ビデオ・オン・デマンド

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ビデオ・オン・デマンド(Video On Demand,VOD)とは、ユーザーの見たいときにさまざまな映像コンテンツを配信するシステムのことである。別名電子レンタルビデオ。

例えばある映画を見たくなったとき、レンタルビデオ店に借りに行ったりする代わりに、VODならパソコンでインターネット(主にブロードバンド回線)からデータをダウンロードして見ることが可能である。また、専用の機器(STB)を用いて一般のテレビで視聴可能なサービスもある。

また、放送とは異なり、ビデオのように映像再生の一時停止・巻き戻し・早送り等をする事が、多くのサービスで可能である。

ユーザが要求した時点でコンテンツを配信するものとなるため、放送と言うよりはむしろ通信的性格が強い。主に、デジタル化ケーブルテレビや光放送・IP放送、インターネットテレビなどでサービスされている。

最大で同時刻帯にアクセスのある視聴者数だけ個別にコンテンツを送出しなければいけないため、送出サーバや通信回線の帯域が多く必要とされる。このため、テレビ放送画質で自由なVODを実現するのは困難が伴う。

また、従来技術の延長でVODに似たサービスを実現するものとして、NVOD(Near VOD)がある。これは、比較的短時間の間隔をずらして次々と同じ番組を送出するもので、例えば120分番組を12のチャンネルで10分おきに送出すると、視聴者は最大10分待てば必要な番組を冒頭から観る事ができる。技術的には単なる多チャンネル放送であり、帯域さえ確保できればよい。しかし、あらゆる番組を常時NVODで放送するほどの帯域は用意できないため、現実的には本来のVODに期待されるサービスとは隔たりがある。