新東名高速道路
新東名高速道路(しんとうめいこうそくどうろ、英:Shin-Tomei Expressway)は、神奈川県海老名市から静岡県を経由し愛知県豊田市へ至る高速道路(高速自動車国道)である。法定路線名は第二東海自動車道横浜名古屋線。略称は新東名高速(しんとうめいこうそく、英:Shin-Tomei Expwy)、新東名(しんとうめい)など。
目次
概要[編集]
東名高速道路と並行する道路として計画され、連絡路を介して相互に補完し合う計画とされている。新名神高速道路とともに、東京・名古屋・大阪を結ぶ日本の新しい大動脈として期待されており、伊勢湾岸自動車道を介して新東名神として一体で呼ばれる[1]。
法定路線の第二東海自動車道の起点は東京都であるが、新東名高速道路は首都圏中央連絡自動車道と接続する海老名南JCT(仮称)が起点となり、海老名南JCT以東のルートや事業化は未定である。また、第二東海自動車道の終点は名古屋市であるが、豊田東JCT - 東海IC間は、東海IC - 四日市JCT間と合わせ伊勢湾岸自動車道として供用中であり、四日市JCTで新名神高速道路(予定)や東名阪自動車道に接続している。東海IC - 名港中央IC間は高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路の「伊勢湾岸道路」であり、第二東海自動車道としては事業化されていない。
総事業費は約7兆円、全線開通時期は2020年度を予定している。
道路規格[編集]
道路規格は第1種第1級(設計速度120 km/h)であるが、道路構造令にはない設計速度140 km/hを担保とした構造になっている。このため工事費用は割高になっているが、現在は規制速度100 km/hで運用されている(設計速度と規制速度の決定についての詳細は設計速度の節を参照)。トンネルや橋などの構造物は6車線分確保されている部分もあり、全線で片側3車線への拡幅が可能な構造となっている。
- 構造規格 : 第1種第1級(海老名南JCT - 御殿場JCT、浜松いなさJCT - 豊田東JCTは暫定施工時 : 第1種第2級)
- 設計速度 : 120 km/h
- 車線幅員 : 3.50 m-3.75 m
- 路肩
- 左側 : 2.50 m-3.00 m
- 右側 : 1.25 m-1.75 m
- 中央分離帯 : 2.25 m-4.50 m
- 最小曲率半径 : 標準値3,000 m
- 海老名南JCT - 伊勢原北IC : 1,500 m、伊勢原北IC - 秦野IC : 2,997 m、秦野IC - 御殿場JCT : 2,994 m
- 最急縦断勾配 : 標準値2.0 %
- 海老名南JCT - 厚木南IC : 1.4 %、厚木南IC - 伊勢原北IC : 2.1 %、秦野IC - 御殿場JCT : 3.0 %
- 車線数 : 4車線(用地買収6車線)
- 構造物比率 : 橋梁 32.4 %、トンネル 29.4 %
- 東名高速道路(参考値) : 橋梁 14.9 %、トンネル 3.0 %
設計速度[編集]
当初は、従来の高速道路よりも道路規格が高い設計速度140 km/hで建設運用が計画されていたが[2]、道路構造令で設計速度140km/hは定められておらず、国土交通省が改正を要請していた。
これに対し、警察庁が断固として反対して実現していない経緯があり、その結果新名神高速道路と同じく、道路規格は第1種第1級(設計速度120 km/h)として建設され、規制速度も法定最高速度の100 km/hとなっている。
警察庁は、国土交通省の担当者や学識者らをメンバーに加えた「規制速度決定の在り方に関する調査研究検討委員会」において、高速道路や一般道路の最高速度引き上げを2006年(平成18年)から3年がかりと長期間かけて検討を行ったが、高速道路の制限速度については「上限を上げるにはさらなる検証が必要で、直ちに上げる必要はない」と見送りという方針を示した[3]。
ただし、有識者として会議に出席した交通工学が専門の中村英樹(名古屋大学大学院教授)は制限速度引き上げに肯定的なコメントを出している。
これに対し静岡県は、6車線化(前述)を前提とした法定速度140 km/h化を国などに要望するとしている[4]。
