PC遠隔操作ウイルス事件
PC遠隔操作ウイルス事件(えんかくそうさウィルスじけん)とは、2012年(平成24年)に日本において、片山祐輔がネットの掲示板を介して他者のパソコン (PC) をトロイの木馬(トロイプログラム)に感染させて遠隔操作し、これを踏み台として襲撃や殺人などの犯罪予告を行ったサイバー犯罪である。尚、報道等では、事件で使用された悪意のあるプログラムをコンピューターウイルスと表現しているが、正確にはトロイプログラムである。
目次
概要[編集]
事件の経緯[編集]
片山祐輔が、インターネット掲示板を介して東京都の男性A・大阪府の男性B・愛知県の男性C・福岡県の男性D・三重県の男性Eの5人の人間が所有するパソコンに対して不正な指令を与えて、所有者の認識しないところでパソコンを操り計13件の襲撃・殺害予告を行わせた。トロイプログラムを感染させたり、犯罪予告の書き込み動作を行わせるためにインターネット2ちゃんねるやしたらば掲示板などの掲示板が用いられた。
興味をもたせクリックしたくなるような巧みな言葉で指定したウェブサイトへのリンクに5人を誘導し、これをクリックさせることで最終的にパソコンが遠隔操作される仕組みになっていた。片山祐輔自身はTorという仕組みを利用して複数の海外のサーバーを経由して掲示板にアクセスしており、自分のIPアドレスを隠蔽していた。
7件の襲撃・殺害予告については、書き込み時のログに残ったIPアドレスを手掛かりにした捜査で愛知県の男性Cを除く、男性A, B, D, Eの計4人の人間が逮捕された。このなかでも大阪府の男性Bについては、アニメ業界で名前が知られていた著名人だったことや、予告内容が航空機の特定の便の爆破であり、当該機が途中で引き返すという大きな実害が生じていたため、逮捕が大きく報道された。尚、他の男性A, D, Eの3人が逮捕された時点では、従前よりネット上でしばしば見られた犯罪予告投稿に関する事件に過ぎないと認識されており、これが遠隔操作の結果であると知られる前には社会的注目度は高いものではなかった。
警察の捜査に対して当初は男性A, B, D, Eの4人とも否認したが、取調べの過程で東京都の男性Aと福岡県の男性Dが容疑を認めた。容疑を認めた男性Aは未成年であったことから保護観察処分となった。一方で、否認し続けた大阪府の男性Bについては起訴に至った。
しかし、三重県の男性Eのパソコンから、事件に関与したと思われるトロイプログラムが発見されたことから、逮捕後に勾留されていた男性Eは釈放された。また、これを受けて大阪府の男性Bのパソコンを再度調査したところ、やはり同様のトロイプログラムに感染していた痕跡があったことが判明したため、トロイ発覚時点ではこの2件の関連性が注目されていた。後に事件で容疑を認めていた福岡県の男性Dも、三重県の事件と同様のトロイプログラム感染が明らかになったことで釈放された。
10月になって片山祐輔から弁護士やラジオ局に「自分が真犯人」と名乗るメールが届いた。このメールの中で、それまでメディアで報道されていなかった6件について触れられていたことや、メディアで報道されていた7件についても公になっていなかった犯行予告の文言などが一字一句同じである等、報道されていない多数の秘密の暴露があったため、片山祐輔からのメールと断定された。
釈放された男性D, Eの2人に嫌疑なしの不起訴処分、起訴された大阪府の男性Bは起訴取り消し、未成年の東京都の男性Aは保護観察取り消し処分となった。
IPアドレスを根拠とした捜査で特定したパソコンの所有者を直ちに容疑者と断定して検挙した事に対しては、パソコンが遠隔操作されるなりすましの可能性が考慮されなかった点、また、逮捕後の取り調べの中で2人が身に覚えがないのに「自身の犯行であると認める」と全面自白に至らしめた経緯についても問題が提起された。
警察は片山祐輔について、脅迫罪、威力業務妨害罪、不正指令電磁的記録作成・同供用罪などの適用を視野に捜査を進めている。
2012年(平成24年)12月12日に、捜査特別報奨金対象事件に指定された。なお、片山祐輔が逮捕された2013年(平成25年)2月10日付けで指定からはずしている。
2013年(平成25年)1月1日未明に、複数の報道機関や記者に「謹賀新年」のタイトルでメールが送付される。発信元は以前と同じメールアドレスであり、従前ここに宛てて送られてきた質問等への回答や、IESYS.EXEのソース・関連ツール等を先着1名に提供するとしている。
1月5日未明に、複数の報道機関等に再度メールが送付される。発信元は以前のメールアドレスを僅かに変えた物である。「江の島の猫にチップを預けた」としており、5日午前中に警察が回収した。
2013年2月10日未明、合同捜査本部は、片山祐輔が事件に関与している疑いが強いとして威力業務妨害容疑で逮捕した。
犯行の手口[編集]
意図せず犯行予告に加担させられた男性5人のうち、1人はウェブサイトのセキュリティーの不備をついたクロスサイトリクエストフォージェリ (CSRF) をしかけられた。他の4人は、トロイプログラムを仕込まれたアプリケーションソフトをダウンロード・実行し、そのトロイを介してPCが遠隔操作された。
遠隔操作[編集]
- 東京都男性Aの事件 - CSRFによる殺害予告の書き込み
- トロイを用いた遠隔操作ではなく、真犯人XはCSRFを仕掛けたウェブサイトを用意し、これを指し示すリンクを掲示板に書き込んでクリックさせる事で、殺害予告文をターゲットのウェブサイトである横浜市のHPに自動送信を行わせたことが判明している。なお横浜市のHPは、投稿されたデータが入力フォームを介したものであるかを検証しておらず、また、文章を投稿すると確認画面を経ず、直ちに投稿文を受け容れる設計でありCSRF攻撃への対策が取られていなかった。
- 4人の男性B, C, D, Eの事件 - トロイプログラムによる遠隔操作
- 真犯人Xはバックドア機能を持つトロイプログラムである "iesys.exe"(アイシス・エグゼ)を仕込んだフリーソフトをサーバー上に配置したうえで、言葉巧みにこれをダウンロードする様に仕向ける紹介文を掲示板に書き込み、ユーザーにダウンロード・実行させてバックドアを開いた。片山祐輔は、このバックドアを介してユーザーのパソコンに対して情報取得や、ターゲットとなるHPへの犯行予告書き込みの指示を与え、パソコン所有者の認識しないところで脅迫行為に加担させた。
- ユーザーを誘導する舞台となった2ちゃんねるでは、大半の掲示板では海外サーバーからの書き込みを制限しているが、代行スレッドの掲示板ではTorも含む海外のサーバーからの書込みも可能となっていた。片山祐輔はTorで身許を伏せつつ、ユーザーをフリーソフトに誘導する文言を代行スレッドに書き込み「ソフトウェア板の指定のスレッドにこの書き込みをしてほしい」と依頼することで、他人の手を借りて目的の書き込みを行わせることで、ユーザーをリンクに誘導する目的を達成した。この際に、片山祐輔は代行スレッドに、全く関係のない無関係の掲示板利用者の手を介して誘導するリンクを書き込ませて、自覚なく犯罪に加担させた。
トロイプログラム IESYS.EXE[編集]
トロイプログラム IESYS.EXEには「2・00」「2・23」「2・35」などのバージョンが確認されている。尚、報道等ではコンピューターウイルスと呼ばれるが、このプログラム単体には他のPCなどへ感染を広める機能は無く、厳密にはトロイプログラムに分類される。
- IESYS.EXEへの指示
- このトロイは稼働中に特定の掲示板(したらば掲示板)を監視しており、ここに書き込まれる命令を読み取って指示された動作を行う。命令は暗号化されており、ここへの書き込みはTorを介して行われた。また、動作完了時には、別の掲示板に動作完了の旨の書き込みを行う。
- IESYS.EXEの機能
- ウイルス対策ソフト会社の解析に拠れば、このトロイは以下の機能を持つとされる。
- キーロガー(キーボード入力情報の取得)
- スクリーンショットの取得
- ファイルのアップロード(パソコン内のファイルを外部に転送する)
- ファイルのダウンロード(ネットから当該パソコンにファイルを転送する)
- 指定ウェブページへのPOST(自動投稿)
- アップデート
- 自身の消去
- これにより、パソコン所有者に関する情報を得る事も可能であり、実際に真犯人Xからの犯行声明の中にユーザーについて言及した事例が幾つか見える。
- IESYS.EXEの特徴
- 流通しているウイルス作成ツールで製作したり、既存のウイルスの亜種などではなく、スクラッチから製作されたまったくの新種である。
- 従来のボットタイプのウイルスがIRC経由で指示を受けるのに対して、IESYS.EXEは特定の掲示板を監視し、そこに書き込まれた命令を解釈・実行する点が異なる。
- 開発ツールとしてMicrosoft Visual Studio 2010を使い、C#(シーシャープ、プログラミング言語)で記述されている。なお、IESYS.EXEの解析者は、Visual Studio 2010が高価なツールであることから、それを所有するプロの犯行であると示唆しているが、無償エディション (Express) も存在する他、有償エディションも一定期間無償で使用できる。また、Visual Studio 2010の有償エディションか無償エディションかは分かっていない。
- セキュリティソフトベンダーによる命名
一連の犯罪予告事件[編集]
全部で13件の予告が確認されている。うち7件が報道され、6件は当初報道されていなかった。
