四国地方
四国のデータ | ||
4県の合計 | ||
面積 | 18,803.87km² | |
総人口 | 4,128,476人 (2006年3月31日) | |
人口密度 | 219.55人/km² (2006年3月31日) | |
位置 | ||
四国地方(しこくちほう)は、四国 (島)の他に、近隣の小豆島、大三島、大島、中島、伯方島など島で構成される地方である。
五畿七道の南海道から、紀伊国と淡路国を除いた阿波国・讃岐国・伊豫国・土佐国の4つの令制国が存在した事から、近世以降は「四国」と呼ばれている。今日では、徳島県、香川県、愛媛県、高知県の4つの県で構成されている。
四国と呼んだ場合、通常は四国地方を意味する。島について述べる場合は四国本土と断りをつけることが多い。
古代においては伊予之二名島(伊予二名洲、いよのふたなのしま、いよのふたなしま)または単に伊予島(伊予洲、いよのしま、いよしま)、二名島(二名洲、ふたなのしま、ふたなしま)と呼んだ。
地理[編集]
位置と地形[編集]
瀬戸内海を挟んで、近畿、山陽、九州に三方を囲まれた位置にある。島の中部には、各県を分断する様な形で四国山地や讃岐山脈(阿讃山脈)の山々が峙えており、この地形が近年まで各地域間の交流を困難にしていた。
周囲の海[編集]
主な岬[編集]
- ちなみに四国最北端は香川県高松市庵治町竹居付近。
山地・山岳[編集]
河川・湖沼[編集]
- 吉野川水系(四国三郎):高知県→徳島県
- 土器川:香川県
- 金砂湖(ダム湖):愛媛県
- 那賀川:徳島県
- 勝浦川:徳島県
- 肱川:愛媛県
- 重信川:愛媛県
- 物部川:高知県
- 仁淀川:高知県
- 渡川(四万十川):高知県
平野・高原[編集]
- 徳島平野:徳島県
- 那賀川平野(阿南平野):徳島県
- 讃岐平野:香川県
- 松山平野(道後平野):愛媛県
- 新居浜平野(道前平野):愛媛県
- 高知平野:高知県
- 大川原高原:徳島県
- 塩塚高原:徳島県・愛媛県
- 久万高原:愛媛県
- 五段高原:愛媛県・高知県
- 天狗高原:愛媛県・高知県
地質[編集]
- 中央構造線(メディアンライン)が吉野川北岸から佐田岬半島にかけて東西に貫いている。
- 中央構造線以北の内帯(西南日本内帯)に当たる地方では、中生層・古生層とこれを貫く火成岩が分布している。
- 中央構造線以南の外帯(西南日本外帯)に当たる地方では、北側から南側にかけて中生層・古生層が形成された順に配列している。
気候[編集]
四国の気候条件は、四国山地を境に南と北とで大きく異なる。
- 瀬戸内側(徳島県の一部、香川県全域、愛媛県東予地方、中予地方)
- 瀬戸内海に面した北側は、瀬戸内海式気候に属する温暖寡雨な気候であり、台風等の直撃も比較的少ない。その為にオリーブやミカンの栽培が盛んである。その反面、大規模な河川は太平洋や紀伊水道に流れ込む形となっているため、水資源に恵まれず、過去幾度かの渇水に見舞われてきた。このため、満濃池を初めとするため池が多数造られている。その中でも特に、香川県は古来から水不足に悩まされ続けており、渇水対策として吉野川の水を送水する為の香川用水が建設された程である。
- →香川用水#水問題(水を巡る徳島県と香川県の対立)
- 太平洋側(徳島県のほぼ全域、愛媛県南予地方、高知県全域)
- 太平洋に面した南側は、太平洋側気候に属している。太平洋沖合を流れる黒潮の影響を受けて、温暖であり、本土で最初の桜の開花宣言が高知市又は宇和島市となる事も少なくない。それ故に、特に高知県では促成栽培が盛んであったり、プロ野球チームのキャンプ地になったりと、温暖な気候を生かした産業や行事が発達している。
- 年間降水量が多い事から林業も盛んであるが、一方で高知県全域及び徳島県南部では、台風の来襲や集中豪雨も多い。この為、室戸台風などの大型台風が直撃し、洪水などの被害を受けている。
歴史[編集]
畿内政権の時代[編集]
四国は、畿内から南西側に位置しており、海路で移動する為に、五畿七道では南紀や淡路島と一緒に南海道に含まれていた。又、海路での移動と、四国山地の険しさから、伊予国と土佐国は流刑地にされていた。
幕府の時代[編集]
平氏が都落ちした際、安徳天皇を擁して屋島を一時的な本拠地としていた。
