稲城駅

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稲城駅

稲城駅(いなぎえき)は、東京都稲城市百村(もむら)にある京王電鉄相模原線である[1]

歴史

多摩ニュータウンの公共交通機関の根幹となる京王相模原線の建設で、同ニュータウン東側の都心寄り玄関口として設置された駅である。同線稲城市域の通過ルートが地形の関係で鶴川街道に沿い、多摩ニュータウンの開発区域を外れているため、当駅の設置場所もニュータウン指定区域にはない。新線建設に前後し、駅近傍に稲城市の新庁舎が建設されたため、駅名を市内に既存していた南武線「稲城長沼」に対比し「稲城中央」とする案もあったが結果として「稲城」に決定した。

駅開設時、稲城市域のニュータウン開発が途上状況にあり、利用者も既存地区の住民が中心であった。その後、1988年(昭和63年)に「ファインヒルいなぎ」と命名された向陽台の新住区でニュータウンの街開きが始まり、以後急速な人口の増加で駅利用が促進された。なお、向陽台へは駅から約1km先の丘陵地高台にあるため、バスによる連絡が常とう手段となっている。

駅構造

丘陵地を土工で切通しにした地形部の半径600mの曲線箇所にある相対式ホーム2面2線の地上駅で、橋上駅舎を有する。線路を挿んだ南北で地面までの高さが大きく異なっており、南口側では橋上駅舎のレベルがそのまま駅前広場・ロータリーの高さに等しく、反面北口側は階下に地面のレベルがあり、このためかつては両出口間の往来に階段を経由する必要があった。

しかし2006年平成18年)7月7日、北口の高さと同じレベルに京王ストア啓文堂書店などをテナントとする駅ビル京王リトナード稲城)の出入口が完成し、これに合わせて駅舎とホームを連絡するエスカレータエレベータが設置されるなど、駅のバリアフリー改良工事も実施された[2]

のりば

番線 路線 方向 行先
1 相模原線 下り 京王多摩センター橋本方面
2 相模原線 上り 調布明大前笹塚新宿都営新宿線方面

ホームのほぼ全体がカーブに差し掛かっていることから、乗降の際には電車とホームとの間隔が大きく開いている箇所がある。

利用状況

2013年度の1日平均乗降人員は20,127人である[3]。 稲城市による急行停車運動が行われているが、同じ稲城市内(正確には川崎市麻生区)の駅で若葉台駅の方が増加率・利用者共に多い。乗降人員および乗車人員の推移は下記の通り。

年度 1日平均
乗降人員
1日平均
乗車人員
出典
1974年 570 [4]
1975年 1,572
1980年 2,415
1985年 3,534
1990年 10,711 5,288 [5]
1991年 5,760 [6]
1992年 5,575 [7]
1993年 7,241 [8]
1994年 7,742 [9]
1995年 16,593 8,268 [10]
1996年 8,882 [11]
1997年 9,173 [12]
1998年 9,474 [13]
1999年 8,995 [14]
2000年 17,754 9,022 [15]
2001年 9,030 [16]
2002年 9,041 [17]
2003年 18,187 9,128 [18]
2004年 18,232 9,151 [19]
2005年 18,679 9,301 [20]
2006年 19,642 9,715 [21]
2007年 20,585 10,169 [22]
2008年 20,380 10,066 [23]
2009年 20,218
2010年
2011年 19,443
2012年 19,758
2013年 20,127

駅周辺

多摩ニュータウンにおける「ファインヒルいなぎ」向陽台地区の最寄り駅としているが、駅の所在地はニュータウンの区域外に位置している。開業当初は、稲城市域のニュータウン居住区に対する入居が始まっていなかったため、同市の既存住宅地域からの駅利用に留まっていた。そのため駅前も暫く未開発で、店舗等の住民サービス施設も皆無の状態だった。現在では「ファインヒルいなぎ」を筆頭に稲城市役所庁舎等への最寄り駅として機能しており、駅舎に隣接してショッピングセンター等も設置された。