東京都男性AのPC遠隔操作事件[編集]
遠隔操作されたPCの所有者は東京都に住む19歳の男子大学生である。
- 6月29日(金)15時17分頃 - 横浜市ウェブサイトへ「鬼殺銃蔵」を名乗って横浜市の某小学校で無差別殺人を行う予告を投稿。附属池田小事件を想起させるような内容であった。この犯罪予告をうけて翌6月30日に予定されていた授業参観は中止となった。
この事件をめぐり、神奈川県警によって男性Aが逮捕された。当初は否認していたが、取り調べの過程で容疑を認め、未成年であったことから保護観察処分(実質的な有罪扱い)となった。しかし、犯行声明をうけて殺害予告の当事者ではない事が明らかになり、保護観察処分取消処分となった。この事件は誤認逮捕でなく冤罪事件であり、マスコミの誤認逮捕事件と報じるのは誤りである。
大阪府男性BのPC遠隔操作事件[編集]
遠隔操作されたPCの所有者はアニメ演出家である。本人が実名を公表しており、報道等では実名が用いられる。
- 7月29日(日)21時45分頃 - 大阪市のHPの相談窓口ページに「8月5日にヲタロードでトラックとナイフで無差別殺人をする」という内容の犯行予告の投稿。秋葉原通り魔事件を想起させる内容であった。この犯罪予告をうけて、当該場所には警察官約90人が警戒にあたることになった。
- 7月29日(日) - 首相官邸のHPへ「桜田門前で皇居ランナーを無差別殺人」という予告(当初はメディア非公開)。
- 8月1日(水)13時25分頃 - 日本航空のHPの顧客対応窓口に「日本航空の成田発ニューヨーク行きの006便に爆弾を仕掛けた」という脅迫メール。麻原彰晃死刑囚の釈放を要求する内容があった。この犯罪予告をうけて、午前11時54分に成田空港を離陸していた同便(乗客乗員265人)はアリューシャン列島付近から成田空港に引き返した。
この事件についてログに残っていたIPアドレスから大阪府の男性Bのパソコンが特定された。8月上旬に男性はパソコンを任意提出する一方で、任意の取り調べの中では容疑を否認した。捜査機関は約1ヶ月間任意捜査で、「無線LAN無断使用」「CSRF攻撃」「遠隔操作ウイルス感染」「時限設定自動書き込みウイルス」などの可能性を考慮し、第三者の関与を想定して捜査を行った。しかし、捜査機関の当時の解析能力では遠隔操作ウイルスの痕跡は見つけられず、また複数のウイルス対策ソフトによる検査でも不正プログラムが見つからず、第三者の関与の可能性が低いと判断され、この男性Bの犯行と断定して8月26日に威力業務妨害罪で逮捕した。男性は逮捕後も容疑を否認し続けたため、9月14日に偽計業務妨害罪で起訴された。その後、三重県の事件で新種のトロイ感染が発見された事をうけて、改めてパソコンを調査した所、同種のトロイプログラムに感染していた痕跡が確認されたため9月21日に釈放され、起訴取り消し処分となった。
愛知県男性CのPC遠隔操作事件[編集]
遠隔操作されたPCは男性Cが勤務する会社の事務所内のものであり、犯行声明では具体的な社名について言及している。
- 8月9日(木)10時41分頃 - 2ちゃんねるにコミケで殺害予告を5回書き込み(当初はメディア非公開)。8月10日から8月12日までの3日間、東京ビッグサイトで「コミックマーケット82」が開催予定であった。なお、2013年2月10日に逮捕された被疑者の逮捕容疑は、このコミケ襲撃事件に関する威力業務妨害であった。
- 8月9日(木)10時59分 - 2ちゃんねるに天皇殺害予告と書き込み(当初はメディア非公開)。
この事件については男性Cは逮捕されなかった。
福岡県男性DのPC遠隔操作事件[編集]
- 8月27日(月)17時頃 - お茶の水女子大学附属幼稚園のHPへ始業式に悠仁親王及び園児らへの殺害を予告するメール。その際に「わるい天皇制を終わりにしてやる」の文言があった。
- 8月27日(月)夕方 - 学習院初等科のHPに始業式に愛子内親王及び児童らへの殺害を予告するメール(当初はメディア非公開)。その際にお茶の水女子大学附属幼稚園事件同様に「わるい天皇制を終わりにしてやる」の文言があった。この犯罪予告メールは迷惑メールに分類されていたため、真犯人Xの犯行声明が明かされるまで犯罪予告が送られてきたことに気付かなかった。
- 8月27日(月) - 芸能事務所ジョビィキッズプロダクション(芦田愛菜所属事務所)のHPへ芦田愛菜の殺害を予告するメール。
- 8月27日(月) - 部落解放同盟中央本部のHPへ部落民殺害と本部襲撃予告をメール(当初はメディア非公開)。部落解放同盟は「本気とは思わず、その後も何も起きなかったので警察に届けなかった」と説明している。
- 8月27日(月)20時21分 - 2ちゃんねるに東京ビッグサイトで9月2日行われるAKB48の握手会でAKBメンバーの殺害予告の書き込み(当初はメディア非公開)。なお書き込みには「はだしのゲンの勝子みたいになれ」の文言など、AKBメンバーにネガティブな表現が書かれていた。
2012年9月1日に男性Dがお茶の水女子大学附属幼稚園事件で逮捕された。当初は否認していたが、警察の調べの過程で容疑を認めた。罪を認めたのは同居女性が予告に関与していたと考え、これを庇い罪が及ぶのを防ぐためだったと報道されている。しかし、東京地検に送致された後は否認に転じた。勾留期限満了日となった9月21日にお茶の水女子大学附属幼稚園事件で起訴不起訴の判断をせずに処分保留として継続捜査の対象とする一方で、芦田愛菜所属事務所事件で再逮捕をして身柄拘束を続けた。福岡県の男性のパソコンには、マイドキュメントフォルダに芦田愛菜所属事務所への犯罪予告メールと同じ内容のテキストファイルが残っていた。
9月21日は三重県の事件における男性Eのパソコンがトロイに感染していると判明した日であるが、再逮捕時点では福岡県男性のパソコンに関連があると判明していなかった。その後、福岡県の男性Dのパソコンにも三重県の男性Eと同様にトロイプログラムに感染していたことが判明していたため9月27日に釈放され、嫌疑なしの不起訴処分となった。
三重県男性EのPC遠隔操作事件[編集]
- 9月10日(月)15時34分~15時43分 - 2ちゃんねるに3連休中における伊勢神宮に爆破予告を4回書き込み。その際に「悪い日本の全体主義、軍国主義を打破」「伊勢神宮のボスは今すぐ従軍慰安婦・強制連行・南京大虐殺被害者に土下座したあと切腹しろ」の文言があった。これにより、神宮司庁の職員らの配置人数を増やし警備を強化することになった。
- 9月10日(月)16時10分~16時45分 - 2ちゃんねるに任天堂本社爆破予告を5回書き込み。その際に「花札屋の歴史はこれで最後だ」の文言があった。任天堂は9月13日に新型ゲーム機「Wii U」の発売日や価格等に関する新発表が予定されていた。
9月14日に三重県男性Eが逮捕された。トロイプログラム感染に絡む今回の事件において、2ちゃんねるへの書き込みで逮捕者が出たのは初めて。
逮捕された三重県の男性Eは容疑を否認。大学時代に電気学科に在籍して、パソコンに精通していた三重県の男性Eは三重県警察の尋問に対し、一例として遠隔操作の手法を説明。この男性EのPCについては、他の3人とは異なり、トロイプログラムが消去されずに残っており、逮捕から4日後の9月18日頃からより詳細な解析を実施したところ、新種のトロイプログラムに感染していたことが判明した。逮捕から7日後の9月21日に釈放され、嫌疑なしの不起訴処分となった。
他の男性B, C, Dの3人の被疑者のパソコンと異なり、男性Eのパソコンにのみトロイプログラムが残っていたことについて、片山祐輔の犯行声明では「この時だけ、わざとトロイ(ウイルス)を消さないでおきました。彼らを釈放するのか、犯人扱いのままか、警察がどう出るか試す意図がありました」とあり、トロイプログラムを意図的に残していたと主張している。一方で男性Eは、誘導サイトからトロイプログラムを仕込まれたフリーソフトをダウンロードした約30分後に、最初の犯罪予告事件である伊勢神宮爆破予告が書き込まれているが、パソコンの動きが遅くなったことに気づいてダウンロードから約1時間後にトロイプログラムを自分で停止させており、このため片山祐輔による遠隔操作が不可能となってトロイプログラムの削除もできなくなった可能性もある。
2ちゃんねる代行スレ関連[編集]
2ちゃんねるのシベリア超速報板・レス代行スレ関連で片山祐輔がサイトに誘導するため、以下のような書き込みがあった。
犯行声明等[編集]
これまでに2012年10月、11月、2013年1月の3回、自称真犯人Xから自身の犯行についてのメールが弁護士や報道機関に届けられている。
- 2012年10月
- 10月9日(火)23時22分 - 落合洋司弁護士宛に片山祐輔から上記事件の犯行告白を主旨とするメールが送信される。
- 10月10日(水)22時20分頃 - TBSラジオの番組『ニュース探究ラジオ Dig』宛に、番組生放送中に片山祐輔から前述の事件に関して犯行目的や犯行内容の詳細、および他の類似の犯行予告事件への関与などが記述された投稿が送られてくる。なお、この日の番組のテーマはコンピューターウイルスの問題を取り上げた「ネットウイルスの実態」を放送中であった。落合洋司弁護士もこの日の番組に生出演していた。
- 2012年11月
