トヨタ・イプサム
提供: Yourpedia
イプサム(Ipsum)はトヨタ自動車が生産・販売していたミニバン型乗用車である。
概要[編集]
当時の初代ホンダ・オデッセイを始めとするミニバンブームの中で初代モデルは目標販売台数を大幅に上回る受注を獲得したものの、ミニバンブームに乗り遅れないようにかなり性急に開発されたため、居住性の低さやエクステリア、インテリアの質感の低さなどが徐々に露呈し、結果としてホンダ・オデッセイに歯が立たず人気は長続きしなかった。
2代目へのフルモデルチェンジで大型化や高級化を図り、約8年という長期にわたって販売されていたが初代の人気を下回った(そもそも2001年当時は5ナンバーが未だに主流であり、現在ほど出回っていなかったことも要因に挙げられる)。さらにエコカー減税の対象となる競合車の登場で大幅に販売台数を減らし、2010年1月を以って販売終了。2代・13年7か月の歴史に幕を下ろした。
初代(1996年 - 2001年)[編集]
- 1995年 - 第31回東京モーターショーに参考出品。
- 1996年5月 - 登場。コロナプレミオの車台をベースとした排気量2.0Lガソリンエンジン(3S-FE型)および2.2Lディーゼルターボエンジン(3C-TE)を搭載し、5ナンバーサイズのため車体が小さかった。乗車人数は7人乗りのみ。基本的にはツートンカラーで、原色を避けた明るい色が多かった(パープリッシュブルーマイカメタリック等)。
- 1997年8月 - 2WDのディーゼル車が追加され、さらにエアロツーリングが追加された。
- 1998年2月 - 長野オリンピックの公式カーとして、スノーレッツデザインのホワイト・イプサムが登場。後に特別仕様車として「ホワイト・イプサム」が発売。1998年2月の取り扱いはトヨペット店・ビスタ店(大阪では前期型に限り大阪トヨタでも取扱いしていた)。
- 4月 - マイナーチェンジ。マルチリフレクターヘッドランプの採用およびバンパー部等のカラー変更、原色系への移行、落ち着いた色合いへの変更があった。ミラーやフロントグリル、テールランプ、インパネ周り、シートアレンジも変更。さらに、トヨタで初のアクティブトルクコントロール4WDを採用。
- 12月 - 特別仕様車、イプサム スペシャルバージョンを追加。イプサムグレードの2.0L FF車と4WD車をベースに、ボディカラーにダークターコイズマイカに加えホワイトパールマイカ、内装色にアイボリーを採用。内装はプライバシーガラス、木目調のパネル&スイッチベース、4スピーカーなどを特別装備している。
- 1999年10月 - 特別仕様車「メモリアルエディション」を発売。イプサムグレードの2.0L FF車と4WD車をベースに、ボディカラーは特別色ホワイトパールマイカを採用。そのほか、プライバシーガラス、フォグランプ、GPSボイスナビゲーション付きオーディオなどを特別装備している。。
- 2000年4月 - モノトーン仕様が追加設定された。
- CMは家族向けというより、まるで子供向けの玩具のようなコンセプトで製作された。CMキャラクターには西村雅彦やビビアン・スーらを起用していた。 また田村亮子(現・谷亮子)も一時的に登場していた。オリジナルキャラクターの「イプー」は、初代型のCMやカタログ、更にディーラーオプションのステッカーにも登場した程、当車との関係が深い。
- 10月 - 特別仕様車「エクセレントバージョンII ナビスペシャル」を発売。ボイスナビゲーション&6スピーカー、バックモニターと専用シート&ドアトリム表皮を採用したほか、外板色にシャンパンメタリック、ホワイトパールマイカ(オプション)を設定する。
- 2001年4月[1] - 生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
- 2001年5月 - 2代目とバトンタッチして販売終了。販売終了前月までの新車登録台数の累計は33万5435台[2]
2代目(2001年 - 2010年)[編集]
- 2001年5月 - 登場。キャッチコピーは「ミニバン・トゥモロー」。CMも「イプー」を起用した先代のコミカルな路線から一転、ゆとりを強調したものとされる。2代目は排気量を2.4L(2AZ-FE型)に引き上げ車体を少し大きくして3ナンバーサイズとなり、車格もホンダ・オデッセイや三菱・グランディスと並んだ。当初「240シリーズ」としていたがV6エンジンなどは追加されることはなかった。また先代にはあったディーゼルターボも時期の悪さや規制もあり設定されなかった。リヤ床下に大きい収納スペースを搭載したためスペアタイヤは車体中央の床下に搭載されている。それゆえ、イプサム専用のプラットフォームを開発している。これに伴い大幅にデザインとロゴマークを変更(英字筆記体の「Ipsum」から英字活字体の「IPSUM」)。過去には6人乗りの上級グレードが追加されていたが、7人乗りの販売台数が圧倒的に多いという背景があり廃止された。
- 10月 - DVDボイスナビゲーションとブラインドコーナーモニターがセットでメーカーオプション化され、スーパーホワイトII(040)の設定が拡大された。
- 2002年6月 - ヒーターミラーが寒冷地仕様全車にメーカーオプションとして追加設定された。
- 2003年4月 - 特別仕様車「タイプG」「タイプG ナビスペシャル」を発売。「タイプG」は、外観は、エアロパーツ(フロント・リヤ大型バンパー/サイドマッドガード)、16インチアルミホイール、フロントフォグランプなどを特別装備し、外板色には特別設定のスーパーレッドマイカ(オプション)とブラックを含む全4色を設定。内装は、上級グレードのシート&ドアトリム表皮(アイボリー)、本革巻き4本スポークステアリング、オプティトロンメーターを採用し、質感を向上している。「タイプG ナビスペシャル」は、加えて、専用DVDボイスナビゲーション付ワイドマルチAVステーション、ブラインドコーナーモニター、音声ガイダンス機能付バックガイドモニター(カラータイプ)を特別装備する。