当駅周辺の多摩ニュータウン開発は一部の区域を残し完了しているが、現在、京王よみうりランド駅寄りの線路北側の丘陵地一帯が「南山東部土地区画整理事業」として大規模に開発されている。

  • 京王リトナード稲城(スーパーマーケット・書店・薬局・飲食店等)
  • 駅南側の駅前広場に路線バスターミナル・タクシー乗り場がある。
  • 稲城駅前郵便局
  • 稲城市役所(徒歩約10分)
  • 稲城市中央文化センター
  • 稲城市福祉センター
  • 稲城市保健センター
  • 東日本旅客鉄道(JR東日本)南武線稲城長沼駅が北に1kmほどのところにある。
  • JR武蔵野線(貨物線)が駅西側でオーバークロスしている。

バス路線

当駅の南口ロータリーからは京王電鉄バス[24]小田急バスの路線のほか、稲城市コミュニティバスiバス」も発着する。

今後の計画

  • 稲城市長(当時)の石川良一は、2007年4月24日の5期目の市長就任式に合わせ20のマニフェストを発表した。その中で石川は「京王線稲城駅に急行を停車させ、増便と乗り換えがスムーズになるよう強く要請し実現させる」としている[25]
  • 京王相模原線の急行は若葉台駅を含む[26] 稲城市内の三駅をすべて通過している。なお、要請時の当駅の乗降人員は相模原線の急行通過駅では京王堀之内駅(26,935人・2006年)に次ぐ第二位(19,642人・2006年)であった。
  • 西隣の若葉台駅との距離は3.3kmで、線路名称上では[27] 京王電鉄で駅間距離が最も長い区間である。この駅間付近にはここ数十年間に、新興住宅地「長峰・社の一番街~五番街」のほかに「駒沢学園女子中学校・高等学校」もできたことから、利便性を考慮して坂浜新駅(仮称)を設置する構想がある[28]

隣の駅

京王電鉄
相模原線
特急・急行
通過
区間急行・快速・各駅停車
京王よみうりランド駅 (KO 37) - 稲城駅 (KO 38) - 若葉台駅 (KO 39)

脚注

  1. なお、当駅が地理的に稲城市の中心にある駅というわけではない。地理上の稲城市の中心に最も近い駅は南武線稲城長沼駅である。
  2. 稲城市ホームページ 市長室へようこそ
  3. 京王グループ 1日の駅別乗降人員
  4. 駅開設年度
  5. 東京都統計年鑑(平成2年)228ページ
  6. 東京都統計年鑑(平成3年)234ページ
  7. 東京都統計年鑑(平成4年)
  8. 東京都統計年鑑(平成5年)
  9. 東京都統計年鑑(平成6年)
  10. 東京都統計年鑑(平成7年)
  11. 東京都統計年鑑(平成8年)
  12. 東京都統計年鑑(平成9年)
  13. 東京都統計年鑑(平成10年)PDF 
  14. 東京都統計年鑑(平成11年)PDF 
  15. 東京都統計年鑑(平成12年)
  16. 東京都統計年鑑(平成13年)
  17. 東京都統計年鑑(平成14年)
  18. 東京都統計年鑑(平成15年)
  19. 東京都統計年鑑(平成16年)
  20. 東京都統計年鑑(平成17年)
  21. 東京都統計年鑑(平成18年)
  22. 東京都統計年鑑(平成19年)
  23. 東京都統計年鑑(平成20年)
  24. 実際の運行は子会社の京王バス南に委託されている。
  25. テキスト版広報いなぎ・平成19年5月15日号1面
  26. 若葉台駅の北口側は稲城市であるが、駅舎は神奈川県川崎市麻生区に所在する。
  27. 国土交通省届出書類では京王新線京王線複々線の一部であるため、初台駅幡ヶ谷駅が京王線所属となることによる。運転系統上では両駅は京王線の列車がすべて通過するため除外され、新宿駅 - 笹塚駅間 (3.6km) が最長となる。[1]
  28. 稲城市ホームページ 第三次長期総合計画

関連項目

外部リンク