ファイナルファンタジーX
ファイナルファンタジーX | |
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ゲームジャンル | ロールプレイングゲーム(RPG) |
対応機種 | プレイステーション2(PS2) |
開発メーカー | スクウェア(現スクウェア・エニックス) |
運営メーカー | |
発売メーカー | スクウェア・エニックス |
バージョン | |
プレイ人数 | 1人用 |
ソフト媒体 | DVD-ROM1枚 |
稼動時期 | |
運営開始日 | |
発売日 | テンプレート:border2001年7月19日 テンプレート:border2001年12月18日 テンプレート:border2002年1月31日(インターナショナル) テンプレート:border2002年5月24日 テンプレート:border2002年6月4日 |
販売価格 | 2,940円(アルティメットヒッツ) |
利用料金 | |
使用ブロック数 | |
対象年齢 | |
コンテンツアイコン | |
使用可能デバイス | |
必要環境 | |
使用ゲームエンジン | |
使用基板 | |
販売本数 | 約800万本(スクウェア・エニックス公式) テンプレート:border約291万本 テンプレート:border約30万本(インターナショナル) 日本国外:約500万本 |
その他の情報 |
『ファイナルファンタジーX』(-テン、FINAL FANTASY X)はスクウェア(現スクウェア・エニックス)が発売したプレイステーション2用RPG。日本国内では2001年7月19日に定価8,800円(税別)で発売。略称「FFX」「FF10」。また、欧州風の世界観が多いFFシリーズのなかにおいて、本作は東洋風の世界観が多く取り込まれており、異色の作品である。
概要[編集]
2000年1月29日に開催されたイベント「スクウェア・ミレニアム」において、『ファイナルファンタジーIX』、『ファイナルファンタジーX』『ファイナルファンタジーXI』が3作同時に発表されて話題を集めた。
プレイステーション2におけるファイナルファンタジーシリーズ最初の作品である。日本国内販売本数約291万本(インター版、廉価版含む)で、プレイステーション2のソフトとしては初めてダブルミリオンを突破し、同シリーズの人気の高さを伺わせた。
北米では2001年12月18日、欧州では2002年5月24日、韓国では2002年6月4日に発売された。ワールドワイドでは約500万本を売り上げている。
同シリーズとしては初めてキャラクターボイスが採用され、よりドラマチックな仕上がりとなった。プレイステーション2に移っても他を圧倒するグラフィックでユーザーを驚かせた。
なお、本作にはDVD-Video『THE OTHER SIDE OF FINAL FANTASY』が付属している。開発途中の設定資料、天野喜孝のイメージイラスト、主要スタッフや声優のインタビューなどを収録している。
2002年1月31日にアメリカ版を基にマイナーチェンジされた、『ファイナルファンタジーX インターナショナル』が発売されている。定価は7,800円(税別)、販売本数約28万本。システムやイベントが追加され、キャラクターボイスは英語になった(字幕を日本語・英語で選択可能)。アメリカ版の声優へのインタビューやCMムービー、主題歌のプロモーションビデオ、そしてエンディング後のストーリーである『永遠のナギ節』が収録されたDVD『THE OTHER SIDE OF FINAL FANTASY 2』が付属している。
2003年1月16日、オリジナル版が『ファイナルファンタジーX MEGA HITS!』として低価格化・再発売された。定価は4,800円(税別)。
ファイナルファンタジーシリーズはこれまで基本的に各作品が独立した1話完結の形態を取っていたが、本作には同シリーズで初めて物語上での続編となる作品『ファイナルファンタジーX-2』が作られ、2003年3月13日に発売された。
2005年9月8日、オリジナル版が『アルティメットヒッツ ファイナルファンタジーX』としてさらに低価格化されて再発売。定価は税込み2,940円。また、『FFX/FFX-2 アルティメット ボックス』として税込み5,880円にて発売。この両版はCEROレーティング12歳以上対象となっている。
2006年3月17日号のファミ通「読者が選ぶ心のベストゲーム100」で45万ポイントを獲得し、ドラクエシリーズなど数々の名作をおさえ第1位となった[1]。
2007年1月25日、インターナショナル版が廉価版『アルティメットヒッツ ファイナルファンタジーX インターナショナル』として再発売。定価は税込み2,940円。オリジナル版と同じくCEROレーティングB(12歳以上対象)となっている。
主なスタッフ[編集]
- 坂口博信 エグゼクティブプロデューサー
- 北瀬佳範 プロデューサー
- 鳥山求 イベントディレクター
- 土田俊郎 バトルディレクター
- 中里尚義 マップディレクター
- 植松伸夫 サウンドプロデューサー/音楽
- 濱渦正志 音楽
- 仲野順也 音楽
- 野村哲也 キャラクターデザイン
- 杉本浩二 メインキャラクタープログラマー
- 片野尚志 メインイベントプログラマー
- 野島一成 シナリオ
- 渡辺大祐 シナリオプランナー
- 天野喜孝 イメージイラストレーション/タイトルロゴデザイン
- 直良有祐 アートディレクター
- 高井慎太郎 バトルアートディレクター
主題歌[編集]
「素敵だね」
- 作詞・野島一成
- 作曲・植松伸夫
- 編曲・浜口史郎
- 歌・RIKKI
キャッチフレーズ[編集]
私、『シン』を倒します。必ず倒します。(今作のヒロインであるユウナの発言)
システム[編集]
フィールド[編集]
過去のシリーズ全てに存在した自由に動き回れるワールドマップは廃止された。これはワールドマップ上でキャラクター・船・町のシンボルが同じような大きさで表示されるといったファミコン以来の不自然な表現を排除するためだと思われる。
フィールドを歩くうちに隣り合った土地に移動したり、飛空艇のメニューから瞬時に各地へ移動する。
フィールドは完全な3Dで描かれ(一部を除く)、キャラクターの移動に合わせてカメラアングルが変化する。開発中は同時発表されたFFXI同様に視点を自由に回転できたが、画面酔いしすぎてプレイできないという直良有祐の強い要望でカメラの動きが制限され主流になった。自由に回転できる作品で画面酔いするという苦情の多さからも改悪とは言えない面があり、坂口博信のロストオデッセイでも採用されている。
カウントタイムバトル(CTB)[編集]
本作ではそれまでの作品で使用されていたATBを採用せず、CTB(Count Time Battle)という新しいシステムが採用された。ターンの概念がないことはATBと同じだが、誰かが行動している時に全体で時間が停止しているのが最大の違いである。コマンド入力状態となったキャラが何らかの行動を起こした後、そのキャラの待機時間には素早さのパラメータとコマンドに設定された倍率値から算出された次の行動までの時間が設定され、その上で全体の時間が進行する。コマンド選択時に各キャラの行動順番を参照することができ、これを利用して敵の行動に対し予め先手を打つ戦い方を要求されるケースも多い。 このシステムにより、ターン制の概念を破棄しつつ、ATBのように時間に追われることもないため、初心者から上級者まで焦らず戦略的に戦闘を楽しむことができる。 また、戦闘に参加できるキャラクターは3名だが、随時パーティにいる控えのキャラクターと入れ替えることが出来るのも特徴(入れ替え行動にペナルティ要素は無い-ただし、1度でも戦闘に参加して何らかのコマンドを実行しない限り、そのキャラにアビリティポイントが入らないシステムとなっている)。水中でのバトルはティーダ、ワッカ、リュックの3人のみ。他の4人が水中でのバトルに参加できないのが残念だったという意見もあった。