- 2003年10月 - マイナーチェンジ。内外装デザインの変更、240eの廃止など、多岐にわたる変更が行われた。その後はエンジンの環境・燃費対策、ボディカラー変更、特別仕様車の追加など極細かい変更のみ受けながら、2009年末の生産終了まで6年以上このデザインのまま生産された。
- 2004年1月 - 特別仕様車「ALCANTARA version(アルカンターラバージョン)」を発売。240iをベースに、シート表皮に「アルカンターラ」を採用し、質感を高めるとともに、同仕様の専用車検証入れを特別装備している。さらに、オプティトロンメーター、プッシュ式ヒーターコントロールパネル(LED照明・外気温度表示機能付)、16インチアルミホイールなどを特別に装備している。さらに、特別仕様車240i 「ALCANTARA version・NAVI Special(アルカンターラバージョン・ナビスペシャル)」には、加えて、G-BOOK対応DVDボイスナビゲーション付ワイドマルチAVステーションと音声案内クリアランスソナー、ガラスプリントアンテナを特別に装備する。
- 2月 - 平成17年基準排出ガス50%低減 『新☆☆☆』を全車で達成(U-LEV)。
- 4月 - 一部改良。
- 12月 - 特別仕様車240i「Premium ALCANTARA version(プレミアムアルカンターラバージョン)」を発売。240iをベースに、シート表皮に「アルカンターラ」を採用し、質感を高めるとともに、4本スポークステアリングホイール(本革巻き+木目調)、専用シフトレバーノブ(本革巻き+木目調)、コンライト、クルーズコントロールなどを、また、外装にはエアロパーツを装備した。さらに、240i「Premium ALCANTARA version・NAVI Special(ナビスペシャル)」には、G-BOOK対応DVDボイスナビゲーション付ワイドマルチAVステーションにブラインドコーナーモニター(フロント直下モニター付)&レーンモニタリングシステム&音声ガイダンス機能付カラーバックガイドモニター(暗視機能付)をセットで特別装備した。
- 2005年8月 - 平成17年基準排出ガス75%低減 『新☆☆☆☆』を全車で達成(SU-LEV)。全車のヘッドランプにオートレベリング機能が標準装備された。
- 2007年6月 - 特別仕様車「タイプS-II」を発売。「240i」をベースに、特別外板色ブロンズマイカメタリックを含む全4色を設定するとともに、エアロパーツ(フロントグリル、フロント・リヤバンパー、サイドマッドガード)、16インチアルミホイール、エクステンションにスモーク加工を施したディスチャージヘッドランプ・リヤコンビネーションランプなどを特別装備、さらに、本革巻きの4本スポークステアリングホイール、オプティトロンメーター、ステアリングスイッチ(オーディオ)、コンライト(ライト自動点灯・消灯システム)、クルーズコントロールなどを採用し、利便性を向上させている。また、今回イプサム全車にシートベルトウォーニングブザー設定などの改良を行うとともに、ウェルキャブ(メーカー完成特装車)についても、ベース車と同様の改良を施している。
- 2009年12月25日 - 生産終了。
- 2010年1月29日 - 販売終了。2003年より販売台数が下降したが、2007年に同じトヨペット店にマークXジオが登場後も販売が続行され、8年を超える長寿モデルとなった。販売期間中の新車登録台数の累計は18万9241台[3]
販売[編集]
ヨーロッパでは初代が「ピクニック」で輸出され、2代目が「アベンシスヴァーソ」の名前で発売された。
香港、シンガポールでは2代目も「ピクニック」名で販売。豪州では「アベンシス」(欧州製のセダン、ハッチバック、ワゴンはなし)として販売されているが、リアハッチ右下のバッジやオーナーズマニュアルは、欧州仕様同様に「AVENSIS VERSO」となっている。
取り扱いはトヨペット店(大阪府は2006年8月7日までトヨタ店。ただしガイアが登場するまでは大阪トヨペット(現・大阪トヨタ)でも取り扱っていた)、ネッツ店(2004年4月まではトヨタビスタ店)。
車名の由来[編集]
ラテン語で「本来の」「自分自身の」の意味。
その名の通り、豪華な装備や付加機能などよりも、広さや車としての使いやすさなど、本来性が重視されている車である。
脚注[編集]
[ヘルプ]
- ↑ (2020-1-11) イプサム(トヨタ)1996年5月~2001年4月生産モデルのカタログ リクルート株式会社 2020-1-11 [ arch. ] 2020-1-11
- ↑ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第31号15ページより。
- ↑ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第53号13ページより。
関連項目[編集]
- トヨタ・ガイア(初代の姉妹車)
- トヨタ・ピクニック(姉妹車)
- トヨタ・アベンシスヴァーソ - 2代目の姉妹車(海外向け)
- トヨタ・ナディア(同上)
- トヨタ・マークXジオ(日本における実質的後継車種)
- トヨタ・ヴァーソ(欧州における後継車種)
- トヨタ・ウィッシュ
- トヨタ・アイシス