不浄負け

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不浄負け(ふじょうまけ)とは、相撲の取組中に廻しの前袋が外れて局部が露になること。

概要[編集]

露にした方の力士は即座に負けとなる。相撲の勝敗を決定する要素の一つではあるが、決まり手あるいは勝負結果の正式な名称ではなく、大相撲では勝負規定第16条に基づく反則負けとなる。

勝負規定 第十六条
前褌がはずれて落ちた場合は、負けである。

当然、アマチュア相撲でも同様である。

通常、廻しは何重にも硬く締めている為に、実際に起きることはほとんどない。また、廻しが緩んでいることが確認でき、勝負を止められる場合は、いわゆる「廻し待った」をかけ、土俵上で組み合ったまま行司が締め直すことになっている。

不浄負けとなった取り組み[編集]

2000年5月場所[編集]

2000年5月13日の三段目の取組、朝ノ霧-千代白鵬で朝ノ霧が負けているのが戦後唯一の例で、これは83年ぶりの珍事であった為に日本国内だけでなく海外にも打電されニュースになった。同年5月14日発売の日刊スポーツ一面では、この不浄負けを東京地区スポーツ紙5紙の中では唯一一面で起用。「決まり手はモロ出し」と見出しを打った上で、審判委員たちの「見えてる!見えてる!!」の叫びを赤明朝体文字で大きさを変えて載せるなど、強烈なインパクトを残した上、この日の日刊スポーツの売切店が多数あった程。

1917年5月場所[編集]

1917年5月13日、男嶌-友ノ山の一番では同様に男嶌の前袋が落ち、友ノ山の勝ちとされた。客席が爆笑に包まれる中、男嶌が股間を隠して花道を下がった様子は当時の語り草になったといわれる。

本場所以外[編集]

本場所以外では、1946年4月に京都で行われた準場所で、不動岩-五ツ海戦で五ツ海の廻しが外れて負けになったことがある。

備考[編集]

  • 「もろ出し」と言うこともあるが、これは「もろ差し」をもじった俗称であり、相撲の用語として使われることはない。
  • ファミリーコンピュータのゲームソフト『つっぱり大相撲』では、取組中に出場力士の廻しが外れて勝負が付くことがあり、その際の決まり手をゲーム内では「もろだし」と表記していた。このことから、これが正式な相撲用語であると誤解している者もいる。
  • なぎら健壱の楽曲「悲惨な戦い」の歌詞に、若秩父のまわしがとれたとの内容があるが、フィクションであって事実ではない。同歌詞における取り組み自体、若秩父対雷電というありえないものである。
  • 漫画では永井豪の『イヤハヤ南友』で、非力な主人公が相撲大会に出る下りがあり、相手のまわしを取る策で連勝する。
  • 2004年NHK大河ドラマ新選組!』(三谷幸喜脚本)の中で、島田魁(演:照英)が相撲に参加してふんどしが切れるシーンが放送されている

関連項目[編集]