横浜市営地下鉄ブルーライン

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ブルーライン(正式名称:横浜市高速鉄道1号線・3号線〈よこはましこうそくてつどう1ごうせん・3ごうせん〉)は、神奈川県藤沢市湘南台駅から横浜市青葉区あざみ野駅までを結ぶ横浜市営地下鉄の鉄道路線である。

路線の正式名称は途中の関内駅を境に分かれており、湘南台駅 - 関内駅間が1号線、関内駅 - あざみ野駅間が3号線であるが、関内駅を始発・終着とする列車は運行されておらず、同駅を通る列車はすべて1号線と3号線を直通している。正式な起点は1号線・3号線とも関内駅であるが、運行系統上、起点は湘南台駅になる。横浜国際港都建設法及び都市計画法等に基づく都市高速鉄道としての名称は、「横浜国際港都建設計画都市高速鉄道第1号市営地下鉄1号線」、「藤沢都市計画都市高速鉄道1号線」及び「横浜国際港都建設計画都市高速鉄道第2号市営地下鉄3号線」である。

4号線(グリーンライン)の開業により、交通局の地下鉄路線が1つでなくなったため、同線が開業した2008年3月30日より、公募で決定した路線愛称ブルーラインの使用を正式に開始した。路線愛称の由来は、「青」が横浜を象徴する色であり、開業時から車両やサイン類でも使用されていて、路線のイメージカラーと認識されていることから。ラインカラーも「ブルー」Subway YokohamaBlue.png である。

Blue Lineという愛称から、BLと略されることもある。

概要

本路線は、湘南台駅から泉区南部、戸塚駅港南区中心部、上大岡駅南区中心部を経て、横浜都心部である伊勢佐木町関内桜木町横浜駅に至る。桜木町が野毛町みなとみらい地区の中間地に位置するため、横浜都心を事実上縦走している。横浜駅からは神奈川区中央部、新横浜都心港北ニュータウンを経て青葉区あざみ野駅に至る。横浜都心や副都心群と横浜市郊外を「コの字型」に貫く横浜市内の放射型鉄道としての機能を発揮している。横浜都心や副都心群と横浜市郊外を縦走する鉄道として各社私鉄路線との接続駅も多いため、他社線とのフィーダー機能も兼ね備えているといえる。

東京地下鉄銀座線丸ノ内線と同様に関東で第三軌条方式を採用している路線である。

1972年の開業時から首都圏では珍しかった自動改札機を本格的に導入していた(当時首都圏では他に1973年開業の国鉄武蔵野線で12駅、1979年開業の北総開発鉄道、他数社で少数が試験導入されていたのみであり、首都圏での本格的な自動改札機の導入は、国鉄民営化後の1990年以降である)。2000年代に全駅のホームドア設置を完了した。

当初(1965年)の計画では、3号線は勝田(港北ニュータウン付近) - 新横浜 - 横浜駅 - 伊勢佐木町 - 山下町 - 本牧間であり、勝田で4号線(鶴見 - 綱島 - 勝田 - 元石川間)と、横浜で2号線(神奈川新町 - 横浜駅 - 藤棚 - 吉野町 - 滝頭 - 屏風ヶ浦間)と、伊勢佐木町で1号線(伊勢佐木町 - 上大岡 - 戸塚 - 湘南台間)と連絡する予定であった。しかし、首都高速道路の建設計画と重なったため、伊勢佐木町駅の予定地を尾上町に変更して関内駅とし、1号線と直通運転を行うべく方向別ホームが建設された。そして、関内駅から本牧方面に向う計画だったが、結局1号線と完全に直通運転を行うことになったため、関内駅 - 本牧方面の計画は中止された。本牧方面への路線はその後横浜高速鉄道みなとみらい線が引き継ぐ形となった。

3号線などの後から開業した区間のトンネルNATM工法が多用され、第三軌条方式の地下鉄にしてはトンネルの天井が高くなっている箇所も多い。湘南台駅付近は相鉄いずみ野線と2段式のトンネルになっている。

