タママ
タママは、吉崎観音作の漫画『ケロロ軍曹』およびその関連作品に登場する架空のキャラクターである。アニメ版の声優は小桜エツ子。
北米版ケロロ軍曹では階級が「Private 2nd class TAMAMA」となっているが、日本語版の公式英訳では「Private TAMAMA」であり、北米版では二等と言うことが強調されている(軍隊の階級における「Private」は一等兵、二等兵の両方を指すが、映画『プライベート・ライアン』など通常は「Private」だけで二等兵を指す)。
目次
人物[編集]
ケロン軍での階級は二等兵。ケロロ小隊の突撃兵である。地球侵略軍の先発隊新人隊員で、小隊では最年少。名前の由来は「オタマジャクシ」の「タマ」から。ニックネームは小隊のマスコット担当。
パートナーは西澤桃華。
担当声優の小桜エツ子は19歳くらいの感じで演じているという。(AMラジオ・大阪放送にて毎週土曜日深夜に放送中の「ケロロとギロロの地球侵略ラヂオ」にて本人が発言。)
外見[編集]
体色は濃い紺色(よく黒と言われる)。帽子とおなかに左右逆色の初心者(若葉)マークがあり、これは本人によると「立派な軍人を目指していた頃の気持ちを忘れまいとつけている」らしいが真偽は不明。また、オタマジャクシのような尻尾が生えているので未だ子供。アフロのカラーは赤。
一見女の子(♀)に見えるが、れっきとした男の子(♂)である。初対面の人に「かわいい」と言われることが多く、タママ自身が自分をキュートでラブリーだと思っているのは単なるうぬぼれではない。時々ぶりっ子のポーズをすることがある。
なお、アニメ第108話Aパートではジンセイガニドアレバ銃の誤作動により大人になったことがある。一般的に大人のケロン人は口の上まで色がついているが、タママが大人になった際には顔の色のつき方がまったく変わらず、目のあたりまでしか色がついていなかった。このときの様子から、ケロン人はまず尻尾が消えその次に顔の色の着き方が変わっていく事がわかる。
性格[編集]
二重人格(しかし、単に嫉妬や怒りの感情を剥き出しにしているだけなので、必ずしもそうとは言い難い)であり普段は新人らしく素直だが、一度怒ると手がつけられなくなる。キレるときは風船が割れるような音がして“ぷっちん”とテロップが入る(「ぷっつん」とも、まれに「ぷっちん」と自分で言っていることもある)。
かなり嫉妬心の強い性格の持ち主。ひょんなことからケロロに代わって隊長を務めたこともあったが、彼以上に統率力がなかった。
タルルなどの後輩に対しては大きな態度を取ることがある。さらに自分をかなり大きく見せているらしく、事実を曲げたり大きくしたり果てにはホラを吹いたり嘘を教えたりしている。また腹黒い面があり、本人も自覚している(クルルには敵わなかったが)。そのためホラ吹きや嘘の犠牲者となったギロロ・クルル・桃華・ポールの制裁(アニメではドロロ・冬樹・夏美を追加)を食らったことがある。
アニメ第171話Aパートでは反抗期になった事もあり、それに比例して態度や言葉遣いが悪くなった事もあった。
嫉妬[編集]
嫉妬をするシーンでは必ずと言っていいほど声が低くなったり、ドス黒いオーラを発したりする。アニメでは初期にもこういった描写があったが、モアが登場してからより嫉妬の感情が強調されるようになった。
アニメ第77話Bパートでは嫉妬を溜め込みすぎて体が膨らみ、そのせいで宇宙へ飛んでいってしまったこともある。また、それらを集中させると嫉妬玉を発射することができる(自己的に世界中から嫉妬心を集めて発射する事も可能である)。さらにこのときは宇宙に飛んでいく前から巨大化しており、モアを捕まえて西澤タワーに登る姿はキングコングがアンを片手にエンパイアステートビルを登る姿のパロディである。説得に来たギロロに対し「一等兵は二等兵より偉いから、二(タママ二等兵)は五(ギロロ伍長)より偉い」という屁理屈をいっている。同様の例としてアニメ第225話Aパートがあり、こちらはタママが嫉妬玉を口に飲み込んで嫉妬を我慢しようとしたが、口の中で嫉妬玉が膨らんで空中浮遊した(最終的に嫉妬玉は口内で爆発)。
原作のネブラには「ヤミ属性」、アニメ版のアリサには「闇が根深い」と言われたが、本人にその自覚はないようである(アニメでは自覚していた)。
