超力ロボ ガラット
『超力ロボ ガラット』(ちょうりきロボ ガラット)は、名古屋テレビ放送をキー局にテレビ朝日系列局各局で1984年10月6日~1985年4月6日まで放送されたロボットアニメ。全25話。日本サンライズが制作に携わった。
概要[編集]
このアニメは、同年9月まで放送され視聴者から大きな支持を得た『銀河漂流バイファム』の制作スタッフが放送系列局を変え、これに続くロボットアニメの第2弾という形で制作に踏み切ったものである。この『ガラット』ではバイファムの感動路線から心機一転、ギャグ路線をメインとしたライト感覚なアニメへと路線の転換が図られるも、視聴者からの人気は今一つであった。当時の視聴者達からは「早すぎたギャグロボットアニメ」と評価されている。放送当時、同17時台の後半には同じく名古屋テレビ製作のアニメ『重戦機エルガイム』が放送されていたが、名古屋テレビが制作に関与したロボットアニメが同局で2本立てで放送されたのは、後にも先にもこの時だけである。
なお、主役の声を担当した故・中川勝彦とヒロインの声を担当した鷹森淑乃の2人は、共に本作が声優デビュー作となった。
ストーリー[編集]
地上から戦争が無くなり、一切の兵器の所有が禁じられた未来。突如として現れ、破壊の限りを尽くす巨大ロボット。地球の地上げをもくろむ悪の宇宙人・宇宙不動産(宇宙シンジケート)の侵略に、警察は無力だった。そこへ颯爽と現れた謎のロボット、ガラット。ガラットは圧倒的な強さで侵略者を蹴散らす。このロボットを操るのは正義の宇宙人で、彼らと連絡を取り、助けを求める事ができるのはキウイ博士ただひとりであった。
……実はガラットは、キウイ博士が少年マイケルの通学乗用ロボット・ジャンブーを強引に改造したものだった。博士は、マイケルには兵器の所有がバレると罰せられるという建前で正体を隠すよう命じ、宇宙人との仲介役を装って警察から金をせしめようと企んだのだった。かくしてジャンブーとマイケル、そしてガラット2号・パティーグを駆る少女パティ、ついでにガラット3号・カミーグと青年カミルは、地球の平和を守る為、そしてキウイ博士の入金の為、悪の宇宙人達と今日も戦うのであった。
登場人物[編集]
- マイケル・マーシュ(声:中川勝彦)
- 熱血少年。13歳。ジャンブーの所有者。キウイ博士によってジャンブーを勝手に改造され、口車へ乗せられてガラットのパイロットにされる。家は父親が会社勤めをしている普通の中流階級。
- パティ・パンプキン(声:鷹森淑乃)
- マイケルのガールフレンド。13歳。パティーグの所有者。キウイ博士に頼み込んでパティーグを改造してもらい戦いに参加する。両親が共働きで放任主義のため自由奔放に育った。
- カミル・カシミールJr.(声:鈴置洋孝)
- 元大富豪の青年。17歳。キウイ博士のために全財産を失い没落する。カミーグはその詫び代わりに博士から巻き上げたもの。ガラットの秘密を知り、カミーグをガラットに改造するよう博士に強要する。設定作業段階では「ボーイ」という名前を与えられていた。
- キウイ・グレコビッチ(声:龍田直樹)
- いわゆるマッド・サイエンティスト。いつでもどこでも騒がしい変人。常に研究資金難に喘いでおり、宇宙人の侵略を利用してひと儲けしようと企む。「シルバー」という馬型ロボット?に乗って高速で飛び回る。設定作業段階では「Dr.エジソング」という名前を与えられていた。
- どすこい姉妹(声:榊原良子)
- 「石炭アメ」を探して旅をしている。前半はストーリーと全く無関係に独自の世界を展開するが、実は…
- 時代院咲子(声:滝沢久美子)
- キウイ博士のおしかけ助手でガラットに恋している。ガラットの正体は知らない。名前の通りファッションセンスや考え方が古風な大和撫子風美女。
- 州知事(声:富田耕生)
- キラーリンジ(声:古田信幸)
- ラッコ(声:田口昂)
- ゴマラーユ
- サラダ-ユ(声:三ツ矢雄二)
- グラッシュ
- ドリアル軍司令官ハッヘラ(声:富山敬)
- 物語後半に登場。「ドがつくほどリアルな」ドリアル星人の軍を率いて地球侵略を企み、ブラッド星に前線基地を築く。
登場メカ[編集]
- ジャンブー(声:緒方賢一)
- マイケルの通学用ロボット兼お目付け役。「気張りポーズ!みなぎる~!」の掛け声とともに巨大化。
- ジャンブー・クルット、ジャンブー・ガラットに変形。
- クルット時の武器は「バンザイ剣」、ガラット時は変形武器「ガラット・アームド・バリアンティ」。ガラットディバイザー(ビーム剣)、ガラットブラスター(熱線銃)、ガラットジャベリン(槍)に多段変形する。
- パティーグ(声:原えりこ)
- パティの通学用ロボット。「ほとばしりますワ!」の掛け声で巨大化。
- パティーグ・クルット、パティーグ・ガラットに変形。
- クルット時の武器は「やったねトンカチ」、ガラット時は変形武器「パティーグ・アームド・バリアンティ」。パティーグスライサー(ビーム剣)、パティーグショット(ビーム銃)、パティーグボーガン(矢状のエネルギーを発射するクロスボウ)に多段変形する。
- カミーグ(声:鈴置洋孝)
