クロムチタンイエロー
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クロムチタンイエロー(chrome titan yellow)は、セラミック顔料の1つで、ルチル型二酸化チタン(TiO2)にクロムとアンチモンあるいはタングステンが固溶した黄色顔料。クロムチタン黄(-き)とも呼ばれ、英語ではchromium titanium yellowと表記されることもある。二酸化チタンにクロムとアンチモンが固溶したものをTi-Cr-Sb系と呼び、二酸化チタンにクロムとタングステンが固溶したものをTi-Cr-W系と呼ぶ。橙色がかった地味な色調の上鮮明さに欠けるため、顔料としてのカラーコードはPigment Brown 24と茶色の顔料として扱われている。
なおクロムチタンイエロー以外のクロムを含む黄色顔料のクロムは全て6価なのに対して、クロムチタンイエローのクロムは3価である。そのためクロムチタンイエローは低毒性の安全な顔料であるといえる。
Ti-Cr-Sb系の製造法[編集]
二酸化チタン、酸化クロム(Cr2O3)、酸化アンチモン(Sb2O3)を配合し、1300℃で焼成することによりアンチモンはSb5+イオンとなり、ルチル型のCrSbO4の形でTiO2に固溶。
Ti-Cr-W系の製造法[編集]
二酸化チタン、酸化クロム(Cr2O3)、タングステン酸アンモニウム((NH4)2WO4)を配合し、Ti-Cr-Sb系同様1300℃で焼成し、三重ルチル型のCr2WO6の形でTiO2に固溶。
用途[編集]
クロムチタンイエローはセラミック顔料であるが、酸化チタンは釉薬と反応しやすいため、専らタイルの素地に練り込んで使用する。セラミック以外ではイギリスのウィンザー・アンド・ニュートン社ではクロムチタンイエローを使って透明水彩絵具のネープルスイエローディープを製造している。また同社のネープルスイエローはクロムチタンイエローと白色顔料からつくられる。