- 11月13日(火)23時54分 - 落合洋司弁護士や報道機関宛てに「ミスをした。捕まるのが嫌なので自殺する」旨の自殺予告メールが送信される。メールに添付された写真には人形と、首吊りの縄に見立てた青いLANケーブルとカッターナイフと梱包用テープと当日朝刊の神奈川新聞が写っていた。写真のEXIF情報には撮影時の位置情報が記録されており、千葉県鎌ケ谷市の畑地を示すデータが記録されていた。なお、本来は位置情報は緯度・経度の度・分・秒の小数点以下については60進数表記で示されるものだが、これを100分率表記と見做すと横浜市のある団地に当たり、近傍に東京の男性Aの事件で襲撃が予告された小学校があった。ここから横浜市の団地と千葉県鎌ケ谷市の畑地周辺に警察が聞き込みをかけるも、自殺者や送信元に関する情報は確認されなかった。また、EXIF情報には通常含まれるはずのデータが欠けているなど不自然な点が見られることから改竄されている可能性があり、捜査かく乱を目的に電子メールを送信した可能性がある。
- 2013年1月
- 1月1日(火)午前0時18分、片山祐輔から「謹賀新年」のタイトルで複数の報道機関や記者にメールが送られた。メールには添付ファイルの中にある5題のクイズが出題されており、一つの問題を解いて得られる解答をパスワード等として次の問題を入手できる様になっている。
- 第1問 - 問題として与えられる画像では、韓国の漫画キャラクターが話しているハングルとテレビゲームのキャラクターが話している架空言語のセリフが現れ、これを翻訳することでパスワードが得られる。
- 第2問 - パスワードでファイルを開くと85個のPNGファイルが得られる。その内84個はアイドルグループ「モーニング娘。」の顔写真であり、1つは画像ではない。これらのファイルを画像結合ソフト「Love Machine」(ファイル偽装・分割を行なうためのツール)で結合し、第一問で得たパスワードを与えると本来の画像ファイルが復元される。この画像ファイルが第3問になる。
- 第3問 - 問題で与えられるのは画像ファイルとその解読方法であり、画像ファイルは13手詰みの詰め将棋である。将棋専門誌「将棋世界」2012年1月号に掲載された詰め将棋の問題と同一であった。詰将棋の解答の棋譜がパスワードになる。
- 第4問 - 問題で与えられるのは音声ファイルである。単純に再生すると判別できないが、逆再生すると「パスワードは警察庁長官の氏名、ヘボン式ローマ字半角小文字で」と聴こえ、それが次のパスワードになる。
- 第5問 - 第4問で得たパスワードを使うと2枚の写真並びにテキストファイルが得られる。写真は山頂三角点を写したもので、EXIF情報から東京都奥多摩町の雲取山(東京都、埼玉県、山梨県の三都県境付近)の場所が示される。この三角点の傍にIESYS.EXE関連資料やFAQを記録した記憶媒体を埋めたとする内容。
- 1月2日午後になって警察が該当する地点を捜索したが、記憶媒体は見つからなかった。また、写真の画像データは撮影日などの情報が含まれず、また、メールに添付された雲取山の写真には登山愛好家のサイトに掲載された写真と構図や影の位置などが酷似していたため、写真流用疑惑が浮上し、登頂を疑う見方が出た。但し、片山祐輔は5日のメール等で、埋め方が浅く飛ばされたと主張している。
- 1月5日(土)午前0時34分、真犯人Xから「新春パズル ~延長戦~」のタイトルで25人の弁護士・個人や報道機関にメールが送られた。メールには添付ファイルの中にある3題のクイズが出題された。
- 同日9時頃に報道機関と警察が当該猫を発見し、警察がチップを回収した。目撃情報などから1月3日夕方から1月4日夕方にかけて当該猫に首輪がつけられたと見られている。江の島の防犯カメラには、不審な男性複数が、猫に首輪をはめて、写真を撮る様子が記録されているという。江の島では1ヶ月前の2012年12月21日に万引き防止のために35台の防犯カメラが設置されていた。
捜査の問題点(報道されているもの)[編集]
片山祐輔の行為で複数の男性が冤罪となったことについて、マスコミのみならず警察庁OBからも問題を指摘する声が上がっている。
- 東京都の男性Aを巡る問題
- 事件の真犯人Xからの犯行声明によれば、関与したものには東京の男性Aが小学校を襲撃するという書き込みを行ったとして神奈川県警に逮捕された事件(横浜市小学校襲撃予告事件)も含まれており、この事件では被疑者が当初犯行を否認していたにも関わらず、最終的に犯行を認めて保護観察が確定している。ことに、殺害予告で名乗った「鬼殺銃蔵」の自称につき、日本酒の銘柄「鬼殺し」からとった、忌み数である13からジュウゾウと読ませた、などの合理的な根拠ある説明がなされ、小学校を狙った理由についても具体的に動機を供述した自白調書や上申書が作成されていた。そのため何らかの誘導により自白を迫ったのではないかという疑いが浮上し、神奈川県警は既に審判が確定した男性Bに再度事情聴取を行うこととなった。
- また、約250字の予告文を書き込むのに要した時間がわずか2秒であり、書き込みを受けた横浜市も疑問を抱いていたが、警察側は、特殊なソフトを使えば可能と判断し、裏付け捜査を怠っていた。2秒で250文字を書き込んだ方法について男性Aを厳しく追及し「一心不乱に打ち込んだ」という供述を引き出した。
- 12月15日、神奈川県警は「自白の強要や誘導はなかった」と検証結果を発表したが、男性Aの供述には犯人しか知りえない情報が含まれており、強要・誘導なしに、犯人しか知りえない情報を自供したという矛盾が残ったままの幕引きを行った。また、横浜地検は、検察官の取り調べに違法、不適正な行為は認められなかったと発表しており、司法サイドでは冤罪を防ぐシステムにはなっていないことを事実上認めたままやり過ごす状態となっている。警察庁は「サイバー犯罪の捜査でIPアドレスに頼りすぎないことや、裏付け捜査を徹底するように指示した」と発表しており、IPアドレスに頼りすぎたり、裏付け捜査を行わなくても、世間に知れなければ警察・検察には不利益が生じないことを示唆した内容となった。
- 大阪府の男性Bを巡る問題
- 三重県の男性Eについては捜査段階でなりすましに気づいたのに対して、大阪府の男性Bを逮捕した大阪府警は不正プログラムを使ったなりすましに気付かず、IPアドレスが「指紋」に相当する証拠と位置付け、これを根拠に起訴まで行っていた。また、書き込みには男性Bの実名が記載されており、犯行予告としては不自然な点が見られ、一方でふりがなは間違って記載する(犯行予告では実名の漢字を実際とは異なる読み方としていた)など不自然な内容であった。尚「間違ったふりがな」については、本人が過去にパソコンで使用していたニックネームだったと指摘する報道も出ている。
- しかし、男性Bが犯行を否認し続けたにも関わらず、上記の「実名を添えた」点については「他に証拠がなければ警察も手が出せまい」と舐めてかかる「警察に対する挑発」であり、「ふりがなを誤っている点」は「この期に及んで人違いを偽装する」警察の捜査能力を舐めてかかるものでやはり「警察に対する挑発」と断定して起訴を行った。そのため、三重県の事件で遠隔操作が判明しなければ有罪になる可能性があった。
- 大阪地検内部では「大人数で警戒して大騒ぎになったので、立件するしかないという空気になっていた」という。男性Bは「犯行を認めれば罪が軽くなる」(利益誘導に当たる)と言われたと証言していることから、冤罪を招くとして禁止されている違法な捜査を行っていた可能性が示唆されているが、警察は利益誘導を否定している。なお、利益誘導による取調べは陸山会事件でも裁判長より「冤罪を招く危険な方法であり、到底認められない」と強く非難されており、現在の判例では利益誘導による自白は任意性を欠き、証拠として認められないという指摘もあり、過去にも自白の強要があった事件は多数報告されるが、警察は一貫してその事実を否定する。その一方で、取り調べの可視化は断固として反対しており、その警察の態度自体が、違法な取り調べが行われていることを裏付けているものと指摘される。
- パソコンウイルスやCSRFによる第三者の犯行の可能性の考慮不足問題
- 大阪府の男性Bについては逮捕前にパソコンウイルスやCSRF等の第三者による犯行の可能性が考慮されて捜査されていたが、それ以外の3人については逮捕前にパソコンウイルスやCSRF等の第三者による犯行の可能性が考慮されていなかった。
犯人像[編集]
片山祐輔の犯人像について学者、ネット関係者、評論家、マスコミなどでは以下のことが推理されていた。
- 日本人である可能性が高い
- プログラムに見えるメッセージの一部に日本語が含まれ、また、動作結果を掲示板に書き込むにあたり日本語で書き込まれることから、トロイの作成者や関係者に日本人が関わっていると見られる。また、指示を出すにあたり日本語の掲示板を介しており、日本のインターネット事情に通じていると指摘されている。
- プログラムの作成に長けている
- トロイプログラムは、既存のウイルス制作ツールを用いて作られたものでも、既存のウイルスを改造した亜種でもなく、独自に作られたものと見られる。なお、犯行声明にも自身でスクラッチから作成したと表明されている。
- 男性の可能性が高い
- 芦田愛菜殺害予告における殺害手法は女性としての人格を否定するような表現である等から。
- 几帳面な性格の人間の可能性が高い
- 個人作成のウイルスに番号を付けるのは珍しい中でプログラムの改良を重ねた際にバージョン番号「2・23」「2・35」がネット上で確認されていることから。
- 普段文章を作成する際に一文ごとに改行する人間の可能性が高い
- 犯罪予告及び犯行声明メールの文章はすべて一文ごとに改行されていることから。
- 地域から連想する場所を挙げる際に「大阪→オタロード」「三重→伊勢神宮」を連想する人間の可能性が高い
