ZERO (暴走族)
概要[編集]
東京都品川区大井が発祥。東京都の中央部から城南地区、神奈川県の横浜市などに支部があった。歴史は古く、暴走族がカミナリ族と呼ばれていた1969年に結成された伝統あるチームである。なお名称は旧日本軍の戦闘機「零戦」から取られている。
特に規模が大きい暴走族であり、警視庁の調べでは1977年(昭和52年)の構成人数は、スペクターの約700人に続いて都内2位の約600人であった。そのためZERO単独で「ZERO連合」(GROUP ZERO、零連合會)を名乗ったりもしている。1973年に誕生した暴走族の巨大連合体「全日本狂走連盟」の中核チームとなる。70年代後半から80年代にかけて大幅な道路交通法の改正があり、暴走族の大規模な活動が出来なくなった後も、試行錯誤し定期的な集会を行うことで暴走族としての矜持を誇示し続けた。
いわゆる走り屋系のチームであり、常に抗争しているような武闘派ではなかったが、死傷者を出す大きな事件を何度も起こしている。1977年(昭和52年)には警視庁から、日常的に暴力事件を起こす暴走族グループ「凶悪7団体」として、「スペクター」「ブラックエンペラー」「マッドスペシャル」「キラー連合」「ルート20」「極悪」と共に広域指定暴走族と発表され、厳しい取り締まりの対象となった。
都内に総本部があるということもあり、都会的でハイセンスな暴走族としても評価され、各支部には「ZEROの詩」から漢字一文字を取ってチーム名に付ける、誌的なネーミングも特徴的であった。
地方ではZEROに憧れる不良少年が、デタラメな漢字をつけて勝手にZEROの支部を名乗っていた例もあったという。
ZEROの詩[編集]
- 神の情けか仏の慈悲か 忍ぶ想いを闇夜に隠し
- 鬼は涙で花咲かす 恋の炎で燃え尽きようと
- 龍に虎にと姿をかえて 嵐吹く如く走り抜き
- 世間の風にさらされたとて 紅の血燃ゆる限り
- 殉義報国一心不乱に 菊の御紋を守り抜く
- これが俺達ZERO特攻精神
各支部[編集]
- 大井ZERO(総本部)
- 荏原ZERO神
- 北品川ZERO忍(品川ZERO忍)
- 大森ZERO鬼
- 蒲田ZERO龍
- 池上ZERO炎
- 大岡山ZERO嵐(御嶽ZERO嵐)
- 渋谷ZERO霊
- 外苑原宿ZERO渚(代々木八幡ZERO渚)
- 千歳船橋ZERO乱
- 赤坂ZERO基
- 六本木ZERO拠
- 根津ZERO闇
- 亀戸ZERO虎(城東ZERO虎)
横浜市のZERO支部は濱零(ハマゼロ)とも呼ばれる。
- 大倉山ZERO風
- 東神奈川ZERO紅
- 保土ヶ谷ZERO菊
- 横須賀ZERO星
- レディース
- ZERO光
他多数。
爆音列島[編集]
『爆音列島』(ばくおんれっとう)は髙橋ツトム作の暴走族漫画。講談社の『月刊アフタヌーン』にて2002年から2013年まで連載されていた。単行本全18巻。
1980年代初頭の品川区が舞台で、当時の社会風俗などが濃厚に描写されているのも特徴。主人公の加勢高志が所属することになる暴走族「ZEROS」(ゼロス)はZEROがモデル。作者の髙橋ツトムは「荏原ZERO神」のOBであり、自伝的な作品であると語っている。