「山陽新幹線」の版間の差分
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2020年1月17日 (金) 18:59時点における最新版
山陽新幹線(さんようしんかんせん)は、新大阪駅から博多駅までを結ぶ西日本旅客鉄道(JR西日本)の高速鉄道路線及びその列車(新幹線)である。
多くの列車が東海道新幹線に直通する運行体系がとられていることから、総称して「東海道・山陽新幹線(とうかいどう・さんようしんかんせん)」と呼ばれることがあるが、山陽新幹線がJR西日本の管轄であることから、山陽新幹線側では山陽・東海道新幹線とも呼ばれる。
概要[編集]
路線の沿革と内訳[編集]
1972年3月15日に新大阪駅~岡山駅間が開業、1975年3月10日に岡山駅~博多駅間が開業した。開業以来日本国有鉄道(国鉄)によって運営されていたが、1987年の国鉄分割民営化に伴い、以後の運営はJR西日本が継承している。但し車両運用の都合上、この区間にはJR西日本所有車両の他、東海道新幹線へ乗り入れる列車(一部の列車を除く)を中心に東海旅客鉄道(JR東海)所有の車両でも運行されている。
なお、JR発足時に当時の運輸省に提出された事業基本計画や国土交通省監修の『鉄道要覧』では、新大阪~博多間を山陽新幹線としているが、国鉄時代に制定された「線路名称」上では並行在来線の無名枝線(1982年までは線増)という扱いで、新大阪~新神戸間が東海道本線、新神戸~小倉間が山陽本線、小倉~博多間が鹿児島本線となっている。
運輸収入と輸送量[編集]
2006年度の運輸収入は3,286億円(05年度と比べ48億円の増収)で、JR西日本における鉄道旅客運輸収入の42.9%を占めており(京阪神=アーバンネットワークは39.5%)、同社の一番の収入源となっている。また、輸送量を表す輸送人キロは15,164百万人キロ(前年度比315百万人キロ増)で、JR発足直後の1987年度(13,152百万人キロ)の1.15倍である。なお、これまでの最高は1992年度の16,160百万人キロ。2002年度から輸送量は増加し続けている。
2011年春に九州新幹線が全線開通すると約100億円の増益効果があると言われている。[1]
路線規格[編集]
東海道新幹線に比べ線形がよいため高速運転が可能で、山陽新幹線内(姫路駅以西)では500系・N700系「のぞみ」が最高300km/h運転を実施している。「のぞみ」の大半は東海道新幹線に乗り入れ東京駅まで乗り換えなしでいくことができる。2003年10月1日のダイヤ改正以降は、岡山より西側の駅からの東京行きはすべて「のぞみ」となっている。また、新大阪~博多間には西日本旅客鉄道の700系7000番台による「ひかりレールスター(Rail Star)」が運行されている。
極力カーブを少なくするために、直線ルートを多く採ったことにより、東海道新幹線よりトンネルが多い(トンネルがないのは西明石駅~姫路駅間のみ)。またトンネルが多くなったことにより、車内気圧変動対策で換気を遮断する回数が増えるため、後から開業した岡山駅以西では連続換気方式が採用されたが、1973年以前に製造された0系のうち当時の「こだま」編成にはこれに対応する改造が行われなかったため、岡山駅以西への乗り入れができなかった。編成組換えの際、非対応車が入った編成(本来の編成番号+50で区別)は東海道「こだま」専用となった。
今後の予定[編集]
2011年に九州新幹線博多~新八代間が開業するのに伴い、山陽新幹線が博多駅で九州新幹線と接続するという公式の発表があり、2007年10月17日にJR西日本・JR九州が合同で会見を行った[2]。それによれば、新大阪駅発鹿児島中央駅行きの列車を概ね1時間に1本の割合で運行し、両駅を約4時間で結ぶというものである。しかし、現時点では山陽新幹線で使用されている車両を九州新幹線に直通させることは不可能であり、相互に対応する列車や運行システムをJR西日本・JR九州で共同開発することが発表された。 なお、東海道新幹線東京・名古屋方面への乗り入れについては、1本あたりの車両数の違い(東海道新幹線が16両であるのに対し、九州新幹線は6両)や、所要時間が7時間程度かかってしまうことなどを理由に却下された。
一方、広島支社管内の東広島駅・新岩国駅・厚狭駅のように利用が極端に低迷している駅があり、それらの駅の収支改善策が検討されている。長距離旅客が主体であるため無人化は困難であり、営業時間の短縮などの案が検討されている。
JR東海との提携サービス[編集]
2005年12月よりJR東海エクスプレス・カードを使った「エクスプレス予約」による東海道新幹線の割引特急券(e特急券)の対象区間が新神戸駅まで拡大され、JR西日本もこれと同等のサービスを受けられるJ-WESTカードを新たに発行し、2006年2月より山陽新幹線全線でのサービスを開始、同年7月22日には両者のカードで東海道・山陽新幹線全区間での相互利用が可能となった。
特別企画乗車券[編集]
山陽新幹線では高速バスや航空との競合がある区間を中心に割引きっぷ(特別企画乗車券)が設定されている。 のぞみ (列車)#のぞみ早特往復きっぷ も参照
山陽新幹線2枚きっぷ[編集]
大阪市内・神戸市内~北九州・福岡市内で利用可能な2枚セットの割引きっぷである。2006年5月に廃止された「新幹線カルテットきっぷ」を代替する形で、2006年3月から発売されている。
- きっぷのルール
- 新大阪・新神戸~小倉・博多を走る「のぞみ」「ひかり」「こだま」の普通車指定席が利用可能
- 乗車前に座席を指定する。
- 座席を指定した後に、指定列車の変更は出来ない
- 有効期限は購入日の3日後~2週間後までの12日間
- 途中下車、乗車区間の変更、乗継割引は不可
