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2014年12月17日 (水) 21:58時点における最新版
新青森駅(しんあおもりえき)は、青森県青森市大字石江字高間にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅である。
目次
概要[編集]
青森県の県庁所在地・青森市の新幹線における玄関口であり、現時点で日本最北端の新幹線駅である。当駅は青森市街地から西に3kmほど離れた石江地区に位置し、市の代表駅である青森駅へは1駅の距離である。なお、東北6県の県庁所在地では唯一代表駅と新幹線駅が別となっている[注 1]。
当駅に乗り入れる路線は東北新幹線と、在来線の奥羽本線の2路線である。東北新幹線は当駅が終点である。奥羽本線においては、青森信号場とを結ぶ貨物支線が当駅から分岐している。また、2016年(平成28年)3月に部分開業が予定されている北海道新幹線の起点となる。
歴史[編集]
日本国有鉄道(国鉄)時代の1986年(昭和61年)11月1日に奥羽本線の中間駅として設置されたが、当初から新幹線駅と接続することを前提としていた。先行して在来線が開業したのは東北新幹線の盛岡駅以北の建設遅れで地元住民の不満が高まっていたため、これを解消する狙いもあって関連事業の一環としての駅設置となった[1]。新幹線開業までは単式ホーム1面1線の無人駅であり、かつては普通列車の一部も通過していた。
設置から24年後の2010年(平成22年)12月4日に東北新幹線八戸駅 - 当駅間が延伸開業されたことにより同新幹線が全線開業するとともに、東北地方6県の県庁所在地すべてに新幹線(法規上は在来線であるミニ新幹線も含む)が開通した。目的が達成された当駅は、青森市の新たなターミナル駅としての役割を担うようになった。
新幹線開業によって在来線も島式ホーム1面2線となり、八戸駅に代わり北海道連絡特急である「白鳥」・「スーパー白鳥」の本州側の始発駅となった。なお同じく北海道連絡の急行「はまなす」は当駅には乗り入れず従来通り青森駅発着となるが、新幹線との乗り継ぎ割引は適用となる[注 2]。また、青い森鉄道青い森鉄道線から定期列車2往復と、臨時快速「リゾートあすなろ下北」(野辺地駅より大湊線直通)2往復がそれぞれ乗り入れを開始した[2]。
市内の新幹線駅の位置においては1974年(昭和49年)から、当駅のある石江地区への新駅設置を推す国鉄と青森駅併設を推す青森市の間で対立が続いていた。青森駅に併設した場合スイッチバックが必要[注 3]で、将来北海道新幹線に直通させる場合速達性が失われることもあり、国鉄側は当初から新駅設置案を最有力としていた。市側も青森駅併設案を頑なに変えずにいたが、結局1980年(昭和55年)に建設時機を逸することへの懸念から、市が折れる形で新駅設置に決着した[3]。
年表[編集]
- 1986年(昭和61年)11月1日:日本国有鉄道(国鉄)の駅として開業(津軽新城駅長管理)。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅となる。
- 2003年(平成15年)4月1日:津軽新城駅長廃止により、浪岡駅長管理下となる。
- 2005年(平成17年):新駅舎工事に向けての安全祈願祭(地鎮祭)を行なう。
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)10月11日:新駅舎および東北新幹線用プラットホーム建設着工。
- 2010年(平成22年)
- 2月12日:新駅舎北正面口に駅名標と駅舎1階の版画「青い森から放つ」の除幕式を開催。北西口には後日取り付けられた。
- 2月26日:新駅舎完成。ただしこの時点では供用はされていない。
- 4月1日:新駅舎構内に新青森開業準備駅が発足し社員が配置される。ただし別組織扱いのため、当駅の営業形態は従来通り無人駅のまま。
- 4月13日:E926形電車(East i)が新幹線の試運転列車として八戸方面より当駅に初めて到着。
- 4月17日:新駅舎の南北通路の利用開始。仮駅舎は撤去される。
- 9月8日:青い森鉄道青い森鉄道線からの列車乗り入れをJR東日本盛岡支社が発表。
- 9月13日:在来線ホーム2番線の使用開始。
- 12月4日:東北新幹線の八戸駅 - 当駅間が開業[4]。無人駅から直営駅となる(前述の新青森開業準備駅が組織変更し新青森駅となる)。特急「白鳥」・「スーパー白鳥」が新たに当駅始発となり、特急「つがる」と寝台特急「あけぼの」・「日本海」、快速「深浦」、臨時快速「リゾートしらかみ」が当駅に停車するようになる。
- 2012年(平成24年)3月17日:「日本海」が臨時列車格下げに伴い、通過となる。
