お役所仕事
お役所仕事とは、日本の政府、省庁、役所、行政機関において、公務員や政治家が体力や精神を疲弊する事無く、自分たちのみ安定した繁栄をもたらすためにあみ出されたシステムの事。納税者にとってはただの税金のムダ使いだが、役人の健康や幸せ、保身のためになくなることがない。
目次
概要[編集]
役人の皆様には一般人が想像するよりも遙かに困難で厳しい職務が様々な形で存在していることになっている。その職務を軽減しなければ役人の身体がだるくなったり、目がしばしばしてしまったり、印鑑の押し過ぎやキーボードの操作によって手や指が疲れてしまったりと、楽しい生活が送れなくなる恐れがあるため、市民にも一定の負担を引き受けてもらうシステムである。
代表的なお役所仕事[編集]
たらい回し[編集]
もっとも良く見受けられる仕事の仕方。役人も人の子。面倒だから誰かに回しちゃえ。との考えから行われる手法だが、市民のハートを鋭く刺す恐れがある。
電話によるたらい回しと、接遇によるたらい回しの二通りがあり、その建物内でたらい回しされる分にはまだマシだが、あの役所、この役所と方々回される事もある。
- 市民「そちらから書類が届いたんですが、どうやって書けばいいのですか?」
- 役人A「ああ、それね。それはこちらじゃないですね。そのままお待ちください。電話回しますから」
- 役人B「はい○○課です」
- 市民「そちらから書類が届いたんですが、どうやって書けばいいのですか?」
- 役人B「えーっと、それかあ。それはですね。他の部署ですね。そのままお待ちください。電話回しますから」
- 役人C、D、Eなどに回された後。
- 役人A「あれ、さっきの人?ウチって言われた?じゃあまあいいや。で、どんな事聞きたいの?」
- 市民「ブチッ!」
このたらい回しの方針は、役所の中でも比較的現業色の強い警察庁でも徹底されており、2011年末に実際におきた、以下のやり取りがそれを体現している。
警察庁本部玄関前での1コマ
- 17年間逃亡中の特別手配犯平田(懸賞金付き)「特別手配されている平田です。出頭しました」
- 警察庁本部玄関前の警備担当の機動隊員(日本の警官の中でも上級職)「その件でしたら丸の内署へお願いします」
杓子定規[編集]
わがままな市民全員を納得させるサービスなどは存在しない。そこで普通なら最大公約数の市民や社会的弱者に合わせたサービスをすればいいようなものだが、さすがお役所はひと味違う。
- 市民「医療費の還付申請書類を持ってきました」
- 役人「あら~。ここね病院のハンコいるんだわ」
- 市民「え?じゃあこれダメですか?」
- 役人「ダメだね」
- 市民「何で書類くれた時に言ってくれなかったんですか?」
- 役人「聞きました?」
- 市民「???」
- 役人「だから、ここに病院のハンコいるんですか。って私に聞きました?」
- 市民「いや聞いてないですけど」
- 役人「聞いたら教えてあげたのに」
- 市民「ブチッ!」
社会保険庁の場合[編集]
一般的なお役所仕事と比較して、現在もっとも優れた仕事っぷりを見せているのが、社会保険庁である。
キーボードによる入力業務は、45分やったら15分休憩。小学生の授業時間45分で10分休憩よりも一段進んでいる。またこの規定は、公務員でない派遣には適用されないところが特徴である。
また、豊富な年金資金を元にして様々な物品を購入することも可能だ。例えば飛距離とコントロール性能に優れたゴルフボール。ボールだけあってもしょうがないという事で、ゴルフクラブ。いやいや道具だけでは腕が上がらないって事で、ゴルフ練習場。「ゴルフばっかりずる~い」という事で職員専用テニス場。そして全職員の疲れた身体を優しくほぐすマッサージチェア。至れり尽くせりのおもてなしである。
その他のお役所仕事[編集]
- 時間厳守
- 窓口は午前8時45分~11時59分59秒まで、午後1時~午後4時59分59秒まで1秒単位で管理運営されている。市民は1秒たりとも遅れてはいけない。
- 道路の掘り返し
- 上水道、下水道など公道に埋設されている物は全て別々に掘り返し、埋め戻す作業を行う。これにより道路が凸凹になり翌年の再舗装業務が発生する。
- ダム建設
- 自然環境に良くない事はもちろん理解しているが、役所の環境としては建設した方が良いため行われる。
- 箱物事業
- 市民の皆さんの文化面での発展のために、ここばっかりは骨身を惜しまず作ってくれる。遊園地や郷土資料館など、経営が成り立たなくても続けてくれる。
- 未来の予測は常に自分たちの楽のためにいい加減さが取り入れられる。しかし、元から予測なんて当たるほうが珍しいはずのもの。
- 役人の仕事を軽減し、かつ利権を手中にするための措置。稀にバレることがある。