- 指定列車に乗り遅れた場合は、当日の自由席のみ利用できる。
- 値段(通常期に新大阪~博多を「のぞみ」の指定席で往復した場合の値段※往復割引乗車券 割引率)
- 大阪市内・神戸市内⇔北九州市内・福岡市内 23,000~25,000円(27,900円 18%~10%)
新幹線よかよかきっぷ[編集]
土休日のみ使用できる往復割引きっぷである。高速バスや在来線特急と競合している小倉~博多間や、山口県内~博多間に設定されている。下関発の割引率が高い。
- きっぷのルール
- 往復共にすべての列車の普通車自由席が利用可
- 有効期限は1日間
- 子供用の値段は大人用の半額
- 途中下車前途無効
- 設定区間と値段(通常の値段 割引率)
- 宇部新川~厚狭 → 博多 6,000円(厚狭発8,600円 20.2%)
- 下関~新下関 → 博多 4,000円(新下関発6,260円 36.1%)
- 小倉⇔博多 3,000円(4,100円 26.8%)
路線データ[編集]
- 路線距離(営業キロ):644.0km(実キロ:553.7km)
- ただし、新岩国~徳山間を通過する場合の運賃・料金計算に使われる岩徳線まわりの営業キロでは622.3km、運賃計算キロでは626.7km
- 軌間:1435mm(標準軌)
- 駅数:19駅(起終点駅含む)・1信号場
- 複線区間:全線複線
- 電化区間:全線電化(交流25,000V・60Hz)
- 保安装置:ATC-1、車内信号式(CS-ATC)
- 道床:バラスト軌道、スラブ軌道
- 運転指令所:東京指令所
- 平時では東京にある指令所で指令業務が行われているが、地震等で被災したときのために第二指令所が大阪に設置されている。普段から異常時訓練や東京から最新のダイヤグラムを転送して、緊急時にすぐ対応できる体勢をとっている。
車両[編集]
山陽新幹線の車両は、若干のマイナーチェンジはあるが、大きく分けて以下の型式が存在する。
- 0系(JR西日本WR編成(6両)、山陽新幹線内「こだま」及び博多南線で使用。1999年9月18日限りで東海道新幹線からは撤退)
- 100系(JR西日本K編成(6両)、P編成(4両)、山陽新幹線内「こだま」及び博多南線で使用。2003年9月16日限りで東海道新幹線からは撤退)
- 300系(JR東海J編成(0番台)・JR西日本F編成(3000番台)、「ひかり」・「こだま」・臨時「のぞみ」で使用。「のぞみ」は臨時列車の一部を除いて500系・700系を使用し、昼間時間帯の定期列車では東海道新幹線の「ひかり」・「こだま」に使われているため、岡山駅以西では朝夕の一部列車で見かけるのみ)
- 500系(JR西日本W編成、「のぞみ」専用。臨時「ひかり」としても使用される)
- 700系(JR東海C編成(0番台)・JR西日本B編成(3000番台)、「のぞみ」・「ひかり」及び山陽新幹線内「こだま」で使用)
- 700系7000番台(JR西日本E編成、山陽新幹線内「ひかりレールスター」・「こだま」で使用)
- N700系(JR東海Z編成(0番台)・JR西日本N編成(3000番台)、「のぞみ」で使用。但し、車両運用の都合により「ひかり」で使用されることもある)
- 923形3000番台(JR西日本T5編成、JR東海のT4編成(923形0番台)と共通運用、東海、西日本共同による試験走行で使用)
車内チャイム[編集]
2003年11月24日からは、JR西日本所属の車両の車内放送に使用されているチャイムの音楽には、かつて山口百恵が歌った「いい日旅立ち」を2003年に鬼束ちひろがカヴァーした、「いい日旅立ち・西へ」が使用されている。なお、JR東海所属車両が山陽新幹線のみの列車に使用された場合は、TOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」のチャイムがそのまま使われるので、始発駅・途中の拠点駅・終着駅での自動放送は「AMBITIOUS JAPAN!」の後で、「今日も、JR西日本をご利用下さいまして、ありがとうございます(した)。」という変則的なものとなる。ちなみに、東海道区間のみの列車、または東海道・山陽区間を直通する列車の場合の全区間は「今日も、新幹線をご利用下さいまして……」である。
担当乗務員区所[編集]
- 大阪西車掌所:「のぞみ」「ひかり」「こだま」(新大阪~博多間)
- 大阪新幹線運転所:「のぞみ」「ひかり」「こだま」(新大阪~博多間)
- 広島車掌所:「のぞみ」「ひかり」「こだま」(新大阪~博多間)
- 広島新幹線運転所:「のぞみ」「ひかり」「こだま」(新大阪~博多間)
- 博多新幹線列車区:「のぞみ」「ひかり」「こだま」(新大阪~博多間)
運行形態[編集]
列車名[編集]
新大阪駅以東での停車駅など詳細については各列車の記事および東海道新幹線を参照のこと。
「のぞみ」[編集]
- 停車駅
- 最速達タイプの列車。途中新神戸駅・岡山駅・広島駅・小倉駅には必ず停車する。臨時列車を除いて新山口駅は1時間に1本程度、徳山駅には1日4本停車。東京直通列車は新大阪駅、京都駅、名古屋駅、新横浜駅に必ず停車し、特に博多駅発着のものは品川駅にも必ず停車する。
- 福山駅には、ほとんど※の東京駅~広島駅間のぞみが停車。また東京駅~博多駅間の列車も、1時間に1本停車する。
- 姫路駅には東京駅~岡山駅間の全列車と一部※の東京駅~広島駅間の列車が、1時間に1本停車する。
- 上記以外の駅には停車しない。以前は姫路駅に博多行の列車も一部が停車していたが、それらは福山駅停車となったため、姫路駅は通過となった。
- 2006年3月18日のダイヤ改正で姫路駅や新神戸駅からの東京方面への利便性を向上させるため、早朝深夜に東京駅~姫路駅間の列車が新設された。
- ※姫路停車の広島行きのぞみは、福山を通過する。逆に、姫路通過の広島行きのぞみは、福山停車となる。