2014年(平成26年)2月24日に静岡市で開かれた自民党の会合で警察庁を統括する国家公安委員会・委員長の古屋圭司は制限速度を120 km/hに見直すことを検討することを表明し、翌日にはこの発言を受けて、静岡県知事の川勝平太も140 km/hの設計速度にふれた上で、いきなり制限速度を140 km/hにあげるのではなく、120 km/hが妥当だという見解を示した。ただし、警察庁や国土交通省と具体的な協議が行われているわけではない[5][6]。
歴史[編集]
- 1987年(昭和62年)
- 6月30日 : 第四次全国総合開発計画が閣議決定され、第二東名自動車道(だいにとうめいこうそくどうろ)が構想される。
- 9月1日 : 国土開発幹線自動車道建設法が改正され、第二東海自動車道が予定路線になる[7]。
- 1989年(平成元年)2月27日 : 基本計画公示。
- 1991年(平成3年)12月3日 : 長泉沼津IC - 豊田東JCT間整備計画。
- 1993年(平成5年)
- 1996年(平成8年)12月27日 : 海老名南JCT - 秦野IC間、御殿場IC - 長泉沼津IC間整備計画。
- 1997年(平成09年)12月25日 : 御殿場JCT - 長泉沼津IC間施工命令。
- 1998年(平成10年)
- 1999年(平成11年)12月14日 : 伊勢原北IC - 秦野IC間施工命令。
- 2000年(平成12年)1月12日 : 伊勢原北IC - 秦野IC間工事着手[11]。
- 2003年(平成15年)12月25日 : 第1回国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)にて大幅な整備計画変更(コスト削減)が決定。
- 2006年(平成18年)
- 2009年(平成21年)8月15日 : 駿河湾地震が発生し東名高速道路の一部区間の通行止による迂回路渋滞対策により、建設中の一部本線を緊急供用。
- 2011年(平成23年)
- 2012年(平成24年)
- 2014年(平成26年)
道路管理者[編集]
- 中日本高速道路(NEXCO中日本)東京支社
- 御殿場保全・サービスセンター: 御殿場JCT - 長泉沼津IC
- 富士保全・サービスセンター : 長泉沼津IC - 新静岡IC、清水連絡路
- 浜松保全・サービスセンター : 新静岡IC - 浜松いなさJCT、引佐連絡路
通過市町村[編集]
本線
清水連絡路
- 静岡県
- 静岡市(清水区)
引佐連絡路
- 静岡県
- 浜松市(北区)
接続する高規格道路[編集]
- 首都圏中央連絡自動車道(海老名南JCTで接続 : 事業中)
- 東名高速道路(伊勢原JCTで接続 : 事業中)
- 厚木秦野道路(伊勢原北ICで接続 : 事業中)
- 厚木秦野道路(秦野ICで接続 : 計画中)
- 御殿場バイパス(西区間)(御殿場ICで接続 : 事業中)
- 東名高速道路(御殿場JCTで接続)
- 伊豆縦貫自動車道(長泉沼津ICで接続)
- 東駿河湾環状道路(長泉沼津ICで接続)
- 西富士道路(新富士ICで接続)
- 中部横断自動車道(新清水JCTで接続:事業中)
- 東名高速道路(清水連絡路を経由して清水JCTで接続)
- 静岡南北道路(新静岡ICで接続)
- 藤枝バイパス(藤枝岡部ICで接続)
- 三遠南信自動車道(浜松いなさJCTで接続)
- 東名高速道路(引佐連絡路を経由して三ヶ日JCTで接続)
- 三遠伊勢連絡道路(引佐連絡路を経由して三ヶ日JCTで接続 : 調査中)
- 東海環状自動車道(豊田東JCTで接続 : 事業中)
- 伊勢湾岸自動車道(豊田東JCTで接続 : 事業中)
インターチェンジなど[編集]
- IC番号欄の背景色が■である区間は既開通区間に存在する。
- IC番号欄のカッコ内の数字は他路線のJCT番号を示す。
- 路線名の特記がないものは市町道。
- 施設欄の背景色が■である区間は未開通区間または未供用施設に該当する。
- スマートICは背景色■で示す。
- 海老名南JCTと浜松いなさJCT - 豊田東JCTを除く、未開通区間の名称は仮称であり、接続路線名も予定されているものを記述している。
本線[編集]
IC 番号 |
施設名 | 接続路線名 | 起点 から (km) |
BS | 備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
第二東海自動車道(基本計画区間) | |||||||
- | 海老名南JCT | 首都圏中央連絡自動車道(事業中) | 0.0 | - | 2016年度開通予定 | 神奈川県 | 海老名市 |