- 犯行声明メールによるとパソコン感染をさせた人間の居住地に近い場所を予告するとして「大阪に住んでいることも分かったので、日本橋のオタロードを対象に選定」「三重在住だと分かったので伊勢神宮をターゲット」と書いており、大阪府の男性のパソコンには大阪絡みの場所としてオタロードを、三重県の男性のパソコンには三重絡みの場所として伊勢神宮をそれぞれ襲撃対象にしたことから。なお、三重県の男性が誘導サイトからダウンロードした約30分後に伊勢神宮爆破予告が書き込まれており、片山祐輔は長くても約30分間の時間で三重から伊勢神宮を連想した可能性がある(一方で、47都道府県分の襲撃対象をパソコンを感染させる前にあらかじめ長い時間をかけて考えていた可能性もある)。
- なお、犯行声明メールでは福岡県の男性のパソコンについて「福岡在住だということは分かったけれど、今回は居住地を反映させる予告にはしませんでした」と書いて、犯罪予告の対象は全て東京(お茶の水女子大学附属幼稚園・学習院初等科・芦田愛菜所属事務所・部落解放同盟中央本部・東京ビッグサイト)になっている。
- 「伊勢神宮襲撃」に「悪い日本の全体主義、軍国主義を打破」「従軍慰安婦・強制連行・南京大虐殺に対する謝罪要求」を連想する人間の可能性が高い
- 伊勢神宮事件では乗っ取った男性のパソコンの所在地が三重県とわかってから伊勢神宮を襲撃対象とした際に、「悪い日本の全体主義、軍国主義を打破」「従軍慰安婦・強制連行・南京大虐殺に対する謝罪要求」と送信していることから。
- 真犯人Xは長くても約40分の時間で伊勢神宮への脅迫内容として「悪い日本の全体主義、軍国主義を打破」「従軍慰安婦・強制連行・南京大虐殺に対する謝罪要求」を考えたことになる。ただし、予め47都道府県分の襲撃対象に対応した脅迫文を予め用意しておき、たまたまユーザーの所在地が三重県と分かったことから「伊勢神宮襲撃」を選んだ可能性もある。
- 横浜市の某小学校を知っている人間
- 知名度が高い他の場所と異なり、1件のみ社会的知名度がない横浜市の某小学校を襲撃対象にしたことから。最初に起こした事件であり、連続放火などでも身近な場所から始める傾向があるとして事件前から横浜市の某小学校に何かしらの因縁がある可能性があるが、事件直前に自分に全く関係のない場所にある横浜市の某小学校をネット検索等で偶然見つけた可能性もある。
- 2011年11月13日になって自殺予告メールが届いた際に添付された写真には同日の神奈川新聞が映っているのが確認できるが、新聞の入手方法は自宅宅配か遠方の店舗購入かは不明。
- しかし、捜査撹乱目的による自殺予告メールで添付された写真に神奈川新聞が映っていることや撮影位置情報では横浜市の某小学校近くを意図しており所在地を神奈川県横浜市とミスリードしていたことから、横浜市及び神奈川とは縁が薄い可能性もある。
- 関東圏にゆかりのある人間の可能性がある
- 犯行声明メールで『(自己削除コマンド名について)「自殺」を意味する英語「suicide」にしようと思ったのですが、プログラム実装してたときにスペルを度忘れしてしまったので、適当に設定しました』とあるため、自己削除コマンド名を「suica」としたのはとっさの判断と考えられるが、「suic」(suicideの最初4文字)という文字配列について横浜市を含む関東圏とゆかりがあるために無意識にJR東日本で使われるICカード乗車券の「Suica」を連想した可能性がある。
- また関東圏のラジオ局であるTBSラジオにメールを送っているため、TBSラジオ視聴者と想定されるが、TBSラジオの番組はパソコンのネットを通じて日本全国から聴くことが可能であり、TBSラジオが送信している電波は夜間であれば高感度のラジオ受信機を用いればほぼ日本全国で受信可能であるため、TBSラジオ視聴という理由から片山祐輔が関東圏内在住とは特定できない。
- 2012年11月13日朝刊及び2013年1月4日の神奈川新聞を入手した人間
- 犯人からのメールに神奈川新聞2012年11月13日朝刊と神奈川新聞の2013年1月4日朝刊が写真が載っていることから。
- 神奈川新聞は約22万の発行部数数で神奈川県内の個人宅や事業所に配達されているが、神奈川県内のコンビニ等の売店でも購読できる。神奈川県内でも地方ごとで異なる点があるが、写真に写っている新聞紙では地方の違いは確認できなかった。
- また、写真がメール送信されたのは神奈川新聞を入手してから送信までの時間が長くて18時間もあるため、メール送信場所が神奈川県内とは特定できない。
- 漫画やアニメやゲーム等のサブカルチャーへの親和性がある人間の可能性が高い
- 犯罪予告に「はだしのゲン」を出したり、オタロード・コミケ・任天堂を襲撃対象にしたり、漫画やアニメやゲームなどのサブカルチャーがテーマになっていることから。
- また、サブカルチャーへの親和性は大阪絡みの場所としてオタロードを連想するレベル、又はゲーム会社の任天堂は花札が主力商品だった過去について知っているレベル、「トンチャモン」を知っているレベル、和製RPGで登場する架空言語を知っているほどゲームをプレイしているレベル、自殺予告メールで添付された写真に写っている人形を所有するレベルであると推理される。一方で、犯罪予告においてオタロードやコミケに集まる人たちのことを「キモヲタ」と表現している。
- テレビタレントとして「芦田愛菜」「AKB48」を連想する人間の可能性がある
- 犯罪予告で「芦田愛菜」「AKB48」を襲撃対象にしたことから。「芦田愛菜」の表記について犯罪予告では「芦田愛菜」と呼び捨て、犯行声明メールでは「芦田愛菜ちゃん」とちゃんづけになっていた。
- 警察・検察に敵意を抱いている人間の可能性が高い
- 犯行声明メールに「警察・検察を嵌めてやりたかった、醜態を晒させたかった」「警察の強引な取り調べ」「警察がどう出るか試す意図がありました」「警察・検察の方へ」「あそんでくれてありがとう」「またいつかあそびましょうねーーー[1]」とあることから。犯行声明メールには「秘密の暴露」「警察の強引な取り調べ」とあり、刑事訴訟に関する理論に一定の知識がある可能性がある。また「パソコン感染をさせた人間の居住地に近い場所の予告」「感染パソコンに同様の犯行予告本文が書いてあるテキストファイルを残す」など、捜査機関をミスリードするような手法を意図的に行っている。
- 「警察に逮捕・事情聴取されたことがあって恨みがある、もしくは、警察に何かを訴えたが相手にされずに悔しい思いをしたなどの経験」を持つ可能性がある。一方で横浜市某小学校事件では「殺し疲れたらそのまま銃で自殺します」とオタロード事件では「その後自殺します」とそれぞれあるため、犯行予告をした片山祐輔は架空の自分について「自分自身が生きたまま逮捕されて警察権力の取調べに立ち向かったり裁判という舞台で国家権力と闘う姿勢は無く、逆に現実逃避をしたがっている」という人間性を無意識に投影しており、その人間性が真犯人Xの実生活における本性になっている可能性がある。捜査機関をあざ笑う犯行声明について、グリコ・森永事件のかい人21面相を彷彿とさせるという意見もある。
- また、2013年1月5日の犯行声明から警察が回収したSDカードには、「自分は以前、事件に巻き込まれたせいで、無実にも関わらず、人生の大幅な軌道修正をさせられた」という主張が見えるという。
- 報道機関が報道するような社会的知名度のある事件・事象・組織・場所・人物について知識のある人間の可能性が高い
- 報道機関が報道するような社会的知名度のある日本航空、麻原彰晃死刑囚、皇居ランナー、天皇、悠仁親王、愛子内親王、部落解放同盟、東京ビッグサイト、伊勢神宮、全体主義、軍国主義、従軍慰安婦、強制連行、南京大虐殺、任天堂を扱っていることから。
- これらのことに「はだしのゲン」を加えて政治的思想信条が読み取れる可能性があるが、「警察が大騒ぎしそうな対象を選んでいるだけで、政治的意図、思想信条は読み取れない」という意見もある。
- 皇室に否定的ではない人間の可能性が高い
- 犯行予告では皇居ランナー殺害・皇族殺害・天皇殺害・伊勢神宮爆破など皇室を否定的に書いていたが、犯行声明メールで「悠仁さま」「愛子様」と表記して皇室を肯定するかのような表現をしていることから。
- 神社に関する知識に疎い可能性がある
- 伊勢神宮事件において「伊勢神宮のボス」と表記していることから。そのため、伊勢神宮の神職最高責任者である祭主(池田厚子)に関する知識には疎い可能性がある。
- 「suicide」(自殺)のスペルを度忘れしてしまうくらいであり英語力は完璧ではない人間の可能性が高い
- 犯行声明メールで『(自己削除コマンド名について)「自殺」を意味する英語「suicide」にしようと思ったのですが、プログラム実装してたときにスペルを度忘れしてしまった』とあることから。
- オウム真理教事件に何かしらの意識を強く持っている可能性がある
- オウム真理教事件にまつわる人物や言葉について書かれていることから。
- 2012年8月上旬に大阪府の男性のパソコンを遠隔操作した日本航空事件ではオウム真理教事件の首謀者である麻原彰晃死刑囚の釈放を要求した。また、同月下旬には福岡県の男性のパソコンを遠隔操作して各方面に脅迫メールを送った際にはメールアドレスを「sarin」(サリン)・パスワードに「vxgus」(VXガス)というワードが用いられていることなど、オウム真理教事件にまつわる言葉を用いていた。
- この2ヶ月前の2012年6月にはオウム真理教事件に絡んで特別手配されて長期逃亡をしていた菊地直子と高橋克也が逮捕されて大きく報道されていた。また、麻原彰晃の釈放を要求した飛行機に絡む事件としては1995年6月に全日空857便ハイジャック事件が発生している。
