WANDS
WANDS(ワンズ、1991年-2000年)は、上杉昇(ボーカル)、柴崎浩(ギター)、大島康祐(キーボード)により結成された日本の音楽グループ。1991年『寂しさは秋の色』でデビュー。2度のメンバーチェンジを経て、2000年に解体(解散)。
目次
メンバー[編集]
- 現在、ソロミュージシャンとして活動中。
- 柴崎浩(しばさき ひろし)一期・二期ギター、作曲、編曲
- 現在は西川貴教らと結成したabingdon boys schoolのギターとして活動。
- 解散後、ソロミュージシャンとして雑誌のインタビューを受けている。
- 杉元一生(すぎもと いっせい)三期ギター、作詞、作曲、編曲
来歴[編集]
1991年9月、ビーイングの音楽プロデューサー長戸大幸を介し、大島康祐(キーボード)・上杉昇(ボーカル)・柴崎浩(ギター)により結成された(第1期WANDS)。同年12月、シングル「寂しさは秋の色」でデビュー。
1992年、3rdシングル「もっと強く抱きしめたなら」リリース後、大島康祐が自身のユニットSO-FIを結成するために脱退。後任として、柴崎のYAMAHA音楽院時代の知人であった木村真也が加入した(第2期WANDS)。その後大島はB'zのサポートをするなどの活動を行っている。
“中山美穂&WANDS”としてリリースされた「世界中の誰よりきっと」により大ブレイク、相まって先に発売されていた「もっと強く抱きしめたなら」もオリコンチャート登場29週目にして1位となりミリオンセラーを記録する。1993年の初頭にリリースされたシングル「時の扉」もヒットし、日本の音楽界においてトップアーティストとしての地位を確立する。1993年度は、シングル4,112,008枚・アルバム3,187,564枚の売り上げを記録し、第8回日本ゴールドディスク大賞を受賞した。
1995年に、アルバム『PIECE OF MY SOUL』を発売する。同年リリースの「Same Side」はシングルとしては「ふりむいて抱きしめて」(作詞:上杉昇、作曲・編曲:大島康祐)以来のメンバーのみの手によるシングル曲で(作詞:上杉昇、作曲:上杉昇・柴崎浩、編曲:WANDS)、メンバーが志向するサウンドを如実に示すものであった。
1996年「WORST CRIME ~About a rock star who was a swindler~/Blind To My Heart」リリース後、音楽性の違いを理由に上杉昇と柴崎浩が脱退。後に2人はal.ni.coを結成。
残った木村真也はWANDSを解散させることなく存続することを選択し、和久二郎(ボーカル、元・スケートボーイズ&平家派)、杉元一生(ギター)の加入によって第三期WANDSとしての活動を開始する。1997年「錆び付いたマシンガンで今を撃ち抜こう」などシングル4枚、オリジナルアルバム1枚をリリースしたが、2000年3月にWANDSは“解体”(解散)を表明した。
サウンド[編集]
- 第一期
- 第一期の当初は、初期のB'zに見られるような「デジタルビート」を、サウンドの方針としていた。しかし、売り上げが思わしくなかったためか、サウンドの方向性の転換が求められるようになった。
- 第二期
- 第二期の前半では、一転してジャパニーズポップス・アイドル歌謡曲の要素を前面に出したサウンドを展開する。これにより、ドラマ・CMなどのタイアップがなされ、一気にヒットチャートの上位に躍り出ることになった。WANDSの代表曲の多くが、この第二期の前半に集中している。
- 第二期の後半になって、アルバム『PIECE OF MY SOUL』のリリースを境に、それまでのポップでキャッチーな曲調から、シンプルで骨太のロックサウンドのオルタナティブやグランジを表現するようになっていった。しかし、大衆性のないグランジというジャンルに、多くのファンに戸惑いを感じさせる原因ともなった。
- 第三期
- 第三期では、第二期前半のポップなメロディーと、第二期後半のハードロックなアレンジを融合した、新たな展開を見せた。しかし、相次ぐメンバー交代にファンの支持が得られず、第二期を超える大ヒットには結びつかなかった。
名前の由来[編集]
