らか。国民の権利(であり同時に義務)である「参政権」と引き換えに、票田を確保しようとする民主党等の推進派議員たち――。自ら進んで、日本政治への外国政府の介入を招こうとしている。「売国奴」とはまさにこういう人たちに使う言葉だ。
我が国においては、外国人による選挙運動が禁じられていないことも問題である。政治資金規正法においては、政治団体等が外国人や外国法人から寄付を受けることは禁止されている。これは、日本の政治が、外国勢力からの影響を受けることを防ぐためとされている。しかし、公職選挙法では、外国人による選挙運動への特別の規制はなく、自由である。これをいいことに、外国政府や外国人グループの意向が、選挙運動を通じて国政に反映されるようなことは、決して許してはならない。したがって、外国人の選挙運動については制限すべきである。
また、菅直人は以前、「地方については投票権を認めていいのではないかともともと思っている」と述べていた。このように「国政でなく地方参政権ならいいではないか」という意見もあるが、地方行政は国家の統治機構の一環であり、公権力の行使にかかわる事務も担っている。
沖縄の基地問題でも明らかなように、地方政治の民意は時に国政、例えば外交にも大きな(マイナスの)影響を与える。外交の失敗は、時に戦争にもつながる。取り返しのつかない事態を引き起こす危険性を、よくよく考えねばならない。地方の首長の判断によっては、自衛隊の活動が制限され、安全保障上の影響も懸念される。地方だからいいという話では決してない。
そして結局のところ、この外国人参政権は、憲法に違反する可能性が極めて高い法案である(憲法第15条1項「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」)。地方参政権の推進派が理論的な根拠としたのが、長尾一紘中央大学教授がかつて論文で示した許容説だった。しかし、現在では、長尾教授自身がこの自説を撤回、「明らかに違憲」とする立場を表明し、誤りを認めている。
許容説は、地方政治と国政の区別が可能であることを前提とするのに対し、先に述べたように現在の日本においてその区別はできず、国民主権等の理念にも反する。これまで述べてきた問題点があるのみならず、違憲であるのだから、そのとんでもなさが分かろう。
外国人参政権の核心は「中国人問題」[編集]
特に気をつけねばならないのは、近隣に、アジアの覇権を熱望する「やる気まんまん」の超大国が控えていることただ。もともと民団を中心にした韓国との関連で論じられてきた外国人参政権問題だが統計では、先述した「特別永住者」は、帰化の促進や自然減で、毎年1万人ずつ減少している。
それに比べて「一般永住者」約53万人のうち、現在、中国人が約15万6千人だが、こちらは毎年、1万数千人ずつ増えており、十数年後には、永住者数で、韓国・朝鮮人を中国人が抜く見通し(既に、外国人登録者数は平成19年以降、中国人が韓国・朝鮮人を上回っている)。
その意味で、外国人参政権問題の核心とは、じつは「中国人問題」である。オランダの実例に見たように、「強固な信念」を持つ民族が「大量」に流入すると、融和は起きない。しかも参政権まで与えれば、国家の安定は大きく脅かされることになる。
中国共産党が、強い信念のもとで覇権戦略を進めていることは今や、周知の事実である。彼らが、ウイグル族やチベット族の同化政策を行うために、大規模な強制移住や、非道極まりない「民族浄化」を行っていることも知られるようになってきた。中国政府の意向が我が国に反映されるような事態を阻止せねばならない。
また、今の永住外国人が選挙権を与えられて、現在の約90万人が10年後に900万人に、仮に20年後に2,000万人になったとしたら、外国人の利益を代弁するための、外国人による「政党」を、という動きになることは想像にかたくない。オランダの例もある。
仮に、外国人に国政での選挙権が与えられたなら、比例代表制のもとで国会議員のポストを考えれば、数議席は簡単に取れる。そして、連立政権に入れば、わずか数議席でも国政を左右する運動が展開できる。
武力を用いずして合法的に日本は「制圧」されかねない。浅薄な善意によって、将来の日本に取り返しのつかない禍根を絶対に残してはならない。
各国における外国人参政権[編集]
各国政府の選挙権と被選挙権[編集]
- 国政レベルの被選挙権は、どの国であっても認められないと考えてよい。
- 国政レベルの選挙権は、特定の人種に限って与える場合があるものの、数ヶ国である。
- 地方レベルの被選挙権は、認められる20ヶ国ほどがある。ただ、付与条件は国によりまちまち。
- 地方レベルの選挙権は、認められる20ヶ国ほどがある。ただ、付与条件は国によりまちまち。
世界の独立国が203ヶ国(国連加盟国192ヶ国)の中における以上の状況から、急進的な一部の国を除き、外国人参政権の問題として国政レベルの選挙権・被選挙権が付与されることはレアケースであることがわかる。外国人参政権の問題として論じるべきは、あくまで地方レベルの選挙権・被選挙権であり、とりわけ選挙権の方であることが理解できよう。
概説[編集]