- 2013年(平成25年)4月1日:在来線改札口及び遺失物管理業務をジャスターに委託。
- 2014年(平成26年)
- 3月15日:「あけぼの」が臨時列車格下げ。これにより、当駅停車の定期夜行列車が消滅。
今後の予定
駅構造[編集]
在来線[編集]
島式ホーム1面2線を有する地上駅で橋上駅舎を有する。1番線(下り本線)は12両編成、2番線(上り本線)は8両編成対応となっており、寝台特急は上下とも1番線を使用する。貨物列車などの通過列車は基本的に下り1番線、上り2番線を通過する。
タッチパネル式自動券売機1台、自動改札機設置(いずれもSuica未対応)。なお自動券売機では新幹線経由の乗車券、八戸線への通過連絡乗車券を購入することはできない。
新幹線[編集]
島式ホーム2面4線(ホーム長264m:10両対応)を有する高架駅。すべてのホームにホームドアが設置されている。併せて北側(新函館北斗寄り・津軽線新油川信号場付近)には新幹線車両基地「盛岡新幹線車両センター青森派出」も盛岡新幹線車両センター八戸派出を移転する形で新設された[注 4]。
東北新幹線を延伸するような形で行われる北海道新幹線の一部開業を考慮した構造となっている。本駅 - 車両センター分岐点までは、正式には北海道新幹線の本線部であるが、北海道新幹線が開業していない現在、JR東日本が管理している(所有者は国)。2015年度、同線の一部開業予定区間(本駅 - 新函館北斗駅間)の開業後もこの本線部を引き続きJR東日本が管理するかは未定。なお北海道新幹線の車両基地は新函館北斗駅に設けられる予定。
東北新幹線の駅の中で唯一、ホームから海が見える駅である[5]。
指定席券売機、新幹線自動改札機設置(モバイルSuica対応)。新幹線乗換窓口・精算窓口は設置されていないが、新幹線改札事務室内にマルス端末が設置されているため、乗換改札口での対応となる(新幹線改札内に精算窓口のスペースが準備されているものの、現在使われていない)。
のりば[編集]
在来線ホーム | ||
1 | ■奥羽本線(下り)・津軽海峡線 | 主に青森・函館方面 |
---|---|---|
2 | ■奥羽本線(上り) | 主に弘前・大館・秋田方面 |
新幹線ホーム | ||
11 - 14 | 東北新幹線 | 盛岡・仙台・東京方面 |
駅舎[編集]
駅舎は、デザインコンセプトを“縄文から未来へ -ほっとして郷愁が感じられるあずましい北の駅-”とし、デザインイメージに“縄文と未来の融合”を掲げている[6]。
縄文時代を連想させる外観の駅舎は、中央部分に「未来への玄関」を表現したガラスの空間を設けている[7]。また、ホームから町並みの眺望が楽しめるよう横一列に窓が配置された他、当駅南近傍の三内丸山遺跡に倣った木柱のデザインを採用するなど、青森を堪能するための工夫が随所に見られる[7]。
当初鉄道建設・運輸施設整備支援機構 (JRTT) より駅舎デザインの候補として3案が提示され、2006年11月16日に青森市役所柳川庁舎で開催された新青森駅舎デザイン委員会において、デザイン性・機能性を勘案しこの案を市長への答申とすることを決定した[7]。
駅構内にある施設[編集]
- 1階
- 2階
- 3階
- 新幹線ホーム
- ホームにはキオスクがある。
- 新幹線ホーム
当駅は直営駅である。管理駅でもあるが、当駅は自駅のみの単駅管理となっている。在来線改札口及び遺失物管理業務はジャスターに業務委託されている。
駅弁[編集]
本駅で取り扱う駅弁は下記の通り。
- ばっちゃ御膳[8]
- 津軽マッコ弁当
- 青森地鶏弁当
- 奥津軽和牛弁当
- 五所川原立佞武多弁当
- 太宰治生誕百周年記念弁当津軽
- 津軽帆立めし
- 津軽の笹寿司
- 津軽の幕の内弁当
- 青森海の幸
- 白神弁当
- 津軽弁当文豪
- 津軽百年食堂
- ほたて舞茸
- 大漁市場
- 八戸小唄寿司
- 浜焼きホタテ海鮮ひつまぶし
- 鶏めし(花善)
利用状況[編集]
2013年度の一日平均乗車人員は以下のとおりである。
- 在来線 - 3,639人
- 新幹線 - 4,523人
各年度の一日平均乗車人員は下表のとおり。
年度 | 在来線 | 新幹線 |
---|---|---|
2010年(平成22年) | [9] 1,083 | |
2011年(平成23年) | [10] 2,730 | |
2012年(平成24年) | [11] 3,319 | [12] 4,571 |
2013年(平成25年) | 3,639 | 4,523 |
駅周辺[編集]
本駅は青森県道247号鶴ケ坂千刈線(旧国道7号)と現国道7号(青森西バイパス)に挟まれた住宅地にある。青森市中心部から西にずれた地域であるが、再開発が進んでいる。
東正面口周辺[編集]
- レンタカーステーション - 日産レンタカー・ニッポンレンタカー・マツダレンタカー・レンタカージャパレン・オリックスレンタカー