- | 厚木南IC | 国道129号 | 1.5 | - | 厚木市 | ||
- | 伊勢原JCT | 東名高速道路 | 5.8 | - | 2018年度開通予定 | 伊勢原市 | |
- | 伊勢原北IC | 厚木秦野道路(事業中) 県道603号上粕屋厚木線新道(未供用) |
8.2 | - | |||
- | 秦野SA[22] | - | - | 2020年度開通予定 | 秦野市 | ||
- | 秦野IC | 国道246号 厚木秦野道路(未事業化) |
21.0 | - | |||
- | 山北SIC[23] | - | 山北町 | ||||
- | 小山PA/SIC | - | 静岡県 | 小山町 | |||
- | 御殿場IC | 国道138号御殿場バイパス(西区間)(事業中) 静岡県道406号仁杉柴怒田線(未供用) |
46.2 | - | 御殿場市 | ||
(7-1) | 御殿場JCT | 東名高速道路 | 53.3 | - | 東名高速・東京方面のみ接続 | ||
6 | 長泉沼津IC | 伊豆縦貫自動車道 県道87号大岡元長窪線 |
66.5 | - | 長泉町 | ||
- | 駿河湾沼津SA/SIC | - | 72.0 | - | スマートIC事業中 2016年度開設予定 |
沼津市 | |
7 | 新富士IC | 国道139号西富士道路 県道88号一色久沢線 |
86.8 | - | 富士市 | ||
8 | 新清水IC | 国道52号 | 101.2 | - | 静岡市 | ||
- | 清水PA | - | 103.2 | - | |||
9 | 新清水JCT | 中部横断自動車道(事業中) 清水連絡路 |
110.6 | - | |||
10 | 新静岡IC | 県道27号井川湖御幸線 県道74号山脇大谷線 |
119.8 | - | |||
10-1 | 静岡SA/SIC | 131.0 | - | ||||
11 | 藤枝岡部IC | 県道209号静岡朝比奈藤枝線 国道1号藤枝バイパス |
138.4 | - | 藤枝市 | ||
- | 藤枝PA | - | 141.3 | - | |||
12 | 島田金谷IC | 国道473号 国道473号金谷御前崎連絡道路(事業中) |
153.4 | - | 島田市 | ||
- | 掛川PA | - | 161.0 | - | 掛川市 | ||
13 | 森掛川IC | 県道40号掛川天竜線 | 170.3 | - | 森町 | ||
13-1 | 遠州森町PA/SIC | 中遠広域農道[24] 県道40号掛川天竜線[24] |
173.7 | - | |||
- | 新磐田SIC[25] | - | 2016年度開設予定[26][27][29] | 磐田市 | |||
14 | 浜松浜北IC | 国道152号 | 182.4 | - | 浜松市 | ||
14-1 | 浜松SA/SIC | 188.5 | - | ||||
15 | 浜松いなさJCT | 三遠南信自動車道 引佐連絡路 |
198.0 | - | |||
- | 新城IC | 国道151号 | 210.4 | - | 2015年度 開通予定
(2016年3月供用開始見込み) |
愛知県 | 新城市 |
- | 長篠設楽原PA | - | - | ||||
- | 岡崎東IC | 国道473号岡崎額田バイパス(事業中) | 236.5 | - | 岡崎市 | ||
- | 岡崎SA[22] | - | - | ||||
- | 豊田東JCT | 東海環状自動車道 | 253.2 | - | 豊田市 | ||
伊勢湾岸自動車道 名古屋南・四日市方面 |
清水連絡路[編集]
IC 番号 |
施設名 | 接続路線名 | 起点 から (km) |
BS | 備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
9-2 | 清水JCT | 東名高速道路 | 0.0 | - | 静岡県 | 静岡市 | |
9-1 | 清水いはらIC | 県道75号清水富士宮線 | 1.8 | - | |||
9 | 新清水JCT | 本線 | 4.5 | - | |||
中部横断自動車道 身延・増穂・双葉方面(事業中) |
引佐連絡路[編集]
IC 番号 |
施設名 | 接続路線名 | 起点 から (km) |
BS | 備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
