梱包
包装(ほうそう、packaging)とは、ものを包む行為、包む素材、包まれた状態などのことを言う。
物流のための貨物包装には梱包(こんぽう)という言葉を用いることが多い。
包装の定義[編集]
JISによる包装の定義は、物品の輸送、保管などにあたって価値及び状態を保護するために適切な材料、容器などを物品に施す技術および施した状態のことである。さらに、これを個装(物品個々の包装)、内装(包装貨物の内部の包装)、外装(包装貨物の外部の包装)の3種類に分類している。また、輸送を目的としたものを工業包装、販売を目的としたものを商業包装に区別し、工業包装を梱包としている。
包装の機能[編集]
主要な機能3点
- 内容物の保護(衝撃、水分、酸素、光など内容物を劣化させる様々な要因から、内容物を保護する)
- 情報提供(包装を見ただけで、内容物に関する適正な情報を得られるようにする)
- 取扱いの利便性(物流時や消費時の取扱いを容易にする)
その他包装に求められる機能
- 経済性(コスト・内容物に見合った価格)
- 販促性(消費者への訴求力、パッケージデザイン)
- 環境性(環境への負荷の小ささ・過剰包装の是正・リサイクル可否)
- 作業性(包装作業時の人的、機械的エネルギー効率)
- 衛生性・安全性・品質
主要な包装材料[編集]
ラッピング(wrapping)[編集]
包装紙などで綺麗に包むためには、知識や技術が必要である。また、包装に使うための紙は、包装紙(もしくは包み紙)と呼ばれ、様々なものが、日用品店や文房具店で販売されている。なお、包装用のプラスチック製フィルムはラッピングフィルムと呼ばれる。
一般にラッピングと呼ばれると、包装紙で単に包むだけではなく、中の物品に対する装飾的な意味も含まれる。贈答品(プレゼント)などでは、様々に様式化された包装が見られ、日本では熨斗紙(のしがみ)のように贈答品を贈った理由と誰からのものなのかが包装された外見からそれと判る文化があり、冠婚葬祭関連産業などでは、この贈答品に対応したサービスを提供するところも見られる。
また風呂敷などのように繰り返しの再使用を前提とした包装材でも、様々な「美しく包むための様式」もあり、こちらは作法の一環で多様な包み方も示される。
梱包材[編集]
荷造りに使われるもののことは、梱包材(もしくは、梱包資材、包装材、包装資材)と呼ぶ。梱包材には、ダンボール、エアキャップ、発泡スチロール、ガムテープなどがある。このうち、中身にかかる衝撃や圧力を和らげるためのものは緩衝材(かんしょうざい)と呼ばれる。近年では、環境に対する配慮から、プラスチック袋や発泡スチロールをやめて古紙再使用素材や生分解性プラスチックが使われることが多くなっている。
経営学における包装[編集]
マーケティングの広告とロジスティクスの保護・補完の両側面で大切である。包装は重要な情報を顧客に伝え、よい包装は顧客の注意をひく。ロジスティクス的には包装は輸送、保管時にモノを保護する。これは船による国際貨物輸送のような何度も積み下ろしをする長距離輸送の際、特に重要である。包装は倉庫やマテリアルハンドリング機器に応じてデザインすることにより移動と保管を容易にする。
参考文献[編集]
- Lambert, D. M. (2000)
関連項目[編集]
- マーケティング
- ロジスティクス
- パッケージデザイン
- 容器
- フレキシブルコンテナバッグ
- 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)
- 岡秀行(日本の伝統包装文化の保護に力を入れた)
- クリスト(ブルガリア生まれの美術家で、梱包をテーマにした作品を多数発表している)
外部リンク[編集]
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