牛浜駅
牛浜駅(うしはまえき)は、東京都福生市牛浜にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)青梅線の駅である。
歴史[編集]
1940年、立川飛行場の付属飛行場として陸軍多摩飛行場(現在の横田基地)が作られ、周囲に軍関係施設が相次いで開設されたことから、軍の下命により停留場を新設することになった。早急に開設すべきとの要望があったため一時仮停留場として設置し、定期券を所有する軍関係者に限り取り扱うこととした。仮停留場の位置は現在の「牛浜踏切」(ホーム拝島方脇)際にあり、駅事務所は建坪6.6坪、ホームは角材を井桁に積み上げたもので長さ70mであった。1944年の国有化に合せて駅舎工事を行ったが、戦時下の物資不足のため当初計画より規模を縮小して2代目駅舎を建設し、本停留場として開業した。[1]。
- 1943年(昭和18年)3月1日 - 青梅電気鉄道の牛浜仮停留場として開業。旅客駅。
- 1944年(昭和19年)4月1日 - 青梅電気鉄道が国有化、国鉄青梅線の牛浜駅となる。
- 1961年(昭和36年)3月28日 - 拝島 - 福生間複線化、橋上駅舎化(3代目駅舎)。ホームを改築。
- 1966年(昭和41年)
- 3月 - 5両から7両の編成長増大に対応するため、立川寄りにホームを延長。
- 10月 - 7両編成運転開始。
- 1971年(昭和46年)2月1日 - 業務委託駅化。
- 1980年(昭和55年)2月 - 立川寄りの踏切近くまでホームを延長。
- 1982年(昭和57年)
- 10月 - 10両編成へ対応のため、青梅寄りにホームを延長。
- 11月15日 - 10両編成運転開始。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道の駅となる。
- 2001年(平成13年)11月18日 - ICカードSuica供用開始。
- 2006年(平成18年)3月2日 - 有人のみどりの窓口を閉鎖し、「もしもし券売機Kaeruくん」を設置。
- 2011年(平成23年)10月4日 - バリアフリー対応となる4代目駅舎の着工開始。
- 2012年(平成24年)
- 2013年(平成25年)3月25日 - ホーム上り専用エスカレーター供用開始。駅舎建替え工事完了。
駅構造[編集]
島式ホーム1面2線を有する地上駅で、橋上駅舎を持つ。旧駅舎の老朽化とバリアフリー化のため、2011年(平成23年)10月から建て替え工事がおこなわれ、2013年(平成25年)3月に、エスカレーター5基、エレベーター3基を備えた新駅舎が竣工した。改札正面の自由通路に大きなガラス窓が設置され開放感のあるデザインになっている。
現駅舎は旧駅舎を使用中のまま新たに建設された関係上、旧駅舎とは位置がほとんど重複しないよう微妙にずれて建てられている。本体は旧駅舎より福生寄りに建てられていて、東口が線路から離れた場所にあるのも、旧駅舎の東口階段を避けてその外側に新たに建設されたためである。3代目駅舎時代の骨組みには一部古レールが使われていたが、現在もその一部がホーム中央部に残存している。
JR東日本ステーションサービスが業務を受託する業務委託駅で、拝島駅が当駅を管理している。駅舎内には自動券売機3台(内1台は多機能券売機)と自動改札機が設置されている。終電後の時間帯は改札全体と自動券売機部分を覆うシャッターが下りるが、自由通路(延長79.7m、有効幅員3.4-7.1m)は夜間も通行できる。初電から朝6時半まで有人改札の窓口はシャッターが下りていて、自動券売機も使用できず乗車駅証明書発行機を利用する。日中も時間帯によって有人改札の窓口のシャッターが下りる。
トイレは構内に設置されていない。東西の駅前広場に1ヵ所ずつ福生市管理の公衆便所(車椅子対応)が設置されている。売店はなくホームに飲料自動販売機が設置されている。
のりば[編集]
番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | ■青梅線・中央線 | 上り | 拝島・立川・新宿・東京方面 |
2 | ■青梅線 | 下り | 青梅・御嶽・奥多摩方面 |
3代目駅舎の概況[編集]
複線化された1961年に青梅線内では最も早く橋上駅舎として建て替えられた。 平成元年ごろ東口の北側階段が増設され東口公衆便所が改修されたのち、自動改札化された。改札とホームとを結ぶ階段は1箇所のみでエスカレーター、エレベーターはなく売店、トイレもなかった。 有人のみどりの窓口があったが2006年(平成18年)に閉鎖され、その代替として「もしもし券売機Kaeruくん」(営業時間:6:30 - 22:00)が設置されたものの2012年2月6日20時をもって営業終了し撤去された。代替として多機能券売機1台が設置された。 構内は自動券売機3台、自動改札3台、自動精算機1台で、横田基地の日米友好祭やマラソン大会などのイベントがある時は簡易Suicaが設置された。朝6時半まで窓口と自動券売機部分にシャッターが下りていて、乗車駅証明書が改札脇の箱に置いてあった。のちに乗車駅証明書発行機が設置されるようになり、日中はカバーが掛けられていた。 東口・西口の階段、通路および改札内外が狭いため、駅周辺でイベントが行われる時は駅員を増員し臨時切符売り場が設けられていた。
利用状況[編集]
2012年度の1日平均乗車人員は4,330人である。米軍横田基地第5ゲートの最寄り駅であり、2012年まで毎年8月の土曜・日曜に行われていた「日米友好祭」の開催時は混雑を極めた。 近年の推移は下記の通り。
年度 | 一日平均 乗車人員 |
---|---|
1992年 | 4,468[2] |
1993年 | 4,419[3] |
1994年 | 4,326[4] |
1995年 | 4,238[5] |
1996年 | 4,326[6] |
1997年 | 4,240[7] |
1998年 | 4,244[8] |
1999年 | 4,254[9] |
2000年 | 4,238[1] |
2001年 | 4,224[2] |
2002年 | 4,314[3] |
2003年 | 4,286[4] |
2004年 | 4,309[5] |
2005年 | 4,250[6] |
2006年 | 4,323[7] |
2007年 | 4,391[8] |
2008年 | 4,348[9] |
2009年 | 4,317[10] |
2010年 | 4,248[11] |
2011年 | 4,154[12] |
2012年 | 4,330[13] |
駅周辺[編集]
- 東口
- 西口
バス路線[編集]
1982年(昭和57年)頃まで西口に立川バスが発着していた(牛11系統:牛浜駅 - 福生団地中央、後に福生駅と拝島駅始発に変更)。現在でも新奥多摩街道の牛浜駅入口の大型通行禁止の標識には「路線バスを除く」という補助標識がついている。
また、1995年頃まで当駅近くの奥多摩街道沿いに牛浜郵便局というバス停(立83系統:福生駅 - 立川駅北口、拝13系統:福生駅 - 拝島営業所)があり、同駅最寄りであったが現在は廃止されている。 現在は、西東京バスが運行する河辺駅北口発新宿駅西口・新橋駅行の「通勤高速バス」と、立川駅北口発河辺駅北口行の「深夜ご帰宅バス」、浜松町バスターミナル発河辺駅北口行楽々エクスプレス、および新橋駅発河辺駅北口行の深夜急行バスの「牛浜駅入口」バス停が、徒歩5分の新奥多摩街道沿いにある。
隣の駅[編集]
脚注[編集]
- ↑ 三村章「戦時下の青梅線 軍需駅誕生と複線の歩み」、『多摩のあゆみ』第141号、財団法人たましん地域文化財団
- ↑ 東京都統計年鑑(平成4年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成5年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成6年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成7年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成8年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成9年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成10年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成11年)