三遠南信自動車道 鳳来峡方面 | |||||||
15 | 浜松いなさJCT | 本線 | 0.0 | - | 静岡県 | 浜松市 | |
15-1 | 浜松いなさIC | 国道257号 | 1.7 | - | |||
(17-1) | 三ヶ日JCT | 東名高速道路 | 12.7 | - | |||
三遠伊勢連絡道路(計画中) |
SA・PA[編集]
区間内のサービスエリアは「NEOPASA」(ネオパーサ)のブランド名で施設を展開する。また、浜松SA(下り)以外の全てのSA・PAにはヘリポートを併設しており、防災活動や医療搬送などで活用される(浜松SA(下り)に関しては隣接地に「浜松市消防ヘリポート」が既設されており、これを活用する)。
売店は全てのSA・PAに設置されている。ガソリンスタンドは全てのSAにあり、全て24時間営業セルフ式である。24時間営業の売店は全てのSAと遠州森町PA上り線と藤枝PA下り線を除く全てのPAにある(駿河湾沼津SAの上下各1店舗と藤枝PA上り線を除き全てコンビニである)。飲食店は全てのSAと清水PAの一部店舗で24時間営業である(SAでは持ち帰りのみ24時間営業店舗あり)。要出典
富士市では、駿河湾沼津SA - 新富士IC間に位置する神戸(ごうど)地区に休憩施設の設置(追加)を目指し、住民運動が行われている[30]。また、静岡県商工会議所連合会は静岡県に設置を要望しており、静岡県知事の川勝平太は既に中日本高速道路に要望している旨を明らかにしている[31]。
なお、バス停は一つも設置されていないが、区間内を無停車で通過する長距離バスの一部が、東名経由から新東名経由に変更された[32]。
渋滞[編集]
2014年8月末現在、御殿場JCT⇔三ヶ日JCTが開通しており、この区間と並行する東名高速道路の静岡県内で発生していた交通集中による渋滞は新東名開通以降は大幅に減少した。しかし、GWなどの大型連休になると、御殿場JCT・三ヶ日JCTの東名合流部で渋滞が発生する。また、東名上りの大和トンネル付近を先頭とする渋滞が御殿場付近まで伸びることがあるほか、東名下りの豊田JCT付近を先頭とする渋滞が三ヶ日付近まで伸びることがあり、これらの渋滞が新東名へ伸びてくることもある。
トンネル・主な橋梁[編集]
新東名高速道路のトンネルと橋 を参照
トンネルと橋梁の数[編集]
区間 | トンネル | 橋梁 | |||
---|---|---|---|---|---|
上り線 | 下り線 | 上り線 | 下り線 | ||
本線 | 海老名南JCT - 御殿場JCT | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
御殿場JCT - 長泉沼津IC | 5 | 5 | 不明 | 不明 | |
長泉沼津IC - 新富士IC | 1 | 1 | 15 | 15 | |
新富士IC - 新清水IC | 3 | 3 | 9 | 14 | |
新清水IC - 新清水JCT | 3 | 3 | 11 | 10 | |
新清水JCT - 新静岡IC | 2 | 2 | 9 | 9 | |
新静岡IC - 藤枝岡部IC | 6 | 6 | 17 | 16 | |
藤枝岡部IC - 島田金谷IC | 6 | 6 | 13 | 14 | |
島田金谷IC - 森掛川IC | 5 | 4 | 13 | 8 | |
森掛川IC - 浜松浜北IC | 0 | 0 | 30 | 30 | |
浜松浜北IC - 浜松いなさJCT | 2 | 2 | 14 | 14 | |
浜松いなさJCT - 新城IC | 2 | 2 | 不明 | 不明 | |
新城IC - 岡崎東IC | 2 | 2 | 1 | 1 | |
岡崎東IC - 豊田東JCT | 4 | 4 | 11 | 11 | |
本線累計 | 39以上 | 38以上 | 143以上 | 142以上 | |
清水連絡路 | 清水JCT - 新清水JCT | 0 | 0 | 6 | 6 |
引佐連絡路 | 浜松いなさJCT - 浜松いなさIC | 0 | 0 | 2 | 2 |
浜松いなさIC - 三ヶ日JCT | 2 | 2 | 5 | 6 | |
合計 | 41以上 | 40以上 | 156以上 | 156以上 | |
(参考)東名高速 東京IC - 小牧IC | 18 | 11 |
