白雪姫
『白雪姫』(しらゆきひめ、Schneewittchen、Schnee weischen標準ドイツ語)とは、ドイツのヘッセン州地方の民話。後にグリム兄弟(ヤーコプ・ルートヴィヒ・カルル・グリム、ヴィルヘルム・カール・グリム)の『グリム童話』("Kinder und Hausmärchen" (KHM))に収載された。KHM 53番目の童話。
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白雪姫というとても美しい王女がいた。彼女の継母(グリム童話初版本では実母)である王妃は、自分が世界で一番美しいと信じており、彼女の持つ魔法の鏡もそれに同意したため、満足な日々を送っていた。
白雪姫が7歳になったある日、王妃が魔法の鏡に「世界で一番美しい女性は?」と聞くと、白雪姫だという答えが返ってきた。王妃は怒りのあまり、猟師に白雪姫を森に連れて行き、白雪姫を殺し肝臓(※作品によっては心臓、となっている)をとってくるように命じる。白雪姫を不憫に思った猟師は彼女を殺せず、代わりに森の中に置き去りにしイノシシの肝臓をかわりにする。王妃はその肝臓を塩茹にして食べた。
白雪姫は、森の中で7人の小人(sieben Zwerge、英訳ではドワーフ)たちと出会い暮らすようになる。しかし、王妃が魔法の鏡に「世界で一番美しいのは?」と聞いたため、白雪姫がまだ生きている事が露見。王妃は物売りに化け、小人の留守を狙って胸紐を白雪姫に売り、胸紐を締め上げ息を絶えさせる。
帰ってきた7人の小人が胸紐を切って白雪姫を助け出すと、再び魔法の鏡により生きている事が露見。 毒つきの櫛を作り、白雪姫の頭に櫛を突き刺して白雪姫は倒れた。しかしまた、7人の小人が櫛を抜き蘇生させた。
そしてまたまた魔法の鏡により生きている事が露見。 王妃は、白雪姫を殺そうと毒リンゴを作り、リンゴ売りに化けて白雪姫に食べさせた。
白雪姫は毒リンゴを食べて倒れ、帰ってきた小人たちに発見されるが、小人たちは白雪姫が倒れた原因を見つける事が出来なかった。白雪姫は死んでしまった、と悲しみに暮れた小人たちは、白雪姫をガラスの棺に入れる。そこに王子が通りかかり、白雪姫を一目見るなり、死体でもいいからと白雪姫をもらい受ける。
家来に棺を運ばせるが、家来は途中で疲れて、やつあたりで棺から白雪姫を出し殴ると白雪姫は喉に詰まっていたリンゴのかけらを吐き出し、息を吹き返す。
その結婚披露宴で、王妃は真っ赤に焼けた鉄の靴を履かされ、死ぬまで踊らされた。
キャラクター
白雪姫
- 雪のように白い肌、血のように赤い唇、黒檀のように黒い髪を持つ少女。7歳のとき、王妃(継母、グリム童話初版本では実母)より美しく育ったために城を追い出され、その後小人の家で暮らす。王妃によって、10歳の時に毒リンゴを食べさせられることになる。
- モデルについては近年にいたるまでドイツ各地の郷土史家によって提唱されている。下記はその一例である。
- バイエルン州の都市「ローア・アム・マイン」に実在した「マリア・ソフィア・マルガレーテ・カタリーナ」姫。その地にある城郭の一つには、かつて妻に先立たれた方伯とその娘、折りの合わない継母が住んでいたといわれ、20世紀末からしばしば白雪姫城と呼ばれる。
- ヘッセン州ヴァルトエック=ヴィルドゥンゲン伯フィーリップ4世の次女マルガレータ(ドイツ語)。厳格な継母(ハッツフェルトのカタリーナ)をもつ佳人で知られ、周辺諸国との政争の中、わずか21歳で世を去っている(実家の資料によると毒殺)。なお彼女はブロンドであったようだが、グリム童話の初期の版の1つでは白雪姫の髪は黄色 (gelb) である。
最初の王妃
