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− | * [[農林水産省]] 農家・地域住民等参加型の直営施工推進マニュアル <ref>{{Cite | + | * [[農林水産省]] 農家・地域住民等参加型の直営施工推進マニュアル <ref>{{Cite book|publisher=農水省 |date=2005-8 |title=農家・地域住民等参加型の直営施工推進マニュアル |url=http://www.maff.go.jp/j/nousin/seko/top/t_rikai/t_chokuei/pdf/manual.pdf}}</ref> |
− | * [[長野県]][[下條村]] 建設資材支給事業<ref>{{Cite|和書|journal=日経ビジネス |date=2009-02-10 |title=日本の未来が見える村 長野県下條村、出生率「2.04」の必然 |url=http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090209/185533/ }}</ref> | + | * [[長野県]][[下條村]] 建設資材支給事業<ref>{{Cite journal|和書|journal=日経ビジネス |date=2009-02-10 |title=日本の未来が見える村 長野県下條村、出生率「2.04」の必然 |url=http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090209/185533/ }}</ref> |
* [[長野県]][[栄村]] 「道直し」事業(全国過疎地域自立促進連盟会長賞 受賞)<ref name="nochu">{{Cite journal|和書|url=http://www.nochuri.co.jp/report/financial/2221.html |journal=農中総研 調査と情報 |date=2008-1 |volume=4 |title=協働で守る農地・道路 - 長野県栄村 - |author=木村俊文 |publisher=株式会社[[農林中金総合研究所]] |issn=1882-2460 }}</ref> | * [[長野県]][[栄村]] 「道直し」事業(全国過疎地域自立促進連盟会長賞 受賞)<ref name="nochu">{{Cite journal|和書|url=http://www.nochuri.co.jp/report/financial/2221.html |journal=農中総研 調査と情報 |date=2008-1 |volume=4 |title=協働で守る農地・道路 - 長野県栄村 - |author=木村俊文 |publisher=株式会社[[農林中金総合研究所]] |issn=1882-2460 }}</ref> | ||
2018年5月20日 (日) 14:15時点における版
道路(どうろ、ラテン語 strata、 フランス語 route、ドイツ語 Straße、英語 road)について解説する。
目次
概要
道路とは人や車両などが通行するためのみち[1]、人や車両の交通のために設けられた地上の通路[2]である。
英語のroadは道全般を指す言葉である。street は都市部の道路(街路)を意味する言葉として用いられるので、結果としてroadのほうは街と街を結ぶ道を指すことは多い。
道路は、表層・基層・路盤などの舗装体と、それらを支える路床とからなる。
歴史
狩猟採取を行なっていた原始社会では、動物の移動にともなってできるけもの道が狩猟民らによって利用される場合もあった。が、もうひとつの原初的な道は「踏み分け道」である。草地などを人や家畜が往来していると、自然と草が減って土が出た、筋状の「みち」ができる。人類が農耕を始めて集団で定住し、そうした集落間で物の交換や婚姻などが行なわれるようになると人の往来が頻繁になり、歩きやすく、安全で、比較的短い経路を選びつつ、最初は掻き分けるようにして、つまり背の高い草を踏み倒したり邪魔になる枝を折っては進む。が、一旦誰かが歩くとそこは通りやすくなっていて痕跡も残っているので、次に誰かが同じ方面に行く時は、そうした痕跡を辿るようにして歩くことになる。そうして幾人かが同じところを行き来することで自然発生的に道ができる。(現在でも林や森の中でそうした素朴な道は日常的に出来ている。芝生の公園などでも、公園管理者が「道」を作るつもりがなくても、勝手に人々が同じところを繰り返し歩くので自然と芝生が禿げ、土が出た「道」ができる)。
最初の素朴な道は、土が見える状態の道だったわけである。 現在発見されているなかで「最古の道路整備跡」とされることのあるものには、イングランドにある Sweet Track の土手道があり、紀元前3800年ころにさかのぼる。