- 駅レンタカー(上記「レンタカーステーション」と別の独立した場所にある)
- ガーラタウン
- 青森西郵便局
- 国道7号
- JR東日本新青森設備総合事務所 - 青森駅西口にあった設備関係の現業機関が移転。
- 青森県民共済
西口周辺[編集]
- 青森市営新青森駅西口立体駐車場 - 駅西口と隣接。
- トヨタレンタリース青森 新青森駅西口店
- 青森県立青森西高等学校
- 青森市立新城小学校
- 国道280号
- 国土交通省青森河川国道事務所 青森国道維持出張所
- 青森県青森福祉庁舎
- あおもり健康ランド
- 青森市営バス「健康ランド前」停留所
- ケーズデンキ青森西店
南口周辺[編集]
- 東北自動車道青森IC
- 青森県道247号鶴ケ坂千刈線(旧国道7号)
- カーズレンタカー青森西店(県道247号沿い)
- 三内丸山遺跡
- 青森県立美術館
- 津軽新城郵便局
- 弘南バス・青森市営バス・青森市市民バス孫内線「石江」停留所 ※新青森駅南口発着時間帯以外はこのバス停から古川・市役所・NTT青森支店前方面へ利用可能である。新青森駅南口から徒歩3~5分程。
バス路線[編集]
新青森駅東口[編集]
- 1番のりば
- 2番のりば[13]
- JRバス東北:観光ルートバス「びゅうバス」
- 3番のりば
- あおもりシャトルdeルートバス ねぶたん号
- 棟方志功館・青森駅前・津軽海峡フェリーターミナル方面
- 青森県立美術館、三内丸山遺跡方面 - 平成26年8月1日より運行コース見直しに伴い、南口発着から東口発着に変更
- あおもりシャトルdeルートバス ねぶたん号
- 4番のりば[14]
- 弘南バス:観光ルートバス「太宰治と津軽鉄道の旅号」(金木・五所川原方面)
- 5番のりば
- 6番・7番のりば
- 貸切バス専用乗降場[15]
新青森駅南口[編集]
経由する路線は下記の通り。事業者に関わらず、1番のりばから市内中心部(古川・青森駅及び青森市役所)、東部(東部営業所・矢田前)方面が、2番のりばからは、西部(新城・浪岡・五所川原・黒石)方面が発車する。
以前はあおもりシャトルdeルートバスねぶたん号(左回り)も1番のりばより発車していたが、2014年8月1日より運行コース及び時刻の見直しが行われ、東口③番乗り場発着に統一されている。
- 青森市営バス
- 弘南バス
その他[編集]
- 当駅 - 青森駅間において、特急列車の普通車自由席に乗車する場合に限って、特急料金が不要となる特例が設けられている[4](青春18きっぷ、北海道&東日本パス、鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷは対象外だったが、青春18きっぷ、北海道&東日本パスは2012年夏季発売分より対象となる)。
隣の駅[編集]
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- ■東北新幹線
- 七戸十和田駅 - 新青森駅
- ■奥羽本線
- 特急「つがる」・臨時寝台特急「あけぼの」停車駅、特急「白鳥」・「スーパー白鳥」始発・終着駅
- □快速・■普通
- 津軽新城駅 - 新青森駅 - 青森駅
- ※曜日によっては臨時快速「リゾートしらかみ」・「リゾートあすなろ下北」・「リゾートあすなろ津軽蟹夫(竜飛)」も運転される。
- 奥羽本線(貨物支線)
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
- 北海道新幹線(建設中)
- 新青森駅 - 奥津軽いまべつ駅
脚注[編集]
出典[編集]
- ↑ 東北地方以外では、群馬県(上越新幹線高崎駅)、埼玉県(東北新幹線大宮駅)、神奈川県(東海道新幹線新横浜駅)、岐阜県(東海道新幹線岐阜羽島駅)、滋賀県(東海道新幹線米原駅)、大阪府(東海道新幹線新大阪駅)、兵庫県(山陽新幹線新神戸駅)、山口県(山陽新幹線新山口駅)、佐賀県(九州新幹線新鳥栖駅)が該当する。なお、上記に挙げた高崎駅、大宮駅、新大阪駅では複数の新幹線路線が接続しているが、(新幹線としての)所属路線の方を採用して路線名を記載している。
- ↑ ただし、「あけぼの」には乗り継ぎ割引は適用されなかった。
- ↑ かつて青函連絡船の本州側の駅であった青森駅は、連絡船の桟橋に近づけるため海に向かって設置されている。
- ↑ ただし、分岐点から車両基地までの回送線は列車本数が少ないことから単線となっており、下り回送列車は現在建設中の北海道新幹線上り本線と平面交差する。
注釈[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 新幹線開業を活かすまちづくり - 青森市
- 東北新幹線 青森 - Web東奥(東奥日報社)
- 新青森駅駐車場 - 新青森駅駐車場