鹿児島県

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鹿児島県(かごしまけん)は、九州南部に位置する日本都道府県。九州島の南側には離島薩南諸島)が点在する。九州島の部分は県本土と表現され、2つの半島(薩摩半島大隅半島)を有する。南北の距離は600km、海岸線は2,722kmに及ぶ。県庁所在地鹿児島市

世界遺産屋久島や、種子島宇宙センター霧島山などがあり、自然・文化・観光・産業などの面において、豊富な資源を有している。

地理

主に本土と呼ばれる九州島の部分(薩摩大隅地方)と離島と呼ばれる薩南諸島種子島・屋久島地方奄美地方)にわかれる。天気予報の予報区分では鹿児島地方気象台が薩摩・大隅・種子島・屋久島地方、名瀬測候所が奄美地方、にわかれている。

本土は、霧島山を除けば大部分はシラス台地の地質からなっており、水はけがよく非常に脆い。また、低地や平野が極端に少ないために、県内のほとんどの市町は周囲が山に囲まれている。それ故に各市町は本土の各地に点々と散らばっている。

島数は605個あり、薩南諸島種子島屋久島を含む大隅諸島トカラ列島奄美群島からなる。最北端は獅子島、最南端は与論島で、また有人島最大は奄美大島、有人島最小は新島である。

活火山桜島などの火山もあり、温泉の数も多く、泉源数は約2,730で、大分県に次いで全国2位で県内の入浴施設のほとんどが温泉である。

気候

南北の距離が600kmに及ぶことから伊佐市などの積雪地域もあれば、奄美群島のような亜熱帯地域も存在する。日本国内における気候区分では大隅地方は太平洋側気候九州型、薩摩地方・種子島屋久島地方は同気候南海型、奄美地方は南日本気候に属する。

鹿児島県本土は冬は温暖で、夏は日照時間も多いが降水量は多い。南国のイメージが強いが、薩摩半島東シナ海に面するため、大陸からの寒気の影響を受けやすく、時に厳しい寒さとなることがある。冬は季節風の風向次第では多量の雪雲が供給されるため鹿児島市の中心部でも積雪に見舞われることがあり、2011年1月1日には鹿児島市内でも25cmの積雪を観測するなど、九州の県庁所在地なかで最も積雪する回数が多い。また、屋久島山岳部では毎年のように積雪があり、種子島屋久島地方の平野部でもごく稀に降雪するため、積雪観測地では日本最南端である。また、1901年2月12日には奄美市名瀬で降雪が観測されたことがある。2005年3月に奄美大島の山地での積雪が写真家によって確認されるなど、標高の高いところでは近年でもまれに降雪や積雪が見られることはあるが、この場合は気象台測候所では観測されたことにはならないため、公式の記録とはならない。

夏から秋にかけては台風の影響を受ける。特に奄美群島トカラ列島大隅諸島には多くの台風が接近しており、日本有数の台風銀座と言っても過言ではない。1951年以降の台風上陸数が日本一であり、その中には日本列島に大被害をもたらした枕崎台風ルース台風洞爺丸台風台風13号(1993年)台風16号(2004年)などがある。