土の道は、晴天時には特に不自由は無いのだが、雨天になるとぬかるむことになる。泥道になってしまい歩くことが困難になってしまう。それを防ぐために舗装が行われるようになった。
人の手による舗装の最古のものとしては紀元前4000年ころのものが発見されている。 古代のエジプト人は石畳の道を整備し、ギザの大ピラミッドの構築用資材の運搬に用いた。古代の中国人は紀元前1100年代ころ以降、大規模な街道を整えたが、その一部は石畳として整備した。紀元後20年までには、その距離を40,000kmにまで伸ばした。
インカ人たちは伝令たちがアンデス山脈を伝っていけるようなインカの街道を張り巡らせた。マヤ人たちもヨーロッパによる新世界発見以前にメキシコで石畳の道路網を張り巡らせていた。
一方、古代においては、川による移動手段のほうが道路を使うよりもずっと簡単であり、速かった。とくに、道路の建設のためのコストや、手押し車と荷船との運搬量の差が大きかった。道路と水運とを取りあわせたものとして、馬曳き舟といったものとなった。これは、土手沿いの開けた道路上から馬が舟を曳くという形をとっていた。
ローマ帝国は、領域を広げ広大なものとなり、当時の「ガリア」(現在のヨーロッパ)や、アフリカ北部も含むようになるにつれ、地方で反乱が起きた場合には迅速に軍隊(援軍)を向かわせる必要が高まった。そこでローマ市を中心として、広大な領域に放射状にローマ街道を敷いた(そこから「すべての道はローマに通ずる」という格言が生まれた)。敷石舗装を施したもので、驚くことに、その舗装の標準的な厚みは1.0~1.5mにも及ぶ。平坦で、幅が数mほどあり、直線的に道路がひかれていた、しかも両側に一般歩行者用の部分も作っている箇所も多く、これによって軍隊と一般歩行者がぶつからずに進むことができ、非常に迅速に軍隊が移動することができた。「古代の高速道路」と形容されることもある。300年ころからは、馬車の走行を想定したアスファルト舗装によるものもひいた。主に軍事的な目的で整備されたのであり、ローマ帝国の領土の拡大に貢献したわけである。古代ローマの道路は、繁栄に寄与する一方、道路を造れば造るほどその補修費が膨れあがり、帝国が滅亡する原因のひとつともなった。
シルクロードは、貿易のための地上通路として、しばしば言及される。
イギリスにおける道路建設とその整備は、地域の教区単位で行われた。このため、貧弱で多様な道路状況となった。1706年ころには、これを改良するために初の関所が作られ、通行する車両から料金を徴収した。イギリスでは時にはおよそ1100の料金所があり、38,000km強の道路が整備された。
馬による移動の時代には、道路は砂利舗装道路上での最大斜度3%強での整備を目指していた。これは馬が坂道で荷を引き上げるのに平行に近いほうが最も都合が良かったためである。この時代の著名な道路建築家には、フランスのピエーリ・マリー・ジェローム・トレザゲ(1716-1796年)、イギリスのジョン・ロードン・マカダム(1756-1836年)がいる。
産業革命の間、重い荷馬車が道路上に轍をつけてしまう問題への解決として、鉄道が開発された。道路全体を丈夫な表面にしようとする代わりに、荷馬車は鉄道で行くか、もっと丈夫で耐久性の高い素材でつけられた溝の上を行くかするよう制限が加えられた。
現代では、自動車などの車両で移動できるよう、道路はほとんどあらゆる箇所で整備が進んでいる。ほとんどの国で、道路輸送が最もよく使われる輸送手段となっている。また、交通安全と渋滞の解消のために、ほとんどの先進国では、道路をレーンに区切って使用するようになっている。
車両と道路
道路は基本形はただの「ひとつの面」である。 道路には両方向から交通があるので、「すれ違い」が生じる。素朴な形態では、ルールは無いわけだが、それでは「にらみあい」や「衝突」が生じるので、自然と、道の右側を進むのか左側を進むのか、という習慣・ルールの類ができるようになる。
欧米では、基本的に右側を進むということになった。イギリスと日本では左側である。
同じ方向でも、歩行者、馬車などは区別したほうが良いということになる。馬車などは道の中央を走り、歩行者は道の端を歩くということになった。古代の道では、馬車用に意図的に「レール状」にくぼみを作ってある道もある。
歩行者用には高さの異なる面を用意する、ということも行われるようになった。
車両と人が同時に通行すると、悲惨な事故が起きる確率が増す。人と車両を分離すると、人も安心してリラックスして歩くことができ、自動車も安心して高速に運転することができる。 市街地の繁華街では車を一切入れず、道路をすべて歩行者専用としているところもある。逆に、 自動車専用道路では、原則 自動車以外の走行を禁じることで、高速走行を可能にしている。
