テンプレート:Harvtxt
Harvtxtは、本文中での著者姓-発行年方式で略記された出典の記載を支援するためのテンプレートです。発行年と頁範囲等を括弧書きし、著者姓-発行年から同一記事内にあるidが一致する最初のcite系テンプレートへの内部リンクを生成します。「Harvtxt」はHarvard citation text(ハーバード方式の出典注、本文中)を意味します。
目次
使い方[編集]
例えば、「佐藤某」さんの「2018年」の著書の「19-20頁」が出典の場合、出典に言及したい箇所を
{{Harvtxt|佐藤|2018|pp=19-20}}によると、これこれこうである。
のように記します。出力は、
佐藤 (2018 19-20)によると、これこれこうである。
となります。この入力は、内部で、
[[#CITEREF佐藤2018|佐藤 (2018 ]] 19-20)によると、これこれこうである。
と解釈されます。ここで、同じ記事の中にある「CITEREF佐藤2018」というidを持つアンカーへの内部リンクが生成されます。
内部リンクを完成させるには、同じ記事の中に、同じidを持つアンカーを作成します。アンカーの作成には、{{Cite book}}などのCite系テンプレートや{{Aya}}を用いることができます。この説明文の最後には、{{Aya}}を用いて、
*{{Aya|佐藤|year=2018}} 佐藤某『書題××』出版社、2018年
と記し、アンカーが作成してあるため、上でHarvtxtテンプレートを使いて作成した内部リンクをクリックすると、このアンカーへジャンプします。Cite系のテンプレートを用いる場合には、著者姓(last)に「佐藤」、発行年(year)に「2018」と指定すると、同じように「CITEREF佐藤2018」というアンカーを生成することができます。
開発の意図[編集]
条件文を使わないという制約下で、WikipediaのHarvtxtテンプレートと互換性をもつように作成しました。
条件文を使用しない(場合分けが難しい)という前提があるため、
- 句読点、カンマ、ピリオド、&、括弧は表示しません。ただし、句点ないしピリオドは、引数「ps」(追記事項)に記すことによって表示できます。
- 著者姓が4人まで指定できる点はWikipediaのテンプレートと同様ですが、複数著者の場合、2人目以降の著者姓が出力表示されないという問題があります。出力表示されない場合も、内部リンクでは複数の著者姓を指定しているため、参考文献側では複数の著者姓を指定してください。
- 頁などの参照範囲を指定する引数「p=」「pp=」「loc=」の指定内容はいずれも出力表示されますが、数字の前の「p.」「pp.」は表示しません。「佐藤 2018 pp.19-20」「佐藤 2018 19-20頁」のように表示したい場合は、入力するときに「pp=pp.19-20」「pp=19-20頁」のように指定してください。
引数一覧[編集]
引数 | 意味 | 既定値 | 入力の要否 |
---|---|---|---|
(1) | 著者姓1 | NULL | 必要 |
(2) | 発行年または著者姓2 | NULL | 必要 |
(3) | NULLまたは発行年または著者姓3 | NULL | 可略 |
(4) | NULLまたは発行年または著者姓4 | NULL | 可略 |
(5) | NULLまたは発行年 | NULL | 可略 |
p | 単一頁番号 | NULL | 可略 |
pp | 複数頁番号 | NULL | 可略 |
loc(locationの略) | 参照範囲(章、節など) | NULL | 可略 |
ps(postscriptの略) | 追記事項 | NULL | 可略 |
入出力例[編集]
事例 | 入力 | 理想の出力(内部リンクは省略) | 現状の出力(同) |
---|---|---|---|
著者1人、複数頁指定 | {{Harvtxt|佐藤|2018|pp=19-20}} | 佐藤 (2018, pp.19-20) | 佐藤 (2018 19-20) |
同2人、同 | {{Harvtxt|佐藤|鈴木|2018|pp=19-20}} | 佐藤 & 鈴木 (2018, pp.19-20) | 佐藤 (2018 19-20) |
同3人、同 | {{Harvtxt|佐藤|鈴木|高橋|2018|pp=19-20}} | 佐藤, 鈴木 & 高橋 (2018, pp.19-20) | 佐藤 (2018 19-20) |
同4人、同 | {{Harvtxt|佐藤|鈴木|高橋|田中|2018|pp=19-20}} | 佐藤 et al. (2018, pp.19-20) | 佐藤 (2018 19-20) |
同5人、同(エラー) | {{Harvtxt|佐藤|鈴木|高橋|田中|伊藤|2018|pp=19-20}} | 佐藤 et al., pp.19-20) | 佐藤 (伊藤 19-20) |
同0人、同(エラー) | {{Harvtxt|2018|pp=19-20}} | 2017, pp.19-20) | [[#CITEREF2018{{{2}}}|2018 ({{{2}}} ]] 19-20) |
発行年指定なし(エラー) | {{Harvtxt|佐藤|pp=19-20}} | 佐藤, pp.19-20 | [[#CITEREF佐藤{{{2}}}|佐藤 ({{{2}}} ]] 19-20) |
著者1人、単一頁指定 | {{Harvtxt|佐藤|2018|p=19}} | 佐藤 (2018, p.19) | 佐藤 (2018 19) |
同、参照範囲指定 | {{Harvtxt|佐藤|2018|loc=第1章}} | 佐藤 (2018, 第1章) | 佐藤 (2018 第1章) |
頁範囲指定なし | {{Harvtxt|佐藤|2018}} | 佐藤 (2018) | 佐藤 (2018) |
同、複数頁指定、句点あり | {{Harvtxt|佐藤|2018|pp=19-20|ps=.}} | 佐藤(2018, pp.19-20) | 佐藤 (2018 19-20.) |
他のHarv系テンプレートとの関係[編集]
Harv[編集]
{{Harv}}は、本文中の各文の終わりに括弧書きで著者姓・発行年方式により典拠を略記する場合に用います。
- 入力例:これこれこうである{{Harv|佐藤|2018|pp=19-20}}。
- 出力例:これこれこうである(佐藤 2018 19-20)。
Sfn[編集]
{{Sfn}}は、脚注に著者姓・発行年方式により典拠を略記する場合に用います。
- 入力例:これこれこうである{{Sfn|佐藤|2018|pp=19-20}}。
- 出力例:これこれこうである[1]。
Harvnb[編集]
{{Harvnb}}は、Harvの括弧なし版、SfnのRefタグが付かない版です。括弧内に複数の出典を記したい場合などに用います。
- 入力例:これこれこうである({{Harvnb|佐藤|2018|pp=19-20}}、{{Harvnb|鈴木|2017|pp=38-46}})。
- 出力例:これこれこうである(佐藤 2018 19-20、鈴木 2017 38-46)。
Refの入れ子の回避[編集]
脚注の中に本文を補足する文章を記し、その文章に出典注を付したいことはよくあると思いますが、脚注の中でSfnテンプレートを使おうとすると、SfnテンプレートはRefタグを生成するため、Refの入れ子(ネスト、nest)をして、脚注節の側で更にグルーピングを要することになり、記事の構造が複雑になってしまいます。
Refの入れ子の問題を回避するために、脚注の文章に出典注を付す場合には、Refタグを生成しないHarvテンプレート、HarvnbテンプレートおよびHarvtxtテンプレートを使いましょう。
- 入力例:<ref>本文を補足すると、これこれこうである{{Harv|佐藤|2018|pp=19-20}}。</ref>
- 出力例:[2]
脚注(例)[編集]
参考文献(例)[編集]
- 佐藤 (2018) 佐藤某『書題××』出版社、2018年