「ひかり」[編集]
- 停車駅
- 途中駅通過タイプの列車。但し、東京駅~岡山駅間の列車は名古屋駅以西の各駅に停車。
- 名古屋駅~博多駅間(下り2本、上り1本)の列車は、新神戸駅・姫路駅・岡山駅・広島駅・新山口駅・小倉駅には必ず停車する。
- 朝の上り、夜の下りには姫路発着の列車もある(こちらは西明石駅にも停車)。
「ひかりレールスター」[編集]
- 「ひかり」のうち、700系7000番台を使用した速達タイプの列車をいう。新神戸駅・岡山駅・福山駅・広島駅・小倉駅には必ず停車する。山口県内の徳山駅・新山口駅・新下関駅では、一部を除き主に新山口駅に停車するが、徳山駅・新下関駅のみ停車の列車もある。また、2006年3月18日ダイヤ改正でこれらの駅と姫路駅には停車しない速達便も登場。さらに、早朝の上り1本と深夜の下り1本は、三原駅に新たに停車し、関西方面への利便性が図られた。
- 4人用個室が4室設けられている。
「こだま」[編集]
- 各駅に停車する列車。小倉駅~博多駅間や朝夕の一部の列車は全車自由席である。一部列車は博多南線特急(戸籍上は在来線扱い)として運行される。一部の列車・区間において車内販売の営業がある。
- 4両編成の列車は博多駅~岡山駅間の運用となっている。
現在の運行形態[編集]
開業時から規則的なパターンダイヤを導入しているが、東海道新幹線に比べて需要が少ないことと時間帯により極端な需要の偏りがあることなどから、列車の延長運行などを行い、需要に見合う柔軟なダイヤ構成となっている。
列車運行時間は、騒音などによる沿線住民の環境に配慮して、法律により0時から6時の間は営業運転を行わないようにダイヤが組まれている(但し、台風や大雪など自然災害、車両故障やその他の事由によるダイヤの乱れが発生した時は、運行時間延長の処置がとられる)。
2006年3月18日のダイヤ改正以降、昼間時間帯ではだいたいこのようなパターンで運行されている。
現行のダイヤパターンと停車駅[編集]
新大阪駅 発車時刻 |
種別 | 始発 | 新大阪 | 新神戸 | 西明石 | 姫路 | 相生 | 岡山 | 新倉敷 | 福山 | 新尾道 | 三原 | 東広島 | 広島 | 新岩国 | 徳山 | 新山口 | 厚狭 | 新下関 | 小倉 | 博多 | 博多南 | 終着 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11分 | のぞみ | 東京 | ● | ● | → | ● | → | ● | → | → | → | → | → | ● | 岡山(※広島) | ||||||||
こだま | 岡山 岡山(広島)着「のぞみ」接続 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 博多南 | ||||||
15分 | こだま | 新大阪* | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 広島 | ||||||||
29分 | のぞみ | 東京 | ● | ● | → | → | → | ● | → | → | → | → | → | ● | → | → | ▼ | → | → | ● | ● | 博多 | |
32分 | のぞみ◆ | 東京・新大阪 | ● | ● | → | → | → | ● | → | → | → | → | → | ● | → | → | ● | → | → | ● | ● | 広島・博多 | |
35分 | ひかりRS◇ | 新大阪 | ● | ● | → | ● | → | ● | → | ● | → | → | → | ● | → | ▲ | ▲ | → | ▲ | ● | ● | 博多 | |
こだま | 広島* | 東京駅~博多駅間「のぞみ」接続 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 博多 | ||||||||||||
38分 | ひかり | 東京 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 岡山 | ||||||||||||||
51分 | のぞみ | 東京 | ● | ● | → | → | → | ● | → | ● | → | → | → | ● | → | ▼ | ▼ | → | → | ● | ● | 博多(※広島) | |
59分 | ひかりRS | 新大阪 | ● | ● | → | ● | → | ● | → | ● | → | → | → | ● | → | ▲ | ▲ | → | ▲ | ● | ● | 博多 |
種別 | 始発 | 博多南 | 博多 | 小倉 | 新下関 | 厚狭 | 新山口 | 徳山 | 新岩国 | 広島 | 東広島 | 三原 | 新尾道 | 福山 | 新倉敷 | 岡山 | 相生 | 姫路 | 西明石 | 新神戸 | 新大阪 | 新大阪駅 到着時刻 |
終着 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
こだま | 広島* | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 4分 | 新大阪 | ||||||||
ひかりRS◇ | 博多 | ● | ● | ▲ | → | ▲ | ▲ | → | ● | → | → | → | ● | → | ● | → | ● | → | ● | ● | 20分 | 新大阪 | |
こだま | 博多南 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 岡山(広島)発「のぞみ」接続 岡山 | ||||||