現代の日本の道路も、一定程度の幅がある場合は、自動車が通過するための車道と、歩行者が通行するための歩道とに区分されている。区分のしかたは様々で、柵で区切る方法もあり、高さを変える方法もある。
欧米では、現代、自転車に乗る人が多いので、道路は、自動車用、自転車用、歩行者用の3つに区分されることがかなり一般的になってきている。日本は対応がまだまだ遅れていて、そうした3区分は徐々に増やしつつある状態である。
自動車が普及するにつれ、無謀運転をする者がいることや、事故の被害者が出ることが次第に問題になり、速度制限が行われるようになった。道路標識が設置されるなど、法整備も進んだ。
道路の機能
現在の道路の地下空間には水道管やガス管など、地上には電線や電話線などのライフラインも敷設されるようになった。都市部では道路の掘り返しを避けるため、これらのライフラインを一括して収容する共同溝というトンネルが道路の地下に作られることもある。また、地下鉄は道路の地下を通過することが多い。
歴史的に、都市と都市を結ぶ道路(道:road)と違い、欧米の都市内部の道(街路:street)は廃物処理の場所でもあった。古代ローマ時代は道の真ん中に水を通し、排泄物などの汚物を流していた(ポンペイ遺跡など)。そのため、道の真ん中が両側の町家より数段低くなっていて両側を飛び石状の道渡しで渡る。また、馬車もこの水路の中を通行する。また地下下水道の無かった近世のパリではゴミや汚物を街路に捨てていたのは有名な話である。 ハイヒール も参照
道路と住居表示の関係
欧米では、 道路(英:Street、独:Straße)は住居表示の基礎となっている。欧米では発想では、基本的に「住所」というのは、道路に結び付けて(概念的にぶらさげて)理解されるものであって、そうした理解のしかたが標準的なのである。
街路を挟んで両側が同じ街路名を共有しており、住居表示となる。いくつか番号の振り方があり国によって異なるが、ひとつの方法は、道の片側は奇数で統一し、反対の片側側は偶数で統一するというものである。数字が小さいほうから大きいほうへ、順番に敷地が並ぶ。それによって郵便配達人が簡単に配達できたり、土地勘の無い人が訪問することが簡単にできる。郵便配達人なら、郵便物に書かれている宛先の通りの名前を見て、その通りまで行き、あとは末尾の数字を見て、まず奇数か偶数かを読み取りそれによって道のどちら側か判断し各家の前などに表示されている数字を確認しつつ進み数字が一致したところでポストに投函すればよい。
土地が分割されたり家が増えた場合の対処法について説明する。片側に1,3,5,7,9...などと最初に通し番号が振られているわけであるが、例えば3の家・土地の権利が二つに分割されたら、「3-a」「3-b」などとする。これによって他の「1」「5」「7」..などの番号を振られた土地は番号が変更されずに済む。
日本の京都でも一部で街路が住居表示の基礎になっている。(京都:「~(条)通を上ル下ル」など)
日本では、街路の両側が1つの町名を共有していたが、1962年から住居表示に関わる法律が施行されると、新しく付けられた町名地番は道路に囲まれる街区単位で住居番号を付けるようになったが、現在でも大阪市中央区の一部では街路の両側を単位とする町名が残っている。[3]
日本と道路
日本の法律上の定義
日本の法律上の定義としては、道路法、道路交通法、建築基準法などの法律が、それぞれ道路の定義を定めている。
- 道路交通法の「道路」
道路交通法第2条第1項は、以下の3つに該当する場合を道路としている。
- 道路法第2条第1項に規定する道路(いわゆる公道)
- 道路運送法第2条第8項に規定する自動車道(専ら自動車の交通の用に供することを目的として設けられた道で道路法による道路以外のもの)
- 一般交通の用に供するその他の場所
「一般交通の用に供するその他の場所」とは、公道や自動車の交通のために設けられた道以外で、現実の交通の実態から道路とみなされる土地のことをいう。不特定の人や車が自由に通行することができる場所で、現実に通行に使用されている場所が該当する。そのため、一般に道路としての形態を有していなくても該当する場合があり、私有地であるか公有地であるかは関係がない。具体的には、農道、林道、赤線が該当し、一般の交通に供用されていれば、私道、広場、公園、河川敷、地下街等も含まれる。
「一般交通の用に供するその他の場所」に関する通説・判例は下記のとおり。
- 私有地であっても、不特定の人や車が自由に通行できる状態になっている場所は、「一般交通の用に供するその他の場所」である。(昭和44年7月11日最高裁判所第二小法廷判決・昭和43(あ)1407 )
