白瑠璃碗

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白瑠璃碗(はくるりのわん,Glass Bowl)は奈良県奈良市正倉院に伝わるカットガラスの碗である。出陳回数が多く、人気の宝物である。

概要

透明でごく薄い褐色味のついたカットグラスの碗である。土に埋もれたことがないので、ガラスが鮮明である。

構成

外形に円形切子を連続して刻んだカットグラスである。凹レンズ状に刻まれた切子に対面する切子模様が写り込む視覚効果が美しい。上下互い違いに凹レンが配列され、ハチの巣のように見える。底部中央に大き目の切子を配する。円形切子の数は全部で80ある。イラン高原北西部のギラン州より類例が多く出土する。ササン朝ペルシャで5世紀から6世紀に作られたと考えられる。シルクロードを経由して日本に渡来した。

類例

  • 大阪府羽曳野市の高屋築山古墳(安閑天皇陵)から出土したガラス製碗が類例である[1]
  • サントリー美術館のカットガラス碗[2]

組成

ササン朝ペルシアで作られたガラスをササンガラスという。古代オリエントで作られたガラスの化学組成に近くマグネシウムカリウムを多く含み、ササンガラスはソーダ石灰ガラスである。

展示歴

管理

  • 登録名:白瑠璃碗
  • 倉番 : 中倉 68
  • 用途 : 飲食具
  • 技法 : ガラス
  • 寸法 : 口径12.0 高8.5 重485
  • 材質・技法 :アルカリ石灰ガラス(無色) 切子装飾

  1. 円形切子ガラス碗天理大学付属天理参考館
  2. カットガラス碗 サントリー美術館