ぴえろ魔法少女シリーズ

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ぴえろ魔法少女シリーズ(ぴえろまほうしょうじょシリーズ)はスタジオぴえろ制作の魔法少女アニメシリーズ。2007年現在、計5作品が制作されている。一覧は別項参照。

なお、ぴえろ社内では本シリーズを単に“魔法少女シリーズ”と呼称しているが、本項では他社が制作した魔法少女シリーズとの区別化のため、項目名を便宜上“ぴえろ魔法少女シリーズ”とした。

概要[編集]

1983年7月より日本テレビ系ネット各局にて本放送された『魔法の天使クリィミーマミ』の好評を受け、以後より同作品の作風を継承した作品群が制作されシリーズ化。1980年代初頭から中盤にかけて約3年間に4作が連続で放送され、製作サイドが視聴を想定した低学年の女児とは別に青年アニメファンにも人気が出た。現時点での最新作『ファンシーララ』のみテレビ大阪製作、テレビ東京系列での放映である。

1998年(平成10年)、放送局をテレビ東京系に移し日テレでのシリーズ作品本放送終了から約12年ぶりに最新作『魔法のステージファンシーララ』が放送されたが半年で放送は終了、往時の人気を復活するまでには至らなかった。なお、当初から半年の放送予定だった[1]

現在はCS放送やケーブルテレビ、インターネットの動画配信サービスなどの各メディアでシリーズ作品群が不定期に放送されている。

シリーズ特徴[編集]

各作品に共通している特徴を下記に列挙する(一部例外あり)。

  • 主人公は小学生の少女。
  • 主人公は普通の人間。生まれつき魔法の力は持たないが、異世界(魔法の世界、妖精の住処など)の存在から魔法を授かる。
  • 異世界からの使者(主に妖精)である小動物状のキャラクターが、主人公のアドバイザー的存在として行動を共にする。
  • 主人公はステッキ状の道具と呪文で、大人の姿に変身する。変身の魔法以外は基本的に使用出来ない、もしくは使わない(例外は『パステルユーミ』)。
  • 新人歌手が主人公の声優と主題歌を担当する。(例外は『ペルシャ』。また『ファンシーララ』の主役・大森玲子は『〜ララ』以前から女優として活動していた)
  • 各エピソードは主人公の周囲に起こった出来事を描く。よって、他の魔法少女アニメと比べて日常ドラマの比率が高く、魔法少女の手に負えないレベルの出来事(政治・社会問題etc.)については、ほとんど扱わない。

作品一覧[編集]

正式シリーズ作品[編集]

ぴえろが正式にシリーズ作品と見なしている作品群。

  1. 魔法の天使クリィミーマミ1983年7月1日 - 1984年6月29日、全52話)
  2. 魔法の妖精ペルシャ1984年7月6日 - 1985年5月31日、全48話)
  3. 魔法のスターマジカルエミ1985年6月7日 - 1986年2月28日、全38話)
  4. 魔法のアイドルパステルユーミ1986年3月7日 - 1986年8月29日、全25話)
  5. 魔法のステージファンシーララ1998年4月5日 - 1998年9月27日、全26話)

OVA[編集]

