せんべい汁

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せんべい汁(せんべいじる)は青森県八戸市周辺の郷土料理で、南部煎餅をしょうゆ味で煮立てた汁または鍋物。

青森県八戸市は元々幕末までは南部藩であった為、今では隣県となっている岩手県とは気候風土が同じである。

せんべい汁は南部藩時代であった江戸時代天保年間、「やませ」の影響を強く受けた際の飢饉食として生まれたとされる。

せんべい汁には南部煎餅の中でもせんべい汁専門に焼き上げた「かやきせんべい」を使用する。これを手で割ったものを、一般的に醤油ベース(味噌ベースもある)の出汁ごぼうきのこネギ等の具材と共に煮立てる。煎餅は出汁を吸い、すいとんの歯ごたえを強くしたような食感となる。せんべい以外の具材やだし汁はすいとん(南部地方では一般的に「ひっつみ」という)と全く同じであり、成立過程では、もともとすいとんの食文化が盛んであった南部地方で、すいとんの代わりに保存のきくせんべいを用いたものであると考えられる。

200年以上の間、現在の南部地方一帯で愛されていたが、2002年東北新幹線八戸開業を機に、せんべい汁による地域おこしの動きが広がり、一躍全国区となった。

なお2006年10月24日より11月20日までの期間限定で東北地区(青森・岩手・秋田・宮城・山形・福島・新潟県)のファミリーマート約530店舗で八戸せんべい汁が発売された。また、2006年2月18日には、八戸せんべい汁研究所プロデュースの下、せんべい汁を含め全国のB級グルメを集めた「B-1グランプリ」という食の祭典が八戸市で開催された。

2007年12月18日農林水産省主催農山漁村の郷土料理百選(郷土料理100選)に青森県の郷土料理としていちご煮と共に選ばれる。

他都道府県出身者や東京のTVでは単に「せんべいを汁に入れる」という認識と表記でしか認知されておらず、実際の南部煎餅(ピーナッツや胡麻)を直接いれるものと勘違いしている場合も見られる。

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