- 「一般交通の用に供するその他の場所」とは、それが一般公衆に対し無条件で開放されていることは必ずしも要しないとしても、「現に一般公衆及び車両等の通行の用に供されていると見られる客観的状況のある場所であって、しかも、その通行をすることについて通行者がいちいちその都度管理者の許可などを受ける必要がない場合をいう。(仙台高等裁判所昭和38年12月23日判決)
- 管理者が一般交通の用に供することを認めていない場合、つまり、通行につき管理者の許可を要し、しかも客観的にも不特定多数の者の交通の用に供されているとみられる状況にないときは、道路としての要件に欠く。(東京高等裁判所昭和45年6月3日判決)
- 道路法の「道路」
道路法第2条第1項および第3条は、一般交通の用に供する道で、以下の4つに該当するものを道路としている。
トンネル、橋、渡船施設、道路用エレベーター等の道路と一体としてその効用を全うする施設・工作物、および、道路の附属物で当該道路に附属して設けられているものも、道路に含むとしている。
いわゆる公道であり、道路構造令による幅員・構造などの基準が定められている。
- 道路運送法の「道路」
道路運送法第2条第7号は、以下の3つに該当するものを道路としている。
- 道路法による道路
- その他の一般交通の用に供する場所
- 自動車道(専ら自動車の交通の用に供することを目的として設けられた道で道路法による道路以外のもの。一般自動車道と専用自動車道の2つがある)
- 建築基準法の「道路」
建築基準法第42条は、以下の1〜5に該当する場合を道路とし、6に該当する場合を道路とみなしている。
- 道路法の道路(国道、都道府県道、市町村道)で、幅員4メートル(一部区域では6メートル)以上のもの
- 都市計画法、土地区画整理法、旧住宅地造成事業に関する法律、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅および住宅地の供給の促進に関する特別措置法、密集市街地整備法に基づいて造られた道路で、幅員4メートル(一部区域では6メートル)以上のもの
- 建築基準法施行時または都市計画区域編入時にすでに存在していた道で、幅員4メートル(一部区域では6メートル)以上のもの
- 道路法、都市計画法等で新設か変更の事業計画がある道路で、2年以内に事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定した幅員4メートル(一部区域では6メートル)以上のもの
- 土地を建築物の敷地として利用するため、道路法、都市計画法等によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、道路の位置について特定行政庁の指定を受けたもので、幅員4メートル(一部区域では6メートル)以上のもの(位置指定道路)
- 上記にはいずれも含まれないが、建築基準法第42条第2項〜第6項に基づき特定行政庁が指定したため、道路とみなされるもの(42条2項道路、42条3項道路など)
公道以外に位置指定道路(私道参照)なども含む。それ以外のものは、建築基準法上は「道路」とは位置づけられず、建築基準法関連においては「通路」「道」などと呼ばれる。
なお、建築基準法43条の接道基準を満たさないが、同条但書に基づき特定行政庁が建築許可を出した場合の道路について、「但し書き道路」と言われる。
- その他の法律
このほか、不動産登記簿上の地目の一種として、「公衆用道路」というものがある。一般交通の用に供する道路のことを指し、公道・私道を問わない。
道路と一体となって利用される橋やトンネル、横断歩道橋や横断地下歩道などの施設も含む要出典。
外国語表記
住民参加型の道路直営施工
近年では自治体財政の情勢悪化により、生活道路については機材・資材を自治体が提供し、施行は住民が自ら工事する事業が注目されてきている。
栄村のケースでは、外部発注するのと比べ費用を1/2〜1/3に抑えられている[4]。
用語
- 認定道路:都道府県道、市町村道等で道路法が適用される道路。
- 特定道路:幅員15m以上の道路をいい、前面道路が70m以内で接続していれば、容積率が緩和される。
- 前面道路:建築基準法第43条で規定される、建築物の敷地に2m以上接する道路。
脚注
- ↑ デジタル大辞泉
- ↑ 広辞苑第六版「道路」
- ↑ 太閤下水(背割下水)が街路に面して建つ家屋の間を通っており、それが町名の区分となっている
- ↑ 4.0 4.1 木村俊文 (2008-1) 木村俊文 協働で守る農地・道路 - 長野県栄村 - 農中総研 調査と情報 4 株式会社農林中金総合研究所 2008-1 1882-2460
- ↑ (2005-8) 農家・地域住民等参加型の直営施工推進マニュアル 農水省 2005-8
- ↑ (2009-02-10) 日本の未来が見える村 長野県下條村、出生率「2.04」の必然 日経ビジネス 2009-02-10
関連項目