のぞみ | (※広島)岡山 | ● | → | → | → | → | → | ● | → | ● | → | ● | ● | 8分 | 東京 | ||||||||
のぞみ | (※広島)博多 | ● | ● | → | → | ▼ | ▼ | → | ● | → | → | → | ● | → | ● | → | → | → | ● | ● | 28分 | 東京 | |
ひかり | 岡山 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 40分 | 東京 | ||||||||||||||
ひかりRS | 博多 | ● | ● | ▲ | → | ▲ | ▲ | → | ● | → | → | → | ● | → | ● | → | ● | → | ● | ● | 44分 | 新大阪 | |
こだま | 博多* | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 東京駅~博多駅間「のぞみ」接続 | 広島 | ||||||||||||
のぞみ◆ | 博多・広島 | ● | ● | → | → | ● | → | → | ● | → | → | → | → | → | ● | → | → | → | ● | ● | 47分 | 新大阪・東京 | |
のぞみ | 博多 | ● | ● | → | → | ▼ | → | → | ● | → | → | → | → | → | ● | → | → | → | ● | ● | 51分 | 東京 |
●:停車 ▲:この駅のうち1~2駅に停車 ▼:一部の列車のみ停車 →:通過 ◆:臨時列車 ◇:朝夕運行
RS=レールスター
※:朝夕等、( )内の駅まで(から)の運行となる場合がある。
*:時間帯によっては新大阪駅~博多駅間を直通運行する列車となる。
号数の振り方
- のぞみ
- 東京駅~岡山駅間:80~90号代
- 東京駅~広島駅間:60~70号代
- 東京駅~博多駅間:定期列車は1~52号・臨時列車は170~190号代
- 名古屋駅~博多駅間:名古屋駅発は59号、博多駅発は54・56号
- 新大阪駅~博多駅間:定期列車は500号代・臨時列車は510~520号代
- ひかり
- 東京駅~岡山駅間:360~380号代
- 名古屋駅~博多駅間:390号代
- 新大阪駅~博多駅間(レールスター):440~490号代
- こだま
- 新大阪駅・岡山駅~福山駅・三原駅・広島駅・博多駅・博多南駅間、三原駅~広島駅間:620~690号代
- 広島駅~新山口駅・博多駅・博多南駅間:720~740号代
- 新山口駅・小倉駅~博多駅・博多南駅間:750~770号代
なお、博多南線のみを走る列車(2005年3月改正ダイヤでは上り3本のみ)は820号台が割り当てられている(列車番号は+2000される)。
列車番号は定期列車は基本的に号数+A、臨時列車は3000+号数+A、9000+号数+Aである。
所要時間の推移[編集]
新大阪~博多間最速列車の所要時間の推移を示す。
- 3時間44分「ひかり」0系 1975年3月10日~
- 山陽新幹線が全線開業した。最高速度は210km/h。最速列車(Wひかり)の停車駅は岡山・広島・小倉であった。
- 3時間28分「ひかり」0系 1980年10月1日~
- まだ地盤が固まっていなかった為に三原~博多で行われていた減速運転が解除されてスピードアップした。
- 3時間16分「ひかり」0系 1985年3月14日~
- 余裕時間を見直し、スピードアップした。
- 2時間59分「ひかり」0系 1986年11月1日~
- 最高速度を210km/hから220km/hに引き上げた。
- 2時間49分「ひかり」100N系 1989年3月11日~
- 100系「グランドひかり」が運転開始され、最高速度は230km/hとなった。
- 2時間32分「のぞみ」300系 1993年3月18日~
- 300系「のぞみ」が山陽新幹線でも運転開始した。最高速度は270km/h。
- 2時間17分「のぞみ」500系 1997年3月22日~
- 500系「のぞみ」が運転開始した。最高速度は当時世界最速の300km/h。なお、1999年3月13日に運転を開始した700系「のぞみ」は2時間25分(現在は2時間28分 最高速度285km/h)、2000年3月11日から運転を開始した700系7000番台「ひかりレールスター」は2時間45分(現在の速達タイプは2時間35分 最高速度285km/h)であった。
- 2時間21分「のぞみ」500系 2003年10月1日~
- 500系「のぞみ」を含めた全列車が新神戸駅に停車することになり4分延びた。
- 2時間23分「のぞみ」500系(2007年7月1日からはN700系も) 2006年3月18日~
- JR福知山線脱線事故の影響を受け山陽新幹線でも「ゆとりダイヤ」を実施、2分延びた。2007年7月1日からはN700系が運転を開始し、500系と同じ最高速度300km/h、2時間23分で走っている。
他の交通機関との競合関係[編集]
山陽新幹線では東海道新幹線以上に航空機(航空会社)との競合にさらされている。
東京~岡山県[編集]
この区間では東海道・山陽新幹線と航空便が競合している。新幹線は航空機に対し7割を超えるシェアで押していたが、2000年2月に航空法が改正され、航空会社がより自由に運賃を設定できるようになってからは、新幹線が急速にシェアを落としていき2003年には50%を割った。2003年10月に品川駅が開業し、東京~岡山の「のぞみ」が1時間あたり2~3本(2005年3月からは3本)になってからはややシェアを回復した。
- 東京都~岡山県のJRと航空機のシェア)[3]
- 1999年度 74 : 26
- 2001年度 66 : 34