戦国時代の四国の大名としては、三好の三好長慶や、中村の土佐一条氏や、土佐国の長宗我部元親がいた。三好長慶は、阿波国から山城国に渡る8国を支配圏に収めて、短期政権を握っていた。特に、土佐一条氏の本拠地であった中村は、「土佐の小京都」とも呼ばれていた。
江戸時代になると、それまで四国各地を治めていた戦国大名は追放され、本州各地から戦国大名が転入して、大小多様な藩(地方王国)を樹立した。四国の代表的な藩には、阿波国と淡路島を領土とする蜂須賀氏の徳島藩、水戸徳川家の分家が治める高松藩、山内氏が治める土佐藩、仙台伊達氏の分家が治める宇和島藩などが分立していた。
この節を書こうとした人は途中で寝てしまいました。後は適当に頑張って下さい。 |
経済[編集]
- 四国の経済は、4県合わせて「3%経済」と呼ばれている要出典ように、全国に占める経済規模は3%に満たない。4県のGDPはフィンランドと同規模。
- 徳島県は近畿地方と、香川県は岡山県と、愛媛県は広島県との経済活動も多い。
- 特に徳島県沿岸部は、日常的に京阪神との経済交流が盛んであり、影響が大きい。
- 四国瀬戸内海側は太平洋ベルト地帯に位置しており、坂出市、丸亀市、四国中央市(川之江地区・三島地区)、新居浜市、西条市及び今治市などを中心に、瀬戸内工業地域が形成されている。
- 徳島市と西条市は、新産業都市建設促進法に基づいて指定される新産業都市(工業開発の拠点地域)であった。
地域[編集]
四国には突出して大きな都市が無く、地形的制約から各県に独立した都市圏が存在する。又、古くから海上交通が盛んであったため、各地ともに対岸との交流も盛んである。かつては、「徳島は近畿(阪・神)を向き、高松は岡山を向き、松山は広島を向き、そして高知は太平洋(または東京)を向いている。」と言われ、「四国は一つ一つ」などと諷刺される事もあった。
特に徳島県の沿岸部は、近畿地方瀬戸内海側(大阪・神戸・淡路島など)との交流が盛んであり、徳島県は近畿ブロック知事会、近畿高等学校総合文化祭(近畿高文祭)、関西元気文化圏などにも参加し、広域圏としての近畿地方にも加わっている。一方で観光ガイドには、淡路島が、近畿地方ではなく四国の観光ガイドに掲載される物もある。
四国島内の交流に関しては、高速道路のエックスハイウェイ化以後は四国アイランドリーグの発足などによって、より一体感を強める傾向にあり、各県それぞれの歴史や役割を生かした連携を深める段階に入っている。今後、四国4県が一つの地域として一体となった文化・経済活動や観光誘致が進んでいくと予想されている。
自治体[編集]
(並び順・数字は全国地方公共団体コードによる。)
四国地方を、便宜的に2つの地域に分ける場合がある。
都市圏[編集]
その他、東瀬戸経済圏(瀬戸内をはさむ地域を経済的に一体としてみる統計上の呼称)など。
道州制[編集]
交通[編集]
四国は、古くから、近畿から地理的には比較的近距離に位置しながら、船での移動を余儀なくされていたため、遠国の扱いであった。要出典 このため、鉄道交通は当初本州の山陽本線に連絡する形で、伊予鉄道や讃岐鉄道などが建設され、その後各県ごとに土佐電鉄や徳島鉄道などの路線が整備され、各県の県庁所在地がお互いに鉄道で移動できるようになったのは、昭和初期になった頃である。
海が本州との往来を不便にしていたが、陸においても、この島の地形は他国との往来を阻んだ。鉄道・道路共に、四国山地に平行して本州から九州に向け東西に伸びる中央構造線に阻まれ、長大トンネルの土木技術が確立するまで整備に困難を極めた。
その後20世紀に入って鉄道が整備されると、四国各県の県庁所在地の中で本州に最も隣接していた高松が四国の玄関口として位置付けられ、盛え始める。その傾向は20世紀末頃まで続いたが、移動手段の中心が鉄道から車に変化した事、高松から離れた場所に3本も本州四国連絡橋が架けられた事などが影響し、本四間の流動が分散した。
21世紀を迎えた今日では本四架橋が完成し、現在その各ルートに接続する為の高速道路の整備が進められている。
Category:四国地方の交通も参照のこと。
鉄道[編集]
