電気の単位
電気の単位 には電磁気学の発達過程から、いろんなものが提唱されてきた。電気の単位 とはここでは電荷だけではないとする。電磁気学が未だ、未発達の時代には当然のことである。現今のものをいきなり提示したところで興味を引かれるものではない。時代の変遷をとうして知ることでよく理解できるであろう。けっして、懐古趣味ではなくその方が早道になるであろう。特に電磁気学の諸単位の理解にはそれがいえる。以下、解説していく。通常、我々が電気というと何を思うかというと、電線などに触れるとピリピリと刺激を受けたり、場合によれば即死したりする怖いものとか、しかし、使い方によれば便利なものと思うのが普通である。よく考えてみると、100年前までは家庭に電気など供給されていなかったが、特に不自由ではなかったと思われる。水や酒には量があるように電気にもその量がある。コップの中に水や酒を注ぐように電気も専用の注ぐ容器がある。必要に応じてその専用の容器から、注がれた電気を取り出すこともできる。水や油を入れる容器には大きい物や小さい物があるように、電気の容器にもいっぱい電気を入れられるものもあれば余り、入らないのもある。電気の単位をどう決めるかだが、電気現象の発見と共に変遷してきた。電気には陽電気と陰電気という性質が反対のものがあることがわかってきた。それらは引き合ったり、反発しあったりする。定量的、定性的に調べ上げたクーロン氏によって百年くらい前にクーロンの法則というものが発見された。その後、ガウス氏によってこのクーロンの法則を用い具体的な電荷の量を決めることが提唱されたが、現在では電荷の量を直接に定義することはしなく、間接的に定義する。電磁気学の諸単位を決めるにあたり、スタートとしてどの量の単位を最初に採用するかによって幾つかの単位系と呼ばれるものがある。といっても、自由に選択出来るわけではなく、歴史の経緯から自ずと決まっていた。ある程度、完成された現在だから、何種類の単位系があるなどというにすぎない。クーロン氏の時代は電流という概念もまだ、あやふやなもので電流から電気の単位を決めることは思いつかなかった。電流から電気の単位を決めることは最近のことである。スタートとして電荷をまず決め、次に電流を決めというのもあれば、逆に反対の順序で決めていくという方式の種類と単位系の種類とは同じと思ってよい。前者の代表的なものが静電単位と呼ばれるものである。当然ながら、この世で初めて単位の大きさを決めるにあたっては勝手で簡単な係数で良いのであるからクーロンの法則で力、距離は1ダイン、1センチでの引力、又は斥力を生ずるものを1静電単位、1CGS esuの電気とした。これはガウス氏が勝手に決めたのでガウス単位という。CGS esuとは使われている単位がcm、g、second からなるelectoto,mass,unitすなわち、センチ、グラム、秒からなる電気の量の単位という意味である。これが歴史上、初めての電気の単位である。