テングタケ科
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テングタケ科(Amanitaceae)はハラタケ目に分類されるキノコの科のひとつ。そのほとんどが菌根菌であるため、単生、もしくは散生で発生する。傘は円形で、条線があるものやイボ状の突起があるものもある。胞子紋は白色。柄はまっすぐ伸び、傘の中心に付く。傘と柄は容易に分離し、成菌の多くは明確なつばとつぼを持つ。食用となるものは美味だが、本科のキノコには毒を持つものが多く、中には猛毒菌もある。近年ではウラベニガサ科と統合し、ウラベニガサ科にしてしまう場合もある。
下位分類[編集]
- テングタケ属(Amanita)
- 代表的なものにテングタケやベニテングタケ、タマゴタケなどがある。中でも特に有名なベニテングタケは、その派手な色彩から猛毒と考えられがちだが、同属のドクツルタケやタマゴテングタケに比べてその毒性ははるかに弱く、少量の摂取なら重篤な中毒に陥ることはまずない。が、非常に毒性の強いα-アマニチンはやはり含まれるので、安易に摂食すべきではない。テングタケの傘表面には多量のイボテン酸(旨味成分でもある)が含まれており、乾燥すると脱炭酸してムッシモールとなる。これらを摂取すると双方が中枢神経系の抑制伝達物質であるγアミノ酪酸(GABA)の機能を阻害し、結果、GABA受容体に作用して精神錯乱や譫妄症状を引き起こす。テングタケの10~15%程度であるが、ベニテングタケにもイボテン酸が含まれる。テングタケ属の亜属には、テングタケ亜属とマツカサモドキ亜属がある。
- ヌメリカラカサタケ属(Limacella)
- ヌメリカラカサタケとチャヌメリカラカサタケは、日本でも秋の落葉樹林でしばしば観察できる。テングタケ属と違い、つば、つぼが両方ともはっきりしない。鱗片状にささくれ立った傘には粘性がある。毒はなく食用にもなるが、粉臭くて旨くない。近年でも数種の再分類がなされるなど、未だ不確定な要素が多い分類群である。
関連項目[編集]
参考文献[編集]
- 『北陸のきのこ図鑑』 著者:池田良幸/監修:本郷次雄 (橋本確文堂/2005年) ISBN 4893790927
- 『きのこ博物館』 著者:根田仁 (八坂書房/2003年) ISBN 489694819X