3号線の新横浜駅 - 横浜駅間は当初民有地の下を直線的に結ぶ予定であったが、住宅の地下を通るため騒音が予想され、敷設予定地住民から反対運動が起き、なるべく道路の下を通るよう大迂回して建設された(それでもJR線より0.9km短い)。それでも民有地の下を通らざるを得ない区間は騒音対策のためバラスト軌道になっている。

横浜駅・桜木町駅・関内駅という横浜市都心と、新横浜駅、あざみ野駅、港北ニュータウン各駅、上大岡駅、戸塚駅等の副都心群を連続して接続する唯一の鉄道であるため、横浜市都心からあざみ野駅や港北ニュータウン各駅、あるいは、あざみ野駅、港北ニュータウン、新横浜駅から上大岡駅や戸塚駅の移動経路、戸塚駅から長後街道を経由した湘南台駅までの経路など、本路線によって発達した移動経路が多く存在し、横浜市内の人口分布の各区平準化や市域一体化にも寄与している。

横浜市交通局は「みなとぶらりチケット」による横浜駅・高島町駅・桜木町駅・関内駅・伊勢佐木長者町駅の一日乗車券と横浜市都心部の観光拠点を周遊するあかいくつ号の一日乗車券機能を兼ね備えた観光客向け一日乗車券を整えており、さらに新横浜駅を起点とした機能を付加した「みなとぶらりチケットワイド」を用意することで観光客への利便性を維持している。本路線の建設によりあざみ野駅、港北ニュータウン、新横浜駅から横浜都心や上大岡駅への直接移動経路が確立され運賃や移動時間とも優位性があるといえる。さらに上大岡と戸塚間や戸塚と湘南台駅間の移動経路は本路線に依存するため運賃や移動時間とも優位性が高い。

本路線がもつ主機能が横浜市都心部である伊勢佐木町、関内、野毛、みなとみらい、横浜駅へ各副都心群や郊外区から、乗り換え無く移動ができることであり、本路線が唯一となっている経路も多く横浜市の都市計画の骨格ともなっている。

港北ニュータウン計画の進展や4号線(グリーンライン)計画の見直しなどで、4号線との連絡駅はセンター北センター南の両駅に決まり、同線は南の中山駅に向かうこととなったため、3号線が代わりに元石川まで延伸することとなった。元石川駅の位置に関しては、東急側がたまプラーザ駅を強く主張したのに対し、横浜市は1977年に開業したあざみ野駅に固執した。結局3号線の終点はあざみ野駅となったが、開業後も長い間同駅には田園都市線の快速(1996年4月廃止)や急行が停車せず、地下鉄開業に伴って乗降客数が激増したため乗り換え駅としては不便な状態となっていた。しかし、横浜市からの要請を受けて2002年3月28日のダイヤ改正で田園都市線の急行が(2007年4月5日からは準急も)停車するようになり、一応のところ決着が付いた。

新羽 - あざみ野間のみは、地下高速鉄道ではなくニュータウン鉄道としての補助金を受けて建設されたので、補助金制度の違いで見れば、厳密な意味での地下鉄に該当しない(神戸市営地下鉄西神・山手線名谷駅 - 西神中央駅間も同様)。

路線データ

  • 路線距離:40.4km(うち地上区間:7.7km)
    • 1号線:関内駅 - 湘南台駅間 19.7km
    • 3号線:あざみ野駅 - 関内駅間 20.7km
  • 軌間:1,435mm
  • 駅数(起終点駅含む):32
    • 1号線:17
    • 3号線:16
  • 複線区間:全線
  • 電化区間:全線(直流750V第三軌条集電方式
  • 地上区間:湘南台 - 立場間・上永谷駅前後・北新横浜 - あざみ野間
  • 閉塞方式:車内信号式
  • 営業最高速度:80km/h
  • 編成両数:6両
  • 車両基地上永谷検車区新羽検車区