- ネットを常時見ている可能性が高い
- 大阪府のアニメ演出家の事件では、ユーザーが探している用途に適うソフトを作成した上でトロイを仕込んで提供しており、常時ネットを閲覧していると思われる。
- 30歳代の男性
- 2013年1月の犯行声明の中で10年程前(2000年代)に流行したゲームやツールを取り上げていることから。
片山祐輔の検挙[編集]
江ノ島の防犯カメラの2013年1月3日の記録に、記録媒体が付けられた地域猫に対して不審な動きをする男の映像や、その男がバイクで移動する映像が写っていたことから、これらの映像を手がかりに同年1月中旬には東京都内に住むIT関連会社社員の30代・片山祐輔が特定された。2月10日未明、警視庁と神奈川、三重、大阪各府県警の合同捜査本部は、この男性が事件に関与したとみて威力業務妨害容疑で逮捕状を請求すると共に、片山祐輔に対して警視庁に任意同行を求め、片山の自宅を訪問して家宅捜索を行った後、逮捕状を執行した。
片山祐輔については秋葉原のネットカフェを利用した記録があり、ここからもPCが押収されている。また、猫カフェにも利用履歴があり、猫に対する執着が指摘される。
片山祐輔は2005年にのまネコ問題をめぐりエイベックス社長宅への放火・社長の妻へ濃硫酸をかける加害・エイベックス社員の殺害の予告や、仙台市の特定の女子小学生を殺害する予告を2ちゃんねるに書き込んだことから逮捕され、脅迫罪など4つの容疑で2006年に1年6ヶ月の実刑判決を受けて服役していた。
2013年2月11日に捜査当局への取材から、片山祐輔が派遣先企業で使用していたパソコンを調べたところ遠隔操作が行われた時期にTorを使用していた形跡が見つかったこと、また、被疑者のパソコンには遠隔操作に使用した掲示板に接続した形跡があることが報道された。なお、片山祐輔は事件への関与を否認している。
この逮捕については新たな誤認逮捕である可能性も指摘されているが、各報道機関は被疑者の小学生時代からの学歴などの個人情報を報道している。
警察、事実上の敗北宣言。ウイルス作成容疑での立件見送り(2013年6月)[編集]
一連のPC遠隔操作ウイルス事件で逮捕・起訴された元IT関連会社員・片山祐輔(31)が6月10日、2012年8月に他人のPCを操作してAKB48への襲撃予告を書き込んだとして追送検された。
これまで片山は威力業務妨害やハイジャック防止法違反など7件の事件で逮捕・起訴されていたが、この追送検で捜査は事実上の終結。事件の本丸である「ウイルス作成容疑」での立件は見送られることになった。
片山が関わったとされる事件は、当然ながら全て遠隔操作ウイルスが絡んでいる。にもかかわらず、肝心のウイルスの出どころが解明できなかったのは致命的だ。確かな物証を得られないまま捜査が終了したことは、警察の事実上の敗北宣言ともいえるが、これについて捜査関係者は「片山が取り調べを拒否し、供述を得られなかったため」と説明している。
だが、これは事実と異なる。片山は取り調べそのものは拒否しておらず、あくまで「録画・録音しなければ取り調べに応じない」と頑なに主張していただけだ。それを拒んで実質的に取り調べを拒否していたのは当局側である。
「証拠が完全にそろっていない状態で見込み逮捕し、取り調べで心理的プレッシャーを与えて自白を引き出すという昔からの手法から脱却できていない。取り調べ可視化は現在議論中の案件ではあるものの、実際にこういった自白ありきの案件で録画・録音されて困るのは捜査側。そんな強引な取り調べは現在も行われている。たび重なる再逮捕で4ヶ月も勾留し、彼の社会的地位を脅かすことでプレッシャーを与えたが、片山は最後まで折れなかった」
2014年3月保釈[編集]
5日夜、東京拘置所に勾留されていた片山祐輔が保釈され、司法記者クラブで会見を行った。片山被告は、伊勢神宮への爆破予告など10件の事件ーいわゆるPC遠隔操作事件で逮捕・起訴されていた。
4日の段階で一度認められていた保釈だったが、検察側の不服申し立てで停止に。さらにきょうになって検察側の手続き上のミスが発覚し、高裁があらためて勾留の停止を決定した。
冒頭発言
この1年間、本当に緊張と、いろんなことの連続で本当に疲れ果てました。まだまだ闘いは長いですけれど、頑張って闘っていきたいと思います。無罪を取るところがゴールということで、現時点はまだ道半ばだと思います。
質疑応答 ー保釈された、今の印象は。
片山被告:やっぱり正直に申し上げるとストロボが眩しいです(笑)。拘置所を出るところから目が痛いです。そういった意味でも、気持ち的な意味でも、自由というのは眩しいものだなと。夜なのに眩しいです(笑)。
佐藤博史弁護士:ジェットコースターのようだったよね。
片山被告:昨日、午後2時くらいに小池弁護士の面会がありまして、高裁が保釈を認めるということで、「今日中に出られる」という風に思っていたところ、呼び出しが来ない来ない来ない…。もう夕食も抜いて、悶々としていたところ、午後7時過ぎくらいに刑務官から告知があって、高検の検事が最高裁に特別抗告したので、保釈が止まっちゃったと言われ、それでもうがくっときて。
昨日の午後から、今まで情動の上下が激しいという状況でしたが、出てくることが出来てよかったです。
佐藤弁護士:朝からの経緯は?
片山被告:今朝、裁判所に着いて、弁護人と面会して、特別抗告されて執行が停止されたという経緯の説明は受けました。 お昼を食べて出廷した後でOKが出たというところで、良かった〜、という感じですね。
ー無罪を訴える気持ちをお話いただきたいのですが。
片山被告:私はやってない、身に何の覚えもない。本当に1年と20日くらい前ですね…毎日ノートに日数を書いていたので、今日で389日目になりますが、まさに"寝耳に水"の家宅捜索と逮捕でした。昨年の2月10日は。警察とマスコミから尾行を受けていたことすら全く気づいていなくて、前日に行った猫カフェで正面から写真を撮られていることにすら気が付かなかったです。寝耳に水の逮捕でした。
ー裁判では他に真犯人がいて、むしろ遠隔操作されていたと主張されていましたが。
片山被告:身に覚えのないアクセス履歴のようなものが多すぎる。たとえば事件に関する報道についてものすごく多く見ていると。検察側は「多数」とか「頻繁に」アクセスしたと主張していているんですが、遠隔操作事件が騒がれ始めた頃、Yahoo!ニュースのヘッドラインをクリックして見ていたことはありますが、多数と言われるほどは見ていない。記録を精査してもらったところ、何万回という、人力では不可能な回数、報道記事をアクセスして見ているということだったとか、落合弁護士のブログや部落解放同盟のサイトを見たとか、全く覚えがないんです。そういう見に覚えがないアクセス記録があるということは、やはり遠隔操作されていた可能性が高いのではないか、それしか考えられない。
ー真犯人が別にいると?
片山被告:はい。
ー真犯人に言いたいことは?
片山被告:自首して欲しいですが、それが無理なら、「片山さんが犯人ではないですよ」的なアクションをしてくれることを1%くらいは期待しているのですが、結局1年経っても何もしてくれないわけで。ラストメッセージで言っているとおりで、犯人は何が起こっても静観するのかなと、そんなふうに思っちゃったりもしています。
ーメディアにも随分いろいろなことを書かれてきたと思います。例えば首輪付けるところの決定的な場面があるとか、そういうような今までの報道について思うこと、メディアの人達に言いたいことは?また、これからやりたいことは?
片山被告:メディアの方に対しても、ちょっと、正直な気持ち、怒りたい気持ちはあります。でもやはり警察発表ですね、「嘘の大本営発表」と私は呼んでいますけど、ありもしないものが出たと、そうやってメディアの人を騙した警察が一番悪いのではないかとも思います。もちろん一番悪いのは真犯人だと思いますけど…。
これからのことは、やはり、私はIT業界で仕事をしてきて、私に出来る仕事といえばITくらいしかないので、この先どうやって生きていこうか、IT業界に戻るのは難しいのではないかと思っていますが、しばらく執筆なり講演するなり、そういったことで食べていけたらいいなと思っています。
ーこれから数日は?
片山被告:おいしいものを食べて、ゆっくりお風呂に入って、自由を満喫したいです。
佐藤弁護士:去年、2月10日に逮捕されたあと、私に「桜の花見はできますか」と言っていましたが、今度は本当にできそうですね。私が庭の桜の枝を折ってきて、今年の花見はこれだよって、接見室で花を見たんですけど(笑)。
ー2回の公判出られて、検察の主張への感想は。
片山被告:これまでの公判前整理手続きが多数回行なわれて、証明予定事実というのが出てきていて、検察の主張はすでに見ていて、新しい事は言っていないなと。なので、公判が始まったから、検察の言っていることに対して印象が変わったといったことはないですね。
ー検察が言っていることを聞いていて、ああいうことで犯人にされちゃうのかなという不安があったと思いますが。
片山被告:そうですね。いろいろな面で証拠上矛盾しているところがあると思う。たとえば江ノ島の猫の首輪から出てきたDNAは別人のものだったりとか。様々な面の矛盾点がそこかしこにあるにも関わらず、屁理屈で誤魔化していると。「他人のDNAが混入しただけだ」とか。そもそも私のDNAが出ないことが重要なわけで、他人のDNAはどうでもいい。そういう論調で、屁理屈で証拠の矛盾をごまかしていると思います。
ー今後、そういうことも積極的にメディアに対しても発信していきたい?
