田辺市
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田辺市(たなべし)は、近畿地方の南部、和歌山県の中南部に位置する市である。
和歌山県中南部の中心地である。熊野古道の中辺路ルート、大辺路ルートの分岐点で、「口熊野」と称される。
現在の田辺市(新制)は、2005年5月1日に、田辺市(旧制)、龍神村、中辺路町、大塔村、本宮町の新設合併によって発足し、近畿で最大面積を誇る市である。
目次
地理[編集]
気候は黒潮の影響があり、比較的温暖であるが、内陸は山が迫り、山地的な気候の影響がある。一方、市の北部は紀伊山地に面する。熊野本宮大社をはじめ、熊野参詣道、熊野九十九王子社跡などは、ユネスコ世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の登録物件である。
海岸線は入り組んで田辺湾を形成する。湾の北の端には天神崎があり、南側は白浜に接する。湾内には神島など小さな島があり、亜熱帯性の生物が記録されている。
人口[編集]
平成22年国勢調査(速報値)より前回調査からの人口増減をみると、4.11%減の79,107人であり、増減率は県内30市町村中9位。
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田辺市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 田辺市の年齢・男女別人口分布(2005年) |
■紫色 ― 田辺市
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 }} |
田辺市(に相当する地域)の人口の推移 テンプレート:人口統計/30 | |
総務省統計局 国勢調査より |
歴史[編集]
源義経の片腕である武蔵坊弁慶のふるさととされる、この田辺は熊野水軍の根拠地でもあった。江戸時代には口熊野の中心地として重視され、紀伊徳川家の一族や重臣が田辺に封ぜられた。明治維新の際には田辺藩が成立した。
- 1889年4月1日 - 町村制施行に伴い田辺町設置。
- 1924年7月1日 - 湊村、西ノ谷村を編入。
- 1942年5月20日 - 西牟婁郡田辺町及び下芳養村が合併し、(旧)田辺市が発足。
- 1950年12月15日 - 西牟婁郡万呂村、下秋津村及び稲成村を編入。
- 1954年2月4日 - 西牟婁郡新庄村を編入。
- 1955年3月15日 - 西牟婁郡西富田村を編入。
- 1958年7月1日 - 田辺市堅田町及び才野町(旧西富田村の地域)を分離、白浜町に編入。
- 1964年10月15日 - 西牟婁郡牟婁町を編入。
- 2005年5月1日 - (旧)田辺市、日高郡龍神村、西牟婁郡中辺路町、大塔村、東牟婁郡本宮町が合併し、(新)田辺市が発足。
行政[編集]
新田辺市[編集]
旧田辺市[編集]
- 歴代市長(戦後)
- 小森嘉一(1947年4月5日 - 1955年4月8日)
- 那須孫次郎(1955年4月30日 - 1958年4月2日)
- 野見千吉(1958年4月27日 - 1974年4月26日)
- 水野忠晴(1974年4月27日 - 1986年4月26日)
- 生駒啓三(1986年4月27日 - 1994年1月3日)
- 脇中孝(1994年2月20日 - 2005年4月30日)
姉妹都市・提携都市[編集]
国内[編集]
- 平泉町(岩手県西磐井郡)
- 1983年 - 旧田辺市が姉妹都市提携
- 笠間市(茨城県)
- 遠軽町(北海道紋別郡・網走支庁)
- 2001年 - 旧田辺市が、旧白滝村と友好都市提携
- 一関市(岩手県)
- 旧本宮町が旧室根村と提携
- 堺市(大阪府)
- 旧本宮町が提携
- 千早赤阪村(大阪府)
- 旧中辺路町が提携
- 東吾妻町(群馬県)
- 旧龍神村が、旧吾妻町と提携
- 出雲市(島根県)
- 旧龍神村が、旧斐川町と提携
- 泉南市(大阪府)
- 旧龍神村が提携
- 綾部市(京都府)・遠軽町(北海道)・笠間市(茨城県)
海外[編集]
- ワイオン市(オーストラリア連邦ニューサウスウェールズ州)
- 1993年 - 旧田辺市が、姉妹都市提携
主な学校[編集]
幼稚園[編集]
- 田辺市立新庄幼稚園
- 田辺市立三栖幼稚園
- 田辺市立上秋津幼稚園
- 田辺市立中芳養幼稚園
- めぐみ学園紀南幼稚園
小学校[編集]
- 田辺市立田辺第一小学校
- 田辺市立田辺第二小学校
- 田辺市立田辺第三小学校
- 田辺市立芳養小学校
- 田辺市立大坊小学校
- 田辺市立稲成小学校
- 田辺市立近野小学校
- 田辺市立富里小学校
- 田辺市立三里小学校
- 田辺市立会津小学校
- 田辺市立田辺東部小学校
- 田辺市立新庄小学校
- 田辺市立新庄第二小学校
- 田辺市立中芳養小学校
- 田辺市立上芳養小学校
- 田辺市立中山路小学校
- 田辺市立上山路小学校
- 田辺市立栗栖川小学校
- 田辺市立鮎川小学校
- 田辺市立本宮小学校
