休日
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休日(きゅうじつ)とは
- 業務・授業などを休む日のこと。休暇(きゅうか)とも言う。
- 業務・授業などを休む人が多い日のことで、自らが休むか否かに関係なく用いられる。日曜日や祝祭日などを指す場合が多い。対義語は平日。
- 日本において、「国民の祝日に関する法律」で定められた休日のこと。国民の祝日・振替休日・国民の休日の3種類がある。
目次
概要[編集]
「休日」と「休暇」については、使用する場面によって意味が異なる。日常会話においては、毎週定期的にあるものを休日と呼び、比較的長期のものを休暇と呼ぶことが多い(例:夏期休暇・年末年始休暇)。
日本の労務管理上は、休日と休暇という表現は明確に区別され、休日は就業規則や労働基準法に基づき週1回以上(又は4週に4日以上)与えられるものを指し、休暇は勤務日と定められた日に使用者の許可を得て、または労働者が指定して休むことを指す。休暇には、労働基準法で有給と定められているもの(例:年次有給休暇)と、有給にするか無給にするかは使用者の裁量に任されているもの(例:生理休暇)とがある、とされ、日常会話での表現とはズレがある。
学校の休日は授業も休みとなる。なお、土日週休二日制において、土日以外の2日以上連続した休日のことを連休(れんきゅう)ということがある。
世界の休日・休暇[編集]
世界でも最高水準の休暇の過ごし方をしている国民はフランス人である。フランス人のほとんどは連続4週間程度の長期休暇を取得し長期滞在型の休暇を楽しんでおり、各国で憧れの的となっている。日本でも長期休暇がフランス風にバカンスと呼ばれたりしている。
欧州連合に属する国では、おおむね4週間程度の休暇(休日)が与えられていることが多い。
世界の多くの国で日曜日を政府の休日としており、そのほかに国が定めた祝日も休日としていることが多いが、土曜日も休日としている国が多い。会社や学校で創立記念日などを、独自に休日としていることがある。
世界の休暇日数[編集]
国名 | 法定日数 |
---|---|
フランス | 7週間(5週間と2週間の変則休日) →バカンスも参照可 |
スウェーデン | 5週間 |
オーストリア | 5週間、高齢労働者は6週間 |
フィンランド | 5週間 |
アイルランド | 4週間と祝日9日 |
ドイツ | 日曜日を含まない24日間と祝日9~13日 |
スペイン | 暦で30日 |
ペルー | 暦で30日 |
チュニジア | 30営業日 |
欧州連合 | 4週間、数カ国はそれ以上 |
オランダ | 4週間 |
スイス | 4週間 |
チェコ | 4週間 |
ニュージーランド | 4週間(2007年4月1日から) |
オーストラリア | 特に規定はないが4週間くらいが標準的、有給で長期休暇がある |
イギリス | 暦で20日と祝日8日 |
ノルウェー | 25営業日 |
ウクライナ | 暦で24日 |
南アフリカ | 連続21日 |
ベルギー | 有給で20日 |
ブラジル | 連続20日 |
ポーランド | 平日20日、10年働いたら26日 |
ブルガリア | 平日20日 |
ハンガリー | 20営業日 |
ルーマニア | 最低20営業日 |
日本 | 病気欠勤を含む有給18日、公式には5週間(過労死問題に対応)要出典 |
バハマ | 1年働いたら2週間、 5年目からは3週間 |
チリ | 15営業日 |
プエルトリコ | 15日 |
サウジアラビア | 15日 |
ベネズエラ | 有給15日 |
パラグアイ | 2週間 |
コロンビア | 2週間 |
エクアドル | 2週間 |
ウルグアイ | 2週間 |
イスラエル | 14日 |
アルゼンチン | 暦で12日 |
トルコ | 12営業日 |
ベトナム | 10営業日 |
カナダ | 10営業日、地方政府の決定 |
アメリカ | 特に規定はないが7~21日位が標準的、 一般には10営業日 |
韓国 | 10営業日 |
メキシコ | 1週間 |
香港 | 7日 |
シンガポール | 7日 |
台湾 | 7日 |
中国 | 規定無し |
日本における休日[編集]
日本の国民の祝日・休日[編集]
国民の祝日に関する法律(第3条)では休日を以下のように定めている。