JRは高松と松山、高知、徳島の都市間を結ぶ各線と岡山を結ぶ瀬戸大橋線をメインルートとする。電化区間は予讃線の高松~松山~伊予市と瀬戸大橋線、土讃線の多度津~琴平。複線区間は予讃線の高松~多度津と瀬戸大橋線の一部のみである。旧国鉄時代、比較的早期に無煙化(蒸気機関車からディーゼル車両へ置換)、自動信号化が推進されたがその後は改善が後回しにされ、国鉄末期まで四国島内の国鉄線に電化区間が存在しなかった。民営化後、各都市間の路線は順次高速化されたが、山がちな地形による線形の悪さと、単線のために増発ができないことなどから、年々整備の進む高速道路網を利用した高速バスに対抗できなくなりつつある。また、もともと海運が盛んな上に本四連絡橋の完工で観光ルートが分散されたため各交通機関との競争は非常に激しい。
抜本的な高速化として四国新幹線計画があるが、橋などの鉄道施設面での整備の目途が立たず、実現の見通しがたっていない。
※2006年現在は、新幹線計画に替わってフリーゲージトレイン計画が推進されている。
私鉄各線は県都の近郊輸送を担っている。
- 2003年には、鉄道自体が無かった沖縄県に沖縄都市モノレールが開業した事で、徳島県には日本で唯一電車が全く存在しない(電化された鉄道路線がない)地方となってしまった。尚、JR線に限定すれば、高知県も徳島県と同じく、国内で唯二の電化区間0km県。
- 鉄道(JR四国)の路線名において、令制国名が使われていない県は徳島県だけである。予讃線、土讃線や予土線があっても、「阿讃線」や「阿予線」という路線名は存在しない。徳島~高松間鉄道の名称は「高徳線」である。
※詳細は四国の鉄道路線参照のこと。
- 四国旅客鉄道(JR線)
- 私鉄・第三セクター線
- 未成線(計画中もしくは過去に計画のあった路線)
バス[編集]
四国地方の乗合バス事業者を参照。
本四架橋[編集]
本州四国連絡橋として、神戸・鳴門、児島・坂出、尾道・今治の三本のルートがあり、それぞれ本州と結ばれている。これらの橋のうち、児島・坂出ルート(通称:瀬戸大橋)のみ在来線鉄道(複線直流電化)と高速道路の併用橋であり、残りの二本は道路専用橋である。ただし、尾道・今治ルート(愛称:瀬戸内しまなみ海道)には、歩行者・自転車・原動機付自転車(125cc以下)の専用道路も併設されている。
当初は、最初に完成し、宇高連絡船があった事などから瀬戸大橋が本四間の基幹ルートとして位置付けられていたが、その後は全線完成した神戸鳴門ルートに本州・四国間の流動が移動しつつある。これは、日本の主要な大都市圏の殆どが四国以東の地域に位置し、大都市圏の一つである京阪神に神戸淡路鳴門自動車道が最短距離で直結している事が、大きな要因である。今後、四国島内、特に徳島県内の高速道路網が整備されると、更に瀬戸大橋やしまなみ海道から、神戸鳴門ルートにシフトする車が増える可能性もある。
- 神戸淡路鳴門自動車道(神戸鳴門ルート)
- 瀬戸中央自動車道(児島坂出ルート)
- 西瀬戸自動車道(尾道今治ルート)
高速道路[編集]
四国は、国内で高速道路の整備が特に遅れた地方であった。最初の高速道路の開通は1985年、松山自動車道の三島川之江IC~土居IC間である(沿道には四国における高速道路発祥の地と書かれた看板がある)。以後、全国に比べて遅れを取りながらも、徐々に高速道路の整備は進み、2000年には遂に四国4県庁所在地が高速道路(当時、四国4県がX字に繋がったことから、「X(エックス)ハイウェイ」と呼ばれた)で結ばれた。現在は松山自動車道の南予方面への延伸、高知自動車道の高知県西部方面への延伸、四国横断自動車道の徳島県南部方面への延伸(鳴門JCT~阿南IC)等の建設工事が順次進められている状況にある。
ただ、元々四国4県は日常の相互移動が少ない事もあり、高速道路開通後も、各県間の流動はあまり増えていない。要出典唯一高速道路の開通で流動が増えたのが徳島~高松で、板野IC~高松中央IC開通以後、香川県東部の消費者が神戸に、あるいは徳島県北東部の消費者が高松に流れる「ストロー効果」が顕著に見られるようになった。要出典
下記の高速道路の区間は2005年5月現在開通している区間のみ記載してある。
(ただし四国縦貫道・横断道は除く)
航路[編集]
律令時代には南海道の一角であったように、文字通り、船で移動する地方であった。今でも、近畿・山陽・九州・関東などとの旅客・貨物輸送に船の占める比重は、他の地方とは比較するまでもなく多い。
主要航路
空港[編集]
