朝鮮半島大運河計画
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朝鮮半島大運河構想(ちょうせんはんとうだいうんがこうそう)は、ハンナラ党の李明博が提唱する計画である。大韓民国大統領選挙の李明博の公約として挙げられたものである。
韓国では「韓半島大運河構想」とも、単に「大運河構想」「大運河」とも呼ばれる。
概要[編集]
元々は、李明博が国会議員時代から持っていた構想であり、国会で提案したこともある。その前身は、ソウル市長時代に行なった「清渓川復元工事」である。なお、国会に提案したこの構想は、当時は「現実的ではない」として却下されている。
この構想は、韓国北部を流れる漢江と、韓国南部を流れる洛東江を連結し、ソウルと釜山を水路で結ぼう、というものである。韓国では、このソウル~釜山間の運河を「京釜運河」と名付けるようである。
この構想は既に研究段階に入っており、土木工学、環境工学、経済学者ら100名が研究チームを組んでおり、内部的ではあるが、すでに設計図が完成した段階だという。
最終的には、全羅道や朝鮮民主主義人民共和国にも運河を掘り、ひとつの運河として連結することを目標にしている。
計画の問題点[編集]
李明博が国会にこの構想を提案した際、以下の理由により、新韓国党と建設交通部、韓国水資源公社から却下されている。
- 水量の確保難。
上記の理由により、提案が却下されたのは1995年のことであるが、2007年6月4日の韓国水資源公社、国土研究院、韓国建設技術研究院が行なった調査の結果も「収益性がない」としており、この構想自体に疑問を投げかけている。
李明博がこの構想を実現させようとするのであれば、上記の問題を全てクリアする必要があろう。
また、新たな問題点も指摘されている。
また、環境正義市民団体の呉成圭事務局長は、以下の理由で反対論を述べている。
- 「1998年の水資源公社の報告で、京釜運河は収益性指数が0.12(100ウォン投資して12ウォンの利益しかない)という数値が出ている。その後8年間に、ソウル-釜山方面には3つの高速道路が出来た。今後、高速道路5路線が計画されている。KTX(韓国新幹線)も開通した。京釜運河は必ずインフラの過剰供給をもたらす」
- 「内陸水運の国は、ほとんどが海のない国だ。半島国家では内陸水運より海を利用したほうがいい」
- 「京釜運河は2つの河川を人為的に結合しようという計画だ。洛東江の上流には、貴重な種類の花も咲く。環境にどんな現象が起きるか分からない」
これに対し、李明博は、
- 「清渓川の復元工事でも、多くの人が環境が破壊される、騒音公害がひどくなると言って反対した。運河は韓半島の国運を隆盛させる歴史的な契機になるだろう。誰が構想し、どんな指導者がどんな方式で推進するかという問題が残っているだけだ」
- 「物流だけのために運河を作るのではない。仕事を作り、観光、レジャー、治水、水資源確保など総合的な側面を考慮している。工事費よりも大きな効用がある。インフラが価値を創出するのだ」
と反論している。
参考記事[編集]
- 第57回 韓国大統領選(2)大運河構想(毎日新聞)
- 大運河は収益性なし、政府関係機関が妥当性を調査(聯合ニュース)