鹿児島県内各地の平年値(統計期間:1971年 - 2000年、出典:気象庁・気象統計情報
平年値
(月単位)
甑島列島 薩摩地方 大隅地方
薩摩川内市
中甑
阿久根 日置市
東市来
伊佐市
大口
 さつま町
さつま柏原 
薩摩川内市
川内
霧島市
溝辺 
鹿児島  鹿児島市
喜入   
指宿   枕崎 霧島市
牧之原 
 鹿屋市
輝北 
志布志 鹿屋 肝付町
肝付前田  
平均
気温
()
最暖月 27.4
(8月)
26.8
(8月)
26.5
(8月)
25.7
(8月)
27.0
(8月)
27.2
(8月)
28.2
(8月)
27.7
(8月)
27.6
(8月)
27.3
(8月)
24.8
(8月)
24.9
(8月)
26.2
(8月) 
 26.8
(8月) 
 27.0
(8月)  
最寒月 9.1
(1月)
7.5
(1月)
7.2
(1月)
4.3
(1月)
5.8
(1月)
6.5
(1月)
8.3
(1月)
8.5
(1月)
8.6
(1月)
8.6
(1月)
5.1
(1月)
5.7
(1月)
7.0
(1月) 
 7.1
(1月)
 7.4
(1月) 
降水量
(mm)
最多月 433.5
(6月)
403.0
(6月)
426.2
(6月)
549.5
(6月)
505.0
(6月)
439.0
(6月)
502.1
(6月)
442.9
(6月)
478.4
(6月)
432.5
(6月)
432.5
(6月)
505.9
(6月)
521.6
(6月)
424.0
(6月) 
 455.7
(6月) 
 413.1
(6月)
最少月 90.0
(12月)
68.5
(12月)
67.2
(12月)
54.2
(12月)
64.5
(12月)
78.4
(12月)
50.1
(12月)
67.5
(12月)
74.4
(12月)
70.0
(1月)
70.0
(12月)
51.2
(12月)
62.3
(12月)
52.3
(12月) 
 51.9
(12月)
 58.6
(12月)
平年値
(月単位)
大隅地方 薩南諸島
種子島 屋久島 トカラ列島 喜界島 奄美大島 徳之島 沖永良部島 与論島
肝付町
内之浦
錦江町
田代 
 西之表市
種子島
中種子  南種子町
上中 
屋久島  屋久島町
尾之間 
十島村
中之島 
喜界町
喜界島
 奄美市
笠利 
 奄美市
名瀬 
 瀬戸内町
古仁屋 
 天城   伊仙   和泊町
沖永良部
 与論町
与論島
平均
気温
()
最暖月 27.1
(8月)
25.3br />(8月) 27.8
(8月)
26.4
(8月)
26.9
(8月)
27.4
(8月)
28.4
(7月)
28.0
(7月)
27.9
(7月) 
28.2
(7,8月)
最寒月 8.8
(1月)
6.5
(1月)
11.5
(1月)
10.4
(1月)
11.4
(1月)
12.5
(1月)
14.6
(1月)
14.8
(2月)
14.7
(1,2月)
16.1
(2月) 
降水量
(mm)
最多月 532.0
(6月)
446.5
(6月)
416.4
(6月)
520.3
(6月)
697.1
(6月)
545.8
(6月)
258.3
(6月)
401.2
(6月)
311.2
(6月)
271.4
(6月) 
264.2
(6月)
197.1
(5月)
最少月 66.5
(12月)
67.9
(12月)
84.7
(12月)
110.9
(12月)
230.4
(12月)
94.6
(12月)
91.4
(12月)
158.2
(12月)
84.3
(12月)
87.0
(12月) 
100.1
(12月)
80.0
(12月)

自然公園

世界遺産登録地域

ラムサール条約登録地域

鹿児島の歴史

奄美群島については奄美群島の歴史を参照。

県名の由来と意味

鹿児島神宮(霧島市隼人町)に由来する。「鹿児島」の語源は、天津日高彦穂々出見尊(山幸彦)が海神(わたつみ)宮に行く際に乗った舟が鹿児山で作られたという説や、「神籠もる島」という説、「カゴ」は崖という意味で、四方が崖に囲まれている桜島は「カゴ島」と謂われ、鹿児島は桜島の古い名であるという説、など諸説ある。

現在鹿児島市と鹿児島神宮は離れているが、鹿児島郡設置当初は天降川までが鹿児島郡内であった。

古代

今から約24,000年前、姶良カルデラが大爆発を起こした。この時噴出した火山灰を姶良Tn火山灰と呼ぶ。そのAT火山灰は、遠く北海道まで達している。南九州では入戸火砕流などによりシラス台地ができあがった。種子島にある立切遺跡(たちきり、熊毛郡中種子町)31,000年前の火山灰層から磨石(すりいし)・敲石(たたきいし)、礫群、焼け土、土坑などが確認された。これらは後期旧石器人のキャンプ場と考えられている。

旧石器遺跡が、2005年現在、約40カ所発見されている。

古代にはヤマト王権から異民族視された隼人の住地であった。隼人の古墳は地下式板石積石室墓を特徴とする。日向国から分離して702年(大宝2)に薩摩国多禰国824年に大隅へ編入)、713年大隅国が成立し、他国からの植民も始まったが、その後も隼人の反乱は絶えなかった。