オフィシャルサイトの大島康祐によると、WANDSの名は、タロットカードの用語であるワンド(wand/wands:「理想」「情熱に向かって進む」という意味を持つ)から取って名づけられたものである。
一般的に、上杉(Wesugi)と柴崎(Shibasaki)の頭文字をとって“Wesugi AND Shibasaki”という名がつけられた、ととらえられているが、初期にリリースされたCDでは上杉のアルファベット表記はUesugiとなっていることから、WANDSというバンド名の由来が“Wesugi AND Shibasaki”であった可能性は低く、後付けの理由と思われる。上杉と大島(UesugiとOhshimaの「う」と「お」を合わせてWo)、そして柴崎(Shibasaki)のイニシャルから取ったという説明がされていたこともあるが、確証はない。ファンクラブの会報でも木村自身が述べているように、タロットカードから付けられたという説が一番有力。
名前の由来ではないが、上杉のアルファベット表記を“Uesugi”から“Wesugi”に変え“Wesugi AND Shibasaki”と読めること、第3期においても“Waku AND Sugimoto”とされたことは、WANDSという言葉に2つの意味を含ませるダブルミーニングの意図があったものと推測される。上杉はインターネットラジオ[1]において「ゴロ合わせが好きなプロデューサーだったので、UじゃなくてWの方が見てくれもかっこいい、ということから始まった」と発言している。
WANDS第一期の人気絶頂時に、TBS『突然バラエティー速報!!COUNT DOWN100』に上杉が生出演しているが、司会の山田邦子からWANDSの命名の由来を話題に挙げられ、その際は、上杉(Wesugi)と柴崎(Shibasaki)説を説明している。この時、山田も「WじゃなくてUよねぇ」と平凡な感想を述べており、当の上杉は否定も肯定もしていない。もっとも、番組中ほとんど積極的な発言はしていないが。
ディスコグラフィー[編集]
シングル[編集]
リリース日 | タイトル | 作詞編曲者 | オリコン | ||
1st | 1991年12月4日 | 寂しさは秋の色 |
作詞:上杉昇 作曲:栗林誠一郎 編曲:明石昌夫 |
最高位63位 | |
2nd | 1992年5月13日 | ふりむいて抱きしめて |
作詞:上杉昇 作曲・編曲:大島こうすけ |
最高位80位 | |
3rd | 1992年7月1日 | もっと強く抱きしめたなら |
作詞:上杉昇・魚住勉 作曲:多々納好夫 編曲:葉山たけし |
初登場47位 最高位1位(2週連続) ミリオンヒット | |
4th | 1993年2月26日 | 時の扉 |
作詞:上杉昇 作曲:大島こうすけ 編曲:明石昌夫 |
最高位1位 ミリオンヒット | |
5th | 1993年4月17日 | 愛を語るより口づけをかわそう |
作詞:上杉昇 作曲:織田哲郎 編曲:明石昌夫 |
最高位1位(4週連続) ミリオンヒット | |
6th | 1993年7月7日 | 恋せよ乙女 |
作詞:上杉昇 作曲:大島こうすけ 編曲:葉山たけし |
最高位1位(2週連続) | |
7th | 1993年11月17日 | Jumpin' Jack Boy |
作詞:上杉昇 作曲:栗林誠一郎 編曲:葉山たけし |
最高位2位 | |
8th | 1994年6月8日 | 世界が終るまでは… |
作詞:上杉昇 作曲:織田哲郎 編曲:葉山たけし |
最高位1位(2週連続) ミリオンヒット | |
9th | 1995年2月13日 | Secret Night -It's My Treat- |
作詞:上杉昇 作曲:栗林誠一郎 編曲:池田大介 |
最高位1位 | |
10th | 1995年12月4日 | Same Side |
作詞:上杉昇 作曲:上杉昇・柴崎浩 編曲:WANDS |
最高位2位 | |
11th | 1996年2月1日 | WORST CRIME~About a rock star who was a swindler~ |
作詞:上杉昇 作曲・編曲:柴崎浩 |
最高位9位 | |
12th | 1997年9月3日 | 錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう |
作詞・作曲:小松未歩 編曲:池田大介 |
最高位4位 | |
13th | 1998年2月11日 | Brand New Love |
作詞:坂井泉水 作曲:綿貫正顕 編曲:徳永暁人 |
最高位17位 | |
14th | 1998年6月10日 | 明日もし君が壊れても |
作詞:坂井泉水 作曲:大野愛果 編曲:葉山たけし |
最高位8位 | |
15th | 1999年3月31日 | 「今日、ナニカノハズミデ生きている」 |
作詞:AZUKI七 作曲:三好誠 編曲:徳永暁人 |
最高位32位 |
コラボレートシングル[編集]
アルバム[編集]
オリジナルアルバム[編集]
リリース日 | タイトル | オリコン | ||
1st | 1992年6月17日 | WANDS |
最高位10位 | |
2nd | 1993年4月17日 | 時の扉 |
最高位1位(4週連続) ミリオンヒット | |
3rd | 1993年10月6日 | Little Bit… |
最高位2位 | |
4th | 1995年4月24日 | PIECE OF MY SOUL |
最高位1位(2週連続) | |
5th | 1999年10月27日 | AWAKE |
最高位18位 |
ベストアルバム[編集]
リリース日 | タイトル | オリコン | ||
1st | 1996年3月16日 | SINGLES COLLECTION+6 |
最高位1位 | |
2nd | 1997年11月6日 | WANDS BEST ~HISTORIAL BEST ALBUM~ |
最高位1位 | |
3rd | 2000年6月9日 | BEST OF WANDS HISTORY |
最高位17位 | |
4th | 2002年8月25日 | complete of WANDS at the BEING studio |
最高位47位 | |
5th | 2007年12月12日 | BEST OF BEST 1000 WANDS |
最高位52位 |
オムニバス[編集]
- ホテルウーマン オリジナルサウンドトラック(M-1.寂しさは秋の色) 1991/11/21
- スラムダンク オリジナルサウンドトラック Special TV Version (M-28.世界が終るまでは…) 1995/3/20
- スラムダンク テーマソング集(M-3.世界が終るまでは…) 1996/3/20
- WITH YOU~LOVE DUET COLLECTION(DISCⅠ M-1.世界中の誰よりきっと(中山美穂&WANDS)) 1991/11/21
- ヴォーカル・コンピレーション 90’s hits vol.1~male~at the BEING studio (M-3.ふりむいて抱きしめて,M-14.天使になんてなれなかった,M-16.ささやかな愛情(未発表曲)) 2003/4/25
- THE BEST OF TV ANIMATION SLAM DUNK~Single Collection~(M-3.世界が終るまでは…) 2003/07/21
- IT'S TV SHOW!(DISCⅠ M-3.Secret Night) 2004/10/27
- COUNTDOWN BEING(通信販売限定商品。DISC1 M-6.恋せよ乙女,M-15.世界中の誰よりきっと~Album Version~,DISC2 M-5.時の扉,M-8愛を語るより口づけをかわそう,DISC3 M-4.世界が終るまでは…,DISC4 もっと強く抱きしめたなら)
- FUN~Greatest Hits of 90's~(通信販売限定商品。DISC1 M-1.もっと強く抱きしめたなら,M-15.世界が終るまでは…,DISK2 M-2.時の扉,M-13.愛を語るより口づけをかわそう,M-15.世界中の誰よりきっと-Album Version-)
DVD・VHS[編集]
- BEST OF WANDS VIDEO HISTORY 2000/06/09(VHS)・2000/08/01(DVD)
出典[編集]
- ↑ V-net LUNCH BARKS 第452回
共演した歌手[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]