- 2003年度 48 : 52
- 2005年度 52 : 48
東京~広島県[編集]
この区間では東海道・山陽新幹線と航空便が競合している。新幹線と航空機のシェアは1996年度には53:47でほぼ拮抗していたが、そこから次第に新幹線が押され始め、2002年度には38:62となった。2003年10月に東海道新幹線の品川駅が開業し、東京~広島間の「のぞみ」が1時間あたり2~3本へ増発され、そのうち1本が福山駅に止まるようになってからは、徐々に新幹線のシェアが回復している。東京~福山では、2006年9月から、福山駅~岡山空港間にリムジンバス(ももっちライナー)が運行開始され、羽田~岡山便との競争が過熱している。また、近年は「のぞみ早特往復きっぷ」や「エクスプレス予約」などの割引サービスも充実してきた。2007年6月からは、JR西日本広島支社がこの区間の利用者向けの「のぞみDVD無料レンタルキャンペーン」を開始した。
- 東京都~広島県のJRと航空機のシェア
- 1996年度 53 : 47
- 1999年度 45 : 55
- 2002年度 38 : 62
- 2005年度 45 : 55
東京~福岡県[編集]
この区間では、東海道・山陽新幹線と、羽田~新北九州・福岡空港などの航空便が競合している。2005年度のJRと航空のシェア(東京都~福岡県)は7:93で、航空便に圧倒的にシェアを奪われている。これは新幹線のほうが割高で、且つ、所要時間が長い(近年は徐々に差が縮まりつつある)ことが原因とも言われる。さらに新幹線の方が終列車が早い(18時台)一方で航空便の最終便が遅い(21時台)ことや、都心から空港への距離(羽田空港、福岡空港)のアドバンテージがさほどないことも影響している。
- 航空便では「早割」「特割」「激割」(バーゲン型運賃)「チケットレス割引」などといった、各種の格安運賃が用意されている。さらに、利用距離によってポイント点数が加算されるマイレージサービスの拡充も進められている。
- 一方、新幹線の割引制度は、JR線全体に共通の、片道営業キロ数601キロ以上の区間の往復乗車券購入割引が、一般の人が通年利用できる唯一のもので、他には回数券や一部フリー切符のような「トクトクきっぷ」、「ジパング倶楽部」(シルバー世代対象)や「エクスプレス予約」など、対象を限定した会員制組織による割引制度が存在する程度である。それでも、「エクスプレス予約」を除いて、のぞみ号の特急料金は割引対象外である。また超繁忙期(ゴールデンウィーク、お盆、年末年始)においてのトクトクきっぷの制限がかかることも影響している。
JR西日本は「のぞみ早特往復きっぷ」の発売や、2006年3月のダイヤ改正で、博多~東京の「のぞみ」を毎時2本に増やした。
名古屋~福岡[編集]
この区間では、東海道・山陽新幹線と、中部国際空港(セントレア)・県営名古屋空港~福岡空港間の航空便が競合している。2004年度のJRと航空のシェアは31:69で、中部国際空港開港後はより競争が激化している。JR側は「のぞみ早特往復きっぷ」や「エクスプレス予約」などの割引サービスを充実させると共に、2006年3月のダイヤ改正で、名古屋~博多「のぞみ」間を1時間に2本へ増発や、始発列車や最終列車の増発や時刻変更で、中京地区から福岡での滞在時間を増加させるなど利便性の向上も行っている。JR東海は2006年春から中京地区で「九州(当初は博多)行くなら、新幹線。」キャンペーンを展開し、対抗してANAも「行こおか ふくおか」キャンペーンを展開、セントレア福岡便を増発している。JALは中部国際空港の他に、県営名古屋空港からも福岡便を運行している。
年度 | シェア | JR | 航空 | 合計 |
---|---|---|---|---|
1985 | 60 : 40 | 565 | 379 | 944 |
1990 | 49 : 51 | 721 | 763 | 1,484 |
1995 | 38 : 62 | 635 | 1,033 | 1,668(1995年1~4月 阪神・淡路大震災により不通) |
2000 | 28 : 72 | 544 | 1,385 | 1,929 |
2001 | 30 : 70 | 581 | 1,376 | 1,957 |
2004 | 31 : 69 | 613 | 1,351 | 1,964 |
2005 | 33 : 67 | 761 | 1,511 | 2,271(「愛・地球博」開催) |
近畿~福岡[編集]
この区間では、山陽新幹線と、伊丹空港・関西国際空港~福岡空港の航空便が競合している。JR西日本は発足後、2+2シートの「ウエストひかり」で快適な車内サービスを提供する一方で、「グランドひかり」や300系「のぞみ」などを投入しスピードアップによる速達サービスも向上させてきた。1994年に関西国際空港が開港した後も、1997年に最高速度300km/hの500系車両の導入や、山陽区間内のトクトクきっぷの使用制限(お盆、年末年始などの超繁忙期の制限)を緩和(撤廃)した上で格安の回数券を発売したが、航空会社が大阪空港~九州方面の航空便を増便やマイレージサービスの拡充を図り、新幹線はシェアを徐々に落としていった。そこで2000年にJR西日本は「ひかりレールスター」を投入した。指定席の2+2シートなどの質の高いサービスが人気をよび、新幹線のシェアは増加に転じた。近年大阪~福岡間だけでみると利用客が多いにもかかわらず、伊丹空港のジェット機の発着枠の制限が大きくのしかかり、航空会社の方がやや劣勢に立たされている。
- 近畿~北部九州のJRと航空便の旅客シェア[3]
- 1996年度 67 : 33
- 1999年度 58 : 42 (2000年3月「ひかりレールスター」運転開始)
- 2002年度 67 : 33