また、戦闘にゆとりができたためか、バトルの数値的スケールが大きくなっており、最大値として、キャラクターのHPが99999、MPが9999、一撃のダメージが99999、と、これまでのシリーズより1桁多い限界値となっている(キャラクターは「○○限界突破」というアビリティ装着時のみ、一部の召喚獣のダメージは後述する"七曜の武器"の成長による)。ただし一撃のダメージだけはそれ以前の作品でも五桁のダメージは与える事が出来るものもあり、全ての攻撃で五桁+表示も五桁となったのは本作品が最初である。
そして本作からボス戦がフィールドと戦闘画面の切り替えがないシームレスバトルになった。主にイベントから自然に戦闘へ繋げるための演出として採用されており、戦闘中もイベントが挿入される事で物語との一体感を出すことに成功している。『XI』以降の全戦闘のシームレスバトル化への橋渡り的な仕掛けとなった。
オーバードライブ[編集]
敵から受けるダメージの蓄積や、HPが減って瀕死状態になる等の条件によって発動可能な特殊技は過去のシリーズにも存在したが、今回「オーバードライブ」と呼ばれるそのシステムは大幅に拡張された。
オーバードライブゲージが最大値になることで強力な特殊技が使えることは同じだが、ゲージの溜まり方は様々なバリエーションがある。以下に挙げるのはオーバードライブタイプと呼ばれるゲージ蓄積条件の一部で、状況によってタイプをうまく使い分けることで効率のよい攻撃が可能となる。
- 修行 - 敵から受けたダメージに応じて蓄積される。
- 闘志 - 敵にダメージを与えることで蓄積される。
- 憤怒 - 仲間がダメージを受けることで蓄積される。
- 慈愛 - 仲間のHPを回復させることで蓄積される。
- 策略 - 敵に不利なステータス変化を起こさせることで蓄積される。
- 窮地 - 不利なステータス変化をさせられることにより蓄積される。
- 華麗 - 敵の攻撃を回避すると蓄積する。
- 悲哀 - 味方が戦闘不能になることにより蓄積される。
- 凱歌 - 敵を倒した際に蓄積される。
- 英雄 - HPがダメージの3倍より大きい敵、もしくは最大HP10000以上の敵を倒すと蓄積される。
- 磐石 - 敵のステータス変化を無効化することにより蓄積される。
- 勝利 - 戦闘パーティーにいる状態で戦闘に勝利することにより蓄積される。
- 恥辱 - 戦闘で逃げた際に蓄積される。
- 対峙 - 自分のターンが回ってきたときに蓄積される。
- 苦闘 - ステータス異常中にターンが回ってくることで蓄積される。
- 危機 - 現在HPが最大の25%以下でターンが回ってくると蓄積される。
- 孤高 - 戦える味方が自分のみの状況でターンが回ってくると蓄積される。
なお発動条件であるオーバードライブゲージの最大値はプレイヤーキャラクター100,召還獣20である
召喚獣[編集]
前作までの召喚魔法は、美麗なグラフィックが名物となった一方、発動時間が長いことや、ゲーム終盤になるとあまり役立たないといった欠点が指摘されていた。本作で召喚獣の役割は大幅に変わり、上記の欠点を完全に解消した。
ユウナがバトル中に召喚すると、3人のキャラクターに代わって攻撃・魔法などの行動を行う。全般に召喚獣はキャラクターより能力値が高く、ほぼ全てのステータス異常が無効であることが大きな利点で、強力なモンスターの攻撃に対する盾にするなどの活用が可能である。
召喚獣もキャラクターとは仕様が異なるがオーバードライブというシステムがあり、過去のシリーズで使用していた技はオーバードライブ技として位置づけられている。これを事前にチャージして、対ボス戦で連発する『召喚ボンバー』と呼ばれる公式テクニックが存在するが、後半では基本的な戦術を見直さなければダメージのゴリ押しでは勝てないバランスになっている。
本作に登場する召喚獣と、その使用するオーバードライブ技を以下に列挙する(但し、名前は変更可能)。名前の前に*のついているものは、入手しなくてもクリア可能な(入手に特殊な条件をクリアする必要がある)もの。
- ヴァルファーレ - 『シューティング・レイ』『シューティング・パワー(ある条件を満たすと入手)』
- イフリート - 『地獄の火炎』
- イクシオン - 『トールハンマー』
- シヴァ - 『ダイアモンドダスト』
- バハムート - 『メガフレア』
- *アニマ - 『カオティック・D』
- *ようじんぼう - オーバードライブ技を持たず、「心づけ」で払ったギルやオーバードライブゲージの蓄積など様々な条件によって使う技が変化していく。そのため完全な制御は不能。最強技は『斬魔刀』。
- *メーガス三姉妹(マグ、ドグ、ラグの3体で1組) - 『デルタアタック』
スフィア盤[編集]
キャラクターの成長についても独特で、スフィア盤と呼ばれるボードに配置された成長スフィアを発動させることで能力値アップ・技や魔法の修得を行う。AP(Ability Point)を貯めることでスフィアLVが上がり、これを消費することでスフィア盤を移動することになる。経験値・レベルアップは存在しない(あえて言えばAPが経験値に相当するが、スフィアLVの消費方法が任意に近いため経験値&レベルに対応しているとは言えない)。ただ、スフィア盤は広く、移動と発動を繰り返さないといけないため、やり込める要素ではあるが段々面倒くさくなってくるという意見もある上、スフィア盤を全て発動させてしまうとキャラごとの個性が全くなくなってしまうという面もある。またスフィア盤をまったく利用せず(すなわち能力アップをまったくおこなわず)ストーリーコンプリートを達成する猛者なども登場した。
武器・防具[編集]
また、武器や防具についても独特のシステムを持っている。武器や防具には0~4個のアビリティスロットがあり、そのいくつかは空白となっている(ない場合もある)。この空白の部分にはアイテムを使うことでアビリティを付け加えることができ(改造)、それによって性能が変化する。
アビリティの組み合わせによって名称も変化する。武器・防具は7人のキャラクターそれぞれの専用となっており(使い回しができない)、ネーミングについては内部に膨大なデータベースを持っている。なお、武器や防具にはいわゆる「攻撃力」「防御力」のようなパラメータは設定されていない(但し、「物理攻撃+5%」のようなアビリティは存在する)。キャラのステータスと武具のアビリティが同じならば、どんな武器を用いても、どのキャラであっても、同じ攻撃力を持つ。
このほか、七曜の武器と総称される各キャラクターの最強武器が存在する。敵の防御力に依存しないダメージを与えられる特性や、HPやMPの量によって攻撃力が大幅に増える潜在能力がある。条件を満たすことで2段階にパワーアップするが、最終段階に育てるには難易度の高いミニゲームを完全にクリアする必要があるなど条件が厳しい。また、アビリティスロットが4個ある武器を改造することで七曜の武器より便利で自分好みのものが作れることもあり、この場合「最強」の武器はプレイヤーの好みの問題になる。
モンスター訓練場など[編集]
ゲーム中盤から挑める。世界各地のモンスターを捕獲し、一つの地域あるいは種族を全て集めるといった条件で、訓練場オリジナルのモンスターと戦えるようになる(地域制覇と種族制覇の2種類の条件がある)。