運行形態

全列車各駅停車で基本的に1号線と3号線を相互直通しており、ほぼすべての列車があざみ野 - 湘南台間を通しで運転するが、早朝や深夜を中心に車庫のある新羽、上永谷の両駅の入出庫列車が多数あり、平日に限ってはあざみ野 - 踊場間の区間運転も多数設定されている。そのほか早朝に横浜始発湘南台行きが1本、深夜にあざみ野 - 新横浜間の区間列車数本と湘南台 - 上大岡間の区間列車も1往復設定されている。

終夜運転は、2008年度の大晦日終電後から元日の早朝にかけて初めて実施した。全線で6往復運行し、うち1往復は伊勢佐木長者町 - あざみ野間折り返し運行となった。

急行運転

走行距離は長いが、急行運転は行われていない(2005年には臨時で快速運転が行われた。ただし途中駅での追い越しはない)。これはブルーラインが地域間輸送を重視している上に、急行運転のための設備がない[1]ためである[2]。しかし、2012年に2014年度を目処として優等列車の導入を検討していることが明らかとなった[3]。2014年には、2015年7月の導入を目標としていることが報じられた[4]

ワンマン運転

2007年12月15日よりワンマン運転を実施している。このため、同年2月より各駅にホームドアが設置され、4月より随時稼動を開始した。なおこれに先立ち、1月20日よりATOによる自動運転も開始している。

ワンマン運転を開始する前より、ドア開閉は車掌ではなく運転士が運転台にあるボタンの操作によりホームドア開閉とともに行っている。ホームドアは、当初2月から稼動開始の予定だったが調整が遅れ、4月7日にあざみ野駅で稼動を開始し、9月15日に全駅で使用開始された。

ホームドア稼動開始当初は発車の際は車掌がを吹かずに車両に備えてある乗車促進放送を使って発車の合図としていたが、ワンマン運転に向けて発車サイン音が整備され、11月ごろから各駅で順次使用を開始している。

また、踊場駅下飯田駅についてはホームの線路際の青色の乗車位置に電車が停車されず、代替として乗車位置のステッカーをホームドア前の床に貼付している。

ホームドアの色は、ドアが上部に細い青線の入った白で、柵は白である。また、車両間には銀色の柵が設置されている。

当初は、全駅にホームドアが設置・稼動され、ワンマン運転が開始された後も接近放送は「危ないですから、白線の内側にお下がり下さい」のままとなっていたが、グリーンライン開業に伴って接近放送が「ご注意ください」と変更された。また優先席放送の言い方も変更された。

沿革

車両

すべて6両編成で、湘南台寄りが1号車、あざみ野寄りが6号車となっている。ワンマン化に伴いブルーラインは全車両3000形に統一された。第三軌条集電であるが、車両の長さや窓とドアの位置が京急・京成・都営地下鉄浅草線、東京メトロ丸ノ内線などと類似している。

現在の車両

  • 3000形 - 3000A形・3000N形・3000R形・3000S形の4種類がある。このうち3000A形は3000形をワンマン対応化改造したものである。また、3000S形は営業運転を終了した2000形の台車や計器類を流用している。

