土地
土地(とち)とは、一般的には地表が恒常的に水で覆われていない陸地のうち、一定の範囲の地面にその地中、空中を包合させたものをいう。なお、河川や湖沼などの陸地に隣接する水域も含むことがある。地中の土砂、岩石等は土地の構成部分にあたる。
資産としての土地[編集]
資産としては不動産に分類される。元々一体の陸地を人為的に区分して個別の不動産として扱われる。隣接する土地との境界線確定で紛争となることは昔から多く見られる。分筆 、合筆も参照されたい。
経済学における土地は、資本、労働、経営(組織)とならび、付加価値を生み出す生産要素としてとらえられる。
土地は、固定的にして硬直的な自然的特性(地理的位置の固定性、非移動性、永続性、不増性、個別性等)と可変的にして流動的な人文的特性(用途の多様性、併合及び分割の可能性、社会的及び経済的位置の可変性等)を有する。さらに、人間の生活と活動に欠くことのできない基盤と位置づけられる(参考:不動産鑑定評価基準)。
近代における市場経済においては、土地は市場での取引の対象となる。また、土地を売買・所有すると、税が課せられることもある。
土地については、財産権が保障される一方で、その公共性から、多くの国で、土地については公共の福祉を優先させるものとされ、使用収益に様々な規制が設けられている。
日本における土地についての基本理念については、土地基本法に定められている。
土地の価格のことを地価という。地価も、他の財と同様に、需要と供給の相互関係、代替競争関係にある他の財、不動産の価格等によって左右される(参考:不動産鑑定評価基準)。
社会主義体制のもとでは、土地の所有権は一元的に国家に帰属する。
「土地鑑」(「土地勘」と誤って表記されることもある)という言葉がある。
土地は地理的位置の固定性を有するが、地殻変動や水害などにより地形が変化し、水没してしまうこともある。
水域に土砂を投下し、埋立地を造成することで土地を増やせる。一方、メガフロートにより造られた場所を「土地」と認めるか否かについては、まだ議論の余地がある。
土地の利用[編集]
土地の利用の多くは、土地の上に構造物を建設し、その構造物を用いて活動をおこなうものである(宅地等)。宅地には、下記の住宅地、商業地、工業地等がある(宅地参照)。
宅地[編集]
人間が定住する土地は、「住宅地」と呼ばれる。
農地[編集]
林地[編集]
その他[編集]
道路、鉄道、都市公園など、建物以外の公共公益施設の用に供される土地もあり、これらは公有地とされていることが多い。
地下、空中[編集]
土地は地上(地表)だけではなく地下(地中)、空中も利用できる。
地下は、建物の地下室、水道、都市ガス、電気、通信、下水道など供給処理施設、道路や鉄道(地下鉄)等のトンネルを敷設するのに用いられている。
地下深い部分については地上付近の利用に殆んど影響が及ばないという観点から、日本では、大深度地下利用に向けた動きもある。
ただ、人類が活用できる地下の深度は、地球レベルでは、ごく表面だけである。
一方、空中についての活用は、航空交通、電波等以外について、地球レベルでは、地表付近だけである。高層建物は、日照等環境、航空交通、電波等への影響等の観点から、規制の対象とされる。
土地の計量[編集]
土地の計量のことを地積といい、単位は国際単位系では平方メートル(単位量あたりの正方形換算時:1m四方)。他にはSI補助単位系としてアール(同10m四方)、ヘクタール(同100m四方)や、日本の尺貫法による単位として坪(同約3.3平方メートル)などが用いられる。なお、土地の数量概念としては、日本では“筆”(parcel)が一般的に用いられている。
地球外の土地[編集]
陸地は、岩石で構成されていて地表の全てが液体に覆われていない惑星・衛星に存在する。そのため土地は、地球にしかないわけではない。地球の土地のほかに、月や火星の土地の「売買」もおこなわれる。
「引渡」、「占有」等の可能性の観点から、そのような契約の法的有効性については、各国の法令により判断されるところであるが、ここでは詳述を避ける。
1979年の月協定により地球以外の土地の所有は、国家・個人いずれも認められないとされているため、この条約に批准している国家に属する者は所有ができないとされている。しかし2006年現在では批准している国家が極めて少ない。詳細は 宇宙法を参照されたい。
関連項目[編集]
zh:土地このページはウィキペディア日本語版のコンテンツ・土地を利用して作成されています。変更履歴はこちらです。 |