- 田辺市立上秋津小学校
- 田辺市立秋津川小学校
- 田辺市立三栖小学校
- 田辺市立長野小学校
- 田辺市立伏菟野小学校
- 田辺市立馬我野小学校(休校中)
- 田辺市立咲楽小学校
- 田辺市立龍神小学校
- 田辺市立二川小学校
- 田辺市立三川小学校
中学校[編集]
- 田辺市立東陽中学校
- 田辺市立明洋中学校
- 田辺市立高雄中学校
- 田辺市立長野中学校
- 田辺市立龍神中学校
- 田辺市立大塔中学校
- 田辺市立新庄中学校
- 田辺市立衣笠中学校
- 田辺市立秋津川中学校
- 田辺市立近野中学校
- 田辺市立三里中学校
- 田辺市立中芳養中学校
- 田辺市立上芳養中学校
- 田辺市立上秋津中学校
- 田辺市立中辺路中学校
- 田辺市立本宮中学校
- 和歌山県立田辺中学校(中高一貫教育、田辺高校に併設)
高等学校[編集]
- 和歌山県立田辺高等学校
- 和歌山県立神島高等学校(旧和歌山県立田辺商業高校 2006年4月1日改称)
- 和歌山県立南紀高等学校
- 和歌山県立田辺工業高等学校
- 和歌山県立南部高等学校龍神分校(本校は日高郡みなべ町)
その他[編集]
交通[編集]
鉄道路線[編集]
- 中心駅:紀伊田辺駅
- 紀伊田辺駅には特急を含め、すべての列車が停車するが、芳養駅と紀伊新庄駅には普通列車しか停車しない。芳養駅には1時間に1本、紀伊新庄駅には3時間に1本ほどの割合で列車が停車する。
路線バス[編集]
道路[編集]
最寄空港[編集]
- 南紀白浜空港 SHM/RJBD
- 田辺市内中心部からは車で約25分である。空港自体は隣接する西牟婁郡白浜町内にある。日本航空の定期便が毎日3往復、東京国際空港との間を約1時間で結んでいる。2,000m滑走路をもつ。また、JR紀伊田辺駅前などから空港リムジンバスではないものの、明光バスが運行する路線バスが飛行機に接続するかたちで、走っている。
観光地[編集]
有形文化財[編集]
- 錦水城跡(田辺城)
- 天誅倉
自然景勝地[編集]
熊野信仰[編集]
- 熊野本宮大社
- 熊野参詣道(熊野古道)
- 九十九王子
- 大峯奥駈道(奈良県吉野郡吉野町 - 川上村 - 黒滝村 - 天川村 - 上北山村 - 下北山村 - 十津川村 - 和歌山県田辺市〈旧本宮町〉 - 新宮市) - 備崎経塚群を含む
- 闘鶏神社
美術館・博物館[編集]
温泉[編集]
祭事[編集]
- 田辺祭(闘鶏神社)(7月24日 - 25日)
- 湊祭(蟻通神社)(10月17日 - 11月1日)
- 弁慶祭(闘鶏神社ほか)(10月6日 - 7日)
- 弁慶映画祭(南紀田辺世界遺産フィルムコミッション)
- 熊野本宮大社例大祭(4月13日 - 4月15日)
映画ロケ地[編集]
- 大誘拐 RAINBOW KIDS(1991年)
- ほんまもん(2001 - 2002年)
- 海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズ(2006年)
- 幸福のスイッチ(2006年)
出身有名人[編集]
- 鳥山啓(軍艦行進曲の作詞者、南方熊楠の恩師)
- 片山哲(旧制田辺中学、現田辺高校出身 第46代内閣総理大臣 選挙区は神奈川県)
- 西口勇(元和歌山県知事)
- 岩本多代(女優)
- 北公次(フォーリーブス)
- 天童よしみ(歌手)
- 小西博之(俳優)
- 植芝盛平(合気道の創始者)
- 植田幸弘(元プロ野球選手 広島カープ、西武ライオンズ捕手)
- (伝承)武蔵坊弁慶(義経と京の五条の橋の上の歌でも有名)
- 小川琢治 - 学者
- 田中光(元体操選手)
- 楠淳生(ABC朝日放送アナウンサー)
- 桂三歩(桂三枝(現・六代桂文枝)門下の落語家)
- 濱中治(プロ野球選手、東京ヤクルトスワローズ所属)
- 早田卓次(東京オリンピック体操 金メダリスト、日本大学教授)
- 湯川真理子(脚本家、NHKバラエティー生活笑百科などのシナリオライター)
- 西岡良洋(元野球選手 西武-巨人-ロッテ-西武-巨人-横浜)
- 上田次朗(元野球選手 阪神、南海)
- 南方英二(コメディーグループ チャンバラトリオ 吉本興業)
- 岩本尭(元読売巨人軍)
- 脇村義太郎(東京大学教授)
- 早川崇(国会議員)
- 寄本勝美(早稲田大学教授)
- イーデス・ハンソン(エッセイスト・タレント)旧中辺路町在住
- 武壮隆志(写真家)
- 中瀬ゆかり(雑誌編集者、テレビコメンテーター)
- たなかじゅん(漫画家)
- 稗田一穂(日本画家)
- 井上法雄(ウイル社長)
- 高川格(囲碁棋士)
地元では、植芝盛平、武蔵坊弁慶に南方熊楠(後半生を田辺で過ごした)を加えて田辺の三奇人と呼んでいる。
その他[編集]
- 田辺市の市外局番の大部分は0739であるが、本宮町は0735(新宮MA)である。
- 本州最南の市である。
- 1973年から1978年までの6年間、田辺市でプロ野球の南海ホークスが春季キャンプを行っていた。
- ご当地グルメとしてあがら丼などが考案されている。