数十種類に及ぶこれらのモンスターは、ほとんどがラストボスをも凌ぐケタ外れの強さを持っている。メインストーリーに従ってゲームを進めているだけでは瞬殺されてしまうので、普通に倒すことはまず不可能である。ただし、死の宣告状態にすることは可能(3体の例外あり)。 また、最後に登場するすべてを超えし者はHPが10000000と、ケタが圧倒的に違うため、倒そうと思うのなら長時間の戦闘を余儀なくされる。使用する主な攻撃は、通常攻撃、高威力全体攻撃『アルテマ』、全体にステータス異常4種+ダメージ『ウルトラスパーク』、単体にダメージ『エターナルカノン』、そして約10ターンごとに放つFFシリーズ最強の技『世界最後の日』。この技は全体に固定ダメージ99999(本来のダメージは40万以上だが上限の関係で99999)を与えるものである(召喚獣は「まもる」というコマンドでダメージを25%に減らせるが上記の理由により99999になる)。全滅を回避するにはリレイズを使うか召喚獣を盾にするしかない。
さらにインターナショナル版では、ストーリー中盤以降特定のフィールドに出現する"ヘレティック召喚獣"と呼ばれる種類のモンスターとのバトルが追加された。ヘレティック召喚獣達のパラメータは闘技場オリジナルモンスターよりもさらに上を行く数値となっている。このヘレティック召喚獣を全て倒すと更に強力な隠しボス『デア・リヒター』と戦うイベントが追加される。
世界設定[編集]
本作の世界観の基本は、中世ヨーロッパやサイバーなSF世界とは全く異なる独特なもので、RPGとしてはきわめて珍しいものといえる。現代的文明も見られるが、未開の地やアジア風の集落が基本。また、人間とは異なる種族も多少ながら登場する。 『ファイナルファンタジーVII』の世界の過去であることが、FFオフィシャルブックにて発言されている。しかし経過は2千年以上であるとのこと。『VII』におけるライフストリームと『X』における幻光虫が同一であるとも発言されている。
地理[編集]
本作に登場する世界はスピラと呼ばれており、1つの大きな大陸といくつかの島からなる世界である。基本的に人々の生活は質素であるが、これは大きな機械文明が『シン』に破壊されることによって、彼らの文明の規模が抑えられている為である。
その最北端にはザナルカンドと呼ばれる、既に遺跡と化した都市が存在する。1000年前の戦争で都市国家としてのザナルカンドは滅亡したが、当時の面影をそのまま残したザナルカンドもどこかに存在する。本記事では以降、前者を単にザナルカンドと呼び、後者を夢のザナルカンドと呼んで区別することにする。
ザナルカンドにはエボン=ドームと呼ばれている巨大な建物があり、その奥でユウナレスカが究極召喚を使うに値する召喚士を待っている。
以下、ザナルカンドより南下する順で各地を説明する。
- ガガゼト山 - ザナルカンドへの最終関門となる雪山。獣のような風貌を持つロンゾ族が住む。
- ナギ平原 - 歴代の大召喚士たちが『シン』と戦った平原。至る所に戦いの爪痕が残る。片隅に『シン』に破壊され放棄された寺院と、ある寺院から盗まれた祈り子が隠された洞窟がある。また、以前は討伐隊の訓練場として使われていた施設がある。
- ベベル - エボン教の中心都市でありスピラで一番大きい都市。
- マカラーニャ - 幻想的な森と凍り付いた湖を持つ。
- ビーカネル島 - アルベド族の本拠地である孤島。地表の大部分が砂漠である。片隅にはサボテンダーが棲む地帯があり、そこは激しい砂嵐で外界と隔絶されている。
- 雷平原 - 絶えず落雷が発生する平原。正式名称は「ガンドフ雷平原」。それでもアルベド族の貢献により昔よりは安全になったが、アルベド族の功績であるが故に正当な評価はされていない。元ネタはマラカイボだと思われる。2015年11月11日の冒険少年で放送された
- グアドサラム - グアド族の本拠地。死者の想いが集まる異界につながっており、生者が異界にお参りに行くことも可能。
- 幻光河 - 幻想的な雰囲気を漂わせる大河。川底に昔の文明の遺跡が沈んでいる。
- ジョゼ - ベベルに次ぐ古い歴史を持つ寺院を持つ。寺院の至る所に電光が走っている。
- キノコ岩街道 - ルカからジョゼに至る路の一部。キノコの傘のような形に重なり合った岩肌が特徴。
- ミヘン街道 - ルカからジョゼに至る路の一部。かつて赤斬衆(現在の討伐隊)を作ったミヘンが、その意義を寺院に語るために歩んだ道。現在使われている街道とは別に、旧街道が存在する。
- ルカ - スピラで2番目に大きな都市。ブリッツボールのスタジアムが存在する。
- キーリカ島 - 涼しげな水辺と茂るジャングルの島。ジャングルの奥に寺院が存在する。
- ビサイド島 - ジャングルの合間に流れ落ちる滝が美しい島。島の中心に村が存在し、寺院もそこに存在する。
エボンの教え[編集]
スピラの人々を支えているエボン教は以下の教義を持つ。人々の心の拠り所という位置づけであるのだが、実際にはこれらはすべてエボン=ジュと『シン』の存続、偽りの希望を人々に持たせるという目的の下、人々の行動を支配するためのものである。
- 機械の禁忌
- (寺院の禁じた)機械を使うことを人々の「罪(=『シン』)」であるとし、固く禁じている。
- エボンとユウナレスカの偉大さ
- 『シン』を倒す方法を遺したエボンと、その娘で初めて『シン』を倒した召喚士ユウナレスカを神格化している。
- 全ての人々がエボンを讃え祈りを捧げ、召喚士たちの旅を支えることにより、いずれ罪は償われ『シン』は消滅する
- 過去何度か『シン』が倒された時には数年後には復活していたが、寺院はこれについては世界全体が教えに従っていないからだとし、これも機械を使うアルベド族を迫害する根拠としている。
エボンの教えを司る機関が寺院であり、現在機能しているものが世界に5箇所(ビサイド、キーリカ、ジョゼ、マカラーニャ、ベベル)存在する。召喚士たちはこれらの寺院で修行を積み、召喚獣を得ることによって究極召喚を習得するための修練を積むこととなる。寺院の総本山はベベルにある聖ベベル宮である。人間、グアド族、ロンゾ族それぞれからの総本山への代表のことを老師と呼び、3人の老師を束ねる寺院の中心人物を総老師と呼ぶ。3人の老師と総老師は、合わせてエボン四老師と呼ばれており、人々から深く敬われている。尚、アルベド族は迫害対象であるため老師は存在しない。
なお、人々の間には、ささいな幸運や偶然を見るにつけ、それを「エボンの賜物」と呼ぶ風習が広まっている。また、インターナショナル版やX-2では、寺院は機械を「マキナ」と表現しているが、これは「機械」をあらわすラテン語の単語である。
登場する種族[編集]
本作には普通の人類の他に、以下の亜人種が登場する。
- ロンゾ族 - 獣のような風貌を持つ。男性は額に角があり、成長期に一度だけ生え替わる。それ以降は生え替わらないため、折れればそのままである。裏切り者には容赦しない種族でもある。
- グアド族 - 幻光虫の扱いに長けており、異界の守護者を自称している種族。風にもなびかない植物のように固まった頭髪が特徴。
- アルベド族 - 外見は普通の人間と同じであるが、金色の髪と渦巻きのような模様を持つ碧眼が特徴的。機械を使うこととエボンの教えに強い反感を持っている事を理由に寺院から弾圧されている。言語は基本的には文字を一定のパターンで入れ替えた暗号的な言語"アルベド語"であるが、一部の者は共通語も解する。また、「アルベド語入門」なる書物が存在している。
- ペルペル族 - 小柄でくちばしのような飾りを付けている。早口。
- ハイペロ族 - シパーフを扱う。泳ぎが得意。のんびりとした口調で話す。外見だけでは男女の区別がつかない。
幻光虫[編集]
幻光虫とは、虫とは名の付くものの、虫でも生き物でもなく、生命エネルギーの塊の様な物であり、人間も含めた万物に宿ると言われ、人の魂と同種の存在様にも表現される。死者に召喚士による異界送りが行われる際には死体から幻光虫が離れ舞う模様が確認されるが、これにより死者は異界で永遠の安息を得ることができるとされている
後述の祈り子と召喚獣にも幻光虫の存在が重要な働きをしているとされ、本作品の重要な構成要素であるシンや幻のザナルカンドの存在も幻光虫の存在と重要な関わりを持つ。
幻光虫は水との親和性が高く、水が空中に浮いた状態で固定されるなどの現象も発生する。後で述べるブリッツボールのフィールドであるスフィアプールもこれによって作られている。
