宗本智之
宗本 智之(むねもと ともゆき、1978年8月13日 - )は、芸術家として活動する日本のデュシェンヌ型筋ジストロフィー患者。
経歴[編集]
大阪府守口市出身。3歳の時に筋ジストロフィーと診断され、小学校3年生になって以降は車椅子で生活していた。1998年に近畿大学理工学部に入学し、その際に東大阪市へ移住する。2005年以降は気道確保のための気管切開によって寝たきりの状態となるが、2007年には大学院総合理工学研究科において数学の博士号を取得し、同時に特別奨励賞も授与されている[1][2][3][4][5]。
その後病状の悪化から数学の研究者になることを断念し、2008年からパソコンを使った詩や絵画の創作を始める。同年8月には著書『私の世界』を牧歌舎から自費出版しており、2009年7月には同社から『画集 心の旅』も出版した。また2010年からは句作を行っており、朝日新聞のコーナー「朝日俳壇」では計10回掲載されている[5]。また同年12月に同じく牧歌舎から出版された『七色の詩』は、第14回日本自費出版文化賞の一次選考を突破した[6]。
2011年には『難病と在宅ケア』に「寝たきりになっても何でもできる」を寄稿しており、同年には母校である橋波小学校の人権教育の授業において取り上げられている[7]。
2012年4月25日から30日にかけて、守口市の市民会館「さつきホールもりぐち」において作品展「飛行機雲 ~軌跡&奇跡~」が開かれた。宗本による点描画や詩などが展示され、500人以上が来場したという[8][9][10][11][12][13]。また同年7月23日から27日にかけて松原市で開かれた「つながる 人と人」パネル展において、宗本の点描画が展示されている[14]。そして同年の9月24日から28日にかけて、東大阪市役所の多目的室においても宗本の作品展が開かれた[15]。
2014年からは株式会社仙拓のパートスタッフとして働いており、同社が運営するウェブサイトの分析を担当している[16][17]。また同年8月には『句集 かたこと ~旅始~』が牧歌舎より出版されている[5]。
2017年7月からACジャパンの日本筋ジストロフィー協会支援キャンペーン広告に出演。[18]
著述[編集]
書籍[編集]
寄稿[編集]
- 「寝たきりになっても何でもできる」『難病と在宅ケア』17巻5号、2011年8月、5-7頁。
脚注[編集]
- ↑ 大学院生・宗本智之さん、博士号取得 近畿大学理工学部 理学科 数学コース
- ↑ 「'07キーパーソン:数学、わが命 筋ジス28歳に博士号 近大院生、月内にも取得」『毎日新聞』2007年4月3日付朝刊大阪版31面。
- ↑ 「筋ジストロフィーの院生 28歳・宗本さんに博士号」『産経新聞』2007年3月23日付朝刊30面。
- ↑ 「ひと:宗本智之さん=数学博士号を取得した筋ジストロフィー患者」『毎日新聞』2007年4月1日付朝刊3面。
- ↑ 5.0 5.1 5.2 病床で句作を続ける 宗本智之さん(36) 渚の風 2015年7月30日
- ↑ 第14回日本自費出版文化賞 日本自費出版ネットワーク 2011年9月2日
- ↑ 5年人権教育 難しいテーマを身近な存在へ パナソニック教育財団 2011年11月2日
- ↑ 宗本智之 作品展 飛行機雲 ~軌跡&奇跡~ 宗本智之さんの作品展を成功させる会
- ↑ 「作品展:『生の証し、多くの人に』 筋ジス患う・東大阪の宗本さん、パソコンで詩や絵創作」『毎日新聞』2012年4月23日大阪版25面。
- ↑ 「体動かずとも 命の軌跡を 筋ジス男性 パソコンで絵画や詩」『読売新聞』2012年4月24日付朝刊大阪版31面。
- ↑ 「難病33歳、今できること 恩師、創作知り後押し 守口で30日まで作品展」『朝日新聞』2012年4月27日大阪版29面。
- ↑ 難病と闘う宗本智之さんの作品展開催 牧歌舎 2012年5月1日
- ↑ 筋ジストロフィーと闘う 宗本さん作品展 大阪毎日新聞 2012年5月12日
- ↑ 人権文化推進企画 人&絵本&点描画「つながる 人と人」パネル展 松原市
- ↑ 「タウン TOWN/大阪府」『朝日新聞』2012年9月21日大阪版30面。
- ↑ 「親指だけでも働ける 宗本さん、ネットが縁で契約」『朝日新聞』2014年3月31日付朝刊名古屋版27面。
- ↑ 株式会社仙拓 スタッフ紹介 仙拓
- ↑ 宗本智之さんがACジャパン広告キャンペーンに出演!!