萌えアニメ

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萌えアニメ(もえアニメ)とは魅力的なキャラクターによって主に視聴者の萌えを刺激するようなアニメを指す。

広義では、受け手が「萌え」を刺激されるアニメ全般を指す。狭義では、作り手が「萌え」を意図しているアニメを指す。ただし、「萌え」そのものの内容自体が千差万別なので、この用語の意味する処は使用者の主観に依拠している。よって、この用語の定義は極めて曖昧である。

概要[編集]

「萌えアニメ(狭義)」は2003年頃から増えてきたアニメの類型の一つである。2004年頃には大部分は深夜で多く放送されていたが、2006年頃には首都圏で放送される分は独立UHF局で放送される場合が多い(2006年前期放送の64本中、半数以上が独立UHF局である)。理由は数千万に上る制作費がかかるにも拘らず、視聴率が数%しか取れないこと、特定ユーザーによるDVD・関連グッズの売り上げが主な収入源なためである。ただし、最近は少子化の影響もあってかキー局の朝・夕方枠で放送される作品も少数ながらある。
「萌え」は主として微細な要素に求められることが多い。それは、登場人物の容姿(メガネメイド服など)や人格設定(天然など)であったり、自己を投影する主人公との人間関係(「ツンデレ」など)であったりする。そのため、狭義の「萌えアニメ」は魅力的なキャラクター作りや共感しやすいエピソードが重視され、物語のバランスやリアリティなどはあまり重要視されない傾向がある。
また、「萌えアニメ(広義)」は冒頭に挙げた事情から、明確な定義を与えることさえ困難であり(同等に、一例を以て「『萌え』の定義とする」ことも難しい)、それは、登場するキャラクター(嗜好によってはメカ等の非生物の場合も)に対する萌えという極めて個人的主観的な感情を以てその定義としているため、人によって何が「萌えアニメ」に該当するのかということがまちまちになってしまうからである。しかし、「受け手の意図」「作り手の意図」という側面から、後述する3つの場合に分類する事はできる。

受け手の意図で「萌えアニメ」になってしまった場合(広義には含まれるが、狭義には含まれない類型)
例えば、『カードキャプターさくら』(NHK)、『おジャ魔女どれみ』、『ふたりはプリキュア』(ABC)や『コメットさん☆』(テレビ大阪)といった幼児向けアニメ若しくは少女向けアニメなどを、本来ターゲットとしている層から外れた少年や大人がキャラクターの魅力に「萌え要素」を感じとって「(自分たちにとっての)萌えアニメ」と考える場合がある(この場合、幼児向けアニメを「萌えアニメ」に分類するべきではないとの批判があるが、それは定義の問題である)。
作り手が「萌えアニメ」を意図して制作する場合(狭義に含まれる類型)
一方で最近増えているものが、このような「萌えアニメ層[1]」を最初からターゲットとして意識した作品である。これらは少女向けアニメに近い作品(『ギャラクシーエンジェル』(テレビ大阪)など休日朝に放送されるものもある)から成人アニメ並みの性表現があるものまで多種多様である。前述した『どれみ』や『コメットさん☆』といった作品ではキャラクター描写の単純化が著しい一方で、こちらに属する作品の女性キャラクターは大抵の場合セックスしたいアピールが強めに描かれているなど、ジャンル面だけではなく、ビジュアル面での隔たりも極めて大きい。
作り手が暗に「萌えアニメ」を意図している場合(境界線上にある類型)
少女向けアニメを模した「萌えアニメ」がこれに該当する。最近の、『おねがいマイメロディ』(テレビ大阪)や『おとぎ銃士赤ずきん』(企画が深夜アニメであったが、女児向けに変更)『出ましたっ!パワパフガールズZ』(テレビ東京)のように、表向きは「少女向けアニメ」だが、実際には「萌えアニメ層[1]」へのターゲット意識も伺える作品も増えつつある。健康優良美的な要素がちりばめられた健全な萌え、または表向きのターゲットに微妙にそぐわないブラックな描写が特色である。
  1. 1.0 1.1 ここでいう「萌えアニメ層」とは、アニメに「萌え」を求める層

問題点[編集]

キャラクターとしての問題
最近の萌えアニメはハーレムアニメという女性が大量に登場するものがあるように、女性キャラクターの登場頻度が極めて高くなっている。逆に、男性キャラは脇役どころか、アニメ雑誌などの表紙やキャラ紹介からも追いやられる傾向にある。そのため、少年キャラをもっぱら女性声優が担当することも含めて、若手男性声優の育成が妨げられている原因の一つだとされ(しかもいわゆる「イケメン声優」が相手役の男子キャラを担当することが多い)、男性声優の高齢化と活動の場を狭める原因ともされている。また、女性キャラの記号化同様、男性キャラの記号化・画一化も指摘される。
ストーリーとしての問題
萌えアニメはストーリーではなく記号化したキャラクター重視による作りが多い。近年製作された萌えアニメの多くはブームに便乗された結果、ストーリーがどこかで見た「学園ラブコメ」や「超能力バトル漫画」ような感じが否めず食傷気味になっているのが現状である。そのため萌えだけをテーマとした中身のないアニメが多くなったという批判も少なくない。

関連項目[編集]


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