参議院
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参議院(さんぎいん)は、日本の国会を構成する議院の一つ。参議院は日本国憲法の下で衆議院とともに立法機関である国会を構成し、両院制(二院制)を形成する。英語表記は、The House of Councillors。
目次
沿革[編集]
1889年(明治22年)に公布された大日本帝国憲法では、立法機関(天皇が有する立法権の協賛機関、5条)として帝国議会を置き、帝国議会は衆議院と貴族院の二院からなった。民選議員のみからなる衆議院に対して、貴族院は皇族議員、華族議員、勅任議員(帝国学士院会員議員、多額納税者議員など)によって構成された。
1946年(昭和21年)に公布された日本国憲法は、立法機関として国会を置き、国会は衆議院と参議院の二院からなる。衆議院および参議院はいずれも民選議員のみによって構成され、衆議院議員および参議院議員(国会議員)は「全国民を代表する選挙された議員」と定められた(43条1項)。
参議院の構成[編集]
衆議院と同様に、慣例により議長及び副議長は会派を離脱する。
2007年10月23日現在 定員242 現在数242
選挙資格[編集]
任期[編集]
- 任期は6年。半数が3年ごとに改選される。
- 衆議院は任期が最長4年であるのに対し、参議院は6年であり、また、参議院は衆議院と異なり任期中の解散はない。なお、第1回参議院議員通常選挙の当選者の半数は、任期が3年だった[1]。
選出方法[編集]
3年ごとの選挙時に、定数の半数ずつ改選される。各都道府県を選挙区とする選挙区制(大選挙区制)と全国統一での比例代表制(非拘束名簿式)によって行われ、双方への重複立候補はできない。選挙区においては、選挙区ごとに1から4名が選出され(2007年より1から5名)、比例代表においては、非拘束名簿式比例代表制で選出される。
1980年(昭和55年)の選挙までは比例代表制は採用されておらず、都道府県単位の選挙区制(地方区)と全国区制の2つが同時に行われていた。第1回選挙時は、任期3年の議員と任期6年の議員とが同時に選出された。
定数[編集]
定数は、公職選挙法により定められる。 第1回選挙に先立ち、1947年に250と定められた。その後、1971年に沖縄選挙区が追加のために3年ごとの半数改選において1議席ずつ定数を増やし、1971年に251、1974年に252となった。2001年には初めて定数削減を行い、3年ごとの半数改選において5議席ずつ定数を減らし、2001年に247、2004年に242となった。現在(2006年2月)の定数は都道府県を単位とする選挙区選出議員が146人、全国を単位とする比例代表議員が96人である。
都道府県を単位とするため、選挙区選の議員には一票の格差という問題がある。合区する案や割当数の是正も行っているが、政党間の衝突もあって問題は依然として残っている。
参議院の役員人事[編集]
国会法・参議院規則に役員の任期についての規定はなく、慣例により、通常選挙の都度交代人事が行われる。また、議長・副議長は就任に伴ない会派を離脱し無所属となることが慣例となっている。
以下に挙げる人事は、2007年9月10日の参議院本会議で決定したものである。
議長・副議長・事務総長[編集]
役職 | 氏名 | 所属会派(出身会派) |
---|---|---|
議長 | 江田五月 | 無所属(元民主党・新緑風会) |
副議長 | 山東昭子 | 無所属(元自由民主党・無所属の会) |
事務総長 | 小幡幹雄 | 非議員 |
参議院常任委員会[編集]
役職 | 氏名 | 所属会派 |
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内閣委員長 | 岡田広 | 自由民主党・無所属の会 |
総務委員長 | 高嶋良充 | 民主党・新緑風会・日本 |
法務委員長 | 遠山清彦 | 公明党 |
外交防衛委員長 | 北澤俊美 | 民主党・新緑風会・日本 |
財政金融委員長 | 峰崎直樹 | 民主党・新緑風会・日本 |
文教科学委員長 | 関口昌一 | 自由民主党・無所属の会 |
厚生労働委員長 | 岩本司 | 民主党・新緑風会・日本 |
農林水産委員長 | 郡司彰 | 民主党・新緑風会・日本 |
経済産業委員長 | 渡辺秀央 | 民主党・新緑風会・日本 |
国土交通委員長 | 吉田博美 | 自由民主党・無所属の会 |
環境委員長 | 松山政司 | 自由民主党・無所属の会 |
国家基本政策委員長 | 山下八洲夫 | 民主党・新緑風会・日本 |
予算委員長 | 鴻池祥肇 | 自由民主党・無所属の会 |