過去の車両

1000形・2000形は、ともに2006年12月16日で営業運転を終了した。

駅一覧

全駅が神奈川県内に所在。また、湘南台を除いた31駅が横浜市内に所在している。

正式路線名 駅番号 駅名 駅間
キロ
累計
キロ
接続路線 地上/地下 所在地 2002W杯
応援国
1号線 B01 湘南台駅 -   0.0 小田急電鉄江ノ島線
相模鉄道いずみ野線
地下区間 藤沢市 フランス
B02 下飯田駅 1.6 1.6   横浜市 泉区 セネガル
B03 立場駅 2.1 3.7   ウルグアイ
B04 中田駅 1.1 4.8   デンマーク
B05 踊場駅 0.9 5.7   スペイン
B06 戸塚駅 1.7 7.4 東日本旅客鉄道東海道線横須賀線湘南新宿ライン 戸塚区 スロベニア
B07 舞岡駅 1.6 9.0   パラグアイ
B08 下永谷駅 0.7 9.7   港南区 南アフリカ
B09 上永谷駅 1.3 11.0   地上 ブラジル
B10 港南中央駅 1.7 12.7   地下区間 トルコ
B11 上大岡駅 1.1 13.8 京浜急行電鉄本線 中国
B12 弘明寺駅 1.6 15.4   南区 コスタリカ
B13 蒔田駅 1.1 16.5   韓国
B14 吉野町駅 1.1 17.6   ポーランド
B15 阪東橋駅 0.5 関内
から
18.1   中区 アメリカ
B16 伊勢佐木長者町駅 0.9 19.0   ポルトガル
B17 関内駅
リスト本社前)
0.7 0.0 19.7 東日本旅客鉄道:根岸線 ドイツ
3号線
B18 桜木町駅
(県民共済プラザ前)
0.7 0.7 20.4 東日本旅客鉄道:根岸線 サウジアラビア
B19 高島町駅 1.2 1.9 21.6   西区 アイルランド
B20 横浜駅
相鉄ジョイナス前)
0.9 2.8 22.5 東日本旅客鉄道:東海道線・横須賀線・湘南新宿ライン・京浜東北線横浜線・根岸線
東京急行電鉄東横線
京浜急行電鉄:本線
相模鉄道:本線
横浜高速鉄道みなとみらい線
カメルーン
B21 三ツ沢下町駅 1.4 4.2 23.9   神奈川区 アルゼンチン
B22 三ツ沢上町駅 0.9 5.1 24.8   ナイジェリア
B23 片倉町駅 1.9 7.0 26.7   イングランド
B24 岸根公園駅 1.2 8.2 27.9   港北区 スウェーデン
B25 新横浜駅
ビックカメラ新横浜店前)
1.6 9.8 29.5 東海旅客鉄道東海道新幹線
東日本旅客鉄道:横浜線
イタリア
B26 北新横浜駅 1.3 11.1 30.8   エクアドル
B27 新羽駅 1.0 12.1 31.8   地上区間 クロアチア
B28 仲町台駅 2.3 14.4 34.1   都筑区 メキシコ
B29 センター南駅 2.3 16.7 36.4 横浜市営地下鉄Subway YokohamaGreen.png グリーンライン (G04) 日本
B30 センター北駅
モザイクモール港北前)
0.9 17.6 37.3 横浜市営地下鉄:Subway YokohamaGreen.png </span>グリーンライン (G05) ベルギー
B31 中川駅
東京都市大横浜キャンパス前)
1.6 19.2 38.9   地下区間 ロシア
B32 あざみ野駅 1.5 20.7 40.4 東京急行電鉄:田園都市線 青葉区 チュニジア

延伸計画

終点のあざみ野駅から、青葉区すすき野付近まで延伸し、最終的には川崎市麻生区新百合ヶ丘駅まで延伸する計画がある(現在、この区間は東急バス小田急バスの協定路線・新23系統によって結ばれている)。2000年運輸政策審議会答申第18号では、あざみ野 - すすき野間が2015年度までに開業すべき路線、すすき野 - 新百合ヶ丘間が同年度までに整備着手が適当である路線に位置付けられた。

その後、2014年度予算案に調査費などを盛り込むことになり、事業化に向けて大きく前進することになった[5]

沿線の市街化調整区域

本路線の建設に伴い駅が設置された地域において、市街化調整区域も少なからず残存する。人口人口密度の高い横浜市において、高度の社会資本である地下鉄が開業した地域においては、土地の高度利用促進の観点から早期の区画整理市街地への編入が課題となっている。

脚注

関連項目

外部リンク