タママインパクトを発射する際に嫉妬心などから発射する場合は目が狂気化しており(怪しげに目が光る、または目が点のように小さくなって血走るなど。例外としてアニメ第108話Aパートでは普通の表情でタママインパクトを発射していた)、発射する際に「うたるっぞぬしゃ〜!!!」あるいは「んだるぞぬっしゃ〜!!!」という掛け声を掛ける場合が多い(発音は「うたるぞっぬしゃ〜!!!」に近い、アニメの設定上は「うだるぞぬしゃ〜」である)が、それ以外は普通の目つき(つぶらな瞳で時々目をウルウルさせていることが多い)である。「んだるぞぬっしゃ〜!!!」はタママの携帯電話の着信音に設定されている(アニメ第152話より)。なお、この「うたるっぞぬっしゃ〜」は熊本弁で「殴るぞ、お前!」という意味である。なぜ、熊本弁を知っているのかは、不明である。
嫉妬のパワーには凄まじい物があり、アニメ第69話Bパートでは「ペコポン人スーツ」を取ってくるだけの目的で土井中村(茨城県にある)から東京までの距離を短時間で泳ぎきり、しかも見事に往復している。
シュララ曰く、タママの嫉妬深さは「ギネス級」であるという(アニメ第159話Bパートより)。
好きなこと[編集]
お菓子(特にケーキ・コーラ・ポテトチップス)と漫画が好きで、肉体鍛錬が趣味。西澤家に自分専用のトレーニングルームを持っている。
アニメでは第51話において地球でお菓子を食べすぎたせいで血糖値が高くなり、健康診断で指摘された。しかしそれでも改善しなかったらしく、第157話Aパートで糖尿病になる危険性を指摘された。
食べるだけでなくお菓子を作る事も趣味なようで、第106話Bパートでは無趣味だと言うギロロに伝授していた。また、第122話Aパートではクッキーをケロロに差し入れするシーンも登場する。
また格闘士(グラップラー)であり、数々の必殺技を持っている。
話し言葉の特徴[編集]
一人称は「ボク」で「~ですぅ」を語尾に付けて会話することが多いが、タルルなどの年下のケロン人との会話になると一人称が「俺」または弟子のタルルと同じく「おいら」になり通常の男言葉で話し、「~ですぅ」は使わなくなる。また、モアを帰らせるべくペコポン人スーツで正体を隠し意味の無い特訓をさせた時は「私」、アンチバリアのバッテリーが切れていることに気づかず使っているつもりで神様を名乗りサッカー少年を特訓した時は「ワシ」だった。
小隊内の無線では「ワカバ1」という(初心者マークの別称「若葉マーク」が由来)。
他の人を呼ぶときは変わった呼び方を使う(タママ二等兵の呼称一覧を参照)。またクシャミをする時は「タマックチュンッ!!」とクシャミをする(アニメ第159話Bパート)。
パートナー・西澤桃華とその他の人間関係[編集]
地球侵入時、ノラ犬に襲われていたところを西澤桃華に助けてもらい、そのまま西澤家に厄介(居候)になっている。桃華とは二重人格仲間。二人は「宇宙を超えた似たもの同士」であると表現されている。西澤家が裕福なので、かなり良い暮らしをしている。また、桃華はタママを「冬樹に話しかけるきっかけ」として利用することがあり、ケロロ小隊が一時的にケロン星に帰った際は話すきっかけを失い困り果てる桃華の姿があった。なお、西澤家に関わる人間(桃華親衛隊、西澤家メイド隊他)はタママ及びケロロ小隊の存在を認識している。
ケロロに屈折した愛情を抱いており、ケロロと結婚したがっているような発言もある。部下としては地球に来る前はケロロ以外に対して反抗的だったらしい。同じくケロロを好きなアンゴル=モアに対しては嫉妬の炎を燃やしているが、嫌がらせのつもりであるタママの発言を良く取ってしまう純粋なモアを前にして自分の惨めさを自覚するシーンもある。また、ケロロと親しくしたものに対してはモア以外であっても嫉妬する(アニメ第115話Bパートではジャイアントニョボに、アニメ第170話Bパートではプルル看護長に嫉妬した)。例外的にアニメ第135話Aパートでカララがケロロのお嫁さんになるといったときには、彼女の性格からこれも運命だと珍しく嫉妬せずに認めていたが、第180話ではやはり嫉妬した。
しかし結果的にケロロに最もヒドイことをしているのはタママ自身であり、自身の腹黒さを棚に上げてケロロに対して「腹黒い」(これは単に褒め言葉のつもりで言っているようである)とか「悪運だけはある」などと言っている。しかし、ケロロはこのことについてはあまり気にしていないようである。最近ではケロロが明らかに傷ついていることがわかっていながら、ひどい発言をすることもある。さらに前述のような「嫉妬心」が強まると、ケロロが巻き添えになることをいとわず相手を攻撃しようとする(アリサ初登場回がその例)。原作の人物相関図ではケロロに対して「尊敬」と書かれていたが、第13巻より「尊敬?」となっている。
