下村満子
下村満子(しもむらみつこ、1938年ー)は、日本のジャーナリストである。
東京都出身。慶應義塾大学経済学部卒。ニューヨーク大学大学院修士課程修了。1965年朝日新聞社入社、朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集長、朝日新聞東京本社編集委員を経て1994年よりフリーになる。日本記者クラブ会員、日本外国特派員協会会員。
朝日新聞社時代[編集]
1965年朝日新聞に入社後、英字紙『This is Japan』、『週刊朝日』編集部、朝日新聞ニューヨーク特派員(1980年~1982年)、ハーバード大学ニーマン特別研究員(1987年~1988年)、「朝日ジャーナル」編集長(1990年~1992年)、朝日新聞編集委員(1983年)などを歴任。その間、中近東(1973年)、アメリカ、ヨーロッパ、旧ソ連、中国などを特派員として訪問、多くのインタビューやルポタージュを連載、また日米関係、女性問題、ジャーナリズム問題などにさまざまな問題に取り組むなどジャーナリストとして精力的に活動。1982年には、国際報道に貢献した記者に与えられるボーン・上田国際記者賞を女性としてはじめて受賞する。
「朝日ジャーナル」編集長時代の1991年9月には「朝まで生テレビ」(新・宗教ブーム 『激論!宗教と若者』なぜ若者は宗教に走るのか)にパネリストとして出演、当時のオウム真理教教祖・麻原彰晃に舌鋒鋭く、抉りの利いた質問・疑問を容赦なく浴びせ、麻原を精神的に追い詰める。とくに開始から2時間10分が経過したあたりで、麻原が「朝日ジャーナルも幸福の科学に付いていると」発言したのをきっかけに、それまで発言の少なかった下村は突如、興奮し「冗談じゃないですよ、誰がそんなこと言いました?宗教の頂点に立つ人がそんなに興奮してそんなこと言わなくちゃいけないんですか」、(麻原が遮る)・・・「ちょっと待って!マスコミに出たとか、どこのテレビに出たとかそんなに自分を売り込んでどうしてそんなことが重要なんですか」「私は興奮していない」(麻原)、「いや、してますよ」の応酬になる。さらに10分後、いい足りなかった下村は麻原に対する攻撃を再開、舌戦はぶり返す。「真実を知ってるというあなたが、宗教の最高の地位の人が、なんでそうまで朝日ジャーナルに載せてもらえないとか、世俗的なことにこだわらずに超然としていらっしゃれば・・云々」と激しく攻撃、ここぞとばかりに便乗し挑発を繰り返す田原総一郎とともに最大の見せ場を築く。この発言に対しては、麻原のみならず、「宗教が布教の際、世俗に足を下ろしてもちっともおかしくない」とするパネリストの西部邁や幸福の科学の反感も買い、三者を敵に回しながらそれでも堂々と自分の主張を押し通した。なお、番組冒頭では、”チャネリング、気功、瞑想にも強い関心を持つ”、と紹介された。
フリージャーナリストとして[編集]
日米関係、女性問題、ジャーナリズム、教育問題、国際関係問題などを主なテーマに活躍。また、フリーに転身すると同時に、健康事業総合財団「東京顕微鏡院」理事長に就任。現在は、医療法人社団「こころとからだの元氣プラザ」理事長を兼任。他にも、経済同友会副代表幹事、福島県男女共生センター「女と男の未来館」館長、女性のためのアジア平和国民基金理事、外務省外務人事審議会委員、(株)ルネサンス取締役、東日本高速道路、(株)コンプライアンス委員会委員、(財)舞台芸術センター評議員、(財)資生堂社会福祉事業財団評議員、福島県しゃくなげ大使など多数の役職を務める。
ボランティア活動としては、政治の分野に進出することを目指すための組織「WIN WIN」の副代表を、また各界で活躍する女性たちを支援するための組織ネットワーク「リーダーシップ111」を設立するなど、ひたすら女性の地位向上に努め“女の時代”の先駆者と称される。
2002年には理事長を務める「東京顕微鏡院」が米国初のジェンダーに着目した総合的な女性専門医療機関として、「女性のための生涯医療センターViVi」を立ち上げ、あるべき女性医療を実践したことや、2001年12月に東京で「21世紀の女性と性(ジェンダー)と健康 ~私たちの目指すものと、私たちがなすべきこと」をテーマに、日米メディカルシンポジウムを2日間にわたって開催し、一般の人に対し意識の変革を促すきっかけとなったことなどを理由にコロンビア大学医学部より国際アテナ賞を贈られた。
受賞歴[編集]
- ボーン・上田国際記者賞(1982年)
- 日本翻訳出版文化賞(1987年)
- 米国コロンビア大学医学部アテナ国際賞(2002年)
著書[編集]
- 伊地知裕子インタビュアー(作品社) 1986.12
- 下村満子の大好奇心(朝日新聞社)1991
- イブに生まれて/こんなに違う女の医療と男の医療(健学社) マリアン・J.レガト、山田睦子共著 2005.9
- ありがとうおかげさま (海竜社)2006.2
- MADE IN JAPAN(メイド・イン・ジャパン)―わが体験的国際戦略 盛田 昭、エドウィン ラインゴールド 共著(朝日新聞社)
- 「慰安婦」問題とアジア女性基金 大沼 保昭、和田 春樹共著(東信堂)
ほか多数。
外部リンク[編集]
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