複数シリーズのキャラクターによる合同作品。各シリーズから派生したOVAについては、それぞれの作品項目を参照のこと。

『艶姿 魔法の三人娘』 (1986年)
マミ・ペルシャ・エミの「ぴえろ魔法少女シリーズ」のヒロイン3人が温泉旅行に出かけ、それぞれの活躍を映したビデオを見てTVシリーズを懐古するという作品。過去3作の名場面を再編集し、ブリッジ部分に温泉旅行の約5分の新作映像を加えた計30分の構成。
3人がそれぞれのボーイフレンドに電話をかけて他の2人に紹介するシーンでは、各シリーズでヒロインの相手役を務めた水島裕がそれぞれの声を巧みに演じ別けている。
『魔女っ子クラブ4人組 A空間からのエイリアンX』 (1987年)
『マミ』から『ユーミ』までのヒロイン4人が一堂に会し、特別に与えられた魔法を使って変身し、地球を侵略するエイリアンと月面で激しい戦いを繰り広げるという話。各キャラクターの設定や世界観は既存のTVシリーズから完全に切り離されている。テーマや主張は特になく、同窓会的なノリの単純明快な「娯楽作品」で、発売当時のアニメージュ1987年08月号・アニメV1987年09月号・OUT1987年10月号のOVA評はいずれも、エンタテイメント性と既存の世界観との違和感を巡って評価が別れた。大沼弘幸は当時、玄光社刊「アニメビデオコレクターズマニュアル'88」の評で本作のエンタテイメント性を高く評価している。
モンスターが触手で魔法少女たちをいたぶるようなシーンがあるなど、内容を巡って製作側からも疑問や批判の声が挙がり[2]、担当作画監督の高木弘樹は明確な不快感を表し、TVスタッフの片山一良は名指しこそ避けたもののネガティブな姿勢を示した。現在ぴえろ公式サイトには『〜エイリアンX』に関する記述はない。
シリーズは本作の翌年に製作されたOVA『魔法のデザイナー ファッションララ ハーバーライト物語』を以て中断となり、次の企画である『魔法のステージファンシーララ』がTVアニメ化されるまで10年の歳月を要することになった。

その他[編集]

ぴえろはシリーズ作品と見なしていないが、企画に関わった作品など。

セイカノートオリジナルの魔法少女シリーズ
セイカノートと共同で文具向けに設定・キャラクターを制作し、約10年間商品が作られ続けた。
1988年3月11日には『ファッションララ』を元にOVA魔法のデザイナー ファッションララ〜ハーバーライトストーリー〜』(以下『ハーバーライト』)が製作・発売された。
ただし、『ハーバーライト』はリリース当時こそ“シリーズ5作目”と宣伝された[3]が、ぴえろの公式サイト上には『ハーバーライト』に関して言及したページがほとんど無く、『ファンシーララ』の情報ページの一部(ONLINE MAGAZINE→ファンシーララのひみつ)にのみ、“幻の第5弾”と称して簡単な作品紹介があった(現在はリニューアルにともない当該ページに直接アクセスはできない)。2007年7月にオープンした“魔法少女シリーズ公式サイト”には『ハーバーライト』やセイカノート作品関連の記述は一切ない。この事から、ぴえろは『ハーバーライト』を正式なシリーズ作品とは見なしていないと考えられる。
参考
上記作品群の他に、『クリィミーマミ』と『ペルシャ』の間に『夢世界ホッジポッジ』というオリジナル企画が立てられ、マミの制作スタッフによってパイロットフィルムも作られたが、TV放映には至らなかった。
このパイロットフィルムは1998年に発売された『ペルシャ』LD BOX 1および2003年に発売された『ペルシャ』DVD COLLECTION BOX 2に“映像特典”という形で収録されている。

トピックス・備考[編集]

  • ぴえろ制作作品ではないが、葦プロダクション作品の『魔法のプリンセスミンキーモモ』・『魔法のエンジェルスイートミント』などにも、本項“シリーズ特徴”に記載した作品特徴の類似性が見られる(『〜ミンキーモモ(第1作目)』は『クリィミーマミ』の前年、『スイートミント』は『パステルユーミ』の放送終了後約3年8か月後の放送)。本項作品群も含め、全て読売広告社が関与しており、『クリィミーマミ』自体が読売広告社によって『ミンキーモモ』に続く作品として製作されている。ただし、担当プロデューサーの大野実は、『ファンシーララ』では企画者として名を連ねるのみである。
  • 『クリィミーマミ』放映開始当初は日本テレビで毎週金曜18時00分〜18時30分に放映されていたが、同系列局についてはこの時間帯にローカルニュースや、クロスネット局の場合は他系列の全国ニュース(主にFNN系列)を編成・放送していたため、遅れネット(または未放送)の局もあった。
  • ジャンルとしては原状で後継作品がない作品群だが、2008年から『クリィミーマミ』のリバイバル人気により、様々な商品展開がなされている。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ただし『マミ』同様、好評であれば1年間に放送延長の可能性もあったことが、『ララ』のシリーズ構成を担当した望月智充公認ファンページのコーナー「ともみの真実 連載11回」での望月へのインタビューにおいて明かされている[1]
  2. 「魔女っ子倶楽部」(1987年バンダイ刊)のイラストコメントにて。
  3. 徳間書店「アニメージュ」1988年2月号掲載広告に明記。

外部リンク[編集]

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