外国人に対して、国籍にかかわらず国内全体で地方自治の選挙権または被選挙権を与えている国は、現在22ヶ国ある。これらの国々も滞在期間や在留資格などで参政権を与える外国人を制限している。滞在期間を問わず参政権が与えられるのはアイルランドのみである。国家基本問題研究所によれば、世界の190ヶ国余りのなかで外国人に参政権を認めている国は四分の一以下であり、認めている国は、長期間外国人労働者を誘引する政策を採用していたなどの特別な理由のある場合のみである。
- EU(欧州連合):アイルランド、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ハンガリー、スロバキア、スロベニア、リトアニア、エストニア
- EU非加盟:ノルウェー、アイスランド、ロシア
- 英国邦連邦:ニュージーランド
- 北米・南米:チリ、ウルグアイ、ベネズエラ
- その他:韓国、イスラエル、マラウェイ
ヨーロッパの国々が外国人地方参政権の付与に積極的に見えるのは、欧州連合という枠組みにおいて、国家間の政策や協力により一致結束して実行するという目的が背景にある。事実、付与対象者の国籍をEU加盟国に限るとする国がヨーロッパでは大半を占めている。よって欧州連合のような地域間での強力な協力体制がない国々にEUでの事例を直接当てはめることはできない。
その他、EU加盟国、英連邦加盟国同士や、近隣国の間で国籍を限定した外国人参政権を認めた国がある。また、限られた地方自治体の中で外国人参政権を認めている国もある。それらを合計しても外国人参政権を認めている国は39ヶ国で、外国人参政権を認めていない国の方が多い。
韓国の現状[編集]
韓国では一部の外国人にも地方参政権を付与しており、相互主義として在日韓国人への参政権の付与を日本に対して求めている。
在韓日本人永住者は55人(2003年日本政府調査)で、日本における特別永住外国人は42万0305人(99%が韓国・朝鮮籍)、一般永住外国人は49万2056人(2008年日本政府調査)である。
在日韓国人の韓国国政への参政権[編集]
2012年より、在日韓国人は日本国内でも韓国国政選挙(大統領選挙)の選挙権を与えられることになっている。日本で地方参政権を得た場合、在日韓国人は日本と韓国の2カ国における選挙権を同時に持つことになる。その場合、例えば在日韓国人の中には「在日韓国人に帰化した在日朝鮮人」も多く含まれるため、日本の国防上の問題を、日本を敵対国家とみなしている国が左右する可能性も生まれ、安全保障の観点からも危惧されるべき問題となる。また、在日韓国人には韓国の国会議員への選挙権及び被選挙権も与えられることとなっている。
韓国では、2005年7月の済州道における住民投票が、永住権者の参政権を認める初の例となった。
朝鮮民主主義人民共和国の現状[編集]
在日朝鮮人の朝鮮民主主義人民共和国での参政権[編集]
在日朝鮮人は「朝鮮民主主義人民共和国の在外公民」とされており、最高人民会議代議員選挙に立候補・投票することができる。ただし、投票は国内でしかおこなわれないので、在日朝鮮人は選挙期間中に祖国訪問していなければ投票できない。また自由に立候補することは事実上できない。 在日朝鮮人からの最高人民会議代議員(日本の国会議員にあたる)は徐萬述(朝鮮総聯中央議長)、許宗萬(朝鮮総連中央責任副議長)、梁守政(総連中央副議長)、姜秋蓮(女性同盟中央委員長)、張炳泰(朝鮮大学校学長)、朴喜徳(朝鮮総連中央経済委員会副委員長)が選出されており、北朝鮮国政に積極的に参加している。
オランダの現状[編集]
西尾幹二は、「オランダではEU域外の外国人へ地方参政権付与を行ったために外国人が都市部に集中して移住し、オランダ人の立ち入れない別国家のようなものが形成され、オランダの文化や生活習慣を祖国流に変革しようとする動きが、内乱に近い状態を生み出している」と述べている。
ドイツの現状[編集]
ドイツでは現在、移民政策の破綻は深刻化している。移民/統合政策の担当部局は、人権団体と連携し、これまでドイツ人による外国人に対しての人権侵害ばかりを大々的に宣伝してきた。
その為、ドイツ人の子供が学校でイジメの「被害者」であるような事例は一切黙殺され決して公にされることはなかった。NDR政策によるオリジナル映像版にはベルリン市教育長がこのタブーの存在をはっきりと認めるシーンが出てくる。
「問題を公にしようとする者には、即座に外国人差別者のレッテルが貼られてしまう。 その為、学校関係者だけでなく政治の場でもこの問題を口外することができない。」
ベルリン市は、現在とても困難な財政状況にあり、そのため学校を「子供たちにとって魅力的な場所に変える対策」にはなんの出口も見出せないのが現実である。
参考文献[編集]
- 田久保忠衛編著『「国家」を見失った日本人』(小学館文庫)
- 百地章『憲法の常識 常識の憲法』(文春文庫)
- 長尾一紘『外国人の参政権』(世界思想社)
- 甲斐素直「定住外国人の参政権―あるいは国籍法の改正について―」『日本法学』66巻2号,2000.9
- 百地章「憲法と永住外国人の地方参政権―反対の立場から」『都市問題』92巻4号,2001.4
脚注[編集]