内牧トンネル(新静岡IC - 静岡SA間)以西の5本、寺島トンネル(藤枝PA - 島田金谷IC間)以西の5本は、連続するトンネル群となっているため、トンネル入口には長さの右側に「n/5本」という表記がある。
車線・最高速度[編集]
区間 | 車線 上下線=上り線+下り線(本線) 上下線=西行き+東行き(連絡路) |
最高速度 | |
---|---|---|---|
本線 | 浜松いなさJCT - 浜松SA | 4=2+2 | 100km/h |
浜松SA - 浜松浜北IC | 6=3+3 | ||
浜松浜北IC - 遠州森町PA | 4=2+2 | ||
遠州森町PA - 森掛川IC | 5=2+3 | ||
森掛川IC - 掛川PA | 4=2+2 | ||
掛川PA - 島田金谷IC | 6=3+3 | ||
島田金谷IC - 藤枝PA | 4=2+2 | ||
藤枝PA - 藤枝岡部IC | 6=3+3 | ||
藤枝岡部IC - 静岡SA | 5=2+3 | ||
静岡SA | 6=3+3 | ||
静岡SA - 新静岡IC | 5=3+2 | ||
新静岡IC | 6=3+3 | ||
新静岡IC - 新清水JCT | 5=2+3 | ||
新清水JCT - 新富士IC | 4=2+2 | ||
新富士IC | 6=3+3 | ||
新富士IC - 長泉沼津IC | 4=2+2 | ||
長泉沼津IC - 御殿場JCT | 4=2+2 | ||
清水連絡路 | 新清水JCT - 清水JCT | 80km/h | |
引佐連絡路 | 浜松いなさJCT - 三ヶ日JCT |
ハイウェイラジオ[編集]
新東名高速道路では既存の高速道路と比較してかなり長い区間にわたってハイウェイラジオが放送されている。供用当初は既存の高速道路で見られる放送区間を告知する標識は設置されておらず、伝えるべき情報がある場合に都度、道路上の簡易情報板に放送中である旨の告知が表示されていた。しかし、連続した区間にわたる放送により混信がひどく苦情が多かったため要出典、供用から1箇月後には無放送区間を長く設定し混信を防ぐことと併せ、放送区間を告知する標識を順次設置するなどの対策が行われた。なお、告知の標識は工事用の警戒標識と同じ形をした菱形のものも設置されている。
局名告知を兼ねて、放送終了時に「ハイウェイラジオ、新東名○○(局名)よりお伝えしました。」とアナウンスがなされている。
なお、放送文面や音声合成は東名の三ヶ日以東と同じ川崎管制において行っている要出典。
音声は東名や中央道と同じ合成音声である。放送文面は順調時は主要インターチェンジ (IC) までの所要時間が案内されるが、東名ではアナウンスされている交通流動に関する情報は、渋滞などの障害が無い場合は行われていない。また、東名では首都高速都心環状線から名神高速 京都東ICまでの情報が提供されているのに対し、新東名では伊勢湾岸道や東名阪道を含む情報が提供されている。また、新清水ジャンクション (JCT) 前後では、御殿場JCT・三ヶ日JCT・浜松いなさJCTまでの所要時間が東名・新東名のルート別に案内されている。 ※東名高速道路#ハイウェイラジオ(路側放送)も参照。
本線
- 御殿場(御殿場JCT - 長泉沼津IC)
- 長泉(御殿場JCT - 長泉沼津IC)
- 駿河湾(駿河湾沼津SA - 新富士IC)
- 新富士(新富士IC付近)
- 富士川(新富士IC - 新清水IC)
- 新清水(新清水IC付近)
- 新清水JCT(清水PA - 新清水JCT)
- 新静岡(新清水JCT - 新静岡IC)
- 内牧(新静岡IC - 静岡SA)
- 藁科(静岡SA付近)
- 岡部(静岡SA - 藤枝岡部IC)
- 藤枝(藤枝岡部IC - 藤枝PA)
- 島田(藤枝PA - 島田金谷IC)
- 金谷(藤枝PA - 島田金谷IC)
- 粟ヶ岳(粟ヶ岳トンネル内)
- 掛川(島田金谷IC - 掛川PA)
- 森掛川(掛川PA - 遠州森町PA)
- 森町(遠州森町PA - 浜松浜北IC)
- 浜北(浜松浜北IC - 浜松SA)
- 浜松(浜松SA - 浜松いなさJCT)
- 引佐(浜松SA - 浜松いなさJCT)
- 清水連絡路
- 清水いはら(清水JCT - 新清水JCT)
- 引佐連絡路
- 三ヶ日(浜松いなさJCT - 三ヶ日JCT)
開通予定年度[編集]
本線
- 2015年度 : 浜松いなさJCT - 豊田東JCT(東海環状自動車道・伊勢湾岸自動車道と接続予定)
