トラッククレーン
トラッククレーン(Truck crane)は、市販のトラックにクレーンを架装させたトラック。自衛隊のトラッククレーンについても本稿で述べる。
解説[編集]
トラッククレーンは、トラックシャシと運転席、クレーンブーム及び制御部、荷台を持つものと、シャシと運転席、クレーンブーム・運転台及び旋回部を持ち荷台を持たないものに分けられる。 荷台を持たないトラックにクレーン装置を組み付けたものを「汎用クレーン」とも呼ぶ。他のトラックと同様の走行性能があり、走行条件等の制約は他のホイールクレーンに比べて少ない。
また荷台と運転席の間の組み付けるタイプのクレーンは「キャブバッククレーン」と呼び、代表的なメーカーのブランドから「ユニック」と呼ぶ事が多い。 汎用クレーンとトラック搭載クレーンは操作免許の関係上、2,9t吊と4,9t吊が多いが、汎用クレーンには20t吊りのものもわずかだが販売されている。
上記の他に、車体強度を上げた専用シャーシの後部にクレーンを架装したものもある。こちらも「トラッククレーン」だが、日本国内では以下に述べる「ラフテレーンクレーン」と「オールテレーンクレーン」に置き換わりつつある。
ラフテレーンクレーンは、その名が示す通り、もともとは不整地の走行にも対応できるホイールクレーン。車両の走行とクレーンの操作を一つの運転席で行う。日本では2軸(4輪)駆動が多い。走行速度は49km/hに制限されている。
オールテレーンクレーンは、3軸(6輪)以上の台車にクレーン装置を組み付けたもので、走行とクレーン操作は別の運転席で行う。その名の通り全地形の走行に対応できる。安定性に優れ、高所への荷物の吊り上げに適している。
総重量8t以上の大型自動車に該当する車両で荷台を有する車両は90km/hリミッターの装着が義務化されている為、最高速度は90km/hに規制されている。
現在はトラッククレーンの需要は減りつつあり、専用シャーシを生産していた各社は事実上生産を中止している。
自衛隊のトラッククレーン[編集]
陸上自衛隊の装備。主に施設科に配備される。運転席と操作室が同じであり、作業時に乗り換える必要がない。災害派遣だけでなく、築城作業などに使用される。民間ではラフテレーンクレーンなどと呼ばれる。 ただし建築業界ではトラッククレーンという場合、運転席と操作室が別の物(トラックフレーム上に操作室を含むクレーン機構を架装した車両)を指すので注意が必要。
諸元[編集]
- 全長:10520mm
- 全高:3420mm
- 全幅:2490mm
- 総重量:23540kg
- 最小回転半径:4.7m
- 最高速度:49km/h
- 登坂能力:30°
- クレーン移動範囲:8.5m~30.6m(ブーム)、7.4m~12.0m(ジブ)
※諸元は一例。多数のバリエーションあり。
特徴[編集]
くい打ち、吊り上げなどなんでもこなす。機械式クレーンに代わり、施設科などで活躍している。最小回転半径が5m未満という、重機にしては小回りがきくことも特徴のひとつであるが、これは四輪操舵によるところが大きい。