- 「国民の祝日」は、休日とする。(国民の祝日)
- 「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日の後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。(振替休日)
- その日の前日及び翌日が「国民の祝日」である日(日曜日に当たる日及び前項に規定する休日に当たる日を除く。)は、休日とする。(国民の休日)
ちなみに「祭日」という言葉は、現行法施行により廃止された「休日ニ關スル件」(昭和2年勅令第25号)における用語であり、現在の法令上は存在しないが、一般にはまだ使用されている。また、地域によっては地元の祭りの日を指すこともある。なお、民間における休日はこれらの法律にではなく、労働基準法で抽象的に規定されているにとどまる。
日本の公的機関における休日[編集]
国家機関の休日に関する法律[編集]
日本では、以下の法律で、国家機関の休日が規定されている。
- 国会に置かれる機関の休日に関する法律
- 裁判所の休日に関する法律
- 行政機関の休日に関する法律
これら3つの法律では、休日を以下のように具体的に定めている。
- 日曜日及び土曜日
- 国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日
- 12月29日から翌年の1月3日までの日(前号に掲げる日を除く)
地方自治法では上記休日を基本に各自治体で週休日を定めるとしている。
具体的状況[編集]
国の行政機関及び裁判所、国会に置かれる機関、地方自治法に関しては、日曜日、土曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日、1月2日・3日、12月29日~31日(御用納めの翌日~御用始めの前日)が休日とされ、国の行政庁に対する申請・届出等や、司法行政に関する事項についての裁判所に対する申し立て・届出等については、法定の期間をもって定められた期限が国の行政機関・裁判所の休日にあたるときは、原則として当該休日の翌日をもってその期限とみなされている(行政機関の休日に関する法律、裁判所の休日に関する法律)。
なお、市町村役場では、出生届や死亡届などの受付の関係から、24時間体制で宿直者が常駐しているといわれている。その他、官庁によっては、休日とされる日でも業務を行っているところもある。
訴訟における休日の取扱[編集]
訴訟法上の期間については、その期間の末日が日曜日、土曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日、1月2日・3日、12月29日~31日に当たるときは、その翌日をもって満了とし(民事訴訟法第95条第3項)、またはこれを算入しない(刑事訴訟法第55条第3項)。民事訴訟においては、やむを得ない場合を除いて、一般の休日に期日を指定することができず(民事訴訟法第93条第2項)、執行官は執行裁判所の許可がなければ休日その他の一般の休日及び午後7時から翌日の午前7時までの間は、その職務を行うことができない(民事執行法第8条第1項)など、休日に特定の行為をすることが原則として禁止されている。
健康保険での医療機関における休日の扱い[編集]
健康保険での医療機関における休日の扱いは、また異なっており、前述の公的機関における休日から土曜日を除外した日である。
保険医療機関において土曜日を通常休診としている場合には、保険者にとって休日扱いとはならないことに注意する必要がある。あくまでも国民の祝休日のみ休日扱いとなる。役所にとって休日でも保険医療機関(特に民間)は土曜日の午前6時から午後10時までは、たとえ急患を診療しても保険者に対しては平日扱いとなる(土曜日の日中に急患で診療しても保険者側には平日扱いされる。診療側は保険者に休日加算を請求はできない。ただし、患者に対しては事前に合意のある場合にのみ初・再診料の時間外加算部分だけは10割負担で患者自身に請求はできる)。
逆に、近在の診療所で、日曜日のある時間帯(例・午前9時から正午まで)が診察日となっている場合、その時間帯に診察してもらっても休日加算されない。ただし、地域の輪番制で当番となっている場合などでは休日加算される。
道路標識等における休日[編集]
道路標識及び道路標示にある「休日」という表示は、以下の省令によって定めている。