- 2016年度 : 海老名南JCT - 厚木南IC(仮称)
- 2018年度 : 厚木南IC(仮称) - 伊勢原北IC (仮称)
- 2020年度 : 伊勢原北IC(仮称) - 御殿場JCT(この区間の開通により、全線開通の予定)
※この情報は2014年8月末現在の情報であり、工事の進捗状況によって前後する可能性がある。
その他[編集]
- 民営化後より実施されつつあるサイン類の「新デザイン」への更新により、全線で案内標識の書体が、これまでの「道路公団ゴシック」ではなく「ヒラギノ角ゴシック体」を用いている(一般道にあるインターチェンジ案内の標識は一部、道路公団ゴシックのものがある)。
- 当路線と東名高速道路との分岐点では誤認防止の為、「新東名」と表示されている。(「新」が「東名」より大きく強調されている。)
- 当路線や新名神高速道路などの中央分離帯に専用軌道を敷き、東京-大阪間に物流専用の高速貨物鉄道を走らせる東海道物流新幹線構想がある。
- NEXCO中日本協力のもと、開通前の和田島トンネルでは、テレビドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の撮影が行われていたり、他のトンネルや本線上でテレビ撮影も行われている[33]。
- 2009年(平成21年)8月11日に発生した、駿河湾地震で東名高速道路の一部区間が通行止となったことから、迂回路の混雑緩和のために、8月15日9時-16時まで、大井川橋(静岡県島田市牛尾-同市相賀間)の上り線(約1.3 km)を普通車・小型車のみ緊急に供用した[34]。建設中のために舗装が十分でなかったことから制限速度は20 km/hであった。
- また、2011年(平成23年)3月11日に発生した、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の際に大津波警報が発令されたことにより、それぞれ一部区間が通行止となった東名高速道路と国道1号の代替道路として、緊急車両のみ通行可能となったこともある。
- 電波出力が大きい在京、在名のAMラジオ局は静岡県内においても日常的に聴取されていることから、全トンネルでNHK静岡(ラジオ第1・第2・FM放送)・SBSラジオ・K-mix、北沼上トンネル以東でTBSラジオ・文化放送、平島トンネル以東でNHK東京(ラジオ第1・第2放送)・ニッポン放送、栗ヶ岳トンネル以西でNHK名古屋(ラジオ第1・第2放送)、CBCラジオ、東海ラジオをそれぞれ再送信する。これらは大井川、天竜川を事実上の境界にしており、実際の聴取可能範囲や関東または中京地区への文化、生活における地域の指向に則している。関東・中京という広域圏を放送対象としたAM局を2つとも再送信するトンネルが存在するのは全国的に見ても特異なケースである。
- 尚、民放FM局については静岡県内の放送局のみが再送信されている。一般的なカーラジオでは県外FM局の受信が困難であるため再送信も行われていない。東名高速では一部の高性能受信装置を内蔵するカーオーディオ、カーナビを利用すれば受信することが出来るが、山間部を通る新東名では電波が遮られるため御殿場や浜松など県境に近い地区以外は受信が困難である。
- 新東名高速道路においては全ての一般レーンが自動精算機による対応で行われている。[35]
- 高速道路が開通する際は一般的に、指定の料金所で先着5名に通行証明書(料金所を何番目に通行したかを証明するもの)と記念品を贈呈しているが、当路線が最初に開通した時は一切行われず、代わりに「開通日通行証明書」(開通日にこの路線を利用したことを証明するもの)を4か所のSA・PAで計2,000枚配布した。
脚注[編集]
出典[編集]
- ↑ 新東名・名神とは?、NEXCO中日本
- ↑ 建設省道企発第五〇号・建設省都計発第九九号、建設省道路局長・建設省都市局長通達、「第二東海自動車道及び近畿自動車道名古屋神戸線に係る構造基準等について」、関東地方建設局長・中部地方建設局長・近畿地方建設局長・関係府県知事・日本道路公団総裁あて、平成二年八月六日。
- ↑ (2012-01-20) 最高速度どこまで…新東名、有効利用か安全か 読売新聞 arch. 2012/01/23 2014-02-28
- ↑ (2011-11-22) 新東名は法定速度140キロ…静岡県が要望素案 読売新聞 arch. 2011/11/23 2014-02-28
