テルモ
テルモ株式会社(TERUMO CORPORATION)は、東京都渋谷区幡ヶ谷に本社を置く、大手の医療機器の製造・販売会社で、医薬品製造企業でもある。現社名に変更するまで森下グループであった。
概要[編集]
医療用機器の製造を広く行っており、カテーテルや人工心肺装置などの心臓・血管領域商品群では世界で高いシェアを持つ。注射器に予め薬品が充填されている「プレフィルドシリンジ」シリーズは、日本国内での同系統製品の中でトップシェアである。一般向け商品では、体温計・血圧計・尿検査試験紙などが有名。体温計を作る目的で作られた同社の国内体温計シェアは二位であるが、売り上げの占める比率は1%程度であり、現在利益の殆どを占めているのは医療機器、医薬品、心臓・血管領域商品群の製品である。
新聞連載広告を書籍化したブックレットを、読者に頒布していた。
2011年新入社員研修[編集]
テルモは今年、新入社員研修の内容を大幅に改めた。東日本大震災の影響で、従来予定していた研修が実施できなくなったためだ。
3月の震災から4月の新入社員の入社まで、わずか半月余りでの内容変更となったが、予想しなかったプラス効果や発見があり、今後の研修のあり方を考え直す契機になった。
新入社員研修の内容変更の背景には、3月の東日本大震災で生産現場が混乱し、入社したばかりの社員も現場の支援に急きょ配置されたことがある。
本来であれば、8月ごろまで予定されていた研修プログラムを白紙に戻したうえで、入社直後の4月から新入社員たちを国内工場に配置した。ラインの補助から製品の梱包などを手伝い、改めて研修に向かったのは、震災の混乱が落ち着いた後となった。
「それでもお辞儀をしているつもりなのか」。会場内に“ビジネスマスター”と呼ばれるコンサルタントの一喝する声が響きわたる。緊張した面持ちの新入社員たちは、ビジネスマスターの「合格」を得られるまでお辞儀を繰り返す。研修予定の変更とともに、テルモは新しい研修プログラムを導入した。
その1つが「ビジネスマインド強化研修」だ。同研修は、新入社員がビジネスパーソンとして自らを掘り下げ、ビジネスの妨げとなる殻を打破することを目的とする。 ビジネスマスターの指導のもとで、自分が目指す人材像をイメージし、実現するのが課題。そのためにあいさつや笑顔から始まり、商談に臨む際の心構えに至るまで、自らの掘り下げを進めていく。
このプログラムでは、新入社員が7人で1グループとなる。
あいさつ1つでも、学生時代にはおそらく経験したことがないほど、姿勢を正し、体を折り曲げるようにするなど試行する。
2日間のプログラムでは、各グループの議論が夜遅くまで続いた。ビジネスマスターのダメ出しに、新入社員たちは「なぜうまくいかないのか」「グループで連携するにはどうしたらよいのか」と、各自の感情を高めていく。
研修を補佐した人材開発室の広瀬美緒主任は「議論が煮詰まっていった研修終盤にかけては、参加した半数が号泣していた」と振り返る。学生から社会人への切り替えがうまくできたとみている同社は「来年以降も実施したい」という。
従来は職種に関係なく同じプログラムだったのだが、生産、医薬情報担当者(MR)、技術開発といった職種ごとに特化した研修を採り入れたのも今年の研修の特徴だった。
例えばMRを対象に行った「カッター研修」。営業員として体力的にも精神的にも鍛錬が必要という考えから、広島県の厳島神社と江田島までの往復28キロメートルを、手こぎのカッターボートで渡る研修だ。
乗組員同士のタイミングが合わないとボートが前進しないことも多く、「一体感の醸成に役立った」(人材開発室の工藤好司氏)という。規律の順守や連帯感の醸成を必要とすることなどから、来年以降は入社数年目での研修で応用することを検討している。
予期せず変更となった新入社員の研修だが、「現場に一度出てから研修をすると、貪欲さが違う」(工藤氏)など、新たな発見も多いという。
今後は、例えば製品について学ぶ商品研修の前に臨床研修を実施する、といったように、研修メニューに反映していく考えだ。
沿革[編集]
- 1921年9月 - 北里柴三郎ら医学者が発起人となり、赤線検温器株式会社を設立。
- 1922年2月 - 「仁丹体温計」を赤線検温器が製造、森下(仁丹)から発売された。
- 1923年 - オリンパスの体温計製造分野(渋谷区幡ヶ谷)を買収。
- 1936年11月 - 仁丹体温計株式会社に社名変更。この時期から体温計シェアの一角となる。
- 1963年12月 - 株式会社仁丹テルモに社名変更し、森下仁丹の医療機器製造部門会社となる。
- 1964年1月 - 日本初のディスポーザブル(使い捨て)タイプの注射器を発売開始。
- 1969年7月 - 日本初の血液バッグを発売。
- 1973年7月 - 日本初の輸液バッグを発売する。
- 1974年10月 - 森下グループから離脱し、現社名のテルモ株式会社に変更。
- 1982年6月 - 東京証券取引所市場第2部に株式上場。
- 1983年12月 - 予測式デジタル体温計を開発・発売。
- 1984年11月 - 水銀体温計の生産中止。
- 1985年5月 - 東京証券取引所市場第1部に指定換え。
- 1998年 - エピネフリンなどの薬剤が予め充填された注射器「プレフィルドシリンジ」の販売開始。
- 1999年7月 - 3M社から人工心肺事業を買収して、テルモ・カーディオバスキュラー・システムズCORPを設立。
- 2001年9月 - 住友ベークライト株式会社から在宅酸素事業について事業譲受をし、テルモメディカルケア株式会社を設立。
- 2002年 - 高カロリー輸液剤「フルカリック」を販売開始。
- 2005年 - 世界一細いインスリン用注射針「ナノパス33」を販売開始。
- 2007年8月 - 欧州にて、世界初の磁気浮上型左心補助人工心臓「DuraHeart」を販売開始。
- 2011年3月 - 米医療機器メーカー、カリディアンBCT買収。輸血事業世界一となる。
歴史[編集]
1921年9月、それまでドイツ製に頼っていた体温計の国産化を目的として、北里柴三郎をはじめとする医学者が発起人となって、赤線検温器株式会社として設立。そのため、社名「テルモ」の由来は、ドイツ語で体温計の意味であるThermometer (テルモメーター)から。 2005年には世界一細い注射針ナノパス33でグッドデザイン大賞に選ばれた。
主な一社提供番組[編集]
TBS系
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子会社等[編集]
連結子会社39社、持分法適用関連会社2社、持分法非適用関連会社2社。
国内会社[編集]
- 株式会社医器研(連結子会社)
- テルモ・クリニカルサプライ株式会社(連結子会社)
- テルモメディカルケア株式会社(連結子会社)
- テルモ・ビーエヌエス株式会社(持分法適用関連会社)
- オリンパス テルモ バイオマテリアル株式会社(持分法適用関連会社)