- 道路標識、区画線及び道路標示に関する命令
- (昭和三十五年十二月十七日総理府・建設省令第三号)
- 最終改正:平成一八年二月二〇日内閣府・国土交通省令第一号
- 「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令 別表第二」備考の二の(一)の2
「日・時間」を表示する補助標識において国民の祝日に関する法律に規定する休日を示す場合にあっては、「休日」と表示する。
労働基準法における休日[編集]
労働法上における休日は、労働者が労働契約上、労働する義務を免除された日のことをいう。
労働基準法第35条では、使用者は労働者に対して、少なくとも週に1回の休日を与えなければならない(法定休日)(第1項)。ただし、4週間を通じ4日以上の休日を与える場合(変形週休制)については、第1項の規定は適用しない(第2項)としている。週あたり法定休日を超えた日数の休日を法定外休日とよび、法定休日とあわせて所定休日と呼んでいる。 この意味で週休日は、祝日法で定める休日や一般的な休日(日曜日、お盆、年末年始など)と必ずしも一致する必要はない。
原則として、法定休日には労働させることはできないが、災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合(労働基準法第33条)や労働者の過半数の加入する労働組合又は労働者の過半数を代表する者との協定(労働基準法第36条による協定。いわゆる三六協定)を締結、行政官庁に届け出ることにより法定休日に労働させることができる。 同法にいう法定休日に労働者を働かせた場合には、使用者は3割5分増しの割増賃金を支払わなければならない(労働基準法第37条第1項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令)。一方、法定以上に与えている休日(法定外休日)における労働は、週あたりの法定労働時間を超過しない限り、賃金に割増を加算しなくともよく、日または週あたりの法定労働時間を超過してはじめて、時間外労働として2割5分増しの割増賃金が発生するにすぎない。
また、同法にいう休日とは別に、法令に従い年次有給休暇を与えなければならない。労働義務のある日を休むことを「休暇」という。
前勤務日の終了までに休日と労働日を入れ替えることを休日の振替と言う。休日から労働日となった日の労働については休日労働の割増の対象にならないが、週あたりの法定労働時間を超過した時間については時間外労働となり、割増が発生することがある。 この手続をせずに労働させた場合、休日出勤として割増対象になり他の労働日を代休として与えても、割増の支払を免れえない。代休は使用者が、または労働者が日を指定して労働を免除する。ただし代休は必ずしも与えなくてもよく、代休の賃金は就業規則等に定めるところによる。
また、一般的な休日・週休とは別に企業の創立記念日、メーデーなどを各企業において独自に休日と定めることがある(会社休日《社休》、特別休日《特休》などともいう)。
交通機関における休日[編集]
鉄道や路線バスのダイヤは、週休二日制が普及する1970年代以前は、平日の月曜日~土曜日は平日ダイヤ、日曜日と祝日は休日ダイヤ(日本の場合、朝~夕方まで、平日日中と同様の運行パターン)で運行されていたが、週休二日制の普及により、都市圏では1980年代以降に土曜ダイヤ(主に夕方の運行本数の削減)の新設を経て、1990年代以降は休日ダイヤに統合された路線が多い。ただし、郊外では現在でも土曜日を平日ダイヤに準拠して運転している地域も多く、比較的都心に近い地域では平日ダイヤと休日ダイヤが混在した土曜ダイヤ(朝は休日ダイヤ、それ以外は平日ダイヤ)となっている路線もある。
鶴見線、和田岬線、名鉄築港線など、工場への通勤が主体となる路線では、休日に極端に本数の減るダイヤとなっている場合がある。欧米の都市圏通勤路線では特にこの傾向が強く、休日には全く運行されない路線もある。
路線によっては現在も土曜日を独立したダイヤにしているところもある(京王井の頭線など)。週休二日制が普及したとはいえ、私立の学校や病院/医院等では、土曜日に午前中だけの授業や診察を行なっているところもあり、利便性を考慮している。