- ↑ (2014-02-26) 新東名120キロ案浮上 県内「妥当」「寝耳に水」 静岡 産経新聞 [ arch. ] 2014-03-02
- ↑ () 知事記者会見_2014年2月25日 静岡県 [ arch. ] 2014-03-02
- ↑ 1987年(昭和62年)9月1日法律第83号「国土開発幹線自道車道建設法の一部を改正する法律」
- ↑ 1993年(平成5年)12月3日日本道路公団公告第46号「高速自動車国道工事開始公告」
- ↑ 1998年(平成10年)1月19日日本道路公団公告第1号「高速自動車国道工事開始公告」
- ↑ 1998年(平成10年)4月16日日本道路公団公告第55号「高速自動車国道工事開始公告」
- ↑ 2000年(平成12年)1月11日日本道路公団公告第2号「高速自動車国道工事開始公告」
- ↑ 2006年(平成18年)2月21日国土交通省告示第297号「会社が新設又は改築を行うべき高速道路及びその会社」
- ↑ 2006年(平成18年)4月18日中日本高速道路株式会社公告第14号「高速道路工事開始公告」
- ↑ 国土交通省 報道発表資料:高速道路へのスマートインターチェンジの追加設置について
- ↑ 2012年(平成24年)4月12日中日本高速道路株式会社公告第15号「第二東海自動車道横浜名古屋線静岡県御殿場市駒門から静岡県駿東郡長泉町大字元長窪までの工事一部完了公告」
- ↑ 2012年(平成24年)4月12日中日本高速道路株式会社公告第16号「第二東海自動車道横浜名古屋線静岡県駿東郡長泉町大字元長窪から静岡県浜松市北区引佐町東黒田までの工事一部完了公告」
- ↑ 2012年(平成24年)4月13日国土交通省告示第461号「高速自動車国道に関する件」
- ↑ 浜松いなさ-豊田東 開通「15年度以降」 中日新聞 2014年5月29日付
- ↑ 新東名浜松いなさ―豊田東 中日本社長「年度内の開通厳しい」 静岡新聞 2014年5月29日付
- ↑ 新東名高速道路 浜松いなさJCT〜豊田東JCT 開通予定時期の見直しについて 中日本高速道路 2014年7月23日付
- ↑ 新東名高速道路 浜松いなさJCT〜豊田東JCT インターチェンジなどの名称が決定されました 中日本高速道路㈱ 2014年9月18日付
- ↑ 22.0 22.1 スマートIC設置の構想あり。
- ↑ スマートインターチェンジの新規採択について - 国土交通省、2014年7月25日
- ↑ 24.0 24.1 (2014-01-17) スマートICの開通概要 PDF 中日本高速道路 2014-01-17 [ arch. ] 2014-02-20
- ↑ () 新東名高速道路(仮称)新磐田スマートIC概要 PDF 磐田市 3 [ arch. ] 2014-02-24
- ↑ (2012-12-20) 新東名磐田スマートIC 実施計画案を承認 静岡新聞 [ arch. ] 2014-02-28
- ↑ スマートIC 中部地方整備局内スマートインターチェンジ - 国土交通省中部地方整備局
- ↑ (2014-02-02) 円形交差点:新東名道に導入 高速道区域内に全国初設置 毎日新聞 [ arch. ] 2014-02-15 (→アーカイブ)
- ↑ 下り線の出入路にはラウンドアバウトを設置の予定[28]
- ↑ (2013-03-12) 神戸に新東名のハイウェイオアシスを 誘致団体が発足 富士ニュース [ arch. ] 2014-02-28 (→アーカイブ)
- ↑ (2013-10-29) 県商議所連合会:富士山望む休憩施設を 新東名に設置要望 /静岡 毎日新聞 [ arch. ] ※現在は外部者閲覧不可(閲覧には愛読者登録が必要)
- ↑ 但しドリーム号や昼特急などのJRバスは三ヶ日に運転手交替施設があるため、静岡県内に関しては依然として東名経由のままである。
- ↑ テンプレート:Cite episode
- ↑ (2009-08-15) 新東名を一部開放 日本経済新聞(NIKKEI NET) arch. 2009/08/18 2014-02-28
- ↑ NEXCO中日本管内料金精算機設置料金所(中日本高速道路ウェブサイト内)
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
このページはウィキペディア日本語版のコンテンツ・新東名高速道路を利用して作成されています。変更履歴はこちらです。 |