- 針仕事中に誤って針を指に刺すが、その血が白い雪の上に滴ったのを見て、肌は雪のように白く、唇は血のように赤く、髪は黒檀のように黒い子供が欲しいと思い、その思い通りの子供が生まれたが、すぐに息を引き取ってしまう。(グリム童話初版本では死なない。)
新しい王妃
- 自分が一番美しくなければ気が済まない女性。毒リンゴを作り白雪姫に食べさせる。最期は真っ赤に焼けた鉄の靴を履かされ死ぬまで踊らされる。(グリム童話初版本では白雪姫の生母である王妃と同一人物)
七人の小人
- sieben Zwerge。家から追い出された白雪姫を「ご飯を作り、寝床をしつらえて、洗濯をして、縫い物や編み物をして、どこもかしこもきれいにする」という条件付きでかくまってくれる。
- 小人の中には森の植物の研究をしていた。
- ディズニー映画以降、下記のような名前と、それに則した性格付けがなされる事が多い。
- Doc (ドク)=「先生」
- Grumpy (グランピー)=「怒りんぼう」
- Happy (ハッピー)=「幸せ」
- Sleepy (スリーピー)=「眠い」
- Bashful (バッシュフル)=「恥ずかしがりや」
- Sneezy (スニージー)=「くしゃみっぽい」
- Dopey (ドーピー)=「ぼんやり」
王子
- 毒リンゴを食べて亡くなったと思われた白雪姫を引き取る。
(初版のグリム童話では死体愛好家とされている)
魔法の鏡
- 自分の美の基準で実直に答える融通の利かない、自我を持った鏡。
『白雪姫』の変遷
この物語は、グリムの他の物語同様に様々な変遷を経た。
初版グリムでの記述
- 白雪姫を殺そうとし、又最後に焼けた靴を履かされて殺されたのは、継母では無く実の母であったとされる。
- 白雪姫を助けるのは7人の人殺しだったが、二版以降は7人の小人に変わった。
- ガラスの棺の白雪姫を王子が城に運んでも、ずっと眠ったままで、王子は四六時中、白雪姫を見つめていた期間があり、彼女が目覚めるまで時間がかかった。
ディズニー映画の白雪姫
1937年に発表されたディズニー初の長編カラーアニメーション映画である。詳細は白雪姫 (アニメ映画)("Snow White and the Seven Dwarfs")を参照。
- 白雪姫は、家来がつまずいた拍子ではなく王子の口づけにより目を覚ます。
- 継母は7人の小人に追われ、突然の雷に打たれて崖から落ちる。
その他
- 白雪姫がリンゴを吐き出した理由は、作品によっては
- 家来が藪に足を取られて倒れ、その拍子に吐き出した
- 王子が白雪姫を抱いているとき藪に足を取られて倒れ、その拍子に吐き出した。
などとするものも存在する。
- 継母の最期は、作品によっては
- 「毒リンゴを食べさせた後に再び鏡に訊ねたところ
- 白雪姫がまだ尚生きていることを知り、怒りの余り発狂し街へ飛び出しそのまま狂い死んでしまう
- 白雪姫がまだ尚生きていることを知り、癇癪を起こして鏡を叩き割り、その破片が心臓に刺さる
- 隣国の王子の妃が最も美しいと聞き、結婚式に見に行って死んだ筈の白雪姫と知ってショック死
- 7人の小人に崖から突き落とされ殺害される。
- 「毒リンゴを食べさせた後に再び鏡に訊ねたところ
などとするものも存在する。
日本語訳
菊池寛訳では、『小雪姫』(さゆきひめ)という訳題であった。
この節を書こうとした人は途中で寝てしまいました。後は適当に頑張って下さい。 |
関連項目
参考文献
- 吉原高志・吉原素子「グリム初版を読む」白水社出版 ISBN 4-560-00454-4
外部リンク
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