保育施設トイズ
保育施設トイズとは、栃木県宇都宮市にある、無認可保育施設という名の幼児虐待所である。
「まるで動物園」「爪はがされ...」疑惑の保育施設で証言続々[編集]
生後9カ月の女の子が無認可保育施設で死亡した事件で、次々と驚きの証言が出ている。
カメラに向かって満面の笑みを見せる山口 愛美利(えみり)ちゃん(当時生後9カ月)。これは、2014年7月に撮影された家族旅行の様子。このときは元気いっぱいだった愛美利ちゃんだが、11日後、突然息を引き取った。
愛美利ちゃんの父は「本当に、殺されたものだと思っている。娘に、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。監獄というか、拷問部屋に、毎日預けに行っていたと」と語った。
愛美利ちゃんは2014年7月26日、栃木・宇都宮市の無認可保育施設「トイズ」で、宿泊保育中に亡くなった。共働きをしている両親が、出張のため、トイズに愛美利ちゃんを預けたのは、亡くなる3日前。その際、愛美利ちゃんの健康状態に問題はなかったというが、預けたその日から、1日7回下痢をしたうえ、2日後の午後3時には38度の高熱を出していた。
しかし、愛美利ちゃんの父は9月、「熱があった時に、なぜわたしたちにスタッフが連絡をしてくれなかったのか。なぜ、娘が苦しんでいる時に、病院に連れて行ってくれなかったのか」と語った。両親は2014年9月、経営者らを保護責任者遺棄致死容疑などで刑事告訴した。警察も、これまでに3度、家宅捜索を行うなど、捜査を進めてきた。
施設が作成したパンフレットには、「看護師の常駐」や「嘱託医も完備」といううたい文句があり、両親はこれを信用し、愛美利ちゃんを預けたという。しかし、嘱託医と無断で名前を使われた医師は、「わたしたちは初耳です。嘱託医になってくださいという言葉もいただいたことはない」と語った。浮かび上がってきた、パンフレットの偽装疑惑。
愛美利ちゃんの父は「ほとんどがうそだったと判明したので、詐欺罪で刑事告訴したいと思っています」と語った。さらに、愛美利ちゃんが亡くなる2カ月ほど前に、この施設に子どもを預けたという別の母親からは、驚きの証言が聞かれた。過去にトイズを利用した母親は「(預けた子どもの)左手の人さし指の爪が、まるまるはがされて帰ってきました」と語った。施設に預けている間に、何者かに爪をはがされた可能性もあることから、両親は虐待の疑いで宇都宮市に報告した。
過去にトイズを利用した母親は「事故かもしれないし、もちろん虐待だって考えているしと、何度も訴えたが、うちでは起こっていないような感じで対応をされた」と語った。疑惑は、これだけではなかった。
トイズが宇都宮市内に届け出ていた保育士は、ほとんど勤務実態がないことがわかった。ある女性は施設を訪れた際、信じがたい光景を目にしたという。トイズに孫を預けた女性は「動物園を見ている感じだった。(乳幼児たちは)みんな柵の中に入れられて、ギャーギャー泣いていて、誰も見てくれない。ここには預けられないなと思いました」と語った。
数々の疑惑について、FNNはこれまで何度も取材を申し込んできたが、施設の実質的な経営者は取材に応じていない。運営会社は、「ご両親様に対しまして、衷心よりお悔やみ申し上げます。当社といたしましては、適切に保育を行っていたものと考えております」と、9月19日にコメントしただけ。
愛美利ちゃんの父は「こんなことをしている連中が、今も営業しているとは信じられない気持ちで、早く何とかしてほしい。行政と警察にもお願いしたいと思っています」と語った。両親は、30日にも警察に告訴状を提出することにしている。
一連の取材の中で、別の子どもを預けた保護者の話では、送迎は玄関までで、保育をしている2階・3階のところは見ることができなかったという。
施設責任者は謝罪なし[編集]
愛美利ちゃんの父は、業務上過失致死容疑で告訴される現場責任者とその父親で施設の実質的代表とされる男性は、十分な保育従事者を配置し、安全確保への指導監督を徹底するなどの事故防止策を講じなかった、などと指摘している。
さらに愛美利ちゃんの保育中、体調不良について施設から両親に一切連絡がなかったことや夜間に十分な水分が与えられていなかったこと、看護師やかかりつけ医が不在であるなど、パンフレットや契約時の説明と実態が明らかに異なると訴えている。
愛美利ちゃんの父親(49)は「現場責任者は『(愛美利ちゃんと)同じ部屋で横になっていた。ブレスチェック(呼吸確認)はしていなかった』と説明しており、これまでに謝罪はない。同じような悲劇が起こらないよう、認可外保育施設の質を確保する必要性についても訴えていきたい」と話す。
施設の現場責任者は「警察の捜査を受けているのでコメントは差し控える。ただ、お預かりしている間は適切に保育を行っていたと考えている」としている。
外部リンク[編集]
- 厚生労働省 - 児童虐待防止対策
- 日本子ども虐待防止学会
- 社団法人チャイルド・セーフティネット協会
- 特定非営利活動法人児童虐待防止全国ネットワーク
- 特定非営利活動法人 日本トラウマ・サバイバーズ・ユニオン
- 児童虐待関連ホットライン一覧 - 特定非営利活動法人くるみ会