また、幻光虫は人間の記憶や思念などにも関わっており、スフィアの持つ、人の想いや思念や映像を留め伝える機能において重要な働きをしている。スフィアや映像・音声スフィア、スフィアモニターなどの、大気中の幻光虫の濃度が高いザナルカンド遺跡のエボンドームでは過去の人間の思念や映像が、訪れる者に干渉されて、過去の出来事を映し出すのが確認できる。
本作における魔物や死人、召喚獣などは種類を問わず幻光虫の集合体である幻光体と呼ばれる仮の肉体を持ったエネルギーの塊としている。 また魔物が召喚士やガード達に退治されると幻光虫が大気に拡散していく様子が確認される。
人間などの生き物の肉体に存在する幻光虫は通常は異界に行くが、シンや魔物に殺された後、異界送りをされなかった者は、もっと生きていたかったなどの想いから、スピラに留まり、生前の記憶を無くして生き物を襲う魔物となることが多い。しかし、その死者がとりわけ強い想いを持っていた場合はその姿のままスピラに留まることがある。このような存在を死人(しびと)と呼ぶ。死人は自らの意思により幻光虫をコントロールできるため、幻光虫が拡散する状態を自ら作り出すことができる。
召喚魔法と祈り子[編集]
本作では召喚魔法は召喚士と呼ばれる一部の者だけが使える戦闘技術である。
スピラの各地に寺院が存在するが、各寺院には祈り子像 と呼ばれる特殊な像が存在する。この像にはエボンの秘術により人の魂、すなわち祈り子が封じられており、召喚士の精神に呼応して自らを召喚した者の周囲の幻光虫を取り込むことによって召喚獣が現れる。普段祈り子は像に封じられた状態であるが、この時にも夢を見ていると言われており、召喚獣の姿にもその様子が反映されている。
なお、同じ召喚獣は一時に1カ所にしか姿を現さない。これは、召喚獣の力の源泉となっている祈り子がそれぞれ1体ずつしかいないからである。物語中でユウナとベルゲミーネやイサールがお互いに召喚獣を操って戦うシーンがあるが、このシーンでは相手が召喚した召喚獣をユウナが呼ぶことはできない。
『シン』[編集]
『シン』(Sin : 罪)はスピラにおける最大の魔物であり、街や村を襲っては人々を殺戮する。約1000年前に突如現れたとされ、召喚士達にとってはこれを倒すことが究極の目的であり、エボンの教えにより、この『シン』を倒す唯一の方法が究極召喚とされている。歴史上、5回『シン』は究極召喚で召喚士によって倒されているが、いずれも、その数年後に再び現れている。この数年間の間の『シン』のいない間をナギ節(ナギせつ)と呼ぶ。ナギ節を作り上げた召喚士は大召喚士として人々に崇められ、ナギ節もそれを築いた大召喚士の名前を戴き「ブラスカのナギ節」「オハランドのナギ節」などと称される。人々はナギ節を大いに祝うが、その影には必ず『シン』の復活を恐れる心が潜んでおり、人々が完全に『シン』から解放されることはない(なお、この永劫の繰り返しを「螺旋」として見立てたのが「スピラ(ラテン語で「螺旋」の意)」の語源である)。それでも、召喚士は、自分のもたらすナギ節が「永遠のナギ節」になること、あるいはそうでなくてもナギ節で人々にひとときの安息をもたらすことを願って戦い続ける。
後に挙げるが、実は『シン』は夢のザナルカンドとエボン=ジュ自身を守るためにエボン=ジュが作り出した鎧のような存在である。そのため、その破壊活動の根底にはかつての機械戦争がある。かつてザナルカンドを滅亡に追いやったほどの強大な機械文明を排除するため、活気のある街や村や、強大な機械を発見すると、『シン』はそれをエボン=ジュの存在を脅かすものとして破壊する、悪意も善意もなく、ただ夢のザナルカンドの召喚を続けるために破壊と召喚を繰り返している存在。エボン寺院はこのことを公にせず、単に機械を使っていた事が『シン』による破壊、すなわち「人々の罪に対する罰」の原因とだけ民衆に説いている。ちなみに『シン』は夢のザナルカンドとスピラを自由に行き来する事ができ、夢のザナルカンドの海底で『シン』は度々休んでいる。また、その際には幻光体で構成された存在ならば、『シン』に乗って夢のザナルカンドとスピラを行き来する事ができる。幻光体であるジェクトやティーダやアーロンはこの方法でスピラとザナルカンドを移動した。
『シン』は他の魔物同様幻光虫に構成された幻光体の体を持つが、その量は他に類を見ないほど膨大な数であり、通常の魔物とは比べ物にならない。これはその中心にいるエボン=ジュが強力な魔法により多くの幻光虫を集めているためである。その核は先代の『シン』を倒した究極召喚獣(後述)であり、究極召喚により『シン』が倒された時にエボン=ジュがその究極召喚獣に乗り移り、新たな『シン』が作り出される。この新しい『シン』はそれを構成する幻光虫の量が少なくひ弱であるため、一時的に人々の前から姿を消して幻光虫を集める。このためしばらくの間『シン』による破壊が起きなくなる。この期間が『ナギ節』と呼ばれる『シン』のいない期間の事である。なお、エボン=ジュに乗り移られた究極召喚獣は、少なくともしばらくの間は人間の意識を持ち、ある程度『シン』の行動に干渉できる様だが、『シン』の本能的な破壊活動自体を防ぐ事は出来ず、いずれ人の意識は消えうせ、心の底まで『シン』となってしまう。
尚、『シン』の中心にいるエボン=ジュの魔力の影響により、『シン』は重力を操る能力を持つ。強力な重力を発生させることで空間を歪め絶大な破壊を引き起こすことができる(テラ・グラビドンや、キーリカを壊滅させた津波と嵐など)。また、『シン』が自らの体の一部を切り離し魔物として放出することがある(これをコケラと呼ぶ)が、このコケラもまた重力を操る能力を持つことが多い。また、『シン』はコケラを自身の一部だと離れていても感じ取れるのか、コケラを回収しに同じ地に訪れるという行動も確認されており、この習性に従い、討伐隊はコケラを一刻も早く消し去り、『シン』の再来を防いだり、逆にこれを利用して『シン』を安全な場所に誘導し倒そうという動きもあったが、後者は成功には至らなかった。
究極召喚[編集]
究極召喚は『シン』を倒せるただ一つの方法として寺院が民衆に説いている、召喚魔法の一種である。しかし、使用すると召喚士は必ず死ぬとされる。そのため、召喚士は自らがもたらすナギ節を見ることができない。
その理屈は一般の召喚魔法と同じであるが、それを発動させるためには召喚士と祈り子の間に強い絆が必要である。召喚士との間に強い絆を持つ者ということで、その召喚士のガードである者の内の1人が選ばれ、ユウナレスカによってその魂を祈り子とされる。召喚士がガードを連れて寺院を巡り修練を積む旅も、言い換えれば最終的な目的である究極召喚を得るため、ガードとの間に強い絆を作るための物であるとも言える。
召喚士と祈り子の強い絆によって得られる究極召喚の力により、召喚士と同調した究極召喚獣は幻光体を分解する力を得て、『シン』の中心にいるエボン=ジュの魔力により結合された『シン』を形作る幻光虫の結合を解除し分解、『シン』を倒すことができる。しかし、エボン=ジュはその途端に『シン』を分解した究極召喚獣に乗り移り新たな『シン』に作り変え、究極召喚獣と同調していた召喚士はその反動で命を失う事となる(つまり、究極召喚の使用による召喚士の死亡の直接的な原因は、究極召喚のその物ではなく、エボン=ジュにある)。
つまり、究極召喚と究極召喚獣自体が新たな『シン』を招く物であり、究極召喚で『シン』(正確にはエボン=ジュ)を完全に倒す事は出来ないのだが、召喚士には当然ながらこのことは知らされておらず、寺院関係者でも完全な形で知ってる者はいない。
なお、ある者の究極召喚用に作られた祈り子を利用して他の者が通常の召喚魔法として用いることも、本人の究極召喚獣であっても絆の力を付加せずに通常の召喚魔法として使うことも可能である(どちらのケースも、本編ではアニマを召喚する際に発生する。前者はユウナやベルゲミーネが使う場合が、後者はルカでシーモアが呼んだ場合やティーダ達とシーモアが初めて戦う場合が該当する)。これらの場合においては『シン』にさえ打ち勝つ幻光虫を分解する力を発揮することもなく、もちろん召喚した者が死ぬこともない。