タママ自身は『現在のケロロ』に屈折した愛情を抱いているらしく、アニメ第64話Bパートで、ドロロの過去の記憶の中で出会った子供の頃のケロロに対しては、「クソガキ」呼ばわりした上、何の躊躇もなくタママインパクトを何度も炸裂させている。
なお、アニメ第108話Aパートではゲイシャー星人のサユリに恋をしたこともある。
モアに対しては嫉妬以外に一種のライバル心のようなものも生まれているらしく、原作第117話で彼女が使命から来る衝動に耐え切れず自らをアンゴルストーンに封印して眠りについていた際、ずっと側に付き添っていた(モア自身はアンゴルストーン内部からそれを認識しており、封印を解いた彼女に礼を言われた時にタママは複雑そうな表情で顔を背けた)。また、ガルル小隊によってアンゴルストーン内に拘束されたモアを特大のタママ・インパクト(通常は火球状だがパワーアップを果たして光の柱となっている)で救い出したのはタママである(救い出したというより流れ弾)。
その他のエピソード[編集]
- 睡眠中の歯軋りがひどく、ケロロに「ウルセェ!!」と言われた事もある(そういうケロロ本人もかなりひどいが)。
- よくランニングやスパークリングをしているシーンが登場するが、この時の掛け声は「シットッ…シットッ…」(嫉妬)と実に彼らしい。(ただし最近は普通に「ハッ…ハッ…」と言う様な普通な感じになっている)。
- 口が軽いという欠点もあり、大事なことを言ってしまっても気づかないことがある。例えば、アニメ第126話では迂闊にも「地球侵略の期限」を口にしていた。
- 他人に嫉妬することの多いタママだが、大富豪・西澤家に住んでいる事に関してはあべこべにケロロとギロロに嫉妬されている。
- 学校の校舎の中から校庭の周囲にまで届く位の大変鼻が曲がる程の猛烈な臭いを持った「ぷーへこき」というおならを出すことがある(アニメ第2話・第112話・第130話・第132話参照)。おそらくこの「ぷーへこき」を出す原因はお菓子の食べ過ぎで出すことが多いようである(アニメ第132話Aパートを参照))。普通のケロン人は9000ヘコキに対しタママは50000ヘコキらしい(この「ヘコキ」という単位は鼻毛を抜いたときの痛みの値が「ハナゲ」であるというジョーク(痛みの基準はハナゲ)が元ネタと思われる)。
- 一番苦手な音は黒板を引っかく音である。
- 『ちびケロ ケロボールの秘密!?』ではタママに似たデスゥボールが登場した。顔つきはモアに対して「嫉妬」と言う時の顔に似ている。
- 基本的に機械は苦手なようだが、アニメ第50話Bパートでは拳法で電磁バリアの制御装置を直したことがある(ただし直ったのは一時的である)。
- アニメ第170話Aパートで新聞記事を読んでいたときの様子から、漢字は苦手な模様である(「五億円事件時効」を「ご・えん・とき?」と読んでおり、小学校低学年レベルの漢字しか読めていなかった)。
- アニメではタママの描いたヘタウマなモアの似顔絵がしょっちゅう出てくる。そのモアの似顔絵はよくタママの肉体鍛錬で、タママインパクトの的にされたりする。ケロロ、ギロロ、ドロロ、クルル、桃華の似顔絵もある(桃華の似顔絵を見たクルル曰く「本人にちっとも似ていない。」)。
タママ二等兵の呼称一覧[編集]
タママ二等兵が使う呼称は、他の人のものと比べてかなり特殊である。呼ばれ方は「タママ」か「タマちゃん」が多い。
名前 | タママを呼ぶ際の呼称 | タママに呼ばれる際の呼称 |
---|---|---|
ケロロ | タママ(二等・君) | 軍曹さん |
ギロロ | タママ | ギロロ伍長・ギロロ先輩・伍長さん・赤ダルマ |
クルル | タママ・ガキ・坊主 | クルル先輩・曹長さん |
ドロロ | タママ殿・タママ君 | ドロロ兵長・ドロロ先輩・ドロロさん |
冬樹 | タママ | フッキー |
夏美 | タママ | ナッチー |
秋 | タマちゃん | ママさん・秋ママさん |
秋奈 | タマちゃん | おばあちゃん |
桃華(表) | タマちゃん | モモッチ |
桃華(裏) | タマ公 | |
小雪 | タママさん | (不明) |
ポール | タママ殿 | ポール |
タルル | タママ師匠(一部の話のみ「先輩」) | タルル |
モア | タマちゃん・タママさん | モア・あの女・この女・その女 |
カララ | タマ兄 | カララ |
プルル | (不明) | プルル看護長・おばちゃん |
冬樹(夏美の妹) | タママくん | (不明) |