- 2005年度 72 : 28
- 近畿(大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山の2府3県)~福岡県間のJRと航空便の旅客シェア・輸送人員(千人)[4][5]
年度 | シェア | JR | 航空 | 合計 |
---|---|---|---|---|
1985 | 73 : 27 | 3307.8 | 1209.0 | 4516.8 |
1990 | 75 : 25 | 4364.3 | 1426.5 | 5780.8 |
1995 | 72 : 28 | 4025.8 | 1552.6 | 5578.4(1995年1~4月は震災のため不通) |
2000 | 65 : 35 | 4206.5 | 2268.9 | 6475.4(2000年3月「ひかりレールスター」登場) |
2005 | 77 : 23 | 4946.2 | 1509.7 | 6455.9 |
小倉~博多[編集]
この区間では、山陽新幹線、JR九州の鹿児島本線を走る在来線特急「ソニック」・「有明」、西鉄高速バス(「ひきの号」「なかたに号」「いとうづ号」)の三社が競合している。時間面では新幹線が圧倒的有利、運賃面と本数、さらには都心部(天神)への直結に関しては高速バスが有利である。
山陽新幹線では小倉~博多に区間運転の「こだま」を増発したり、最高速度300km/hの500系・N700系を投入しスピードアップを図っている。しかし中距離とあって速達面での優位性が弱い事や利用料金が割高ともあって、割引きっぷ類を発売するなどしてテコ入れを図っている。
- 山陽新幹線・在来線特急・西鉄高速バスの比較
- 時間面
- 山陽新幹線 15分(500系・N700系「のぞみ」)~20分前後(0系・100系「こだま」)
- 在来線特急 40分(ソニック)~1時間前後(有明)
- 西鉄高速バス 最速1時間18分、平均1時間20分台(小倉駅前~西鉄天神バスセンター)
- 料金面(片道あたり)
- 山陽新幹線 通常運賃+自由席特急料金2,050円 自由席用新幹線回数券1,900円 新幹線よかよかきっぷ(土休日のみ)1,500円
- 在来線特急 通常運賃+自由席特急料金1,750円 2枚きっぷ(自由席)1,300円 4枚きっぷ(自由席)1,200円
- 西鉄高速バス 通常運賃1,000円 往復・ペア乗車券900円
- 本数面(1日あたり)
- 山陽新幹線 約96往復
- 在来線特急 約48往復
- 西鉄高速バス 約140~150往復
- 時間面
このほか、新大阪~岡山間は両備バス・下津井電鉄の昼行高速バス(大阪~岡山・倉敷線)との競合にさらされている。
駅一覧・接続路線・所在地[編集]
※距離は東京駅からの実キロ。詳細な停車駅については上記の停車駅表を参照。
駅名 | 距離(km) | 停車列車 | 接続路線 | 所在地 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
東海道新幹線 京都・名古屋・東京方面(直通運転) | |||||||
新大阪駅 | 515.4 | ● | 東海旅客鉄道:東海道新幹線 西日本旅客鉄道:東海道本線(JR京都線)(JR宝塚線直通列車乗り入れ)・関空特急「はるか」・特急「くろしお・スーパーくろしお・オーシャンアロー」・おおさか東線(2012年春開業予定) 大阪市営地下鉄:御堂筋線 |
大阪府 | 大阪市淀川区 | ||
この間に六甲トンネル(16,250m) がある。 | |||||||
新神戸駅 | 548.0 | ● | 神戸市営地下鉄:西神・山手線 北神急行電鉄:北神線 ※直接的な接続ではないが、神戸市内発着の乗車券に限り、地下鉄などを介した在来線三ノ宮駅・元町駅・神戸駅・新長田駅との乗換のための途中下車を特別に認めている。 |
兵庫県 | 神戸市中央区 | ||
西明石駅 | 570.2 | ◎ | 西日本旅客鉄道:山陽本線(JR神戸線) | 明石市 | |||
この区間は山陽新幹線で唯一、トンネルがない。 | |||||||
姫路駅 | 601.3 | ◆ | 西日本旅客鉄道:山陽本線(JR神戸線)・播但線・姫新線 山陽電気鉄道:本線(山陽姫路駅) |
兵庫県 | 姫路市 | ||
相生駅 | 621.3 | ◎ | 西日本旅客鉄道:山陽本線・赤穂線 | 相生市 | |||
岡山駅 | 676.3 | ● | 西日本旅客鉄道:山陽本線(赤穂線・伯備線直通列車乗り入れ)・宇野線(瀬戸大橋線)・津山線・吉備線 岡山電気軌道:東山本線 |
岡山県 | 岡山市 | ||
新倉敷駅 | 702.1 | ○ | 西日本旅客鉄道:山陽本線 | 倉敷市 | |||
福山駅 | 733.1 | ◆ | 西日本旅客鉄道:山陽本線・福塩線 | 広島県 | 福山市 | ||
新尾道駅 | 750.5 | ○ | バスのみ(尾道駅まで15分) | 尾道市 | |||
三原駅 | 761.0 | ◎ | 西日本旅客鉄道:山陽本線・呉線 | 三原市 | |||
東広島駅 | 791.9 | ○ | バスのみ(西条駅まで18分) | 東広島市 | |||
広島駅 | 821.2 | ● | 西日本旅客鉄道:山陽本線(呉線・可部線直通列車乗り入れ)・芸備線 広島電鉄:本線 |
広島市南区 | |||
新岩国駅 | 865.4 | ○ | 錦川鉄道:錦川清流線(御庄駅:徒歩5分) | 山口県 | 岩国市 | ||
徳山駅 | 903.5 | ◆ | 西日本旅客鉄道:山陽本線(岩徳線直通列車乗り入れ) | 周南市 | |||
新山口駅 | 944.6 | ◆ | 西日本旅客鉄道:山陽本線・山口線・宇部線 | 山口市 | |||
厚狭駅 | 968.7 | ○ | 西日本旅客鉄道:山陽本線・美祢線 | 山陽小野田市 | |||
