座位
座位(ざい)は、性科学分野におけるヒトの性交体位の一種。性交の際に執る座位(座った姿勢)を意味する日本語。
呼称[編集]
日本に伝統的な四十八手のなかでは、「居茶臼(いちゃうす)」=「投網」「帆掛(ほかけ。帆掛け茶臼、帆かけとも記す)」「獅子舞(狂い獅子)」などが、現代で言うところの「座位」に相当する。「しぼり芙蓉」等の後背座位もあり、特に葛飾北斎が描いた三味線を弾きながらの「曲茶臼」がある。
中国語では「坐位和跪位」と言い、後述する「対面座位」は、互いに見合うことなら「觀賽式(簡体字:观赛式)」―代表的な体位は「鶴交頸」、もしくは、桌(テーブル)の上で舞うことに譬えて雅名で「桌上舞」、「背面座位」は、椅子に腰掛けるような体勢ゆえに「扶椅式」と言う。
英語(事実上の国際通用語)では kneeling と表現する。フランス語では "Union du lotus と言うが、ここでの "lotus" は「結跏趺坐」を意味する "Position du lotus" (英語の "Lotus position")を指す。
特徴[編集]
パートナー同士が、座った体勢で性器を結合させる。男女が正対し、座った男性に上から女性が跨る体勢で結合する「対面座位(たいめんざい)」と、男性の正面に対して女性が背を向け、椅子に腰を下ろすような体勢で結合する「背面座位(はいめんざい)」の2種類に大別される。同性同士の場合も、ネコ(女性方)とタチ(男性方)の関係は同じである。なお、座った体勢の細かな差異については、正座であっても結跏趺坐や胡坐などであっても、基本的な体勢を大きく逸脱しない限りは「座位」の範疇である。
対面と背面では意味合いや内容は大いに異なるが、共通するのは、ピストンが難しいことである。男の方が下から突き上げるようにするか、女の腰を抱えて上げ下ろし(または持ち上げては落として串刺し風に)するのが普通だが、いずれも安定しがたく、ずれたり抜けたりすることが多い。射精に至る場合は、下記のような、より安定した体位に移行する例が多い。
対面座位[編集]
対面座位は、正対することで容易となる視線や意識の密な交換や、キス・抱擁、(特に乳房への)愛撫などといった愛情表現によっても互いに快楽が得られることを大きな特徴とする。また、女性の側の背が低い場合、この体位では顔の高さが近くなるため、抱き合ってキスするのが容易になる。また、お尻や肛門への愛撫もしやすい。
パートナー同士の位置関係上、対面座位は正常位や対面騎乗位や対面立位や駅弁との間で、移行しやすい。普通は正常位から、女性を抱き起こす形で、これに移行する。
背面座位[編集]
一方、背面座位は、後ろ側のパートナーが両手で相手の乳房や結合部周辺を愛撫しやすいことに特徴がある。また、後背位に近いが、遙かに体が密着するため、キスは女性が首をひねることで容易に可能となる。
背面座位は後背位や背面騎乗位や後背立位と連続して行われやすい。また、対面座位からも移行できるので、正常位から後背位に移行する間にこれを経過することも可能である。
難点としては、女性の体が前に倒れやすいことで、この体位を維持するには、男性が女性を抱えて支え続けなければならない。
文化・芸術のなかの座位[編集]
対面座位は、タントラ教では極めて重要な性交体位の一つであり、歓喜仏。ヤブユム、ヤブ=ユム、ヤブ=ヨム、ヤブ=ヤムなどとも称する。■右の画像は一例)は、教義の理想的で象徴的な形の一つを体現する。また、これら歓喜仏の源流を遡れば、ヒンドゥー教におけるシヴァ神とその妻であるパールヴァティー神の和合などに辿り着く。
画像[編集]
座位画像を参照。
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