決算委員長 | 小川敏夫 | 民主党・新緑風会・日本 |
行政監視委員長 | 加藤修一 | 公明党 |
議院運営委員長 | 西岡武夫 | 民主党・新緑風会・日本 |
懲罰委員長 | 中曽根弘文 | 自由民主党・無所属の会 |
参議院特別委員会[編集]
役職 | 氏名 | 所属会派 |
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災害対策特別委員長 | 一川保夫 | 民主党・新緑風会・日本 |
沖縄及び北方問題に関する特別委員長 | 市川一朗 | 自由民主党・無所属の会 |
政治倫理・選挙制度に関する特別委員長 | 鈴木寛 | 民主党・新緑風会・日本 |
北朝鮮による拉致問題に関する特別委員長 | 下田敦子 | 民主党・新緑風会・日本 |
政府開発援助等に関する特別委員長 | 溝手顕正 | 自由民主党・無所属の会 |
参議院調査会等[編集]
役職 | 氏名 | 所属会派 |
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国際・地球温暖化問題に関する調査会長 | 石井一 | 民主党・新緑風会・日本 |
国民生活・経済に関する調査会長 | 矢野哲朗 | 自由民主党・無所属の会 |
少子高齢化・共生社会に関する調査会長 | 田名部匡省 | 民主党・新緑風会・日本 |
憲法審査会会長 | 空席 | |
政治倫理審査会会長 | 平田健二 | 民主党・新緑風会・日本 |
歴代参議院議長[編集]
備考[編集]
衆議院で可決され参議院で否決された法案[編集]
過去に6例ある。ただし、衆議院で可決されたものの、参議院で議決できずに審議未了で廃案になった法案、参議院で修正案が可決された後で衆議院で参議院案が可決された例は多い。また、参議院否決でも成立した法案もある。詳しくは衆議院の優越を参照。
参院本会議 議決日 |
法案 | 可 | 否 | 票差 | その後 |
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1950年5月1日 | 地方税法改正案 | 73 | 102 | 29 | 5月2日の両院協議会で成案成立に至らず廃案 |
1951年3月29日 | 食糧管理法改正案 | 64 | 126 | 62 | 3月31日から5月10日までの両院協議会で成案成立に至らず廃案 |
1951年6月2日 | モーターボート競走法案 | 65 | 95 | 30 | 6月5日に衆院本会議で3分の2以上の賛成で再可決 |
1954年6月1日 | 協同組合金融事業 関連法案 |
少数 | 多数 | 大差 | 廃案 |
1994年1月21日 | 政治改革関連法案 | 118 | 130 | 12 | 1月29日に両院協議会で修正案が成立し、衆参本会議で可決 |
2005年8月8日 | 郵政民営化関連法案 | 108 | 125 | 17 | 否決を受け同日衆院解散により廃案 総選挙で賛成派が圧勝し、再提出された法案が10月14日に国会で可決し成立 |
国会開会式[編集]
国会の開会式は天皇を迎えて参議院議場で行われる。これはかつて貴族院議場であった参議院議場にだけ、「天皇の御席」があるためである。このときは衆議院議員も参議院議場(入りきれない議員は2階席)に集まる。開会式は衆議院議長が主催する。なお、開会式は必ずしも国会の初日に行う必要はなく、近年では2日目辺りに行われる例が多い。
なお、日本共産党は「帝国議会の儀式を引き継ぐもので、憲法の国事行為から逸脱するもの」であるとして現行開会式を批判し、「憲法と国民主権の原則を守る立場」から出席しない。重鎮議員もほぼ欠席している。
その他[編集]
- 議員バッジは衆議院のものに比べると一回り大きく、衆議院が金メッキであるのに対して、金張りである。バッジを紛失した場合は自費で購入することになる。
関連項目[編集]
- 院内交渉団体
- 日本の政党一覧
- 参議院議員一覧
- 国会議員一覧
- 両院協議会
- 参議院議員団
- 押しボタン式投票
- 参議院改革論
- 参議院不要論
- 議院事務局
- 事務総長 (国会)
- 議院法制局
- 国会インターネット審議中継
- 上院
外部リンク[編集]
fi:Japanin ylähuone hu:Tanácsosok Háza (Japán) id:Majelis Tinggi Jepang it:Camera dei Consiglieri del Giappone ko:참의원 (일본) nl:Hogerhuis (Japan) pl:Izba Radców pt:Casa dos Conselheiros
zh:日本參議院- ↑ 日本国憲法102条