新下関駅 | 992.5 | ◎ | 西日本旅客鉄道:山陽本線 | 下関市 | |||
この間に山陽新幹線最長の新関門トンネル(18,713m) がある。 | |||||||
小倉駅 | 1013.2 | ● | 九州旅客鉄道:鹿児島本線・日豊本線(日田彦山線直通列車乗り入れ) 北九州高速鉄道:モノレール小倉線 |
福岡県 | 北九州市小倉北区 | ||
鞍手信号場 | (1035.7) | 鞍手郡鞍手町 | |||||
博多駅 | 1069.1 | ● | 西日本旅客鉄道:博多南線 九州旅客鉄道:鹿児島本線(福北ゆたか線(篠栗線)直通列車乗り入れ) 福岡市営地下鉄:空港線(筑肥線直通列車乗り入れ) |
福岡市博多区 |
- 停車列車の記号
- ●印・黄地・この書体の駅名は全列車停車駅
- ◆印・黄地の駅名は(一部の)のぞみ停車駅
- ◎印・赤地の駅名はひかり停車駅
- ○印・青地の駅名はこだまのみの停車駅
歴史[編集]
- 1972年(昭和47年)3月15日 - 新大阪駅~岡山駅間開業。「ひかりは西へ」のキャッチコピーが使われた。1972年3月15日国鉄ダイヤ改正の項目も参照。
- 1975年(昭和50年)3月10日 - 岡山駅~博多駅間開業。キャッチコピーは「ひかりライン」。1975年3月10日国鉄ダイヤ改正の項目も参照。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化。山陽新幹線は西日本旅客鉄道(JR西日本)管轄に。
- 1988年(昭和63年)3月13日 - 新尾道駅・東広島駅開業。
- 1993年(平成5年)3月18日 - 山陽新幹線区間で「のぞみ」の運行開始。
- 1995年(平成7年)1月17日 - 阪神・淡路大震災により不通。始発列車前に発生したため乗客への直接の被害は免れた。
- 1997年(平成9年)3月22日 - 500系を使用した「のぞみ」運行開始。最高300km/hで日本最速となる。
- 5月6日 - 岡山運転所構内で入換作業中の0系が、車止めを突破して40m暴走する事故が発生。原因は運転士の居眠り。
- 1999年(平成11年)3月13日 - 厚狭駅開業。
- 6月27日 - 小倉駅~博多駅間の福岡トンネル内でコンクリート片が剥落、通過中の下り列車屋根に衝突(福岡トンネルコンクリート塊落下事故)。以降、高架橋やトンネル壁面からのコンクリート片剥落が相次ぐ。
- 2000年(平成12年)3月11日 - “ひかりレールスター”運行開始。
- 2003年(平成15年)2月26日 - 「ひかり126号」の運転士が広島~岡山駅間を運転(走行)中に居眠り(後に原因が睡眠時無呼吸症候群と判明)。
- 2005年(平成17年)2月27日 - この日までに山陽新幹線全駅に自動改札機を導入。
- 2006年(平成18年)3月18日 - 姫路発着の「のぞみ」が設定される。速達タイプのレールスターが設定。
- 2007年(平成19年)7月1日 - N700系が「のぞみ」で運転開始
- 始発と最終列車の所要時間を短縮(1号:東京6:00→新大阪8:27発→博多10:50 52号:博多18:54→新大阪21:17着→東京23:45)。
- 朝の「のぞみ」を1往復増発(99号:品川06:00→新大阪8:21発→博多10:45 N700系使用 170号:博多7:08→新大阪9:47着→東京12:26 700系使用 ※9月30日まで)。
- 速達タイプの「ひかりレールスター」を1往復増発(441号:新大阪6:00→博多8:35 486号:博多20:28→新大阪23:03)。
- 新山口~小倉間の「こだま」を1往復増発(757号:新山口7:10→小倉7:41着→博多8:01 780号:小倉6:20→新山口6:53※のぞみ2号に接続)。
- 2009年度(平成21年度) - 東海道新幹線直通の「のぞみ」が全てN700系に置き換わる予定。
- 2011年(平成23年)春 - 九州新幹線と直通運転を開始する予定。
開業当初、山陽新幹線では「こだま」を一部時間帯除いて設定せず、「ひかり」を山陽新幹線区間で主要駅のみ停車するタイプ(Wひかり)、それより若干多い駅に停車するタイプ(Aひかり)、各駅停車するタイプ(Bひかり)の3つに分けてそれぞれ設定し、殆どの列車を東海道新幹線の東京駅まで直通運転させていた。
しかし山陽新幹線では16両編成を運転するだけの需要がないことから、その分東海道新幹線より列車本数が少なく、特に岡山駅以西では毎時2往復という時間帯が多かった。その後、山陽新幹線区間のみ走る6両編成の「こだま」が1985年(昭和60年)6月に登場したのを皮切りに、編成両数を短縮してその分本数を増やす施策がとられるようになった。
国鉄分割民営化によってJR西日本の運営路線となると、その流れには更に拍車がかかり、“ウエストひかり”・“シャトルひかり”などといった、6~12両編成という短編成ではあるが質の向上を図った列車が多く運行されるようになり、そして8両編成の“ひかりレールスター”が登場以後は山陽区間内の「こだま」も4~6両編成(多くは廃車発生品のグリーン席を使った2+2座席のモノクラス車に)が殆どとなり、現在に至る。
また、小倉~博多間は並行在来線の鹿児島本線との競合があるため、在来線経由の定期券での山陽新幹線の乗車を認めるとともに、同区間の区間列車を朝夕時間帯を中心に設定している。
なお“ひかりレールスター”に関しては、山陽区間における「のぞみ」が登場して暫くは、「のぞみ」の列車本数自体が少なかったことや利用料金が割高な事などから新幹線が敬遠されがちであったため、航空機への対抗策の一環として登場したものの、2003年ダイヤ改正で「のぞみ」の大幅増発や停車駅増加に加えて「のぞみ」料金値下げ(正規の自由席料金や、阪神地区と福岡地区間などの割引きっぷ類が「のぞみ」利用でも同額に)、更に2006年(平成18年)3月18日改正で“ひかりレールスター”に「のぞみ」並みの速達列車が登場したことから、現在はその位置付けがやや曖昧になっている。