- 役人に正当にサボってもらうためのルール。これさえ守れば他人の目も憚らず楽が出来る。時には不都合な事実の発覚を防ぎ、隠蔽することも出来る。
- 潰れる心配がないために、予報が外れても謝罪するどころか開き直る始末。確実な予報ではなく無難な予報を事務的に行う。
被災地支援の書籍のデジタル化。復興予算を無理やり消化(2013年6月)[編集]
経済産業省が中小出版社や東北の被災地への支援を掲げ、復興予算を投じた書籍の緊急電子化事業で、電子化された書籍の六割近くが出版大手五社の作品だった。中小からの申請が少ないため、大手に頼んで予算を消化していた。25%は東北と関係なく使われており、復興予算のずさんな使い方に疑問の声が上がっている。
この事業は「コンテンツ緊急電子化事業」(事業費20億円)。東日本大震災で被災した東北で、中小出版社が電子書籍を作る費用を国が半額補助することで、電子書籍市場を活性化するとともに復興に役立てようと、経産省が2011年度第三次補正予算に補助金10億円を計上。東京の社団法人「日本出版インフラセンター」(JPO)に事業委託し昨年度に実施された。
事業計画では(1)出版社が持つ東北関連書籍など復興に役立つ書籍を選定(2)東北・被災地域で一定要件を満たす企業を通じてデジタル化-すると説明。出版各社に電子化する書籍を募った。
ところが、JPOによると、中小からの申請は低迷。一社あたりの申込数の上限など、次々に条件を緩和して申請をかき集めた。
それでも2012年12月の締め切り直前までに集まった点数は予定の3割。大手に協力してもらい、やっと65,000点を確保した。この結果、中小のための予算だったのに全体の6割、38,000点が大手の作品となった。全体のうち2万点は、既に流通しているデータのファイル形式を変換しただけのものだった。
東北の復興に関しても、条件を緩和。東北外の制作会社を指定できるようにしたほか、義務としていた東北の図書館への寄贈をしなくてもよくなった。事業に携わった関係者によると、東北以外で作られた電子書籍は点数で3割以上、金額でも25%にのぼる。
JPOは、電子化する本が事業目的にかなうかどうか審査する委員会を設けていたが、事業開始直後に2回開いただけ。委員を務めたフリー編集者の仲俣暁生さんは「後半の大量の申請は、検討する機会もなかった。機能は果たせていない」と批判。出版社ごとの内訳も示されておらず、「誰でも検証可能なように内訳を公開すべきだ」と指摘する。
こうした批判を受けて、JPOは、有識者らによる第三者委員会を作り、事業の検証をすることを決めた。
経産省文化情報関連産業課の担当者は「(大手も含め)出版社は全部中小企業。全作業を東北でできるとは、もともと想定していない。被災地に電子書籍が産業として根付くことが重要で、すばらしい事業だった。出版社が面倒くさがって進めてこなかった電子化が急速に進んだのも、この事業のおかげ」と成果を強調した。
アダルト本やオカルト本も。復興予算の電子書籍化事業(2014年5月)[編集]
書籍の電子化を通じて東北復興を支援する。そんな名目で国が2012年度に10億円の復興予算を付けた「コンテンツ緊急電子化事業」(緊デジ)に、不適当な本があったなどの批判が起きている。事業を進めた団体は、出版社に対して内容の再確認を要請中だ。
緊デジで電子化されたマンガの書影を載せたチラシがある。題名は『あぁん…極上の快感エロス&Hぜんぶ見せますっ!!』。チラシは、仙台市の出版関係者の団体「歩く見る聞く東北」が22日に市内で開く緊デジを考えるイベントのためのもの。「これも復興事業なの」と問いかける。
緊デジは2013年3月末に6万4833点の電子化を終了。出版の業界団体で作る「日本出版インフラセンター」(JPO)が出版社に電子化したい書籍を募り、費用の半額にあたる10億円を復興予算でまかなった。
どんな本が事業にふさわしいのか。外部の審査委員会は目安を示した。「被災地の人びとの役に立つと出版社が考えるもの(娯楽的なものも含めて)を優先」「多様な試みがあって良いと思います。ただし、公費による補助であることは忘れないでください」
だが電子化した中に、アダルト本などが少なくとも100点ほど含まれていた。オカルト本や古い電子機器の解説本も。東北関連本は2,287冊にとどまり、「本当にふさわしいと思った本が集まったとは思えない」と審査委員会委員長を務めたライターの永江朗さんは謝罪した。
JPOは7日、各出版社に20日までに内容を再確認するよう求めた。補助金の返還も視野に入れている。
JPOは2012年6月に出版社から受け付けを開始。半年後を締め切りとしたが、11月の段階で集まったのは全体の1割だった。予算を使うには2013年3月末に電子化を終える必要がある。JPOは大手に頼み、予算を使い切れる6万点を確保した。「予算消化という官僚的な常識に振り回された結果」と永江さんはみる。