ブリッツボール[編集]
ブリッツボールは本作の世界に置いて最も愛好家の多いスポーツである。スフィアプールと呼ばれる球形のプールで、6人からなる2つのチームが得点を争う。選手たちのぶつかり合いも激しく、水中格闘球技の異名を持つ。詳細についてはブリッツボールを参照のこと。
ゲーム中ではルカに着いた時にイベントとして発生する(イベントバトルの勝敗でその後のイベントにちょっとした違いが生じる)ほか、このイベント以降ごく一部の時点を除きいつでもプレイすることが可能。各キャラクターには60あるアビリティのうちどれを覚えることが出来るか、また覚えるためにどのアビリティを獲得する必要があるか(各キャラ毎に3つのキーアビリティが設定されており、その中のどれを習得する必要があるか)が設定されている。また、ティーダが属するビサイド・オーラカに限り、世界各地にいるプレイヤーをスカウトして自軍の戦力とすることが可能。アビリティは試合中に相手チームがそのアビリティを使う瞬間にその動きを習得するか、リーグ戦及びトーナメント戦の賞品として獲得する。ちなみに習得できるアビリティの数が一番多いのはティーダ(専用アビリティ2つを含む59)で、その後ワッカ(専用アビリティ1個を含む58)・ジュマルおよびキーリカ・ビーストのメンバー全員(ティーダ及びワッカの専用アビリティを除く57のアビリティを習得できる)と続く。テクニックを憶えるまでは敷居がやや高く、本編やバトルとは独立した相当のやり込み要素となっている。なお、ワッカの七曜の武器を最終段階まで強化するためにはブリッツボールを数十回と繰り返さなければならない。
本作のスピラでは、以下に挙げる6つのチームが登場する。
- ビサイド・オーラカ - ビサイド島のチーム。トーナメントでは初戦敗退の常連(23連敗)。
- キーリカ・ビースト - キーリカ島のチーム。大召喚士オハランドを崇拝している。
- ルカ・ゴワーズ - ルカに本拠を構えるチーム。イベントバトルで必ず対戦する。最強と囁かれているが、ゲーム中の能力値ではアルベドに劣る。
- アルベド・サイクス - アルベド族で構成されたチーム。イベントでデフォルトのビサイド・オーラカに敗れているが、実際は鉄壁のキーパーを筆頭に各ポジションに好選手を揃えた最強レベルのチーム。
- ロンゾ・ファング - ロンゾ族のチーム。体力と強靭なフィジカルが特長だが、移動速度は遅く選手全員で追い掛け回した挙句フリーでパスされることもしばしば。
- グアド・グローリー - グアド族のチーム。体力は低いが、素早い身のこなしとパスワークに定評がある。
なお、物語では「ザナルカンド・エイブス」と「ザナルカンド・ダグルス」という2つのチームが夢のザナルカンドに存在することが語られている。しかし、このチームが過去に実際存在したものなのか、それとも架空の「夢」なのかは明らかになっていない。
ブリッツボールは、大召喚士オハランドがかつて選手であったことや、民衆の目を『シン』から背けさせることができる、などの理由から、寺院が公認する唯一の娯楽となっている。普段差別を受けるアルベド族もブリッツのみは他の人種と同様に独立したチームとして参加しており、ブリッツボールは、スピラ全土が一丸となって熱狂することのできる唯一の場であると言える。
登場人物[編集]
パーティーメンバー[編集]
- ティーダ (Tidus) 17歳 (声:森田成一、中村勇斗(幼年時))
- 主人公。詳しくはティーダ (ファイナルファンタジー)参照。
- ユウナ (Yuna) 17歳 (声:青木麻由子)
- ヒロイン。詳しくはユウナ (ファイナルファンタジー)参照。
- ワッカ (Wakka) 23歳 (声:中井和哉)
- ビサイドのブリッツボールチーム「ビサイド・オーラカ」の主将(ポジションはフォワード)。エボンの教えを一心に信じる青年。とがった赤毛の頭と青いバンダナが特徴。弟のチャップはルールーの恋人であったが、討伐隊に入っていたことにより、シンに殺されている。機械を用いた弟のこともあってか、エボンの教えに反して機械を用い続けるアルベド族をひどく嫌っている。良くも悪くもエボンの教えをひたすらに信じてきたが、ティーダやリュックとの出会いを通じて変化が訪れる。優柔不断な性格。七曜の武器は「ワールドチャンピオン」。名前の由来はアイヌ語やマタギ言葉で水を意味する「ワッカ」であるとされる。
- 永遠のナギ節が訪れた後、ルールーとの恋愛関係になっている。
- ルールー (Lulu) 22歳 (声:夏樹リオ)
- ユウナのガードを務める黒魔道士。過去に2回ガードを務めたことがあり、さまざまな経験と知識を持っているため、パーティ内の識者として一目置かれる存在。ワッカとともに、ユウナには姉妹のように接している。 恋人チャップが死んでから、特にワッカに対し、きつい言動が目立ったが、チャップに似ていたティーダの影響もあり徐々に心を開いていく。彼女の持っている人形が生きたように動く原理は明らかにされていない。七曜の武器は「ナイトオブタマネギ」。
- キマリ=ロンゾ (Kimahri-Ronso) 25歳(およそ) (声:長克巳)
- 獣のような風貌を持つロンゾ族の寡黙な青年。昔からユウナの側にいる。誇り高いロンゾの戦士で、以前ロンゾ最強の闘士であるビラン=ロンゾに角を折られ、それを恥じ故郷を離れた。自らが認めた者としか話そうとせず、ティーダとも最初は会話することがなかったが、ストーリーが進むにつれ徐々にティーダの事を認め、口をきくようになる。アーロンとは実は旧来の知り合いである。エボン教の本山を守るロンゾ族ではあるが見かけに寄らず柔軟な思想の持ち主で、アルベド族を敵視しなかったり必要があれば掟をあらゆる場面で無視したりと現実主義的な行動をとる。敵の技を覚えることにより、青魔法を使用することができる。七曜の武器は「ロンギヌス」。
- リュック (Rikku) 15歳 (声:松本まりか)
- アルベド族の少女。詳しくはリュック (ファイナルファンタジー)参照。
- アーロン (Auron) 35歳 (声:石川英郎)
- かつてブラスカのガードとして伝説を築いた男。大剣(太刀)を扱い、後にユウナのガードになる。実は死人で、ユウナレスカに敗れ瀕死の重傷を負い、キマリにユウナを託した後死亡するがジェクトとの約束を果たすために現世に留まり、ティーダをスピラに導く(戦いの術も教える)。元は寺院就きの僧兵で、ウェン=キノックとはその頃より知り合い切磋琢磨し合っていた。歴史の真実を知っているがそのことを誰にも直接言う事がなく、暗示して話すことが多い。エボン教の闇の部分を知り尽くしており、教団と敵対することも躊躇しない。七曜の武器は「正宗」。『アルティマニア』の人気投票で1位を獲得した。キングダムハーツ2にも登場する(ただし彼の結末はほとんど今作と同じである)。
重要人物[編集]
- ジェクト (Jecht) (声:天田益男)
- ティーダの父。もとは夢のザナルカンドの住人で、ティーダと同じく祈り子の見る夢である。高慢な発言が目立ち、自他ともに認めるブリッツのトッププレーヤーであり、1号2号がないにもかかわらず、自らのシュートにジェクト様シュート3号と名づけるなど、客をひきつける手腕も持っていたが、海にトレーニングに出たある日、突然行方不明となった。『シン』に襲われて辿り着いたスピラでは、召喚士ブラスカの旅にガードとして同行し、ザナルカンド遺跡到着後に自ら進んで究極召喚の祈り子となった。すなわち、本作における『シン』の正体である。泣き虫だったティーダに対して素直に愛情を注ぎ、本人曰く『一流のトッププレイヤーにして天辺からの眺めを見せてやりたかった。』ということが出来なかったことを気にしており、アーロンに息子を託し『シン』となった後も、息子のことをひとり案じ続けている。ブラスカとの旅の様子からティーダとは似たもの親子ということが分かる。『ブラスカの究極召喚』戦後にはあらためて父子の愛の深さがうかがえる。フラタニティとは兄弟愛、親子の愛という意味の英語。 ちなみに、冒頭でティーダがアーロンから「ジェクトからのみやげだ」と言われ受け取るロングソードは文字通りお土産(ジェクトの置き土産ではない)であり、ポーションと同じ値段の観賞用の剣である。