- カミルの執事・雑用ロボット。「いきりたつ~!」の掛け声で巨大化。
- カミーグ・クルット、カミーグ・ガラットに変形。
- クルット時の武器は「きりふだスティック」、ガラット時は変形武器「カミーグ・アームド・バリアンティ」。AパーツとBパーツで構成され、Aパーツはシャフト&チェーン(なぎなたと鎖分銅)、ライフル(長射程ビーム銃)に多段変形する。またAパーツにBパーツ(弾倉)を合体させてバズソーカノン(バズーカ)となる。
- ジャンブー、パティーグは、キウイ博士の製作したAI内蔵型乗用ロボット。頭の後ろの座席に人間を乗せ、二足歩行で移動するが、歩行速度は人間と大差なく(制限速度遵守の為)、ずんぐりしたデザインでおせじにも格好良いとはいえない。またカミーグは乗用ではないため座席は存在せず、カミルはカミーグの頭部に肩車するような格好で乗っていた。通学用ロボットとしてはAIを搭載せず高速で移動する非人型(脚部は付いている)が主流の中で、このタイプはかなり旧式のようである。彼らはキウイ博士の発明「膨張超合金」を使用して強引に改造され、巨大化・変形機能を追加された。
- ジャンブーのガラットへの改造は、膨張超合金製の改造部品によって施された。その部品は、どう見てもプラモデルであり、キゥイ博士はニッパーと接着剤を使って作業をおこなった。
- 「クルット」は各ロボットがそのまま巨大化した形態(ただし、一部パーツの曲面ディテールは変形機能の都合上若干多面体化するものもある)。一応コクピットはあるが、ロボットの意識はあり、自律行動も可能。あまり強くない。なお、形は変わらないのに正体がバレない理由は謎である。恐らく「ロボットがいきなり巨大化するはずがない」という認識からであろう(小型ロボ形態と若干のディテールの違いがあるという理由もあるのだろうが)。
- 「ガラット」は、クルット形態から「ひっくり返って」変形した形態。一般のロボットアニメの主役メカのような「格好良い」姿になる。ジャンブー、パティーグは腕が脚に、脚が腕になる。カミーグのみパターンが異なり腕は両形態で共通、背中にたたまれていた脚が伸び、元の脚は入れ違いに背中にたたまれてバックパックとなる。ロボットの意識は封印され、パイロットの操作のみによって動作する。その為、ジャンプー達はガラット形態になった時の記憶は無い。
- 物語後半で、宇宙から帰還する際に超空間を通り抜けた副作用として、巨大化に時間制限が生じる。巨大化が解除されるとパイロットは放り出される事になる。その為、カミルの正体がバレてしまう事に。
スタッフ[編集]
- 原案:矢立肇
- 監督:神田武幸
- キャラクターデザイン:芦田豊雄
- メカニカルデザイン:大河原邦男
- ゲストメカニカルデザイン:大畑晃一
- 脚本:星山博之、伊東恒久、平野靖士、遠藤明吾、並木敏、小山高男ほか
- 作画監督:芦田豊雄、渡辺浩、松下浩美ほか
- 演出:関田修、網野哲朗、三浦将則、殿勝秀樹、浜津守、根岸弘ほか
- 音楽:笹路正徳
サブタイトル[編集]
- 悪がはびこりゃガラット参上!
- 犬が吠えれば怪獣(メカ)があんぎゃー!
- 美しきライバル、カミル登場!!
- 笑顔で誕生! わたしはパティーグ!!
- おっと危ない! 晴れ、時々粗大ゴミ
- 海賊キッド、キッスはだめよ!
- 気分はもう大泥棒ジャンブーを捜せ!!
- 空前絶後、天から卵が降ってくる?
- 激戦!! 障害レースは殺しの合図
- 古代へのロマン? 博士の異常な欲望
- さすらいのヒーロー 宇宙編I
- 死闘、恐竜牧場の決闘 宇宙編II
- スタントマンは危険な香り 宇宙編III
- 正義の使者は賞金稼ぎ? 宇宙編IV
- そんでもって、やっとこさ帰って来た三人
- たいしたタマげた念力ポーズ!?
- 小さな悩み、ジャンブー踊れば記憶がガチョ~ン!?
- ツンツンしよう! 博士のオシリ
- 出会いはドキドキ!! 美女軍団は雲の上?
- どーすりゃ会えるの? 愛しのガラット様
- なんてこったい! マリアンさらって、ドーサンぐったり
- ニャンとびっくり! どすこい姉妹のヒ・ミ・ツ
- ぬかるなマイケル、ガラットの危機
- ネバーギブアップ、逆襲の花火大作戦!
- のどちんこからして叫べ どすこいパワー
これらサブタイトルの頭文字は、五十音順になっている。
主題歌[編集]
- オープニングテーマ:Welcome! ガラット - ガラットのテーマ
- 作詞:麻生圭子、作・編曲:笹路正徳、歌:村田有美
- エンディングテーマ:不思議なトワイライト - パティのLOVE SONG
- 作詞:麻生圭子、作・編曲:笹路正徳、歌:村田有美
前後番組の変遷[編集]
名古屋テレビ 土曜17時台前半 | ||
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前番組 | 超力ロボ ガラット | 次番組 |
無敵鋼人ダイターン3(再放送) | お笑いワンマンショー | |
テレビ朝日 金曜17時台前半 | ||
愛してナイト(再放送) | 超力ロボ ガラット | TV瓦版 ※金曜17時後半枠より移動 |