山陽新幹線を取り巻く状況の変化[編集]
- 1988年 - (新)岡山空港が開港した。瀬戸大橋が開通し、本四備讃線・瀬戸中央自動車道が開業した。
- 1991年 - 北九州空港に東京線が開設される
- 1993年 - (新)広島空港供用開始
- 1994年9月4日 - 関西国際空港開港
- 1996年6月 - 航空会社が一定の範囲内で自由に運賃を決められる「幅運賃制度」を導入
- 1997年 - 航空各社がマイレージサービスを本格導入
- 1998年4月5日 - 明石海峡大橋供用開始
- 11月18日 - 京急空港線が羽田空港駅まで延伸
- 2000年2月 - 改正航空法が施行され、航空運賃が認可制から届出制へ移行
- 7月1日 - 小倉~天神間の西鉄高速バスの運賃が1000円に引き下げられる。
- 2005年2月17日 - 中部国際空港開港
- 2006年2月16日 - 神戸空港開港
- 3月16日 - 新北九州空港開港
- 2007年8月2日 - 関西国際空港の第二期工事が完成し、発着枠が拡大する予定
- 2010年10月 - 羽田空港の(新)D滑走路が完成・供用開始され、発着枠が拡大する予定
自動改札機運用開始日[編集]
※いずれも2005年(平成17年)
- 2月18日 新岩国駅
- 2月19日 徳山駅
- 2月20日 新倉敷駅、新山口駅
- 2月21日 新神戸駅、福山駅
- 2月22日 西明石駅、姫路駅、厚狭駅
- 2月23日 相生駅
- 2月24日 岡山駅
- 2月25日 新尾道駅、三原駅、小倉駅
- 2月26日 東広島駅、新下関駅
- 2月27日 広島駅、博多駅(、博多南駅)
山陽新幹線の安全性[編集]
建設当時は高度経済成長期の真っ只中であり、コンクリートの材料に使う砂[6]が中国、四国、九州地方では不足していた。そのため、金属類を腐食させる塩類が多く含まれた海砂が使われた[7]。海砂をコンクリート材として使う場合には塩類を十分に洗浄すれば問題がない。しかし実際は、洗浄を行うことは一般的ではなかった[8]。また、建設後の強度試験では設計基準強度を下回るコンクリートが使用されていたことも明らかになっている。そのため東海道新幹線区間と比べるとトンネルや橋脚等のコンクリート部分の劣化が早い傾向を指摘されている。これは、過剰に含まれた塩類と透気性の高いコンクリートが鉄筋を激しく錆びさせているため(コンクリートの中性化)と想定されている。実際、1999年(平成11年)には走行中の列車に落下したコンクリート片が直撃したという事故(福岡トンネルコンクリート塊落下事故)も発生しており、線内各所では緊急補修工事が行われた。
建設事情ゆえ他の新幹線に比べてその耐震性も劣っていると考えられるが、関東に比べて地震の少ない土地柄地震対策は後回しにされてきた感がある。しかし、1995年の阪神・淡路大震災で相当なダメージを受け補修が急がれるとともに地震対策に向けた対策も見直しが進んだ。なお、JR西日本は山陽新幹線の復旧を最優先させ全線復旧開通日を予定より前倒しできた。現状で突然倒壊するような危険はないとは言え、最終的に大地震に対応するためには抜本的な補修工事をする以外に対策はない。だが、新幹線を長期運休して大工事する必要性があるため資金面・営業面ともに難しい問題である。近年その全線に渡って橋脚の補強工事は進んでいるが、東海道新幹線と同様に工事完了には至っていない。
アルカリ化が原因であるならば、今後も劣化を止めることは不可能である。現在進められている補修工事が完了したとしても、また別の場所に要補修箇所が発生する。
なお、JR東海は東海道新幹線大規模補修工事の費用をここ数年積み立てており、JR東海によるとその費用は1兆円はかかると試算しており、対策に向けて動き出している。
脚注[編集]
- ↑ http://markets.nikkei.co.jp/special/sp003.cfm?id=x3a7i000_18&date=20070718
- ↑ 山陽新幹線と九州新幹線との相互直通運転の実施について 西日本旅客鉄道 2007年10月17日
- ↑ 3.0 3.1 http://www.westjr.co.jp/company/data/data.html
- ↑ 4.0 4.1 http://www.qst.mlit.go.jp/press/pdf/press0311284.pdf
- ↑ 5.0 5.1 http://toukei.mlit.go.jp/ryuudou-chousa/ryuudou-chousa.html
- ↑ 通常は川から採取される川砂が主に使われる。各地の川にその跡も残る
- ↑ 小林一輔著『コンクリートが危ない』1999年 岩波書店
- ↑ 海砂の品質に関する実態調査 : 材料・施工
関連項目[編集]
日本の新幹線 |
現行路線 |
東北新幹線・上越新幹線(東北・上越新幹線)・北陸新幹線(長野新幹線)・山形新幹線* 秋田新幹線*・東海道新幹線・山陽新幹線(東海道・山陽新幹線)・九州新幹線 |
整備新幹線 |
北海道新幹線・東北新幹線・北陸新幹線・九州新幹線 |
基本計画路線 |
北海道新幹線・北海道南回り新幹線・羽越新幹線・三陸新幹線・奥羽新幹線・常磐新幹線・中部横断新幹線・中部新幹線・白馬新幹線・リニア中央新幹線・中央新幹線・北陸・中京新幹線 山陰新幹線・中国横断新幹線・中国新幹線・四国新幹線・四国横断新幹線・東九州新幹線・九州横断新幹線 |
未成線 |
成田新幹線
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