シラス (魚)
シラス(白子)とは、カタクチイワシ・マイワシ・イカナゴ・ウナギ・アユなど、体に色素がなく白い稚魚の総称。
シラウオ(白魚)、シロウオ(素魚)とよく混同され、シロウオのことをシラスと呼ぶ地方もあるが、ここでは稚魚について述べる。
これを塩ゆでにして干したものは、ちりめんじゃこ、白子干し(白子乾し)などと呼ばれる。
概要[編集]
シラスは、様々な魚の仔稚魚の総称であるが、白子干しなどの形で積極的に食用とされるのは、イワシ仔魚(主にカタクチイワシ)がほとんどである。ただ、捕獲方法の都合(シラス網と呼ばれる網を打って捕獲する)にもより、様々な魚の仔稚魚が混入することも珍しくは無い。この中には魚類だけではなくタコやイカの幼生やエビやカニのゾエア幼生(動物性プランクトンの一種)なども混入する。
ただ、こういった混在物でもあまり食用に適さないものを除き、食用に適するものだけを塩茹でにして干したものがいわゆる白子干しとして販売されているため、よくよく見ると明らかに形の違う生物が混じっている場合も見られ、そのいずれもが食べても大抵の場合は問題が無い。
幼魚はまだ骨格があまり発達しておらず、白子干しなどは様々な食品にまぶして丸のまま食べられる。ごはんの上にふり掛けたり、大根おろしと和えて醤油で味付けしたりして食べられる。蛋白質やカルシウムが豊富な食品である。
また一部地域ではシロウオのように、生きたままのシラスを酢醤油など調味料にくぐらせ、そのまま食べる「踊り食い」と呼ばれる食べ方も好まれる。
シラスウナギ[編集]
ウナギの場合は「シラスウナギ」といい、幼生はレプトケファルスと呼ばれる。シラスウナギはいわゆる「養殖ウナギ」の元として捕獲された後大切に飼育され、十分にウナギとして育った後に食用に出荷される。シラスウナギそのものは、あまり食用とはされない。ウナギ養殖業者間での引き合いもあり、キロ数万円以上(2000年頃)という高値で売れるためである。
なおレプトケファルスは海中のデトリタスを食べることが20世紀末にようやく判り、その飼育方法は1990年代末頃に発見されたばかりで、ここからの商業的養殖は依然として発展途上技術である。サメの卵黄を原料とする特殊な飼料を与えるという極めてコストが掛かる方法でもあるために、21世紀初頭の現状ではシラスウナギ養殖が唯一といって良い商業養殖手段である。
関連項目[編集]
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