現在、4県の県庁所在地近郊には中型機以上の航空機が離発着できる空港が整備されており、地理的に遠距離な東京方面を中心に国内外に路線を伸ばしている。特に松山や高知では大阪便が好調。
空港 | 旅客合計 | 国内線 | 国際線 | ||
旅客数 | 定期便 | 旅客数 | 定期便 | ||
松山 | 268万9648人 | 263万6929人 | (新千歳)・羽田・ 中部・名古屋・伊丹 ・関西・福岡・熊本・ 鹿児島・那覇 |
5万2719人 | ソウル・ 上海 |
高知 | 152万1475人 | 151万6272人 | 羽田・名古屋・伊丹 ・関西・福岡・那覇 |
5203人 | - |
高松 | 147万0672人 | 142万5880人 | (新千歳)・羽田・ 鹿児島・(那覇) |
4万4492人 | ソウル |
徳島 | 94万7737人 | 94万6613人 | (新千歳)・羽田・ 中部・福岡 |
1124人 | - |
合計 | 662万9232人 | 652万5694人 | 10万3538人 |
- ※出典は国土交通省航空局・空港管理状況調書(2005年度)
- ※チャーター便の旅客数含む
- ※三大都市圏への便は太字
- ※全国の空港の乗降客数は日本の空港#乗降客数参照
- 二種:松山空港・高知空港(高知龍馬空港)・高松空港
- 自衛隊と共用:徳島飛行場
文化[編集]
方言[編集]
四国方言:四国のほぼ全域において、京阪式アクセント(亜種を含む)が用いられているのが大きな特徴である。ただし、語彙・語法については中国方言との共通点も多い。
- 徳島弁:中世以降上方の文化を積極的に取り入れてきたため、アクセント・言い回しとも四国方言の中でも最も関西方言の影響が強い。
- 讃岐弁: アクセントに特徴があり、いわゆる京阪式とは異なる。中世に上方で使用されていたアクセントが保存されたものとされる。語彙・語法は中国方言との共通点が多い。
- 伊予弁:讃岐弁同様に語彙・語法は中国方言との共通点が多い。もちろん、特徴的な言い回し等も多々存在する。
- 御荘弁:愛媛県南宇和郡で見られる方言。基本的には伊予弁が元になっているが、伊予とも土佐ともとれない特徴的な表現が多い。例-おーとろっしゃ(驚いた)、おのごのこ(男の子)など。愛南町
- 土佐弁:いわゆる四国方言とは語彙・語法が異なり、特徴的な言い回しが多い。
- 幡多弁:東京式アクセントを基調にするといわれるが、京阪式アクセントの特徴も見られる。語彙なども土佐弁にはない独特なものが多い。中村(四万十市)など。
祭り[編集]
新居浜太鼓祭り、金刀比羅例大祭などは神事が主体の祭り、阿波踊り、よさこい祭りなどは踊りが主体の祭りである。 四国三大祭の方が有名であるが、踊りが主体の四国四大祭も知られている。
伝統工芸[編集]
徳島県 | 香川県 | 愛媛県 | 高知県 | |
|
食文化[編集]
各県には固有の名産品や郷土料理が多数存在する。県域をまたぐ名産品はうどん、和三盆などがある。また、全国で販売している食品としてはポカリスエット、ポンジュースなどが代表的である。各県の名産品・郷土料理等は各県の項を参照。
日本の郷土料理一覧、Category:四国地方の食文化も参照のこと。
スポーツ[編集]
野球[編集]
|
サッカー[編集]
ラグビー[編集]
- トップウエスト
バレーボール[編集]
- V1リーグ(女子)
- 実業団地域リーグ(女子)
バスケットボール[編集]
ハンドボール[編集]
- 女子実業団
ソフトボール[編集]
|
|
ホッケー[編集]
|
|
アイスホッケー[編集]
- 西日本リーグ(Jアイス・ウエスト)
陸上競技[編集]
|
|
人口[編集]
ISO 3166-2 | 都道府県名 | 順位 | 人口 | 割合 |
---|---|---|---|---|
JP-36 | 徳島県 | 44 | 813,796 | 0.60% |
JP-37 | 香川県 | 40 | 1,018,976 | 0.80% |
JP-38 | 愛媛県 | 27 | 1,474,335 | 1.20% |
JP-39 | 高知県 | 45 | 801,151 | 0.60% |
4,108,258 | 3.20% |
※順位・人口・割合は2003年10月1日のデータによる。(上記は2005年3月1日)
年齢構成[編集]
関連項目[編集]
北日本
東日本
西日本
四国地方
外部リンク[編集]