片山被告:そうですね。
ー佐藤弁護士:データの解析を特別弁護人と行なわなければならない。片山さんのパソコンの中から出たものをデータベースの形で持っているので、その解析の作業がとりあえずのすごく大事な作業で、きょうの証言を破る、自分が遠隔操作されてたんだという根拠を見つけていくんだ、という話をしていた。
片山被告:自分もあまりウイルスとかセキュリティの知識は無いですが、自分の使っていたパソコンのことですので、やはりおかしいところがあれば、特別弁護人ではなく、まず自分で気づくべきだと。何かおかしいところを少しでも探してきたいと思っています。
ー犯人への心当たりのようなものは?
片山被告:ないですね。
ー検察側は、パソコンにウイルスを作成した途中の形跡が残っていると。
片山被告:やはり私のPCが遠隔操作されていた以上、何が合ってもおかしくないわけです。ファイルを置くのも盗むのも、消すのも自由だったわけですから、犯人が使ったウイルスはiesys(アイシス)だけとは限らないと思います。そこら辺で拾ったウイルスを亜種みたいな形にして使っていたのかもしれませんし、今後解析してみなければわかりませんけれども、何らかの形で、iesysまたはiesys以外のウイルスで操られていたことが100%だと思います。
ーそのときは、自分のパソコンが遠隔操作されていると、そんなことは夢にも思わなかった?
片山被告:全くわからなかったです。
ー検察側としては遠隔操作は無い、という主張をしている。ありえないことはないと思う?
片山被告:そもそも「ファイル・スラック」という言葉自体は今日知ったのですが…まあ原理を聞いた限り、上書きされて残ったスペースなわけなので、遠隔操作されて、ファイルを置かれて、消されて、他のファイルが上書きされて、残ったスペースにデータが残るということは十分ありうることだと思うんです。遠隔操作ではファイル・スラックのスペースは自由に残せないという主張は良くわからないというのが正直なところです。
佐藤弁護士:さきほどiesysを作成する途中のファイルが見つかったと言ったけれども、私たちの理解が正しければ、iesysのソースコードが送られてきために、iesys自体の保存先のフォルダがFというのがはわかってた。それで、片山さんの派遣先のPCを見たら、本来のフォルダと違うFがあったという説明があって、それが極めて特殊なフォルダだと言ってたんだけど、片山さんからは見えないフォルダですよ。そこに上書きをすると、ファイル・スラックというところに残るだけの話なので。だからFにいかにも意味がありそうで結びつくんだけど、片山さんからは全く見えないフォルダですからね、そこに犯人がそこにアクセスして何度か上書きしてれば、ファイル・スラックに痕跡は残ると。iesysたどり着く文字列が共通してたからiesys関連のものだと言っているだけですよ。
片山被告:まあ、Fに心当たりが無いわけではないんです。一応、自前で持ち込んでいたポータブル・アプリケーションを起動するのに、TrueCryptボリュームを使ったり、サブストコマンドを実行してりして、仮想ドライブという形で使うことはしていたんです。その際にFドライブというのに心当たりがないわけではないんです。ただ、vprojフォルダなどは隠しフォルダになっていたので、自分では見えなかった。佐藤先生の主張を訂正させていただきます。
佐藤弁護士:それが検察の主張のキーだということは今日の証人でわかったのだが、犯人がそういうことをすれば断片は残る。
片山被告:そうですね。
ー無罪を取る自身はありますか?
片山被告:もちろん。それ以外は考えていません。
ー片山さんと面識のある人物と言う可能性は。
片山被告:ないのではないかなと。私が想像しているのは、犯人がiesysではないウイルスを何十人にもばらまいていて、その何十人かを調べていたところ、前科のある私を見出した、じゃあこいつをスケープゴートにしようと、仕立てあげていったのではないか。
ー江ノ島と雲取山についての説明は?
片山被告:ただ普通に行っただけなんです。冒頭陳述でも言いましたが、雲取山については1ヶ月前からネットで下調べしていたので、犯人が私の画面を監視していたりすれば、私がそこに行こうとしていることを掴むことはできると思います。
ー1時間の冒頭陳述をなぜ自分でやりたいと?
片山被告:弁護人の勧めですが、自分で言いたいこともいくらでもありましたし、やってよかったと思っていますけども、前例の無いことだという説明は受けました。
佐藤弁護士:片山さんは相当努力してくれたんですね。テーマも与えて、少しずつ作って行って。面会もして。いい経験になったと思う。
ーもし自分が犯人だったら絶対これは無いなと言えるようなものはあれば。
片山被告:まあ、雲取山ですね。埋められなかった。スコップなんか持ってなかった。山頂に複数の人がいて、それなりに交流もあって、人が横で鍋出している所で穴を掘っていたら目立ちますよ。私が滞在してた3、40分に、最初は3人、多い時には6、7人にはなっていて、山頂で一人になったことはない。私はコンビニおにぎりで食事を済ませたんですけど…。
ー検察から特別抗告という手続きが踏まれたことについて
片山被告:やはり最後の悪あがきという風にしか思えませんでした。何がなんでも外には出すまいという姿勢が感じられます。
ー勾留が長くて、気持ちが折れそうになったことは?
片山被告:ないですね。早い段階で佐藤弁護士と知り合えたことが大きかった。とりあえず拒否しなさいと。検察の取調官と人間関係を形成するまえに、弁護士と仲良くなっておけたので、いい方向になったのかなと思う。
佐藤弁護士:ほんとに感謝しないといけないのは隣の竹田真弁護士ですからね。
片山被告:たまたま当番弁護士として来て頂いて、最初の2ヶ月間、土日も休まず、一日も休まず面会にきてくださいまして。
佐藤弁護士:私は厳しい父親みたいな感じだったんだけど、甘えられる竹田さんのサポートがあったんだね(笑)。
ー検察が外に出したくないのはなぜだと思う?
片山被告:冒頭陳述でも言いましたが、「鬼殺銃蔵(おにごろしじゅうぞう)2」のアカウントは生きている。仮に私が犯人だったら、そのメールアドレスを使って、私が真犯人ですよというようなメール出すような工作をするのではないか。検察はそこを恐れているのだろうな思います。でも私はパスワードも知らないので、何の手出しもできない。検察の言葉で言うなら、虚偽の真犯人を作り出すおそれがあるということではないか。
自分のパソコンには各種アカウントのパスワードをメモしてテキストにして置いてあったんで、それが盗まれてたならやりたい放題ですね。たとえば、iesysのテストに使われた、「したらば」のオート6682のアカウント、確かに私が開設したものなんですが…。
ー保釈保証金1,000万の原資は?
佐藤弁護士:それはお母さんが出してくださいました。昨日連絡を受けて、すぐ用意してくださいと。事前に裁判所から言われたのは1000万円で大変だったんですけど、すぐお母さんが準備してくれて、私のところに振り込まれて。
ーいま、法廷に立たれている際のご心境は?
片山被告:まだ本格的に追及はされていないといいますか、今後、被告人質問なんかでの追及は心にダメージを受けそうですけど、捜査段階では早い段階で取り調べを拒否してしまっていたので、検察官からの追及という点で、このひと言ってることおかしいというのは、去年の3月5日…まさに今日ですね。水倉検事の取り調べだけですね。
今後検察官が私と直接対面して、どう言って来るのか、それにどう対応するか、ちゃんと心構えをしなければいけないなと思っています。
佐藤弁護士:3月5日、ものすごく疲れましたと言ったので、ダメージ受けたのかなと思ったんですけど、随分反論をしたんですけどいろいろなことを言われちゃったと。
ーどんなことを?
片山被告:もう証拠の評価からすると有罪だ。君はどうするのが得か考えてみなと。やっているけど認めないか、やっていないから認めないか、いくつか選択肢があるけれど、どうするのが得か考えてみなとというところから始まって。
その前の私は特捜部所属だ。今は刑事部に応援に来ていると。それ自体は威圧的ではなく、ただの自己紹介だったかもしれないが、その後もいろいろと…例えばC#に関するスキルも、僕はウイルスなんか作る能力ないと言っても、こっそり勉強してた可能性もあるっていうので、そんなの悪魔の証明ですよって言い返してやったんですけどね。
そもそも水倉検事は雲取山を知らなかった。あまりメジャーでない山に、犯人と同じ山に偶然に登った、おかしいじゃないかと言ったんですけど、いや雲取山知らないんですか?東京都最高峰ですよ?と言い返してやりました。
そういうことの言い返しの連続で疲れました。
ーお母様にはどんなことを?
片山被告:まあ…ただいまと。
佐藤弁護士:家族で最初に会ったのは、車の後部座席で握手した弟さんです。
ー弟さんとは?
片山被告:世間話程度ですね。
ー過去の冤罪について勉強したことは?
片山被告:はい。たとえば足利事件、松本サリン事件についても、本を差し入れてもらったり、国策捜査関連ですね。鈴木宗男さんや佐藤優さんの。読書はここ1年で500冊は超えていると思います。江川さんの書かれた村木さんの事件も熟読しました。本の差し入れは竹田先生が…。
竹田弁護士:だいぶ漫画も多かったですが(笑)
ー体調はどうですか?
