ひまわりと子犬の7日間
『ひまわりと子犬の7日間』(ひまわりとこいぬのなのかかん)は、2013年3月16日公開の日本映画。物語の舞台となった宮崎県では2013年3月9日に先行公開、2012年10月の東京国際映画祭でプレミア上映された。
概要[編集]
2007年に宮崎県中央保健所で実際に起こった出来事をもとにした作品。山田洋次監督の助監督・共同脚本を長年務めている平松恵美子の初監督作品である。殺処分というテーマには難航し脚本は30稿まで練り上げられている。撮影期間は2011年10月30日から12月21日、宮崎県宮崎市大塚台・田野、日南市宮浦・南郷町・丸山などでロケを行っている。
キャッチコピーは「命の期限は7日間。ぼくたちは奇跡を起こす。ただ、愛の力だけで――」。
全国232スクリーンで公開され、2013年3月16、17日の初日2日間で興収8,433万8,400円、動員7万3,708人になり、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第5位となった[1]。最終興行収入は5億6900万円[2]。
あらすじ[編集]
育たないと残された子犬をおじいさんとおばあさんが育てる。ところが、おばさんが亡くなり、おじいさんは老人ホームに。追いかけるが雨で匂いが消され、家は取り壊しになっている。
2007年宮崎。動物園が閉鎖され、保健所に勤める神崎は一緒に飼育係をしていた妻を亡くしている。犬を殺処分の7日間を勝手に延ばしていると上司から叱られている。そんな仕事を娘が知って会話も途切れる。ある日、苦情があって子犬と凶暴な母犬を捕まえる。娘は母犬たちを救えと嘆願。寒さで子犬が死ぬ。女友だちの獣医がブログで紹介。親子を引き取る人が現れるが、母親が安全という保証が必要だ。泊まりこみ、懐柔するが、噛まれ、「こいつの物語に一歩近づけた気がする」「人間がこいつを野良犬にした」という。殺処分の前日、娘が「ひまわり」と名づける。処分直前に飼い主を思い出して神崎になつき、親子で引き取ることにする。
キャスト[編集]
- 神崎彰司(宮崎県東部保健所 職員) - 堺雅人
- 五十嵐美久(五十嵐ペットクリニック獣医師) - 中谷美紀
- 安岡(宮崎県東部保健所 職員) - でんでん
- 佐々木一也(宮崎県東部保健所 職員) - 若林正恭(オードリー)
- 長友孝雄(ひまわりの飼い主) - 夏八木勲
- 長友光子(孝雄の妻) - 草村礼子
- 松永議員(市議会職員) - 左時枝
- 神崎里美(彰司の娘・小学5年生) - 近藤里沙
- 神崎冬樹(彰司の息子・小学1年生) - 藤本哉汰
- 神崎千夏(彰司の妻・故人) - 檀れい
- 桜井(宮崎県東部保健所 職員 彰司の上司) - 小林稔侍
- 神崎琴江(彰司の母) - 吉行和子
- ひまわり(母犬) - イチ(柴犬)
スタッフ[編集]
- 監督・脚本 - 平松恵美子
- 原案 - 山下由美『奇跡の母子犬』
- 企画 - 田沢連二
- プロデューサー - 石塚慶生、住田節子
- 撮影 - 近森眞史
- 照明 - 渡邊孝一
- 音楽 - 寺嶋民哉
- 美術 - 西村貴志
- ドッグトレーナー - 宮忠臣
- 録音 - 岸田和美
- 編集 - 小堀由起子
- 記録 - 柳沼由加里
- 装飾 - 湯澤幸夫
- 音楽プロデューサー - 竹中恵子
- 助監督 - 石川勝己
- 製作担当 - 大熊敏之
- ラインプロデューサー - 小松次郎
- 制作プロダクション - 松竹撮影所、東京スタジオ
- 制作協力 - 松竹映像センター
- 特別協賛 - インターローカルメディア
- 協力 - 宮崎県
- 助成 - 文化芸術振興費補助金
- 配給 - 松竹
- 制作 - 「ひまわりと子犬の7日間」製作委員会(松竹、テレビ東京、衛星劇場、テレビ大阪、テレビ愛知、ぴあ、宮崎放送、博報堂、Yahoo! JAPAN)
主題歌[編集]
- 「花」
- 作詞 - Sonar Pocket / 作曲 - Sonar Pocket・KAY / 編曲 - KAY / 歌 - ソナーポケット / レーベル - 徳間ジャパンコミュニケーションズ
受賞[編集]
- 第37回日本アカデミー賞 話題賞俳優部門(若林正恭)[3]
原案・関連書籍[編集]
- 原案:「奇跡の母子犬」山下由美/著(PHP研究所 2008年6月) ISBN 4-569-68776-8
- 映画ノベライズ:「ひまわりと子犬の7日間」平松恵美子/著(集英社 2013年1月) ISBN 4-08-745028-7
- サイドストーリー:「僕のきっかけ ひまわりと子犬の7日間・一也の場合」平松恵美子/監修・杉江松恋/著(メディアファクトリー 2013年1月) ISBN 4-8401-4953-4
- コミックス:「ひまわりと子犬の7日間」本田恵子/著・山下由美/原案・平松恵美子/脚本(集英社クリエイティブ 2013年2月) ISBN 4-420-15267-2
- 子供向けノベライズ:「ひまわりと子犬の7日間」五十嵐佳子/著・高野きか/絵(集英社 2013年3月) ISBN 4-08-321144-X
- フォトえほん:「フォトえほん ひまわりと子犬の7日間」坂田智昭/写真・高山リョウ/文(ホーム社 2013年3月) ISBN 4-8342-5186-1
脚注[編集]
- ↑ 『ドラえもん』がV2!『レ・ミゼラブル』はついに興収55億円突破!【映画週末興行成績】シネマトゥデイ 2013年3月19日
- ↑ (2014) [ 2013年 日本映画・外国映画業界総決算 ] キネマ旬報(2月下旬決算特別号) 1656 キネマ旬報社 2014 201 。
- ↑ () 第37回日本アカデミー賞優秀作品発表! 日本アカデミー賞公式サイト [ arch. ] 2014-03-07