- ブラスカ (Braska) (声:鈴木琢磨)
- 10年前に『シン』を倒した大召喚士であり、ユウナの父。アルベド族との友好を重んじる数少ない人物で、アルベド族の女性と結婚した事で殆どのエボンの民に「エボンの落ちこぼれ」とみなされる。故郷に向かう道中『シン』に出くわし命を落とした妻の復讐の為召喚士となった。アーロンと旅をするにあたり、スピラに漂着し囚われていたジェクトと出会い、共に旅をすることとなる。ザナルカンド遺跡に到着した後は、ジェクトを祈り子として究極召喚を会得、これを発動して『シン』を倒し、命を絶つ。
- シド (Cid) (声:坂口候一)
- アルベド族族長。リュックの父。エボンの教えに従うことに疑問を抱く、アルベドの考え方を端的に示した人物である。機械に精通していて、のちに飛空艇を操ってティーダ達と旅をともにすることとなる。ちなみに、ユウナの母親の兄であり、ユウナの伯父にあたる。
- シーモア=グアド (Seymour-Guado) 28歳 (声:諏訪部順一)
- グアド族の老師。普通「=グアド」は省略して呼ぶ。エボン四老師の一人で、宗教的な儀礼などを統括する立場にある一方、寺院が隠している歴史の真実を知りうる立場にあり、後のティーダたちとの邂逅において断片的ながら語るシーンがある。
- 父・ジスカルはグアド族である一方、母親は人間であり、グアドと人間のハーフにあたる。そのことが理由で母とともに弾圧されるなど、過去に様々な不遇があった。このような幼少期を経たことにより「死」を肯定する姿勢が芽生え、やがて自分のような存在を生み出したスピラを憎み、破壊へと導く決意をした。最初はティーダたち、特にユウナに好意的に接していたが、後に敵対するようになる。理知的だが冷酷かつ執拗で屈折した性格であり、『シーモア』『シーモア:異体』『シーモア:終異体』『シーモア:最終異体』として4度、戦火を交える、ティーダの宿敵ともいえる存在。一回だけ仲間になって使用することが出来るバトルもある。(その際使えるオーバードライブの技名はレクイエム)
- ユウナレスカ (Yunalesca) (声:小柳洋子)
- ザナルカンド遺跡に辿り着いた召喚士に、究極召喚を授ける女性。公式には伝説の人物とされているが、事実上第1人目の大召喚士であり、ユウナの名前の由来ともなっている。夫・ゼイオンを祈り子にして究極召喚を発動し、史上初めて『シン』を「倒した」人物であるが、それと同時に究極召喚による『シン』の再生破壊の繰り返しの機序を構築した人物でもある。
- 自身の理論はシーモアと同様に死を肯定するものであり、『シン』による破壊と死がすべてと考えている。究極召喚を発動したことで死人に近い存在であるうえ、歪んだ思想を持って長い年月を経たため、おぞましい魔物へと成り変わっている。
- エボン=ジュ (Yu-Yevon)
- ユウナレスカの父。ユウナレスカに究極召喚を伝授したとされ、エボンの教えの祖となっている伝説的人物。『シン』の本体であり、『夢のザナルカンド』を召喚し続ける存在。実際の名前は「エボン」だが、シンの核となってからは「呪」つまりスピラにかけられた呪いという意味として「エボン=ジュ」と呼ばれるようになった。
エボン寺院関係者[編集]
- ヨー=マイカ (Yo-Mika) (声:岩崎ひろし)
- エボン寺院の総老師。実は死人であるが、寺院の内部でもこの事実は秘匿されている。老獪な政治家である。
- ケルク=ロンゾ (Kelk-Ronso) (声:坂口候一)
- ロンゾ族族長。エボン四老師の一人で、司法・財務・政治などを統括している。寺院の実態を知り離脱するが、ガガゼト山でシーモアに殺害されたらしい。
- ウェン=キノック (Wen-Kinoc) (声:宇垣秀成)
- かつてアーロンと親友であった男。エボン四老師の一人で、軍事方面の担当であり討伐隊の監督でもある。シーモアに「自らの策略を邪魔する人物」として殺害される。すでにアーロンは袂を分かったが、互いにかつての友情は忘れておらず、シーモアとの戦いではアーロンの怒りのメッセージが聞ける。
- ズーク (声:石丸純)
- ルールーがガードを勤めた2人目の召喚士。旅をやめた後エボンの僧官となるが、心の奥ではルールーのことを心配している。
- シェリンダ (Shelinda) (声:長沢美樹)
- 寺院の巡回僧だが、後に寺院の混乱により大出世を果たす。
召喚士とガード達[編集]
- ドナ (Dona) (声:葛城七穂)
- ユウナのライバルとなる召喚士。選択肢によっては、ユウナに少し遅れてザナルカンドに到達する。もちろん、彼女が求めた究極召喚(というかユウナレスカ)は既に存在しない。
- バルテロ (Barthello) (声:石丸純)
- 恋愛関係にあるドナのガードを勤める大男。アーロンに憧れている。見た目から近寄り難い印象があるが、心のうちはドナを一途に思っている心優しい男。
- イサール (Isaaru) (声:陶山章央)
- ブラスカに憧れ召喚士の旅をしている3兄弟の長男で召喚士。寺院の考えに疑問を持つも寺院が絶対という信念を捨てきれず、後にユウナと交戦することになる。
- マローダ (Maroda) (声:中井将貴)
- イサールのガードを勤める青年。3兄弟の次男。
- パッセ (Passe) (声:くまいもとこ)
- イサールのガードを勤める少年。3兄弟の末っ子。
- ベルゲミーネ (Belgemine) (声:藤井佳代子)
- 召喚士達の力試しなどのために何度も出会う謎の女召喚士。実は死人。
途中で出会う人々[編集]
- ビラン=ロンゾ (Biran-Ronso) (声:三宅健太)
- ロンゾ族最強を誇った闘士。以前キマリと争い、角を折った。後にキマリと勝負するが敗れる。誇り高いロンゾの民で、自らを破ったキマリを認め、角を折った償いとしてユウナ達を追うシーモアに立ち向かい、命を落とす。
- エンケ=ロンゾ (Yenke-Ronso) (声:石丸純)
- ビランと共に行動する青年だが、彼自身も高い戦闘能力を持つ。キマリを「角なし」と嘲笑する。キマリに敗れた後は彼を認め、その後ビランとともに命を落とす。
設定のみのキャラクター[編集]
以下のキャラクターは本作の時点で既に故人となっている者。一部は死人などという形で登場する。
- ジスカル=グアド (Jiscal-Guado) (声:佐藤正治)
- シーモアの父。グアド族の内紛の際に息子と妻を流刑にするなど、部族内部のことでも悩んでいた。ストーリー開始直前にシーモアに殺される。
- ギンネム (Ginnem)
- ルールーが最初にガードを勤めた召喚士。旅の途中で命を落としている。
- チャップ (Chappu)
- ワッカの弟。1年前『シン』討伐の作戦に参加し命を落とす。ティーダと風貌・雰囲気が似ている。
- ガンドフ
- 初めて『シン』を倒したとされる、最初の大召喚士(実際に倒したのはユウナレスカが最初)。雷平原に現れる魔物を封印したことでも知られる。
- オハランド
- 2人目の大召喚士。元々ブリッツボールの選手で、今のキーリカビーストに所属していた。
- ヨンクン
- 3人目の大召喚士。討伐隊出身で、歴代大召喚士で唯一の女性。
- オメガ (Omega)
- 700年前のエボンの僧官。寺院に反逆をもくろみ処刑された。スピラのどこかに強力な魔物としてとどまっていると言われている。
- ビリガン