片山被告:悪くはないですが、歯の治療が……穴が空いている。拘置所は3ヶ月待ちだったので早く行きたい。会社の保険はもう使えないので、早く国民健康保険に入って必要な診察をうけないと。
ー逮捕されて容疑者になって、今も裁判が継続中で、世の中的には疑いもあると思うが、今、一番誰に対して何を言いたい?
片山被告:まあ、家族に対して、今も信じてくれていて、ありがとうと言いたいです。
PC遠隔操作事件「片山被告人の身柄拘束は懲役刑よりひどい」江川紹子さんが批判弁護士を探す[編集]
パソコン遠隔操作事件で威力業務妨害罪などで起訴され、東京拘置所に勾留されていた片山祐輔被告人が2014年3月5日、保釈された。逮捕されたのは2013年の2月だから、身柄の拘束期間は1年以上に及んだことになる。
片山被告人の裁判は、地裁の第2回公判が終わったばかりで、本格的な審理はこれからだ。片山被告人は「私は遠隔操作の被害者だ」と主張し、無罪を訴えている。保釈直後に開かれた記者会見でも「私はやってない」と述べ、自らの主張の根拠をしっかりした口調で語った。
その会見には、弁護人経由で片山被告人にインタビューした記事を公開するなど、この事件に関するレポートを精力的に発表しているジャーナリストの江川紹子さんも参加していた。会見が終わった後、1年以上にもわたった片山被告人の勾留について聞いた。
「裁判所の保釈許可の判断は遅すぎた」[編集]
1年以上となった片山被告人の勾留について、どうお考えでしょうか?
- 江川紹子さん(以下、江川) - 本当に長かったなと思います。それと、やっぱり検察側が少し異常じゃないか、という感じがしますね。
保釈が決まったあとに検察が特別抗告し、いったん保釈の執行が止められたものの、検察側の手続きミスが判明し、結局、東京高裁によって保釈が許可されました。
- 江川 - それは慣れないことをやるからでしょう。つまり、異常なことをやるから、こういうミスもするんじゃないでしょうか。ふだん、高裁が保釈決定を出しているのに、そんな特別抗告をするなんてことはあまり聞いたことがないですよね。弁護人が特別抗告するのは聞いたことがあるけど。そういう異常なことをやろうとするから、こういうミスをするんじゃないですかね。
- 南アフリカで、殺人罪で起訴されているオスカー・ピストリウス選手なんかは、たしか昨年2月14日に逮捕されて、22日に保釈されているんですよね。8日間くらいで保釈されているんですよ。
片山被告人の逮捕(昨年2月10日)と同じ時期でした。
- 江川 - そうなんですよ。だから、あのケースとの差があまりにも大きい。やはり日本では、まだまだ「身柄拘束」を、検察が自分たちの有利に運ぶように使っている気がします。彼(片山被告人)なんかは接見禁止もついていましたから、弁護人以外、誰とも会えない、しかも新聞も読めないと。これって、懲役刑よりひどいですよ。
- やはり日本の「人質司法」というか、長期間の「身柄拘束」って罰だと思うんですよね。だから、裁判をやる前から罰を加えるということを、もうちょっと改めるべきだと思うんですよね。
- 今回、ようやく高裁が(保釈許可について)まともな判断をしたけれども、やっぱり遅すぎた気がしますよね。今回の高裁の決定は非常に筋が通っていて、まっとうだと思うので、こういう判断をもう少し早くできるように、裁判所にやってもらいたいと思います。
片山の犯行確定[編集]
「真犯人」メール、片山被告が自ら送信か(2014年5月)[編集]
パソコンの遠隔操作事件で、16日、自分が「真犯人」だとするメールが報道機関などに送られたが、このメールは、現在公判中の片山祐輔被告が自ら送ったとみられることが分かった。東京地検は片山被告の保釈の取り消しを求めることを検討している。
元会社員の片山祐輔被告は、他人のパソコンを遠隔操作し、殺害予告メールを送った罪などに問われているが、裁判で無罪を主張していて、片山被告は今年3月に保釈されていた。
この事件をめぐって、16日、片山被告の裁判が開かれている時間帯に、自分が「真犯人」だとするメールが報道機関などに送られ、メールには、自分が片山被告のパソコンをウイルスに感染させ、片山被告の犯行に見せかけたなどと書かれていた。
しかし、捜査関係者によると、片山被告が16日の裁判よりも前に、都内の河川敷で不審な行動をとっているのが捜査員に目撃され、片山被告がいた場所にスマートフォンが埋められているのが見つかったという。さらに、このスマートフォンを解析したところ、真犯人を名乗るメールのアドレスの痕跡があったという。時間をずらしてメールを送信するタイマー機能を使うなどして、片山被告自身が、真犯人を装うメールを送ったとみられている。
こうした事態を受けて、東京地検は片山被告の保釈の取り消しを裁判所に対して求めることを検討している。
パソコン(PC)の遠隔操作ウイルス事件で、威力業務妨害などの罪に問われて公判中の元IT関連会社社員片山祐輔被告(32)=保釈中=と弁護側との連絡が取れなくなっていることが19日、分かった。主任弁護人の佐藤博史弁護士が記者会見で明らかにした。
佐藤弁護士によると、同日午前10時20分ごろの電話を最後に連絡が取れない状態になっているという。事件をめぐっては、「真犯人」を名乗るメールが16日、報道機関などに届いた。片山被告は「送ったのは私ではない。真犯人から送られた信ぴょう性は高い」と主張。検察側に公訴取り消しの申し立てをした後、19日午後2時から佐藤弁護士とともに記者会見する予定だったが現れなかった。申し立ては予定通り行われ、会見には同弁護士のみが出席した。
佐藤弁護士によると、メールが片山被告の自作自演だとする報道を受けて電話した後、音信不通になった。片山被告は電話で、やや驚いた様子だったが、「これから弁護士事務所に向かう」と答えていたという。
遠隔操作事件の片山被告「私が真犯人」と認める[編集]
パソコンの遠隔操作事件で、19日から連絡が取れなくなっていたインターネット関連会社の元社員、片山祐輔被告から19日夜、弁護団に連絡があり、片山被告は「私が真犯人だ」と認め、先週、報道各社などに届いたメールを自分が送ったと話した。
パソコンの遠隔操作事件では、インターネット関連会社の元社員、片山祐輔被告(32)が威力業務妨害などの罪に問われ、ことし3月に保釈され、裁判では一貫して無罪を主張。この事件について、自分が真犯人と主張するメールが今月16日、片山被告が裁判に出廷中に報道各社などに届き、警視庁などは、片山被告がその前日に、都内の荒川の河川敷に埋めたとみられる携帯電話で送ったとみていた。
片山被告は19日の午前10時20分すぎの電話のあと連絡が取れなくなり、午後に予定されていた会見にも姿を見せなかったが、19日午後9時半ごろ、弁護団に連絡があった。その中で、片山被告は「自分が真犯人だ」と認め、今月16日に届いたメールを自分が送ったと話した。
東京地方検察庁は19日、被告に対する保釈の取り消しを請求し、裁判所は早ければ20日中にも保釈を取り消すかどうか判断を示すとみられる。東京地検は、保釈の取り消しが認められた場合には、被告の身柄を拘束して直ちに勾留することにしている。
誤認逮捕の4警察本部。執念の尾行2カ月半[編集]
PC遠隔操作事件で、無罪を主張し続けた片山祐輔(32)に一連の事件への関与を認めさせたのは、誤認逮捕という苦渋を味わった警視庁、大阪、神奈川、三重の4警察本部の合同捜査本部による執念ともいえる追跡劇だった。
2014年5月15日夕、東京都江戸川区の荒川河川敷。合同捜査本部の捜査員の目は、不審な動きをする片山に注がれていた。地面に何かを埋めるような仕草。後で掘り返す時のためか、歩幅を測るようにして埋めた場所を確認している。捜査員らは、この一部始終をビデオに収めていた。
「まさか警察官に見張られているとは思わなかった」。
片山は、真犯人を装うメールを送ったスマートフォンを埋める姿を目撃されていたことを知り、佐藤博史弁護士にそう漏らした。
実は、合同捜査本部は複数の捜査員で片山が保釈された2014年3月5日から行動確認を続けていた。警視庁から投入されたのは、捜査1課で誘拐などの捜査に当たる精鋭の「特殊班」の捜査員。相手に感づかれずに尾行するプロだった。
翌16日午前11時37分。片山が東京地裁の公判に出廷中、「真犯人」からのメールが報道関係者らに一斉に届いた。前日の不審な行動との関連にぴんときた捜査員が同日午後3時ごろ、河川敷の現場を掘り返すと、ポリ袋に入ったスマホが見つかった。令状を取った上で確認すると、真犯人メールと同じ内容のメールが同時刻に送信されていた。スマホの付着物からは片山のDNA型も検出。「真犯人」とつながった瞬間だった。
一時は大きく揺らいだ威信。ある警察幹部は「被告は公判のたびにタイマー機能で真犯人メールを送るつもりだったのでは。これで一区切りだ」と話した。
佐藤博史弁護士会見[編集]
PC遠隔操作事件で、連絡が取れなくなっていた片山祐輔の保釈が取り消され、その身柄が拘束されたことを受けて、主任弁護人をつとめる佐藤博史弁護士が5月20日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開いた。片山が一連の事件の犯行を認めたことについて、無罪を主張してきた佐藤弁護士は「完全にだまされた」と述べながらも、「否定的な感情はない」と心境を語った。
佐藤弁護士によると、19日午前10時すぎから連絡が取れなくなった片山は、公園で自殺を図ったものの死にきれず、電車で東京の高尾山に行って、チューハイを飲みながら山中をさまよっていた。その後、駅のホーム下の避難スペースから電車に飛び込んで自殺を図ろうとしたが、思いとどまり、同日夜に佐藤弁護士に電話をかけてきたという。翌20日になって佐藤弁護士の事務所に入り、そこで東京地検に身柄を拘束された。
16日に真犯人を名乗るメールを送ったことについて、片山は、母親から「一日も早く前のような平和な生活が送りたい」と言われたことが動機になった、と佐藤弁護士に明かした。しかし、メールを送ったスマートフォンが荒川の河川敷から見つかったとの報道を聞いて、一連の事件の真犯人しか知りえないパスワードを使った事実が発覚すると思い、すべて認めることを決意したという。
記者会見で、佐藤弁護士と報道陣との間にあった主なやりとりは次の通り。
片山被告人はどんな言葉で犯行を認めたのか?
