花鳥背八角鏡
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花鳥背八角鏡(かちょうはいのはっかくきょう,)は奈良県奈良市の正倉院にある花鳥文様の銅鏡である。
概要[編集]
北倉に残る18面の鏡の一つで、国家珍宝帳に記載されている品である。 「八角鏡一面重大五斤十三両 径一尺一寸三分花鳥背 緋絁帯 漆皮箱緋綾嚫盛」 当初に付属していた緋絁帯と漆皮箱緋綾嚫盛は失われている。
形状[編集]
外形は花形、葡萄を咥えた二羽の鳥が旋回するように舞う。鳥の図柄は唐の時代に流行した模様という。二羽のうち一羽は両羽を大きく広げ、一羽は翼をたたんで振り返る。鳥には珠を連ねた首輪がかけられる。鳥はオウムとされてきたが、鳥類の専門家によりホンセイインコとの指摘がある[1]。 背面に鈕を挟んで、綬をくわえた鳳凰・獅子・麒麟を鋳出した鏡[2]。白銅製で、 756年に献納された中国製の鏡で「葡萄の枝を銜え頸から綬帯をなびかせた二羽の鸚鵡」が描かれる。 本品の組成は銅70%、錫25%、鉛5%の青銅鏡である。
盗難[編集]
『東大寺続要録』に鎌倉時代1230年(寛喜二年)に正倉院に泥棒が入り、銀と思って盗んだが、割って調べると白銅製とわかり、八面の鏡が破砕され大破した。東大寺の境内に置いていかれたという。1894年(明治27年)の修理で当初の姿に復元された。
管理[編集]
- 管理番号「北倉 42 14号」。
- 形状:径33.6cm 縁厚0.8cm、重3844.8g。