なお、日本では、年末年始や旧盆前後の期間は、休日ダイヤで運行される場合が多い。
日本の休日の歴史[編集]
江戸時代以前[編集]
休日という概念自体が存在せず、盆や正月、祭礼の日などだけに仕事を休んでいた。ただし、官吏に限っては律令制の時代から定休日などの休暇(假)があった。
明治時代~戦前[編集]
当初は、1868年(明治元年)9月の太政官布告により、31日を除く1と6のつく日を休日としていた。(五十日参照) しかし、欧米との交易等で不便があったため、1876年(明治9年)3月12日、欧米と同じ仕組みに改めて、土曜日の午後と日曜日の終日を休日とするようになった。
祝日は、当初は節句や盆などであったが、1873年(明治6年)太政官布告第344号「年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム」によって、それまでの祝日はすべて廃止され祝祭日(祝日大祭日)が定められた。祝祭日のほか、いくつかの記念日(地久節、海軍記念日、陸軍記念日など)が休日とされていた。
戦後[編集]
- 国民の祝日
- 1948年(昭和23)年、国民の祝日に関する法律(祝日法)の制定により、それまでの祝祭日を廃止し、新たに国民の祝日が定められた。
- 振替休日
- 1973年の祝日法改正により、国民の祝日と日曜日が重なった時、その次の日を休日(通称「振替休日」)とするようになった。
- 国民の休日
- 1985年の祝日法改正により、国民の祝日に挟まれた平日は休日(通称「国民の休日」)とするようになった。
週休二日制[編集]
1980年代頃より、土曜日を休日とする週休二日制(週五日制)が広く採用されるようになった。これにより、週末は2連休、振替休日やハッピーマンデー(2000年から開始された、特定の月曜日を祝日とする制度)がある場合は3連休となる。ただし企業によっては、日曜日を含めて「週に2日分の休日」という考え方から、祝日が含まれる週には土曜日を勤務日とするところもある。また、一部の土曜日を夏・冬などの長期連休に移すところもあり、その場合は週によって「週休1日」となる。
1989年2月4日から銀行など金融機関の土曜日の窓口業務を中止(1983年8月から1989年1月までは第二土曜日のみ窓口業務を中止、他の土曜日は午前中のみ窓口業務を行っていた)、1992年5月1日から国家公務員の完全週休二日制を実施した。2002年度から、公立学校でも土曜日を休日とする完全学校週5日制が実施された(それまでは第二、第四土曜日のみが休日となっていた。第二は1992年9月以降、第四は1995年度以降)。
学校の場合、休日が週2日になることより「勤務日・授業日が週5日になる」ことを前面に出し、「週5日制」という表現をしている。
大学では国公立大学のすべてと一部の私立大学で週5日制となっている。
表記について[編集]
前述のように、日本では以前は祝日と祭日が存在したが、現在は法律に定める祭日は存在せず、祝日のみが存在する。
よく、商店や病院の看板等に「祝祭日は休業」などと表示してあるのを見掛けるが、不正確な表現であり、法的には「休日」であるが、むしろ、この場合の祭日とは地域の祭典などであることが多い。
「平日」「休日」と二分しての記述の場合、日曜日・国民の休日・国民の祝日を休日、その他の日を平日とするのが通例であったが、昨今の企業、公的機関、学校等の休業状況から土曜日も休日と考える人が多くなったため、土曜日がどちらに含まれるかで非常に誤解を招きやすい。そのため、土曜日を平日に含めない場合であれば、「月曜~金曜」「土曜・日曜・祝休日」と明記する事が推奨される。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 休日の変遷(行政歴史研究会)
- 休暇日ヲ定ム(明治6年太政官布告第2号)
- 年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム(明治6年太政官布告第344号)
- 休日ニ關スル件(大正元年勅令第19号)
- 休日ニ關スル件(昭和2年勅令第25号)
- 国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)
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