- 「すいません、私が真犯人です」ということだった。今回の真犯人メールだけでなく、それ以前の事件もやったということだ。
今日、身柄が拘束された時の片山被告人の様子は?
- (行方不明になった)昨日は動揺していたが、今朝会った時に変わった様子はなかった。「昨日はチューハイの缶を飲みっぱなしで山をさまよった」と言っていた。食事も昨夜、寝る前にとったが、今朝はとってないようだった。
佐藤弁護士の率直な感想は?
- 片山さんに「申し訳ありません」と言われたが、正直なところ、全く裏切られたような否定的な感情はない。片山さんは「今までの弁護人を解任して、国選弁護人を頼もうと思いました」と言っていたが、私は即座に「あなたを見捨てない」と応じた。私自身は、否認している被疑者が「実はやってました」と告白することに何回か遭遇している。それをもとに弁護するのが弁護士だ。裏切られたと非難するものでもない。意外なほど冷静でいられた。
事件を起こした動機は?
- (16日に送られた)ラストメッセージに警察や検察への恨みを書いているが、最初(の動機)はそういうものではなかったそうだ。16日の会見では、「真犯人はサイコパス」と言っていたが、今日は「自分がそうなんだ」と言っていた。サイコパスは嘘が平気でつけるということだ。意図的ではなく、ごく自然にできている。
母親は何と言っているか?
- 今日、(片山被告人が)私の事務所に着いてから、電源を切っていたスマホをあけて、読んでみたところ、その中に母親から、「あなたが真犯人だったとしても受け入れる」ということが書いてあった。(片山被告人は)「母親に合わせる顔がない」と言っていた。
片山被告人は、涙を見せていたのか?
- 涙はまったく見せてない。変な感じではなかった。ただ、お母さんに電話していた時にちょっと涙ぐんでいた。
昨日の会見では、無実は揺るがないといっていたが、正直どう思っているか?
- 昨日の段階では、「(送られてきたのは)真犯人からのメールで間違いない」と言った。片山さんが送ったものではないということも確信していたので、無実の確信も揺るがなかった。その半分は正しかったが、半分は完全に裏切られた。特別弁護人の指導のもとに、(片山被告人は)市販のPCを買って、アクセスのデータも残していたが、真相としては、別に秘密のPCを持っていた。さらに埋めたスマホをもっていた。完全に私たちを欺いていた。それまでに私たちが知らされていた事実を前提にすれば、無実の主張を続けることができたのだが・・・。
一連の犯行の動機が分からないが?
- わかりやすく説明するのは、彼自身にも難しいのではないか。給料が安かったと言っているが、そんなに極端に仕事に不満があるようにも思えない。母親と一緒にささやかに暮らすのが彼の日常だ。何の不満もないはずなのに、何らかの出来心でやってしまった。
犯行は一人でやったことなのか?
- 直接は聞いてない。だけど、間違いなく彼一人だと思う。もし複数人いれば、今回みたいなことを自分でやる必要もない。ほかの人にさせればいいだけだ。
片山被告人を信じた理由は?
- 当初、「片山さんが犯人」という徹底的な証拠があるように言われたが、裁判の間も決定的な証拠が示されなかった。悔しまぎれではなく、今回の真犯人メールがなかったら、私は自信をもって無罪弁論をしただろう。刑事弁護の怖さかもしれない。
スマホからはDNAが出た。なぜそんなものを埋めたのか?
- 15日に自転車でバス停に向かい、そこからバスに乗り込んだ。一緒に乗り込む人も降りる人もいなかったそうだ。河川敷は見晴らしがいいので、尾行はなかったと思った。ポールが50メートル間隔で立っていて、150メートル先に本を読んでいる男性がいたが、その人は自分が到着する前からいたので、大丈夫だと思って、埋めたと言っている。ただ、下見に2、3回行っているので、そこが(発覚した)真相ではないか。
今回の(真犯人メールに使った)スマートフォンは、どうやって入手したのか?
- (SIMカードは)秋葉原で手に入れたと言っていた。まったく足のつかないものを買った、と。
なぜ河川敷にスマートフォンを埋めたのか?
- 彼が法廷に臨んでいるときに発信させる目的だったからだ。発信した基地局がわかるので、別の場所でなければいけなかった。警察が自宅に捜索に入るということや、スマホの回収も考えないといけないので、河川敷になった。
メール送信の詳しい方法は聞いているか?
- 名前は聞いていないが、スマートフォンにソフトをインストールしたと言っていた。
「自作自演のメール」を送ることを考えた時期は?
- 保釈される前から考えていたと言っていた。保釈後、与えられた以外の秘密のパソコンを持っていて、それでメールを作り続けていた。
片山被告人は最後までだまし続けるつもりだったのか?
- 有罪判決に備えて、収監後にメールが届く設定をしておくというのが、元々の計画だったと言っていた。最後までだますつもりだったんだろう。
保釈後、捜査当局から行動確認されることについて、佐藤弁護士は注意をしたのか?
- 行動確認はされているよ、と伝えた。今から話すとマンガみたいな話だが、真犯人からのメールがやがて届くと、この事件は「サドンデス」になると話していた。そのときに向けて万全の体制もとっていた。本当は、われわれにとって「デス」だったわけだが・・・。
- だけど、彼の真意はまったく違った。逆に言うと、彼は、私たち以上に尾行とかを計算していたと思う。
それならば、なぜ?
- 河川敷に下見に行ったときも、ものすごく警戒していたが、誰もいない安全な場所だと考えたようだ。(捜査陣が)スマートフォンを掘り返したのはたぶん、埋めた直後ではない。真犯人メールが届いたから、片山の行動を振り返ってみようということで、真相が明らかになったのだと思う。すばらしい勘だ。
スマホを河川敷に埋めた以外に、「自作自演」したとは言っていないのか? たとえば落合洋司弁護士に何かが送られたり・・・。
- 「あれはまったく自分ではない」と。まったく無関係だと思う。
検察側の立証と、片山さんが今回話された真実と違うところはあるか?
- (遠隔操作に使用されたプログラムの)iesys(アイシス)を作ったのが、乙社のパソコンであるというのも、「そうだ」と言っていた。アイシスをつくるくらいの技術はあったんだと。
パソコンの遠隔操作など細かいことはやるが、肝心なところで感覚が鈍いというか、ぬけているという面はあったか?
- ものすごく子どもっぽいと言うべきだと思う。母親を安心させるために「真犯人メール」を送って、裁判を「ジ・エンド」に導くという考えは、ちょっとどこかがぬけている。
サイバー犯罪に一石を投じた今回の事件を、どう考えるか?
- 彼はリアルな空間である江ノ島に姿を現して、尻尾を捕まえられたわけだ。今回もスマホを埋めたところを地道な捜査官が目撃して、掘り当てたために見つかった。
- 片山さんは、江ノ島に行ったときに「まさか防犯カメラがあるとは思わなかった」という。どう考えても、マンガみたいな弁解で、予想しろよと言いたくなるが・・・。
- サイバー空間で行動していた間は尻尾を捕まえられなかった。サイバー空間の犯罪には、まだ残念ながら有効な手立てはない。
保釈金はどうなる?
- 1000万円は母親が出した。生活のための蓄えだから、彼はすごく気にしていた。
- 彼には「没収されないようにするけど、おそらく今回の証拠隠滅は破格の行為なので、保釈金の召し上げがない、ということは考えられない」と伝えた。彼はすごく悔いていた。そこにも考えが及ばないというか、後悔先に立たずというやつだ。
最後の最後に、佐藤さんのところに連絡がきたということについては?
- 私は片山さんの無実をずっと信じていた。片山さんとしても、私に電話するのは、ずいぶん勇気がいったと思う。叱られるんじゃないかということも含めて、最後の別れのつもりで電話をかけてきている。だけど、私はさっき言ったように、片山さんをそのまま受け止めることができた。
- こうなった以上は取り調べの可視化は求めないで、起訴後の取り調べに応じる。片山さんにもそういう必要なことはやろうと伝えた。捜査機関を翻弄したわけだから。捜査側としても、どこで捕まえ損ねたかという問題が多分あると思う。そういうことについて、片山さん自身が協力すべきだ、と。
別れるときに声をかけたのか?
- 「お別れだよ」って、握手した。彼に触れることは、たぶんないので
脚注[編集]
- ↑ 文末に「ー」を多くつける表現は、8月9日のコミケ殺害予告でも用いられた。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 遠隔操作ウイルスによる連続威力業務妨害等事件 - 警視庁