電凸 (インターネットスラング)
電凸・電突(でんとつ)とは、企業・宗教団体・公的機関・政治家・政党などに対して電話し、それらの組織の活動(主に広報・報道など)について「組織としての意見を問いただす」行為のこと。インターネットスラング。凸などと略されることもある。
「電話突撃」ないし「電話突撃取材」の短縮言葉とされる。「突撃」の語が示すとおり、電話発信者は攻撃的意図を持っていることが多い。電話を受けた担当者は該当問題に精通しているとは限らないため、不適切な応答内容がインターネット上のサイトに転載され、新たな問題を引き起こす場合がある。
概要[編集]
2004年9月8日に2ちゃんねるハングル板で電話突撃隊出張依頼所なるスレッドが立てられ、同12日に「電突」という略称が発生していることから、由来はこのあたりと推測される。ただし「電話突撃取材」などは更に古い歴史を持った語句である可能性がある。単語としては2004年後半頃からインターネットスラングとして定着した感がある。
2ちゃんねるハングル板では韓国・中国に関する報道などで疑問点などをもったものが「電突」の依頼を行っている。依頼に書かれたことに賛同したものが電話などで尋ねる仕組みになっているが、それほど個々の依頼とその問い合わせはきっちりと対応していないようである。(「2ちゃんねるハングル板電話突撃隊まとめサイト」電話突撃隊とは)。
マスメディアに属する者が広報部門に対して行う“業務としての取材” “コメント取り”ではなく、一般顧客用の問い合わせ窓口を通して行われるのが普通である。実質的には、その組織に対する抗議行動と考えてよい。同様に電子メールを用いて行うものをメル凸などと呼ぶことがある。
多くの場合、その回答は書き起こしたテキストや音声ファイルなどとしてインターネットなどを通じ公開される。
なお過去には、宗教団体などが批判記事を掲載したマスコミや編集者などに対し、大規模に抗議電話を掛け続けたりFAXを送りつけるなどして抗議活動を行った例がある。このような活動は量的に相手を圧倒することが目的と考えられ(業務妨害)、言質を引き出したり真意を問いただすことを主な目的とする電凸とは質的に異なるものと考えられる。
電凸は日本特有のものではなく、近年は韓国でもネットワーカー達により、米国産牛肉の輸入再開問題に端を発した、大手新聞(中央・東亜・朝鮮 いずれも保守系である)への広告出稿をやめるよう求めて容れられない場合は不買を仄めかす、企業への申し入れ集中呼びかけが為されているという(朝日新聞2008年6月19日国際面『「大手紙に広告出すな」韓国ネット市民、企業に圧力 牛肉問題「政権に理解」と反発?』)。
歴史[編集]
インターネット文化が生まれる以前からマスメディア以外による取材として、各種市民団体や消費者団体が電話取材・公開質問状の提出などを行ってきたが、インターネットの普及により個人の情報発信が極めて容易になってきたことにより、個人レベルで取材を行い回答を公表することが可能になったことが背景にある。
インターネットでの取材・公表を一躍有名にしたのは東芝クレーマー事件である。この事件は音声ファイルのインターネット上での公開という意味でブレイクスルーであり、センセーショナルなマルチメディアの威力、および企業危機管理の重要性を知らしめる結果となった。
その後、ブロードバンドの普及・インターネットでの集団意識の高まりなどに呼応するかのように、不祥事や論議を呼ぶような行為を行った(とされた)団体に対して電話で質問・抗議、回答をインターネット公開する手法が普及し、現在に至っている。
また最近では、論議を呼ぶようなブログを執筆したことに対して行われることも見られ、電凸の対象自体がマスメディアの情報からネットの情報に移る傾向も見られる。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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