地方銀行
地方銀行(ちほうぎんこう)とは、一般社団法人全国地方銀行協会の会員である銀行である。第一地方銀行と称される場合もある(後述)。
概要[編集]
定義としては上記のように全国地方銀行協会に加盟する銀行という形であるが、加盟行の多くはその本店所在道府県で最大規模の金融機関であり、地域経済にも大きな影響力(傘下に不動産デベロッパーを置いていたり、地域主要企業の主要融資を担っていたり、メガバンクとの繋がりがあったり等)を持っていることが多い。また、アメリカの地方銀行に擬えてリージョナルバンク(Regional Bank)とも呼ばれる事がある(ただしこの語の意味は信用金庫を含むため注意が必要)。
1990年代初頭はいわゆるバブル景気に乗って、東京都や近隣府県、外国に進出する銀行が続出したが、その後の不景気によって、事業譲渡などで撤退し、地元に経営資源を集中させるケースが増えた。ただ、2000年代に入り、京都銀行や山口銀行などのように事業の拡大を狙って、地元の隣接地域に再び進出し始めている。
なお、一般社団法人第二地方銀行協会の会員である銀行(第二地方銀行)との対比から、第一地方銀行と呼ばれる場合もあるが、俗称であって正式なものではない。
2011年10月現在、地銀協加盟の地方銀行は全部で64行存在している。
2014年11月4日に、東日本銀行と横浜銀行が経営統合協議に入り、同月7日には肥後銀行と鹿児島銀行が経営統合に向けた交渉に入った。地方銀行は、第二地方銀行含め、少子高齢化の急速な進展や、地方経済の疲弊になどの要因により経営環境が2010年代に入って以降はかなり厳しい状況であるとされ、この統合交渉を皮切りに、経営体力強化のための業界再編が加速する可能性が高まっている[1]。
分布状況[編集]
都道府県別で最も多くの本店を擁しているのは福岡県であり、福岡銀行・西日本シティ銀行・筑邦銀行・北九州銀行の4行の本店が存在する(西日本シティ銀行は、旧西日本銀行が旧福岡シティ銀行(第二地方銀行)を吸収合併して発足、北九州銀行は、山口銀行のうち九州の店舗を分離して発足した)。
静岡県には3行、すなわち静岡銀行・スルガ銀行・清水銀行の3行が本店を置いている。
本店を置く地方銀行が2行ずつ存在するのは、青森県・岩手県・秋田県・山形県・茨城県・千葉県・新潟県・富山県・岐阜県・三重県・大阪府・長崎県及び沖縄県の13府県である。このうち大阪府においては、2010年5月1日付で旧池田銀行が旧泉州銀行を吸収し、池田泉州銀行が発足したことで、本店を置く地方銀行も3行から2行(もう1行は近畿大阪銀行(りそなグループ))に減少した。
その他、31都道府県において、本店を置く地方銀行が1行のみとなっている。このうち埼玉県においては、武蔵野銀行がさいたま市に本店を設けている。なお、旧埼玉銀行(地方銀行から都市銀行へ転換)の流れを汲む埼玉りそな銀行(りそなグループ)については、都市銀行の扱いとされている。
全国で唯一、愛知県には本店を置く地方銀行は存在しない(同県に本店を置く第二地方銀行は存在する)。
預金量[編集]
預金量ではふくおかフィナンシャルグループ(福岡市)が最大である[2]が、2016年4月には横浜銀行・東日本銀行の経営統合により、両行のグループが最大となる予定である[3]。このほか、上位から千葉銀行(千葉市)、ほくほくフィナンシャルグループ(富山市)、静岡銀行(静岡市)、山口フィナンシャルグループ(下関市)、常陽銀行(水戸市)が続く[3]。
地方銀行の一覧[編集]
全国地方銀行協会#会員行 を参照
脚注[編集]
- ↑ (2014年11月8日) 地銀:再編加速 肥後・鹿児島銀、県境越え統合へ 毎日新聞 [ arch. ] 2014年11月8日
- ↑ ふくおかFGは、第二地銀協会加盟行である熊本銀行を包括しているため、厳密な意味では(第一)地銀グループトップではない。
- ↑ 3.0 3.1 時々ドットコム:【図解・経済産業】地銀・地銀グループの預金量ランキング(2014年11月)