- 雷平原に避雷塔を建てたアルベド族。建設中に雷に打たれ他界。
- シーモアの母 (声:藤井佳代子)
- ジスカルと結婚しシーモアを産んだ、人間の女性。グアド族の内紛の際にバージ島に流され、後に先が短いことを悟り息子とともにザナルカンドを訪れ彼の究極召喚獣「アニマ」の祈り子となる。
- ミヘン (Mi'ihen)
- 討伐隊の元となる"赤斬衆"を作った男。その意図を寺院に語るために歩いた道の一部に彼の名前が残されている。
ストーリー[編集]
本編以前の出来事[編集]
1000年前、ザナルカンドとベベルという2つの都市が戦争を繰り広げていた。強力な機械兵器を擁するベベル軍が圧倒的な優勢となり、召喚士と召喚獣に頼っていたザナルカンド軍は次々と撃破されていった。ザナルカンド随一とされていた召喚士エボンは劣勢を悟り、街の人々全員を祈り子として巨大な理想郷「夢のザナルカンド」を召喚する(これ以降、エボンはエボン=ジュと呼ばれる存在と化す)。そして自らと夢のザナルカンドを守るために強大な魔物『シン』を生みだし、世界に大きな打撃を与えた。
エボンはその一方、自らの娘であるユウナレスカに対し、自らの化身となる『シン』を倒すための方法(これを究極召喚と呼ぶ)を授けていた(実際にはエボン=ジュが作り出した『シン』が弱く、これを強大なものにするためであったと言われているが、寺院によりこれは黙殺されている。事実、その後現れた『シン』はゼイオンが元であった)。ユウナレスカは夫のゼイオンをそのための祈り子として究極召喚を使い『シン』を倒し、スピラに平和をもたらした。その後再び『シン』が現れ再び各地に大打撃を与える事になるが、これは機械を使っていたからとされ、ユウナレスカの偉業を讃え、機械の禁忌と究極召喚の偉大さを軸とするエボン教が誕生する。
それから990年、『シン』は過去に3度倒されたが数年後に復活、それでも究極召喚によって『シン』が倒された後の数年間はナギ節と呼ばれ受け入れられてきた。そしてこの年にユウナの父であるブラスカが『シン』を倒し新たなナギ節が到来した。それから10年後のことが本作におけるストーリーである。
ユウナとの出会い[編集]
ブリッツボールの選手ティーダは、試合中突如現れた謎の巨大生物シンに飲み込まれ、見たこともない世界の、どこともしれない廃墟に流されてしまう。
廃墟で魔物に襲われたティーダは、近くの海で機械の発掘をしているアルベド族と呼ばれる亜人種と出会った。ティーダは彼らの一人リュックに自分がザナルカンド・エイブスのエースであると話すが、彼女は信用するどころか「正気とは思えない、ザナルカンドは千年前に滅亡しており、そんなチームは存在すらしないからだ」と言う。ティーダは瞬時に、自分がタイムスリップしたと解釈した。その後、再び『シン』が現れ、ティーダはまたそれに飲み込まれる。
次にティーダが流れ着いたのはビサイド島であった。ビサイド・オーラカの主将のワッカに連れられビサイド村に到着する。しかし村では寺院に修行に行っていた従召喚士が戻ってこないという騒ぎが起こっていた。教えの何たるかを知らないティーダは無理矢理寺院に入り、そこで召喚士となったユウナと出会う。その夜、討伐兵舎にてふと寝覚めたティーダはワッカとルールーとの口論を目撃、ワッカの旅に出る訳と今大会を最後に彼が引退する事を本人の口から聞く。
『シン』との遭遇[編集]
ティーダは大召喚士になるためガードと共に旅立つユウナと同行しキーリカに向かった。そこに再び『シン』が登場海中で『シン』が残したコケラを退治し、引き上げた。そのころ、『シン』はキーリカの街を破壊していた。多くの命が失われ悲しみに暮れるキーリカで、ユウナは初めて死者の魂を異界に送る異界送りの舞を踊る。
キーリカを後にして寺院へ向かった一行であったが、『シン』は寺院にもコケラを残していた。それを退治して寺院に入ると、今度はドナという召喚士の一行と出会う。ドナにより無理矢理試練の間に落とされたティーダもガードたちと同様に試練の間を突破し、炎の召喚獣「イフリート」を得て寺院を後に次の目的地である'ジョゼ寺院'へ向かう。
機械の無力[編集]
ジョゼ寺院へ向かう途中、連絡船の終点であるルカでブリッツボールの試合に出場したビサイド・オーラカ。ユウナを人質にとって勝とうとするアルベド・サイクスを退けるもワッカが負傷、決勝戦はティーダがかわりに出場することとなった。試合終了後突然魔物騒ぎが発生するが、エボン寺院の新老師シーモアが召喚した「アニマ」により撃退された。 ここでティーダは、夢のザナルカンドでシンに飲み込まれて以来、行方が分からなくなっていたアーロンと再会する。 自分を責めるティーダに対し、アーロンは"『シン』"は"ジェクト"であり、ジェクトはお前に倒されたいと思っている……だからスピラへ連れて来たのだ、と言い放つ。
アーロンとティーダを正式にガードに加え、一行はミヘン街道をジョゼへ向けて歩き始めた。途中で討伐隊による『シン』打倒作戦ミヘン・セッションのため足止めを食らうが、シーモアの口利きにより無事ミヘン街道を抜けキノコ岩街道に至る。そこでは討伐隊が『シン』を呼ぼうとしていたが、そのために用意した魔物たちが突如巨大なコケラとなって襲いかかる。ティーダたちがこれを退治するが、肝心のミッションは失敗に終わり多くの兵士たちが亡くなることとなった。
グアドとの邂逅[編集]
ユウナがミヘン・セッションで亡くなった兵士たちのために異界送りの舞を踊った後、一行はジョゼ街道を抜けてジョゼ寺院に至る。ここで今度はイサールたちの一行と出会う。雷の召喚獣「イクシオン」を得て次の寺院であるマカラーニャに向かう途中、幻光河でユウナを誘拐しようとした機械を退けた一行は、その北岸で逃げ遅れたリュックと出会う。ユウナとルールーとの3人での会議により彼女がガードに加わり、しばらく進むとグアドサラムであった。
グアドサラムで族長であるシーモアに手厚いもてなしを受けた一行。彼は1000年前のことを語り、最後にユウナに結婚を申し込む。その後一行は異界参りを済ませるが、そこにグアドの前族長であるジスカルが現れ、1つのスフィアを残す。
その後、一行は雷平原・マカラーニャの森を抜け、再びユウナ誘拐のため襲撃してきたアルベド族を退けマカラーニャ寺院へ向かう。
寺院への反逆[編集]
マカラーニャ寺院は、シーモアとユウナの結婚を祝うムードであった。二人が試練の間に向かったと聞きガードたちが後に続こうとした時、ユウナが異界で拾った1つのスフィアで騒ぎとなる。ジスカルはシーモアに殺されていたという衝撃の事実が明らかになり、ガードたちとシーモアが激突、アニマを召喚され窮地に陥るもついにシーモアは倒される。
シーモアが倒されたことで一行は反逆者とされ、寺院から追われる存在となった。逃げるように寺院を後にするがマカラーニャ湖でウェンディゴに襲われ、それを退けるも湖にたたき落とされてしまう。しかし彼らは『シン』に助けられた。
ティーダたちが次に目覚めたのはビーカネル砂漠であった。仲間たちを探すが、ユウナだけ見つからない。やむなくアルベド族のホームへ向かうが、そこはグアド族に襲撃されていた。そこでティーダはアルベド族が究極召喚の代償に命を失う召喚士の為に旅をやめさせようとしていた事を知る。
ホームの地下に隠されていた飛空艇に乗り、ホームを爆破した一行はベベルに到着する。そこでは、死人となって蘇ったシーモアとユウナの結婚式が行われようとしていた。その場に乱入し式を止めさせようとするが彼らは包囲されるが、ユウナは召喚したヴァルファーレによって脱出、ティーダたちもそのどさくさに紛れてその場を脱出する。
辿り着いたベベル寺院ではエボンが禁じているはずの機械が使われていた。試練の間を抜け、重の召喚獣「バハムート」を得るが、そこで僧兵たちに捕まった一行は寺院により完全に反逆者とされ「浄罪の路」へと落とされる。実質処刑場であったこの路を突破した一行はグレートブリッジで異形となったシーモアを退けベベルを脱出する。寺院の腐敗を目にし、死の決意を揺るがされ、泣き崩れるユウナ。ティーダは彼女の張り詰めた想いを口づけにて和らげる。