鎌倉時代1185年(文治元) 島津荘下司職に補任された島津忠久を祖とする島津氏が薩摩国・大隅国・日向国守護を独占するようになり、戦国期には戦国大名化した。また、島津氏が守護を務めた南九州の薩摩・大隅・日向のことを「三州」と称し、島津氏が戦国大名化した戦国期には「三州の太守」と称される事になる。ただし、後述のように島津氏が県本土全域を支配するのは安土桃山時代に入ってからのことであり、三州に至っては1577年以降の10年程度に限られる。

中世

中世には坊津内之浦などが貿易港として中国朝鮮東南アジア地域との交易を盛んに行ったが、肥前(長崎県)などと同様に黒潮の乗って活動する倭寇の根拠地が南西諸島地域にあった。

近世

近・現代

人口

600px
鹿児島県と全国の年齢別人口分布(2005年) 鹿児島県の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 鹿児島県
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

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鹿児島県(に相当する地域)の人口の推移
テンプレート:人口統計/46
総務省統計局 国勢調査より

政治

国政

鹿児島県選挙区参照

衆議院小選挙区が5。参議院では、全県で1区を構成。

県政

鹿児島県庁|鹿児島県議会参照

財政

平成21年度

  • 標準財政規模 4557億8100万円 
  • 財政力指数 0.30 (都道府県平均 0.52)
    • IIIグループ(財政力指数0.3以上、0.4未満)11自治体中11位
    • 鹿児島県は全国にさきがけて高齢化が進行するとともに、過疎地域や離島が多く社会資本整備が立ち遅れている(行政コストがかかる過疎地域が多い)ことなどから財政需要が増大している。平成17年度3月の「県政刷新大綱」を示し県政を支える行財政構造のたてなおしおよび持続可能なシステムの構築に取り組んでいる。
  • 経常収支比率 96.9% (都道府県比率 95.9%)
    • 財政が硬直化している
  • 将来負担比率 266.0% (都道府県比率 229.2%) 
  • 実質公債費比率 16.0% (都道府県平均 13.0%)
  • 人口100,000人当たり職員数 1,436.25人 (都道府県平均 1,138.41人)
    • 組織機構改革方針に基づいて、一般行政部門の職員数について、1,000人以上の純減を図るとしている
  • ラスパイレス指数 94.3 (都道府県平均 98.9)
  • 地方債残高
    • 普通会計分の地方債現在高 1兆6554億7800万円
    • 上記普通会計分以外の特別会計分の地方債(企業債)現在高 587億2500万円

平成20年度

  • 財政力指数 0.31 (都道府県平均 0.52)
    • IIIグループ(財政力指数0.3以上、0.4未満)11自治体中8位

姉妹盟約等

経済

産業

  • 平成20年度(2008年)の県内総生産は5兆3186億円である。これは世界の過半数の国の国内総生産(GDP)より規模が大きい。一人当たり県民所得は225.3万円であり、全国平均の81.8%である。
  • 日本有数の農業県。農業産出額(2008年)は全国4位(九州1位)。鹿児島県が日本における主要な産地となっている農産物としてサツマイモサヤインゲン鹿児島茶)などがある。
  • 伝統的に焼酎製造が盛んで県内の酒造業者はほぼ焼酎を中心商品としている。
  • 養豚は鹿児島県の代名詞的な(東京都内で、鹿児島と言って連想する事で80%の人間が豚と答えたほどである)産業で、養豚による収益は約820億円と言われている県産業の基幹。鹿児島県内では約140万匹(ペット用のミニブタは除く)飼われているが、そのうち黒豚の示す割合は年々増加傾向気味で、2009年度には繁殖子取り雌豚の38%にまで黒豚の数が回復した。しかし1973年の白黒論争が発端となり一時は絶滅しかけ、1985年には黒豚の割合は3%まで落ち込むほどであった。
  • 静岡県と並んで鰹節の生産が盛んであり、特に枕崎市の特産物として知られている。。
  • 大隅地方ではうなぎの養殖が盛んで、知名度は低いながらもうなぎの生産量は全国1位である。
  • 主に商業関係では伝統的に地元資本の影響力が強い。
  • 県内各地に宇宙関連の研究施設等が設けられている。それらは行政改革により現在は全て宇宙航空研究開発機構(JAXA)による運営となった。

鹿児島県に拠点事業所のある主要企業