究極召喚の真実[編集]
ナギ平原を越え、ガガゼド山に到着した一行。ユウナは寺院を去っていた族長ケルクに自らの強い意志を示し、キマリも因縁の相手であるビランとエンケを破りザナルカンドへの道を歩む。道中にシーモアが再び現れ、ロンゾ族の戦士達の魂を喰らい力を増した異形となり、戦いを挑むが再び敗れる。さらに道中を進むと、一行は山道に埋め込まれている数千の祈り子像が「何か」を召喚し召喚される光景を目にする。ティーダがそれに触れると、不意に意識を失う。目が覚めた場所は、彼が帰りたがっていた場所、「夢のザナルカンド」だった。自宅に入ってみると、バハムートの祈り子がいた。彼はティーダにティーダやジェクト、夢のザナルカンドの住人達の正体を告げる。仲間たちに囲まれ目が醒めたティーダはひとまず前に進む事を決意。ついにザナルカンドへ到達した一行。
そこでユウナレスカから究極召喚の真実を聞かされるが、彼らはその道を捨て、螺旋を終わらせる方法を探す道を選ぶ。ユウナレスカを倒したことで究極召喚は失われたが、バハムートの祈り子がべベルにて『シン』の真実を語り、シン打倒の手がかりを得る。
最終決戦[編集]
飛空挺にて立てた作戦通り、飛空挺のステレオから流れる「祈りの歌」にあわせ世界中から大合唱が響き、『シン』はその動きを止める。一行は『シン』の内部へ突入した。その中でシーモアと4度目の対決、これを破って遂に彼を異界へと送った一行は、ついにその中心でジェクトと出会う。巨大な召喚獣と化した父を倒したティーダたちは、バハムートの祈り子との約束に従い、自らが持つ召喚獣たちを次々と召喚し、最後にエボン=ジュを倒して『シン』を完全に消し去ったのだった。 かつての友との約束を果たし、自分の役目を終えたアーロンは、若い仲間達に未来を託して異界へ旅立った。 そして夢の世界の住人であるティーダもまたその事実を皆に告げ、別れを惜しむ仲間たちや涙を流すユウナにすら背を向けて、夢のザナルカンドの消滅と共に笑顔でスピラの空へ溶けていったのであった……。
永遠のナギ節[編集]
永遠のナギ節は厳密には本作のストーリーではなくインターナショナル版の付録DVDに収録されていたムービーであるが、『ファイナルファンタジーX-2』につながるストーリーとしてここで述べる。
『シン』を倒し永遠のナギ節が訪れた。ワッカとルールーが結婚し、3人は村でそれぞれ平和な生活を送っていた。ある日リュックが、キマリがガガゼト山で見つけた1つのスフィアを持ってユウナの元を訪れる。そのスフィアには……投獄された、いなくなってしまったティーダとおぼしき青年の姿が映っていた。あの日からずっとティーダのことを考え上の空で生きていたユウナは、その映像の真実を求めるためリュックと共に村を飛び出すのであった……。
その他[編集]
- 本作ではユウナを中心にしたストーリーが描かれているが、ブラスカの時代における召喚士の姿を描いた「ファイナルファンタジーX ワールドガイド エボンの教えとスピラの人々」(ISBN 4-7577-0608-1)がある。その内容はユウナが『シン』を倒した数十年後に執筆された書物という体裁で、3人の召喚士の旅と、ユウナ達の時代にスピラでよく読まれていた資料が収録されている。
- シリーズお馴染みの「プレリュード」に、ポップス的なアレンジで大規模に改変を加えている。お馴染みの8分音符ディレイに加えて、本作品で初めて上昇音形と下降音形のみの展開に手を入れて単純ループを破棄した点が大きい。これまでの路線とは大きく離れたテイストに仕上がっているが、後のシリーズでは元のテイストに戻されている。
- 説明書は15ページしかなく不十分な説明になっている。詳しいシステムはゲーム中のチュートリアルを通じて理解する仕組みになっている。
- 開発中のタイトルは「セブンティーン」。17歳の少年少女が世界の流行り病を治す旅を続けるが、それこそが病を拡大する原因だったと気づき反乱を起こすという内容。また、初期にはSF的な世界にする構想もあったとの事。
評価[編集]
本作は、FFシリーズとしては初のPS2向けソフトであり、最大の売りがフルボイスや綺麗な音楽、ストーリー中に挿入される高精細ムービーであった。また2001年1月に発売された『鬼武者』に続くミリオンセラーであり、初のダブルミリオンを達成したソフトである。1月の『鬼武者』と7月の『FFX』の成功により、プレイステーションは本格的にPS2への世代交代を果たした。ファミ通の「読者が選ぶ心に残るベストゲーム100」では他のFFシリーズ作品やドラクエシリーズなどを抑え堂々一位を獲得した。発売から5年以上経ても同誌の「読者が選ぶTOP20」の順位が高いのは、ファンに根強く支持されている事を示している。一方で、このゲームで排除されたマップや、ムービーの多さから、同じファミ通の読者の評価で採点をする「ユーザーズアイ」では、ストーリーを重視しすぎているためプレイヤーの自由度や探検要素がなくなってしまっているといった部分など、古参のファンからの批判が多かった。「ユーザーズアイ」では平均点がずば抜けて高かったわけではないが、有効得票数も非常に多く、良くも悪くも遊んだプレイヤーが多かったということになる。X以前のFFシリーズでは倒すべき敵がどんどん変わってしまい、ストーリーが複雑だという意見もあったが、Xではストーリーが「シンを倒す」ことで一貫しており、シリーズの中では比較的単純でわかりやすいストーリーに仕上がっている。ただし、フルボイスで、ほとんど文章を読む必要がない本作品と、フルボイスではなく、自分で長いセリフの読解を必要とされる以前の作品を単純に比較することもできない。
参考文献[編集]
2つあるISBN番号は前者はデジキューブから発売されていた物、後者はスクウェア・エニックスから再販された時の物。
- FINAL FANTASY X SCENARIO ULTIMANIA(ISBN 4-88787-010-8、ISBN 4-7575-1215-5)
- FINAL FANTASY X BATTLE ULTIMANIA(ISBN 4-88787-011-6、ISBN 4-7575-1216-3)
- FINAL FANTASY X ULTIMANIA Ω(ISBN 4-88787-021-3、ISBN 4-7575-1214-7)
- FINAL FANTASY X-2 ULTIMANIA(ISBN 4-88787-126-0、ISBN 4-7575-1205-8)
関連項目[編集]
- スピラ - 本作および続編『X-2』の世界観の解説。
ファイナルファンタジーシリーズ |
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メインタイトル
FF - FFII - FFIII(DS版) - FFIV - FFV - FFVI(登場人物) - FFVII(登場人物) - FFVIII - FFIX - FFX/X-2 - FFXI(システム - 世界) - FFXII - FFXIII/vsXIII |
COMPILATION of FF VII
FFVII AC - BC FFVII - DC FFVII/DCLE FFVII - LO FFVII - CC FFVII |
FABULA NOVA CRYSTALLIS |
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クリスタルクロニクル |
外伝・外伝的タイトル |
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映像作品 |
キングダムハーツシリーズ |
コラボレーション |
関連項目 |
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